JPS6249896B2 - - Google Patents

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JPS6249896B2
JPS6249896B2 JP14540883A JP14540883A JPS6249896B2 JP S6249896 B2 JPS6249896 B2 JP S6249896B2 JP 14540883 A JP14540883 A JP 14540883A JP 14540883 A JP14540883 A JP 14540883A JP S6249896 B2 JPS6249896 B2 JP S6249896B2
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vinyl chloride
chloride resin
dispersion
organic solvent
water
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JP14540883A
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Kyoji Yoshida
Terutaka Tanaka
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Mitsubishi Kasei Polytec Co
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Mitsubishi Monsanto Chemical Co
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、粉末状の塩化ビニル系樹脂の表面同
士を付着させた多孔質構造を有する、可塑剤を含
まない塩化ビニル系樹脂多孔質フイルムの製造方
法に関するものである。 塩化ビニル系樹脂を基体として、蓄電池用微孔
性セパレーターや、多孔質擬皮革等を製造する技
術としては、特公昭39−23858号公報、特公昭40
−5236号公報、特公昭43−5234号公報、特公昭45
−5861号公報、特公昭45−37877号公報、特公昭
47−16984号公報、特公昭47−45945号公報、特公
昭52−35703号公報、特公昭53−11987号公報等に
記載の方法が提案され、一部実用化されている。 これら既提案の方法のうちで、硬質塩化ビニル
系樹脂多孔質フイルム、シートを製造する技術
は、次の二つに大別される。 (1) 溶液法 塩化ビニル系樹脂と可塑剤とを、塩化ビニル
系樹脂を溶解する溶剤に均一に分散、溶解さ
せ、この溶解液を表面剥離性を有する基体に塗
布して塗布膜とし、この塗布膜から溶剤を蒸発
させたのち、フイルム、シート中に含まれてい
る可塑剤を、この可塑剤を抽出可能な他の溶剤
で、抽出除去する方法。 (2) 乾式法 塩化ビニル系樹脂粉末に、要すれば他の樹脂
添加物を添加し、表面剥離性を有する基体に塗
布し、これを加熱し、樹脂粉末の表面のみを溶
融させ、相互に付着させる方法。 上記(1)溶液法によるときは、溶剤回収、可塑剤
抽出の工程が繁雑となり、製品コストが割高にな
るという欠点がある。他方、(2)乾式法によるとき
は、厚さが0.3〜0.5mmより薄いフイルムは製造で
きないばかりでなく、生産性が悪く、更にこの方
法で得られたフイルムは極めて脆く、限られた用
途にしか使用できないという欠点があつた。 本発明者らは、かかる状況に鑑み、厚さが0.05
〜0.2mm程度の、硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質
フイルムを、工業的有利に製造する方法を提供す
ることを目的として、鋭意検討した結果、本発明
を完成するに至つたものである。 しかして、本発明の要旨とするところは、平均
粒子径が50ミクロン以下の塩化ビニル系樹脂を、
水と、水と混合しあい塩化ビニル系樹脂を膨潤ま
たは溶解し、かつ、沸点が110℃以上の有機溶剤
との混合物に、分散させて分散液とし、この分散
液を、表面剥離性を有する基材に塗布して塗布膜
を形成し、ついでこの塗布膜を加熱し、水および
有機溶剤を蒸発させたのち、冷却することを特徴
とする硬質塩化ビニル系樹脂多孔質フイルムの製
