JPS624899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は磁気記録再生装置の磁気ヘツド装置
に関する。

ビデオテープレコーダ（以下VTRと称する）
においては、そのカセツト収納体にカセツトを挿
入し、該カセツト収納体をVTR本体の所定位置
に押えつけると、前記カセツトはVTRのリール
軸に関連づけられる。この場合、カセツトのテー
プは、リング状のローデイングデイスクによつて
自動的にカセツト内から引き出され、回転ヘツド
の外周に巻きつけられ、次の操作を待つように準
備される。この場合前記テープは、その走行路の
途中において、消去用磁気ヘツド、回転磁気ヘツ
ド、音声・コントロール用磁気ヘツド等に対応さ
せられる。回転磁気ヘツドは、テープの幅方向に
斜めに記録トラツクを設定し、前記音声・コント
ロール用磁気ヘツドは固定位置に設けられてテー
プの幅の両側にそれぞれ音声信号トラツク、コン
トロール信号トラツクをテープ長さ方向へ設定す
るようになされている。

そして、音声・コントロール用磁気ヘツドは互
換性特の問題からヘツドの高さが規格化されてお
り、この高さはVTR本体に取り付ける前に調整
されていたが、音声多重の様に音声信号トラツク
の幅が狭くなつた場合、磁気ヘツドをVTR本体
に取り付けた後にテープの走行を変えない様に高
さを調整することが必要である。

第１図は磁気ヘツド装置の一例を示すもので、
同図ａはヘツド装置の正面図で、同図ｂは上部よ
りみた図である。この磁気ヘツド装置は一対のテ
ープガイド板Ａ，ＢがカシメガイドＣによつて一
体化され、両ガイド板Ａ，Ｂの対応する穴間には
スリーブD₁，D₂が嵌め込まれる。また、ヘツド
本体Ｅは調整板Ｇに螺子等で固定されている。こ
の調整板Ｇは前記テープガイド板Ｂに螺子H₁，
H₂，H₃で一体化された固定板Ｆに螺子I₁，I₂，
J₁，J₂で調整可能に取り付けられている。

このように構成される磁気ヘツド装置は例えば
スプリングL₁，L₂を介した螺子K₁，K₂によつて
VTRの固定シヤーシに固定される。そして螺子
K₁，K₂が回わしてテープ縁部がスリーブD₁，D₂
端に形成されたフランジＤ_1a，Ｄ_2aに一致するよ
うに設定される。

またヘツド本体Ｅの高さ調整は調整螺子I₂と傾
き支点螺子I₁を回すことによつて得られ、この螺
子I₁，I₂の調整量によつてヘツド本体Ｅの前後方
向の傾き、つまりチルト調整もなされる。テープ
走行方向の傾き、つまりアジマスの調整は螺子
J₁，J₂によつてなされる。

しかしながら、この磁気ヘツド装置において
は、高さ調整とチルト調整が同じ螺子I₁，I₂によ
つてなされるので、調整が困難でテープ走行に変
化を与えやすい。また、２枚のガイド板Ａ，Ｂを
カシメガイドＣでかしめた構成であり小型化が困
難である。さらにまたヘツド本体Ｅの上面側にガ
イド板Ｂ、調整板Ｇ、固定板Ｆ等があるため、螺
子K₁，K₂を回して装置をテープ高さに合わせる
場合に、テープが上部からみえにくいという欠点
がある。さらにまたヘツド本体Ｅのがたつきを防
止するためには２本の螺子K₁，K₂及びスリーブ
D₁，D₂が必要で、機構や複雑である。その上ア
ジマスが変化しやすい欠点を有している。

第２図は磁気ヘツド装置の他の例を示すもの
で、Ｏは調整板であり、この調整板Ｏの上面の両
端にはスリーブP₁，P₂がかしめられて取り付けら
れている。この調整板Ｏの上方にはその上面にヘ
ツド本体Ｒが固定された固定板Ｑが調整可能に配
設される。すなわち、ヘツド本体Ｒの高さ調整は
傾き支点螺子Ｓとこの螺子Ｓに対して第１図で示
した螺子I₁に対する螺子I₂の関係と同じような関
係で配設される調整螺子（図示せず）によつて得
られ、これらの螺子の調整量によつてヘツド本体
Ｒのチルト調整も得られる。アジマス調整は螺子
T₁，T₂によつて得られる。

なお、上記磁気ヘツド装置は例えばVTRの固
定シヤーシに植設されたシヤフトU₁，U₂をそれ
ぞれスプリングV₁，V₂を介してスリーブP₁，P₂
の中空に挿入し、螺子溝の形成されたシヤフト
V₁，V₂の上端にそれぞれナツトW₁，W₂が螺合さ
れることにより前記シヤーシに固定される。そし
てこのナツトW₁，W₂を回してテープ縁部がスリ
ーブP₁，P₂端に形成されたフランジに一致するよ
うに設定される。

