JPS6248703B2 - - Google Patents

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JPS6248703B2
JPS6248703B2 JP14122779A JP14122779A JPS6248703B2 JP S6248703 B2 JPS6248703 B2 JP S6248703B2 JP 14122779 A JP14122779 A JP 14122779A JP 14122779 A JP14122779 A JP 14122779A JP S6248703 B2 JPS6248703 B2 JP S6248703B2
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JP
Japan
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film
metal
acid
coated
glycol
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Application number
JP14122779A
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English (en)
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JPS5665042A (en
Inventor
Kenji Yabe
Takashi Mimura
Utaro Sakamoto
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
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Publication of JPS5665042A publication Critical patent/JPS5665042A/ja
Publication of JPS6248703B2 publication Critical patent/JPS6248703B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は金属の成形加工性、特に深絞り性に優
れた可剥性金属保護フイルムに関するものであ
る。 ステンレスやアルミなどの金属板は、その表面
の特性をそのまま利用して建材、厨房器具、車輛
などの用途に広く使用されている。これら金属板
は通常、成形加工前にその表面を平滑に仕上げた
り、鏡面仕上げ、粗面化加工、ヘアー・ライン加
工、着色、防錆加工などの各種の加工を行ない、
しかる後に成形加工して目的の形状とすることが
多い。したがつて予め表面仕上げされた金属板お
よび成形品はその輪送時、保管時および成形加工
時、組立作業などの時に、表面の傷付き、汚染、
腐蝕から守るために金属表面に保護層を設けてお
き、上記目的を達した後に剥ぎ取つていた。この
ような可剥性保護材料として従来から用いられて
いるものとしてポリ塩化ビニル(PVCと略す)
の粘着シートやPVCオルガノゾルやプラスチゾ
ル、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVAと略
す)フイルム、プリオレフインフイルムなどがあ
る。しかし従来の可剥性金属保護材料には次のよ
うな欠点があつた。 (1) 金属との接着力の経日変化が大きく、長期間
保管後に剥離しようとしても、剥ぎ取れなくな
つたり、フイルムが千切れて金属表面に残つた
り、粘着剤が金属表面に付着したりして、金属
表面が汚染される。そこで、接着力が大きくな
らない短期間の間に剥離する必要があり、使用
が著しく制限される。 (2) 成形加工性が劣るため、変形度の大きい加工
を行なうことができない。例えばPVC粘着シ
ートを貼つたステンレス板を深絞り加工する
と、シートが成形金型に付着したり、して絞れ
ず、無理をするとステンレス板が破れる。浅絞
り加工でも変形度合の大きいコーナー部分やフ
ランジ部分はPVCの弾性回復が大きいため、
PVCが剥離してしまう。 (3) PVCゾルを使用すると、溶剤による作業環
境、大気汚染が問題になるし、均一な厚みの塗
膜が得られない。 (4) ブロツキングしやすいので、被覆金属板を積
重ねておくと金属板同志がくつついて、はがし