造方法に存する。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩
化ビニルおよび塩化ビニルを主体とする共重合体
を意味する。塩化ビニルと共重合しうるモノマー
としては、ビニルエステル類、ビニルエーテル
類、アクリル酸またはメタクリル酸およびこれら
のエステル類、マレイン酸またはフマール酸およ
びこれらのエステル類、ならびに無水マレイン
酸、芳香族ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデン
化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、エチレン、プロピレンなどがあげられる。こ
れらモノマーに、微量の多官能基含有化合物を添
加し、部分架橋させたものであつてもよい。ポリ
塩化ビニルの場合は、平均重合度が500〜4000程
度のもの、共重合体にあつてはこれらポリ塩化ビ
ニルとほぼ同等の見掛け平均重合度(粘度)をも
つものが、好ましく使用される。 上記塩化ビニル系樹脂は、平均粒子径50ミクロ
ン以下のものを用いる。平均粒子径が50ミクロン
より大であると、最終的に得られる多孔質フイル
ムの強度、多孔度を調節するのが困難で、これら
2つの性質の均衡したフイルムとすることができ
ない。平均粒子径が50ミクロン以下であれば、強
度、多孔度の2つの性質の均衡したフイルムを得
ることができるが、余り小さすぎると孔が小さく
なりすぎるので、1ミクロン以上のものが好まし
い。 塩化ビニル系樹脂は、平均粒子径が上記範囲内
であれば、ほぼ均一平均粒子径のもの一種を用い
てもよいし、平均粒子径の異なるものを二種以上
組み合せて用いてもよい。 なお、塩化ビニル系樹脂は、最終的に得られる
多孔質フイルムの通気量、強度、空隙率などによ
つて、単一樹脂(ホモポリマー)としたり、二種
以上の樹脂を組み合せて用いることもできる。 本発明によるときは、まず、上記塩化ビニル系
樹脂を、水と、水と混合しあい塩化ビニル系樹脂
を膨潤または溶解し、かつ、沸点が110℃以上の
有機溶剤との混合物に分散させて分散液とする。 この分散液調製に用いられる有機溶剤は、塩化
ビニル系樹脂粉末表面を膨潤または溶解させ、粒
子表面同士が付着し易くする機能を果すものであ
り、粒子表面を膨潤または溶解させたのちは、簡
単に蒸発させ易いものがよい。また、この際溶剤
が簡単に蒸発させ易くするため、沸点が110℃以
上のものがよい。沸点が110℃より低いと、粒子
表面同士を付着させる前に、蒸発して完全になく
なつてしまうし、フイルム表面に亀裂が入りやす
く、好ましくない。 分散液調製に用いられる有機溶剤は、水に混じ
り合うものを使用する。水と混合しあわない有機
溶剤を用いるときは、たとえこれを水に分散させ
たとしても、有機溶剤が樹脂粒子に強く作用し、
粒子を溶解しすぎて粒子の外形をくずしたり、形
をとどめなくしてしまい、多孔質フイルムとする
ことができないので、好ましくない。 上記性質を具備した有機溶剤の具体例として
は、エチレングリコールジエチルエーテル(b.p.
=124℃)、ジメチルホルムアミド(b.p.=153
℃)、ジメチルアセトアミド(b.p.=166℃)、ジ
エチルホルムアミド(b.p.=178℃)、ジエチレン
グリコールジエチルエーテル(b.p.=186℃)、N
―メチルピロリドン(b.p.=203℃)、γ―ブチロ
ラクトン(b.p.=204℃)等があげられる。これ
らの中で、ジメチルホルムアミド、N―メチルピ
ロリドン、γ―プチルラクトンが特に好ましい。 分散液を調製する際には分散剤を用いるのが好
ましい。分散剤として使用可能なものは、通常界
面活性剤として知られているものでよい。例え
ば、脂肪酸石けん、アルキル硫酸エステル塩、ア
ルキルスルホン酸塩のようなアニオン界面活性
剤;第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級ア
ミン塩のようなカチオン界面活性剤;アルキルベ
タインのような両性界面活性剤;ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアミン等の非イオン界面活性剤があげられ
る。 上記分散剤は、塩化ビニル系樹脂と有機溶剤と
の合計量に対して、0.1〜10.0重量%の範囲で使