このような構成においても、高さ調整とチルト
調整を行なうための螺子が同一で、両調整が困難
である。また、装置のがたつきを防止するために
２本のシヤフトV₁，V₂及びスリーブP₁，P₂が必
要で機構上複雑である。その上アジマスが変化し
やすい。

この考案は上記の事情に対処すべくなされたも
ので磁気ヘツドの各種調整を独立して行なうこと
ができ、かつ構成簡易な磁気記録再生装置の磁気
ヘツド装置を提することを目的とする。

以下、図面を参照してこの考案の実施例を詳細
に説明する。

第３図はこの考案の一実施例を示すもので、図
中１１はヘツド取付板で、テープ走行方向、つま
り図示矢印（Ｘ←→X′）方向に設定された切り込
み１１ａ，１１ｂの部分においてVTR本体に固
定されたシヤーシに例えば螺子１２ａ，１２ｂに
よつて固定される。このヘツド取付板１１の上面
には上端部に螺子溝が形成された調整軸としての
シヤフト１３がかしめられている。さらにまたこ
のヘツド取付板１１の上面にはスライドボス１５
が設けられている。１７はヘツド取付板１１の上
方に配設されるヘツド調整板である。この調整板
１７の前記シヤフト１３に対応する部分には穴１
７ａが設けられ、支点軸案内体としてスリーブ１
８がかしめられている。また、この調整板１７の
前記スライドボス１５に対応する部分には傾き調
整支点軸２１の軸部２１ａが上方より挿入される
穴１７ｂが設けられている。この穴１７ｂの内径
は軸部２１ａの軸径より径大に設定されている。
２２はヘツド調整板の上部に配設されるヘツド固
定板である。このヘツド固定板２２にはヘツド本
体２７が穴２２ｆ，２２ｇ，２２ｈを利用してそ
の上面に固定される。またこのヘツド固定板２２
の前記支点軸２１の円錐形状の頭部２１ｂに対応
する部分には少なくとも頭部２１ｂの最大径より
径小の傾き支点穴２２ｂが設けられている。ヘツ
ド固定板２２とヘツド調整板１７間にはアジマス
螺子２３、アジマス調整螺子２５、傾き調整螺子
２６が取り付けられる。この為、ヘツド固定板２
２及びヘツド調整板１７にはそれぞれ螺子２３が
螺合される螺子穴２２ｃ，１７ｃ、螺子２５が螺
合される螺子穴２２ｄ，１７ｄが設けられてい
る。またヘツド固定板２２には螺子２６が螺合さ
れる螺子穴２２ｅが設けられ、ヘツド調整板１７
には螺子２６の先端が固定される穴１７ｅが設け
られている。

上記各部品が組立てられると第４図ａ，ｂに示
すようになる。すなわち、ヘツド取付板１１に高
さ方向、つまり、図示矢印（Ｚ←→Z′）方向に設定
されたシヤフト１３がヘツド調整板１７に同じく
図示矢印（Ｚ←→Z′）方向に設定されたスリーブ１
８の中空に弾性体としてのスプリング１４を介し
て挿入される。そしてシヤフト１３の上端部には
ワツシヤ１９を介してナツト２０が螺合され、ナ
ツト２０を回すことによりヘツド調整板１７の図
示矢印（Ｚ←→Z′）方向の高さ位置が調整される。
またヘツド調整板１７の上方より穴１７ｂを介し
てスライドボス１５の中空に支点軸２１の軸部２
１ａが挿入される。ヘツド固定板２２は第５図に
示す如くその傾き支点穴２２ｂとヘツド調整板１
７の穴１７ｂで支点軸２１の円錐形状の頭部２１
ｂを挾み込むように配設される。そして螺子穴２
２ｃ，１７ｃにはヘツド固定板２２の上方よりア
ジマススプリング２４を介してアジマス螺子２３
が螺合される。螺子穴２２ｄ，１７ｄにはヘツド
固定板２２の上方より螺子２５が螺合される。ま
た螺子穴２２ｅにはヘツド固定板２２の上方より
傾き調整螺子２６が螺合され、この傾き調整螺子
２６の先端は穴１７ｅに押圧固定される。

なお、螺子２３，２５，２６は図示矢印（Ｚ←→
Z′）方向に設定されている。また穴２２ｂはヘツ
ド本体２７のヘツド素子部２７ａのギヤツプの下
方延長上に位置し、この穴２２ｂを基準にして穴
２２ｂと螺子穴２２ｄを結ぶ方向はテープ走行方
向、つまり図示矢印（Ｘ←→X′）方向に設定さ
れ、穴２２ｂと螺子穴２２ｅを結ぶ方向は図示矢
印（Ｘ←→X′）方向に垂直な図示矢印（Ｙ←→Y′）
方向に設定されている。