にくい。 (5) EVAフイルムやポリオレフインフイルム
は、金属板に加熱圧着する際にフイルムに腰が
ないのでシワが入りやすく、作業性が悪い。 本発明の目的は従来品のこれら欠点を改良し、
金属との接着力が長期間保管後でも剥離可能であ
り、かつ従来品よりも成形加工性、特に深絞り性
に優れたフイルムを提供することにある。 すなわち本発明は、融点90〜170℃のポリエス
テルエーテル10〜70wt%(好ましくは20〜55wt
%)と、ジカルボン酸成分の少なくとも40モル%
がテレフタル酸であるポリエステル10〜70wt%
(好ましくは20〜55wt%)と、ポリオレフイン、
変性ポリオレフイン、アイオノマー、EVA、エ
チレンα、β不飽和モノカルボン酸エステル共重
合体から選ばれた1種以上のポリマ1〜30wt%
(好ましくは5〜25wt%)と、ポリカーボネート
0〜50wt%(好ましくは3〜45wt%)とからな
る組成物を素材とすることを特徴とする可剥性金
属保護フイルムである。 本発明で使用するポリエステルエーテルとは、
(イ)ジカルボン酸および/またはそのエステル形成
性誘導体、(ロ)低分子量グリコールおよび/または
そのエステル形成性誘導体、および(ハ)平均分子量
400〜10000(好ましくは700〜6000、特に好まし
くは800〜3000)のポリオキシアルキレングリコ
ールおよび/またはそのエステル形成性誘導体、
の三者を重縮合して得られるものであり、かつ融
点が90〜170℃(好ましくは100〜160℃)のもの
である。 上記(イ)のジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸などを挙げることができる。特
にテレフタル酸とイソフタル酸の使用が好まし
い。 (ロ)のジオール成分としてはテトラメチレングリ
コール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノールなどを挙げることができる。特に
テトラメチレングリコールの使用が好ましい。 (ハ)のポリオキシアルキレングリコールとしては
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロ
ピレングリコール、ポリオキシテトラメチレング
リコール、ポリオキシペンタメチレングリコー
ル、ポリオキシヘプタメチレングリコール、エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重
合グリコールなどを挙げることができる。特にポ
リオキシテトラメチレングリコールの使用が好ま
しい。 かかるポリエステルエーテルの例を挙げれば、
ポリテトラメチレンテレフタレート・イソフタレ
ート・ポリオキシテトラメチレングリコール共重
合体(PBT/I−PTMG)、ポリエチレンテレフ
タレート・イソフタレート・ポリオキシテトラメ
チレングリコール共重合体(PET/I−
PTMG)、ポリテトラメチレンテレフタレート・
イソフタレート・ポリオキシエチレングリコール
共重合体(PBT/I−PEG)、ポリエチレンテレ
フタレート・イソフタレート・ポリオキシエチレ
ングリコール共重合体(PET/I−PEG)など
である。特に(PBT/I−PTMG)の使用が好
ましい。ポリエステルエーテルの共重合モル比の
表示は、例えば、〔PBT/I−PTMG(1000)=
50/50−25〕は(テレフタル酸/イソフタル酸)
の共重合モル比は(50/50)で分子量1000のポリ
オキシテトラメチレングリコールの含量が25wt
%であることを示す。 ポリエステルエーテルの融点は差動走査熱量計
(DSC)法またはペネトレーシヨン法(熱機械的
分析法)により測定する。DSC法は試料10mgを
試料ホルダーにつめ、窒素雰囲気中で予想される
融点よりも約20℃高い温度で5分間保持した後、
液体窒素で急冷する。次いでこの試料を10℃/
minで昇温し、得られた融解曲線の融解ピーク温
度をもつ融点とする。ペネトレーシヨン法では、
サンプルを80℃(粘着するものは60〜70℃)で約
10時間熱処理し、直径0.5mmのピンを用い荷重5
gで、窒素気流中、昇温速度5℃/minで昇温
し、ピンが250μ貫入した時の温度を融点と定義
する。 使用するポリエステルエーテルの融点が90℃未
満の場合には深絞り加工性が劣るし、またブロツ
キングが大きいので積重ねた被覆金属板を1枚1
枚取出すのが困難となる。一方、融点が170℃を