用すればよい。 塩化ビニル系樹脂粉末と有機溶剤とを水に分散
させるには、次の方法のいずれによつてもよい。 (1) 水、塩化ビニル系樹脂粉末、分散剤とによつ
て、塩化ビニル系樹脂粉末を水に分散させた分
散液Bを調製する。これとは別に、水、有機溶
剤、分散剤とによつて、有機溶剤を水に分散さ
せた分散液Aを調製する。分散液Aと分散液B
とを混合し、目的の分散液とする方法。 (2) 水、有機溶剤、分散剤とによつて、有機溶剤
を水に分散させた分散液Aを調製し、これに塩
化ビニル系樹脂粉末を加えて混合し、目的の分
散液とする方法。 (3) 分散剤を溶解した水溶液に、有機溶剤と塩化
ビニル系樹脂粉末とを加えて混合し、目的の分
散液とする方法。 分散液を調製する際、塩化ビニル系樹脂粉末と
有機溶剤との割合は、塩化ビニル系樹脂の種類、
樹脂粉末の平均粒子径、有機溶剤の種類等によつ
て種々選ぶことができるが、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して、有機溶剤1〜50重量部の範
囲で選ぶのが好ましい。 分散液を調製する際、水、塩化ビニル系樹脂粉
末、有機溶剤の配合割合は、分散液を基体に塗布
し、塗布膜を形成し易い粘度に調節した割合とす
るのがよい。好ましい配合割合は、分散液全重量
に占める塩化ビニル系樹脂と有機溶剤との重量の
和が、40重量%以上とするのが好ましい。 水、塩化ビニル系樹脂粉末、有機溶剤から分散
液を調製する際に使用する分散機は、液体に固体
を分散する目的で従来から使用されている撹拌混
合機であつてよい。 上記分散液を調製する際に、樹脂安定剤、紫外
線吸収剤、充填材、染料、顔料、難燃剤等を少量
添加、混合することができる。 上記方法で分散液を調製する際に、分散液に
は、気泡、ゲル、塊状物が含まれることがあるの
で、これらは真空脱泡機、ホバートミキサー、ロ
ールミル、フイルター等を用いて除去するのが好
ましい。 本発明によるときは、上記方法で調製した分散
液を、表面剥離性を有する基材に塗布する。この
基材は、分散液にもとづく塗布膜を支持する機能
を果すものである。基材は、金属薄板、紙、耐熱
性樹脂薄板より構成するのがよい。この基材の塗
布膜を形成する面には、塗布膜を加熱したのちに
得られる多孔質フイルムが、剥離しやすいよう
に、離型剤を塗布するなどにより、表面剥離性を
付与しておく。 分散液を基材に塗布して、塗布膜を形成するに
は、スプレイコート法、ロールコート法、グラビ
アコート法、リバースコート法、デイツプコート
法、ナイフコート法等の、それ自体公知の各種塗
布方法によればよい。 表面剥離性を有する基材の表面に形成する塗布
膜の厚さは、次の加熱工程、冷却工程を経て得ら
れる多孔質フイルムの厚さが、50〜200ミクロン
の範囲になるように調節するのがよい。塗布膜を
加熱すると、まず水分が、ついで有機溶剤が蒸
発、揮散するので、最終的に得られる多孔質フイ
ルムの厚さは、もとの塗布膜に較べて、これに含
まれている水分、有機溶剤に相当する割合で薄く
なる。多孔質フイルムは、余り薄すぎると強度が
充分でなく、実用性が劣るので好ましくなく、逆
に余り厚すぎると充分な通気性を発揮しえなくな
る。このため、厚さを50〜200ミクロンの範囲と
するのがよい。 本発明によるときは、上記方法で形成した塗布
膜を、加熱して塗布膜中の水分と有機溶剤を蒸
発、揮散させる。塩化ビニル系樹脂粒子は、分散
液中に配合された有機溶媒によつて、表面が膨潤
ないし溶解され、粒子相互の間隙が接近し接触し
たときには付着しやすい状態にされている。塗布
膜に含まれている水分および有機溶剤を蒸発、揮
散させると、粒子表面相互が接触し付着し、多孔
質フイルムが得られる。 塗布膜中に含まれる水分の蒸発を急激に行なう
と、最終的に得られる多孔質フイルムの表面に、
多数の小さな亀裂が生ずることが多い。 この小さな亀裂の生成を防止するために、有機
溶剤蒸発、揮散のための加熱を行なう前に、65℃
〜85℃の温度範囲で、5分以内の予備加熱を行な
い、塗布膜中の水分のかなりの割合を、蒸発、揮
散させるのがよい。特に、塗布膜中に含まれる水
分が多く、有機溶剤が少ない場合は、予備加熱を
行なうと、表面に亀裂のない多孔質フイルムが得
られ、好ましい。 塗布膜は、上記の予備乾燥を行ない、または行
なわずに、加熱し、水分を完全に蒸発、揮散さ