上記構成においてヘツド本体２７の位置調整は
次のようにしてなされる。まず図示矢印（Ｚ←→
Z′）方向の調整はナツト２０を回すことによりヘ
ツド調整板１７、ヘツド固定板２２、支点軸２１
は図示矢印（Ｚ←→Z′）方向にスライドすることに
より得られる。そして調整が終わると支点軸２１
はスライドボス１５に取り付けられた固定螺子１
６によつて押付固定される。また図示矢印（Ｘ←→
X′）方向の傾き、つまりアジマス調整は螺子２
５を回すことによつて得られる。また図示矢印
（Ｙ←→Y′）方向の傾き調整は螺子２６を回すこと
によつて得られる。

以上詳述したこの実施例には次のような効果が
ある。磁気ヘツドの各方向の位置調整をそれぞれ
独立して行なうことができるので調整作業の容易
化及び正確さを図ることができる。また支点軸２
１が磁気ヘツドの位置調整上における支点として
の機能をはたす他に、スライドボスによつて上下
方向にのみスライド可能とされるとともに所定位
置で固定されるので、シヤフト１３とともに磁気
ヘツドの高さ調整用のシヤフト機能をはたすとと
もに、ヘツド固定板２２をヘツド取付板１１に対
して位置決めする機能を有する。このように支点
軸２１がスライドボス１５によつて上記種々の機
能をはたすことができるので、磁気ヘツド装置の
構成部分の削減及び小型化を図ることができる。
また、磁気ヘツド２７の上方にガイド板等がない
のでヘツド装置とテープガイド用ポールとの高さ
調整が容易となる。また、支点軸２１による調整
支点が磁気ヘツド２７のヘツド素子部の間隙の延
長上に設けられているのでアジマス及びチルト調
整の調整量がすくなくてすむ。また、支点軸２１
によつてヘツド取付板１１に対するヘツド固定板
２２の位置が決定され、調整板１７は螺子２５，
２６等によりヘツド固定板２２に対する位置が決
定されているので、ヘツド固定板２２のヘツド取
付板１１に対する位置が決まれば必然的に調整板
１７のヘツド取付板１１に対する位置が決まる。
この為、穴１７ｂの精度に高精度を必要とせず、
支点軸２１の軸部２１ａの軸径に対して余裕のあ
る穴にすることができる利点を有する。

なお、この考案は先の実施例に限定されるもの
ではなく他にも実施可能である。

このようにこの考案によれば、磁気ヘツドの各
種方向の位置調整をすべて独立して行なうことが
でき、調整作業の容易化及び正確さを図ることが
できるとともに、部品点数の削減及び小型化を図
ることができる磁気記録再生装置の磁気ヘツド装
置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂはそれぞれ従来の磁気ヘツド装置
の一例を示す正面図及び上からみた図、第２図は
従来の磁気ヘツド装置の他の例を示す正面図、第
３図はこの考案に係る磁気ヘツド装置の一実施例
を示す分解斜視図、第４図ａ，ｂはそれぞれ第３
図で示した磁気ヘツド装置を上部よりみた図及び
正面図、第５図は第３図の磁気ヘツド装置の要部
を示す図である。 １１……ヘツド取付板、１３……シヤフト、１
４……スプリング、１５……スライドボス、１６
……固定螺子、１７……調整板、１８……スリー
ブ、２０……ナツト、２１……傾き調整支点軸、
２２……ヘツド固定板、２７……ヘツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. VTR本体に固定されたシヤーシにテープ走行
   方向に対してスライド可能に固定されるヘツド取
   付板と、このヘツド取付板の上面側に配設される
   調整板と、この調整板の上面側に配設されその上
   面には磁気ヘツドが上方に突出する如く固定され
   るヘツド固定板と、前記ヘツド取付板のテープ走
   行方向一端側に上方に突出する如く設けられ頭部
   に螺子溝の形成された調整軸と、前記調整板に上
   方に突出する如く設けられ前記調整軸が上下方向
   にスライド自在に挿入される筒状の調整軸案内体
   と、この調整軸案内体に挿入された調整軸に螺合
   される螺合部材と、前記ヘツド取付板と調整板間
   に前記調整軸と同軸的に配設され前記調整板を上
   方に付勢する弾性体と、前記調整板とヘツド固定
   板に対向して開設された穴間に頭部が挾まれ軸部
   が調整板の穴を介して下方に突出する如く配設さ
   れる支点軸と、この支点軸を上下方向にスライド
   自在に案内するとともに所定位置で固定可能に保
   持する如く前記ヘツド取付板の上面側に設けられ
   た支点軸保持体と、前記調整板とヘツド固定板と
   の間隔を調整可能な調整手段とを具備した磁気記
   録再生装置の磁気ヘツド装置。