越えると、金属との接着力が低いために、深絞り
加工を行なうとフイルムが浮上つてしまうので深
く絞れない。 ポリエステルエーテルのブレンド量が10wt%
未満の場合は低温接着性および手ざわりの良さが
失われる。また70wt%を越える場合には、フイ
ルムの腰がなく、被覆作業がしにくい、ブロツキ
ングがある他、接着力の経日変化が大きく長期間
保管後に剥離できなくなる。 本発明に用いるポリエステルは、ジカルボン酸
の少なくとも40モル%(好ましくは50モル%以
上、特に好ましくは60モル%以上)がテレフタル
酸である。テレフタル酸以外のジカルボン酸の例
としては、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン
酸、ナフタレンジカルボン酸、ドデカンジカルボ
ン酸などを挙げることができる。ジオールとして
は、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノールなど
の各種ジオールを使用することができる。 特に好ましいポリエステルの例としては、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン
テレフタレート/イソフタレート(PET/I)、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチ
レンテレフタレート/イソフタレート(PBT/
I)、ポリエチレンテレフタレート/アジペート
(PET/A)などを挙げることができる。ポリエ
ステル中のテレフタル酸共重合比は、ブレンド量
が一定の場合、テレフタル酸含量が多くなるに従
いフイルムのハンドリング性が良くなり、しか
も、深絞り性および剥離作業性が良くなる。 ポリエステルのブレンド量が10wt%未満では
フイルムの製膜時および金属板へのラミネート時
のハンドリング性が悪いし、深絞り性が劣る。ブ
レンド量が70wt%を越える場合には、PET、
PBT、あるいはテレフタル酸共重合量が100wt%
に近いポリエステルを使う時は接着力が不足し深
絞りができないし、テレフタル酸共重合比が少な
い一方のポリエステルを使う時は、接着力の経日
変化が大きく、長期間保管後の剥離性が悪く、場
合によつては剥離できなくなる。 本発明で使用するポリオレフインとはエチレ
ン、プロピレン、ブテン、4−メチルペンテン1
などのα−オレフインの1種あるいはそれ以上の
重合体を云う。特にポリエチレン(PEと略す)、
およびその共重合体が好ましい。 本発明で使用する変性ポリオレフインとは
PE、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共
重合体などのポリオレフインおよびEVAなどの
幹ポリマにマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
アクリル酸、メタクリル酸などのα・β不飽和カ
ルボン酸およびその酸無水物、エステル、アミ
ド、イミド、スルホアルキルエステルなどの誘導
体から選ばれた少なくとも1つのモノマをグラフ
ト重合し、変性させたものである。この中で無水
マレイン酸、アクリル酸を使用するのが好まし
い。グラフト率は0.01〜5wt%が好ましく、幹ポ
リマは一部がグラフトされていても、全体がグラ
フトされていてもさしつかえない。かかる変性ポ
リオレフインの代表的なものとして“ADMER”
(三井石油化学(株)製)を使用することができる。 本発明で云うアイオノマーはα−オレフインと
1〜3価の金属イオンを含むα・β不飽和カルボ
ン酸のイオン性塩との共重合体である。α・β不
飽和カルボン酸としてはメタクリル酸、アクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸などが使用される。
金属イオンとしてはナトリウム、カリウム、リチ
ウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミ
ニウムなどが使用される。これらのアイオノマー
のうち、特に好ましいものはエチレンとメタクリ
ル酸(1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%共
重合体)との共重合体のカルボキシル基の15〜80
%、好ましくは25〜65%を亜鉛、マグネシウム、
特に好ましくは亜鉛で中和したものである。また