せ、有機溶剤も蒸発、揮散させて、多孔質フイル
ムを得る。この際の加熱温度は、塩化ビニル系樹
脂の種類、樹脂粒子の平均粒子径、有機溶剤の種
類、添加量、目的とする多孔質フイルムの強度、
多孔度または孔径等により変更することができ
る。好ましいのは、170〜200℃の温度範囲とし、
この温度で2〜3分間加熱するのがよい。 本発明によるときは、上記のように、塗布膜を
加熱し、水分、有機溶剤を蒸発、揮散させるに
は、熱風による加熱が好ましいが、安全性の面に
充分配慮すれば、他の加熱方式を採用することも
できる。 本発明に従い、加熱により、水分、有機溶剤を
蒸発、揮散させて得られる多孔質フイルムは、常
温付近まで冷却し、表面剥離性を有する基材から
剥離して、ロール状に巻き取る。多孔質フイルム
を常温付近まで冷却するには、自然放冷、常温の
空気や冷した空気を吹きつける方式等、いずれを
採用してもよい。 本発明方法によつて得られる硬質塩化ビニル系
樹脂製の多孔質フイルムは、通常の硬質塩化ビニ
ル系樹脂フイルムと同様、切断、接着等の二次加
工が可能である。本発明方法によつて得られる多
孔質フイルムは、単独で包装用、蓄電池用セパレ
ーター、フイルター等として使用できるほか、不
織布、網等で補強して包装用、フイルター等とし
て使用することができる。 本発明方法は、次のように特別に顕著な効果を
奏し、産業上の利用価値は極めて大である。 (1) 本発明方法によるときは、従来法では製造が
困難であつた厚さ50〜200ミクロンの範囲の、
硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フイルムを、極
めて容易に製造することができる。 (2) 本発明方法によるときは、強度、多孔度(ま
たは孔径)の2つの性質が均衡し、品質の優れ
た硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フイルムを、
極めて容易に製造することができる。 以下、本発明を実施例にもとづいて更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の例に限定されるものではない。 実施例 1 水90.32重量%、N―メチルピロリドン
(NMP、b.p.=203℃)0.88重量%およびドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ(DBS)8.8重量%を
含む分散液Aを調製した。この分散液A100重量
部に対して、平均重合度1100、平均粒子径10ミク
ロンのポリ塩化ビニル粉末88重量部を、秤量、撹
拌、混合して、分散液を調製した。 上記分散液を、真空脱泡機で脱泡した後、100
メツシユの篩で過し、固形分を除去した分散液
を得た。 このようにして得た目的の分散液を、市販され
ている離型紙(紙の表面に離型剤が塗布されてい
る紙)の表面に、ナイフコート法により塗布し、
塗布膜を形成した。 この塗布膜を形成した離型紙を、70℃に調節し
た熱風炉に3分間放置して、塗布膜の予備乾燥を
行なつた。 続いて、この予備乾燥終了後の塗布膜を、離型
紙にのせたまま、200℃に調節した熱風炉に2分
間滞留させ、水分をほぼ完全に蒸発、揮散させ、
同時に、樹脂粉末粒子表面を膨潤ないし溶解した
有機溶剤をも蒸発、揮散させ、樹脂粒子の表面
を、隣接する粒子表面に付着させた。 上の加熱、液体成分の蒸発、揮散の操作終了
後、フイルムを冷却し、平均厚さ100ミクロンの
多孔質フイルムを得た。 得られたフイルムについて、多孔性を判定する
ために通気量を測定し、強度を判定するために引
張り強さを測定した。その結果を第1表に示す。 実施例 2 水88.56重量%、NMP2.64重量%およびDBS8.8
重量%を含む分散液Aを調製した。この分散液
A100重量部に対して、実施例1で用いたと同種
のポリ塩化ビニル粉末88重量部を秤量、撹拌、混
合し、脱泡して目的の分散液を得た。 この分散液から実施例1に記載したと同様の手
順で、多孔質フイルムを製造した。 得られたフイルムについて、通気量、引張り強
さを、実施例1に記載したと同様に測定した。結
果を第1表に示す。 実施例 3 水82.4重量%、NMP8.8重量%およびDBS8.8重
量%を含む分散液Aを調製した。この分散液
A100重量部に対して実施例1で用いたと同種の
ポリ塩化ビニル粉末88重量部を秤量、撹拌、混合
し、脱泡して、目的の分散液を得た。 この分散液から、実施例1に記載したと同様の
手順で、多孔質フイルムを製造した。 得られたフイルムについて、通気量、引張り強
さを実施例1に記載したと同様に測定した。結果
を第1表に示す。 実施例 4 水64.8重量%、NMP26.4重量%およびDBS8.8
重量%を含む分散液Aを調製した。この分散液
A100重量部に対して、実施例1で用いたと同種
のポリ塩化ビニル粉末88重量部を秤量、撹拌、混
合し、脱泡して、目的の分散液を得た。 この分散液から、実施例1に記載したと同様の
手法で、多孔質フイルムを製造した。 得られたフイルムについて、先きの例と同様に
して、通気量、引張り強さを測定した。結果を第
1表に示した。 実施例 5 水47.2重量部、NMP44.0重量部およびDSB4.8
重量部を含む分散液Aを調製した。これとは別
に、水50重量部、実施例1で用いたと同種のポリ
塩化ビニル粉末88重量部およびDSB4.0重量部を
含む分散液Bを調製した。 分散液Aと分散液Bとを混合、撹拌し、脱泡
し、固形分を過して、目的の分散液を得た。 得られた分散液から、実施例1に記載したと同
様の手順で、多孔質フイルムを製造した。 得られたフイルムについて、先きの例と同様に
して、通気量、引張り強さを測定した。結果を第
1表に示す。 実施例 6 実施例3に記載の例において、有機溶剤をジメ
チルホルムアミドに代えたほかは、同例に記載の
場合と同様とした。 実施例 7 実施例3に記載の例において、ポリ塩化ビニル
を、平均重合度1100、平均粒子径5ミクロンのも
のに代えたほかは、同例に記載の場合と同様とし
た。 実施例 8 実施例3に記載の例において、ポリ塩化ビニル
を、平均重合度1000、平均粒子径40ミクロンのも
のに代えたほかは、同例に記載の場合と同様とし
た。 比較例 1 水90.76重量%、NMP0.44重量%およびDBS8.8
重量%を含む分散液Aを調製した。この分散液
A100重量部に対して、実施例1で用いたと同種
のポリ塩化ビニル粉末88重量部を秤量、撹拌、混
合、脱泡、過して、目的の分散液を得た。 この分散液から、実施例1に記載したと同様の
手法で、多孔質フイルムを製造した。 得られたフイルムについて、先きの例と同様に
して、通気量、引張り強さを測定しようとした
が、フイルムに亀裂が生じ、測定できなかつた。 比較例 2 水58.4重量部、NMP52.8重量部およびび
DBS4.8重量部を含む分散液Aを調製した。これ
とは別に、水40重量部、を含む分散液Aを調製し
た。これとは別に、水50重量部、実施例1で用い
たと同種のポリ塩化ビニル粉末88重量部および
DBS4.0重量部を含む分散液Bを調製した。 分散液Aと分散液Bとを混合し、撹拌し、脱泡
し、固形分を過して、目的の分散液を得た。 得られた分散液から、実施例1に記載したと同
様の手順で、多孔質フイルムを製造した。 得られたフイルムについて、実施例1の場合と
同様にして、通気量、引張り強さを測定した。結
果を第1表に示す。 比較例 3 実施例3に記載の例において、有機溶剤をアセ
トン(b.p.=56.3;水と混ざり合い、ポリ塩化ビ
ニルを膨潤し、溶解する。)に代えたほかは、同
例に記載の場合と同様とした。 得られたフイルムについて、実施例の場合と同
様、通気量、引張り強さを測定しようとしたが、
フイルムに亀裂が生じ、測定できなかつた。 比較例 4 実施例3に記載の例において、有機溶剤をエチ
レングリコール(b.p.=197.8℃;水と混合しあ
うが、ポリ塩化ビニルを膨潤したり溶解したりし
ない。)に代えたほかは、同例に記載の場合と同
様とした。 得られたフイルムについて、実施例の場合と同
様、通気量、引張り強さを測定しようとしたが、
フイルムに亀裂が生じ、測定できなかつた。 比較例 5 実施例3に記載の例において、ポリ塩化ビニル
を、平均重合度1000、平均粒子径80ミクロンのも
のに代えたほかは、同例に記載の場合と同様とし
た。 ポリ塩化ビニルの平均粒子径が大きすぎて、厚
さ100ミクロンの多孔質フイルムを得ることはで
きなかつた。 比較例 6 実施例7に記載の例において、有機溶剤をシク
ロヘキサノン(b.p.=156℃;ポリ塩化ビニルを
膨潤したり、溶解したりするが、水と混じり合わ
ない。)に代えたほかは、同例に記載の場合と同