残余のカルボキシル基の一部を低級アルコールで
エステル化したものも使用できる。かかるアイオ
ノマーとしては、“サーリン”(デユポン社製)を
使用することができる。 本発明で使うEVAは、酢酸ビニル含量が1〜
45wt%、好ましくは3〜35wt%、特に好ましく
は10〜30wt%のものである。 本発明で云うエチレンとα・β不飽和カルボン
酸エステルとの共重合体は、下記一般式で表わさ
れるα・β不飽和モノカルボン酸と飽和脂肪族ア
ルコールとのエステルとエチレンとを共重合する
ことによつて得られる。 〔式中、R1、R2、R3はH、炭素原子数1〜3個の
アルキル基、R4は炭素原子数1〜12個のアルキ
ル基を表わす。〕 好ましい共重合体はアクリル酸またはメタクリ
ル酸とメタノールまたはエタノールとのエステル
と、エチレンとからなるエチレン含量50〜95wt
%、好ましくは70〜97wt%の共重合体である。
特に好ましくはアクリル酸エチルとエチレンとの
共重合体(EEAと略す)である。 これらのポリオレフイン、変性ポリオレフイ
ン、アイオノマー、EVA、エチレンとα・β不
飽和モノカルボン酸エステル共重合体から選ばれ
た1種以上のポリマをブレンドすることにより、
金属の成形加工性、特に深絞り性および被覆金属
板のブロツキング防止の効果が発現する。ブレン
ド量が1wt%未満の場合はブロツキング防止の効
果はないし、深く絞れない。また30wt%を超過
するとフイルムが裂けやすいのでフイルムのハン
ドリング性が悪いし、また接着力の経日変化が大
きくなるので好ましくない。 本発明で使用するポリカーボネートは水酸基が
芳香環に直接結合しているジオキシ化合物から誘
導される芳香族ポリカーボネートの使用が好まし
い。特にビスフエノールAとホスゲンとの反応に
よつてできるポリカーボネートが好ましい。ポリ
カーボネートは金属との接着力の経日変化を抑制
する効果がある。通常、フイルムを被覆してから
剥離するまでが短期間の場合はポリカーボネート
は特に必要としないが、被覆してから剥離するま
でが長期間の場合や高温雰囲気での使用、保管用
にはポリカーボネートを3wt%以上ブレンドする
のが好ましい。ポリカーボネートのブレンド比が
50wt%を超過する場合には、金属との接着力が
低下し、深絞り加工ができない。 本発明の保護フイルムの素材となる組成物に
は、本発明の目的を損わない範囲で、酸化防止
剤、熱安定剤、粘度調節剤、可塑剤、滑剤、アン
チブロツキング剤、顔料、染料などの添加剤また
は樹脂を分散、配合することができる。 以上述べた組成物から金属保護フイルムを得る
方法としては、周知の方法を採用することができ
る。例えば各樹脂を所定の比率にブレンドしたも
のを予めペレツト化した後、Tダイ法やインフレ
ーシヨン法によりフイルム状に溶融押出して、キ
ヤステイングドラム上で固化して未延伸フイルム
を得る。 本発明のフイルムの厚みは、その用途によつて
10〜500μの間から適宜選択される。例えば深絞
り加工性を重視する用途には比較的薄いフイルム
(好ましくは10〜100μ、特に好ましくは20〜50
μ)が使用されるし、建材のように折曲げ加工な
ど比較的軽度の加工であるが、耐傷付き性を要求
される用途には比較的厚手のフイルム(好ましく
は100〜500μ)が使用される。 また本発明の金属保護フイルムは、ハンドリン
グ性の改良、水や薬品の透過性を下げる目的、成
形加工性などの種々な性能をさらに付与する目的
で、接着剤層を介在あるいはなしに、他のフイル
ムを積層または他の樹脂をコーテイングして使用
することができる。これらの積層用フイルムとし
てはPETの二軸延伸フイルム、ナイロンフイル
ム、ポリオレフインフイルム、ポリスチレンフイ
ルム、ポリカーボネートフイルムなどを挙げるこ
とができる。特にPETの二軸延伸フイルムを積
層したものはブロツキング、深絞り加工性、剥離
作業性、防蝕性がさらに改良される。 本発明の対象とする金属は特に限定するもので
はなく、鉄、ステンレス鋼などの合金鋼、アル
ミ、銅などの金属および各種合金、各種表面処理
された金属である。特にステンレス鋼が好まし
い。 金属の形態はフイルム状で被覆できるものであ
れば特に問わないが、通常、その作業性の点で、
板状、帯状、棒状、管状などが好ましい。特に板
状、帯状が好ましい。 また本発明の金属保護フイルムは、金属に直接
被覆するのが好ましいが、金属が予め塗料や他の
プラスチツクフイルムで被覆されていても、本発