様とした。 ポリ塩化ビニル粒子表面が好ましく膨潤されな
いので、フイルム化することができなかつた。
【表】 第1表より、次のことが明らかとなる。 (1) 本発明方法によるときは、通気量、強度とも
に均衡した多孔性フイルムを工業的有利に製造
することができる。 (2) これに対して、ポリ塩化ビニル粉末の平均粒
子径が大きすぎる場合(比較例5)、有機溶剤
の使用量が少なすぎたり(比較例1)、多すぎ
たり(比較例2)した場合、使用する有機溶剤
が、特許請求の範囲に規定する条件を満たさな
い場合(比較例3,4,6)は、多孔質フイル
ムを製造することが困難である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 平均粒子径が50ミクロン以下の塩化ビニル系
    樹脂を、水と、水と混合しあい塩化ビニル系樹脂
    を膨潤または溶解し、かつ、沸点が110℃以上の
    有機溶剤との混合物に、分散させて分散液とし、
    この分散液を、表面剥離性を有する基材に塗布し
    て塗布膜を形成し、ついでこの塗布膜を加熱し、
    水および有機溶剤を蒸発させたのち、冷却するこ
    とを特徴とする硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フ
    イルムの製造方法。 2 水と有機溶剤との混合物に、少量の分散剤を
    添加することを特徴とする、特許請求の範囲第1
    項記載の硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フイルム
    の製造方法。 3 分散液全重量に占める塩化ビニル系樹脂と有
    機溶剤との重量の和が、40重量%以上であること
    を特徴とする、特許請求の範囲第1項ないし第2
    項記載の硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フイルム
    の製造方法。 4 塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、有機
    溶剤を1〜50重量部の範囲内で選ぶことを特徴と
    する、特許請求の範囲第1項〜第3項記載の硬質
    塩化ビニル系樹脂製多孔質フイルムの製造方法。 5 塗布膜を加熱し、水および溶剤を蒸発させる
    前に、65℃〜85℃の温度範囲内で、5分以内予備
    加熱することを特徴とする、特許請求の範囲第1
    項〜第4項記載の硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質
    フイルムの製造方法。 6 塗布膜を加熱し、水および溶剤を蒸発させる
    温度を、170℃〜200℃の温度範囲内で選ぶことを
    特徴とする、特許請求の範囲第1項〜第5項記載
    の硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フイルムの製造
    方法。 7 有機溶剤は、N―メチルピロリドン、ジメチ
    ルホルムアミド、γ―ブチルラクトンの1種また
    は複数種の組み合せよりなることを特徴とする、
    特許請求の範囲第1項〜第6項記載の硬質塩化ビ
    ニル系樹脂製多孔質フイルムの製造方法。 8 フイルムの厚さを、50〜200ミクロンの範囲
    とすることを特徴とする、特許請求の範囲第1項
    〜第7項記載の硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フ
    イルムの製造方法。
JP14540883A 1983-08-09 1983-08-09 硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フイルムの製造方法 Granted JPS6036537A (ja)

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JP14540883A JPS6036537A (ja) 1983-08-09 1983-08-09 硬質塩化ビニル系樹脂製多孔質フイルムの製造方法

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