明のフイルムがその目的を達することができる十
分な剥離力(または接着力)を有するものであれ
ば使用できる。 本発明の金属保護フイルムは、金属に50〜150
℃(金属の表面温度)、好ましくは60〜120℃で、
圧力は線圧1〜100Kg/cm、好ましくは1〜20
Kg/cmで圧着被覆せしめ、かつ被覆したフイルム
を剥離する力が40〜500g/cm、好ましくは50〜
400g/cm、特に深絞り加工用には70〜400g/cm
になるよう被覆される。圧着は通常ロール式プレ
スを使用するのが好ましいが、ロールの代りに2
枚の平板の間でプレスすることもできる。 ロール式プレスは一対のロールの間でプレスす
るもので、金属ロールとゴムロール、ゴムロール
同志の組合せが好ましい。線圧とはロール式プレ
スで、圧着時にフイルムが接するロールの軸方向
の長さで、その時のプレス力を割つた値を云う。
2枚の平板の間で圧着する場合の圧力は1〜100
Kg/cm2、好ましくは1〜50Kg/cm2である。この場
合の圧力は、フイルムと接触するプレス面の面積
で、その時のプレス力を割つた値である。 金属保護フイルムを圧着する時の圧力は、温
度、金属の厚さ、被覆速度、被覆されたフイルム
の表面状態によつて、上記の条件から適宜選ぶ必
要がある。線圧1Kg/cm未満の場合は十分な接着
力が得られない。100Kg/cmを越える場合には、
金属板がロール式プレスで被覆した際に変形して
しまうために好ましくないし、被覆温度がそのフ
イルムにとつて、高温側の条件の場合には、フイ
ルムが一部流動したり、ロールの跡がついたりし
て金属保護フイルムとしての機能の一部が失なわ
れる。 被覆は金属板の片面、両面のいずれでもよい
が、両面の場合は、片面の場合よりも深く絞れる
し、金属の両面とも傷付き、汚染、腐蝕から保護
できる。 次に実施例により、本発明の効果を具体的に説
明する。 なお、効果は次の基準で判定した。 (1) ブロツキング:ステンレス板(SUS304、厚
み0.15mm、鏡面仕上げ)の片面にフイルムを被
覆したものを約10枚積重ね、50g/cm2の荷重を
かけて、50℃のオーブン中1週間放置後、被覆
ステンレス板を1枚1枚引きはがす際のブロツ
キング状態を観察する。 〇:ブロツキングなし △:やや抵抗あるが、容易に引きはがせる ×:ブロツキングして、引きはがしが困難 (2) 剥離力:被覆ステンレス板のフイルム面に幅
10mmの切れ目を入れ、フイルムの一端から角度
180゜で剥離(引張速度200mm/min)し、その
時の剥離力を求める。 (3) 深絞り性:被覆ステンレス板から直径13cmの
円板を打ぬき、プレス加工油を薄く塗布する。
次いでダイスとポンチ(被覆面がポンチ側)で
深絞りを行ない直径(D)7.0cm・高さ(H)2.7
cm・絞り比H/D=0.39の灰皿のようなつば付
きのカツプを成形する。カツプの成形性、フイ
ルムの密着性を次の基準で判定する。 ◎:成形性、密着性ともに良好 〇:カツプのつばの縁の部分に一部浮いた部分
があるが、実用上問題がない △:フイルムの浮きがつばの円周部分およびカ
ツプの底の円周部の一部に見られるが、次
の絞り加工に支障のないもの ×:ステンレス板が絞り加工中に破断してカツ
プができなかつたり、カツプからフイルム
が大きく浮いたり裂けたりして、次の絞り
加工に支障のあるもの (4) 剥離性:深絞り成形したカツプのフイルムの
密着性が◎、〇のものについて、フイルムを手
で引きはがし、その剥離性を次のように判定す
る。 ◎:抵抗なく簡単にフイルムがはがせる 〇:やや抵抗がある程度で、はがせる △:かなり抵抗があるが、フイルムが千切れず
にはがせる ×:ステンレス板と強固に接着しており、フイ
ルムの剥離が困難 (5) 汚染性:被覆されたステンレス板からフイル
ムを剥離し、その表面を観察する。 〇:フイルムによる表面の汚染のないもの △:表面に若干曇りを生じるもの ×:表面にフイルムの一部が付着して残るもの 実施例 1 ポリマとして次のものを用意し、表1に示す比
率でブレンドし、265℃でペレツト化した。 (1) PBT/I−PTMG(1000):(50/50−
20)、融点125℃、I.V.1.01(o−クロロフエノ
ール中25℃で測定)。 (2) PET/I:(85/15)、I.V.0.87(o−クロ
ロフエノール中25℃で測定)。 (3) 変性ポリエチレン:マレイン酸0.5wt%グラ
フトポリエチレン、メルトインデツクス(M.I.
)4g/10分、密度0.93。 このペレツトを口径40mmの押出機に供給し、
250℃で溶融押出し、厚さ30μのフイルムを作つ
た。このフイルムをステンレス板(SUS304、厚
み0.15mm)の片面にロール式プレスを用いて80〜
100℃で圧着(線圧5Kg/cm、速度1m/min)
して被覆した。 評価結果を表1に示す。本発明にかかるNo.1〜
3はブロツキングもなく、良好な深絞り性、剥離
性を示した。また50℃・1ケ月経日後測定した剥
離力はいずれも400g/cm以下で、従来のEVAフ
イルムよりも経日変化が小さく、かつ剥離可能で
あり、実用上問題はなかつた。一方、本発明によ
らないNo.4〜7は、ステンレスとの接着力が不足
し、深絞りができなかつた。また接着力の経日変
化が大きく、100℃で被覆したものを50℃で1ケ
月放置したところ、接着力が800g/cm以上とな
り、剥離が困難であつた。 またNo.1〜3のフイルムについて接着温度と剥
離力との関係を調べたところ、150℃を越える温
度では、剥離力が600g/cm以上になり、剥離す
る際にフイルムが伸びて剥離作業性が悪かつた
り、剥離できなかつた。 比較例 1 可剥性金属保護フイルムとして市販されている
軟質PVCの粘着フイルム(厚さ60μ)とポリエ
チレン系フイルム〔PE(40μ)EVA(20μ、
接着層)〕の二層フイルムについて、それぞれの
最適条件で比較評価した。ステンレス板の片面
に、PVC粘着フイルムは室温で、ポリエチレン
系フイルムは60〜100℃で各々、線圧5Kg/cm、
速度1m/minで被覆した。剥離力は前者は80
g/cm(50℃・1ケ月後100g/cm)、後者は50〜
100g/cm(50℃・1ケ月後700g/cm以上と経日
変化が大きく剥離できなかつた)であつた。深絞
りを行なつたところステンレス板が破れて深絞り
ができなかつた。絞り比(H/D)を小さく取つ
て、絞り比の限界を求めたところ、H/D=0.1
程度であり、かつ絞り後のフイルムの浮きが大き
く、本発明品のほうが深く絞れることがわかつ
た。 実施例 2 (1) ビスフエノールAとホスゲンとの反応によつ
て作られるポリカーボネート(PC):分子量
約22000。 (2) ポリエステルエーテル:実施例1で使用した
もの。 (3) PET:I.V.0.65(o−クロロフエノール中、
25℃で測定)。 (4) PET/I:実施例1で使用のもの。 (5) PBT/I:(65/35)、I.V.1.03(o−クロ
ロフエノール中、25℃で測定)。 (6) 変性ポリエチレン:実施例1で使用のもの。 上記のポリマを表2に示す比率にブレンドした
ペレツトを作り、実施例1と同様にして厚さ40μ
のフイルムを作り、ステンレス板の片面に70〜
110℃で被覆した。評価結果を表2に示す。No.8
は剥離力の経日変化が比較的大きいが、被覆して
から剥離するまでが比較的短期間である通常の使
用にあたつては実用上問題はなかつた。PCを添
加したNo.9〜12は経日変化が著しく抑制され、長
期間の輪送や保管、高温雰囲気での使用に特に優
れていることがわかつた。またNo.8〜12はいずれ
もブロツキングは〇であり、剥離後のステンレス
表面の汚染もなかつた。 一方、PCの多いNo.13は十分な接着力が得られ
ず、金属保護フイルムとしては不適当であつた。 実施例 3 (1) PBT/I−PTMG(2000):(65/35−
50)、融点135℃、I.V.1.32。 (2) PBT/I−PTMG(2000):(80/20−
40)、融点180℃、I.V.1.38。 (3) PET/I:(75/25)、I.V.0.88。 (4) 変性ポリエチレン:実施例1で使用したも
の。 (5) アイオノマー:サーリンタイプ1706(エチレ
ン・メタクリル酸共重合体部分亜鉛塩(共重合
モル比:エチレン/メタクリル酸=約94.3/
5.7、メタクリル酸のカルボキシル基の約56%
が金属亜鉛で中和されている)、M.I.0.7g/10
分、亜鉛タイプ。 (6) ポリカーボネート(PC):実施例2で使用
のもの。 上記のポリマを表3に示す比率にブレンドし、
実施例1と同様にして厚さ25μのフイルムを得
た。実施例1で用いたステンレス板の片面にロー
ル式プレスで、80〜120℃、線圧10Kg/cm、速度
1.5m/minで被覆した。次いで実施例1と同様
に剥離力の測定、深絞り加工を行なつた。評価結
果を表3に示す。 本発明にかかるNo.14〜16は剥離力の経日変化が
小さく、深絞り性、剥離性ともに良好であつた。
一方、高融点のポリエステルエーテルを用いたNo.
17は十分な接着力が得られず、深絞りができなか
つた。 またNo.14〜16のフイルムについて、接着温度と
剥離力との関係を調べるため、160℃で被覆した
ところ、剥離力が600g/cm以上でフイルムが伸
びて千切れたり、剥離できなかつた。したがつ
て、このような高温での接着は適当でないことが
わかつた。 実施例 4 (1) PBT/I−PTMG(1000):(45/55−
25)、融点103℃、I.V.1.10。 (2) PBT:I.V.1.50。 (3) PET:I.V.0.65。 (4) PBT/I:(65/35)、I.V.0.92。 (5) EVA:酢ビ含量28wt%、M.I.15g/10分。 (6) PE:M.I.5g/10分、密度0.93。 (7) EEA:アクリル酸エチル含量18wt%、M.I.6
g/10分。 上記ポリマを表4に示す比率に配合し、実施例
1と同様にペレツト化、製膜して厚さ50μの未延
伸フイルムを得た。このフイルムを厚さ0.3mmの
クロム処理鋼板の両面に80〜120℃、線圧10Kg/
cm、速度2.0m/minで被覆した。この被覆板を
用いて実施例1と同様に深絞り加工して直径(D)
7.0cm、高さ(H)2.7、絞り比H/D=0.39のカ
ツプを成形した。評価結果を表4に示す。本発明
のNo.18〜20は、いずれも剥離力の経日変化も小さ
く、深絞り性および剥離性が良好であつた。また
剥離後の鋼板の表面はフイルムによる汚染および
深絞り加工に起因する傷付きも見られなかつた。 実施例 5 実施例2のNo.10のフイルムを用いて、実施例2
と同じ条件でステンレス板の片面および両面に
110℃で被覆して深絞り性の比較を行なつた。 まず片面および両面被覆板を実施例2と同様に
絞つて、直径(D)=7.0cm、高さ(H)=2.7cm、
H/D=0.39のカツプに絞つた後(第1段目絞
り)、ダイスとポンチの径を変えて、D=5.8cm、
H=4.5cm、H/D=0.78のカツプにさらに絞つ
た(第2段目絞り)。 第1段目絞りでは片面・両面ともに深絞り性、
剥離性が◎であつた。第2段目絞りでは、片面の
場合は絞りの途中で、被覆されていない面からス
テンレス板が破れてカツプを成形できなかつた。
両面の場合は正常にカツプを成形でき、深絞り性
は〇、剥離性は◎であつた。かくして、片面被覆
よりも両面被覆のほうが深く絞れることがわかつ
た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 6 (1)PBT/I−PTMG、(2)PBT、(3)PET、(4)
PBT/I、(5)EVA、(6)PE、(7)EEAはいずれも実
施例4で使用したものを用いた。 (8)PET/I、(9)アイオノマーはいずれも実施
例3で使用したものを用いた。 上記ポリマを表5に示す比率に配合し(いずれ
もポリカーボネートは含有しない)、実施例1と
同様に265℃てペレツト化し、次いで製膜して厚
さ50μの未延伸フイルムを得た。このフイルムを
実施例1と同様にステンレス板に被覆し、剥離
力、深絞り性、剥離性の各試験を行なつた。評価
結果を表5に示す。本発明のNo.21〜24のフイルム
はブロツキングがなく(〇)、剥離力は経日変化
が若干大きいが、可剥性フイルムとして良好な範
囲内にある。また深絞り性、剥離性共に良好で、
剥離後のステンレス表面の汚染もなかつた(汚染
性〇)。
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 融点90〜170℃のポリエステルエーテル10〜
    70wt%と、ジカルボン酸成分の少なくとも40モ
    ル%がテレフタル酸であるポリエステル10〜
    70wt%と、ポリオレフイン、変性ポリオレフイ
    ン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合
    体、エチレン・α・β不飽和モノカルボン酸エス
    テル共重合体から選ばれた1種以上のポリマ1〜
    30wt%と、ポリカーボネート0〜50wt%とから
    なる組成物を素材とすることを特徴とする可剥性
    金属保護フイルム。
JP14122779A 1979-11-02 1979-11-02 Releasable metal-protective film Granted JPS5665042A (en)

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