JPS6247681B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は合板製造工程に於ける原木から切削し
たベニヤ単板の継続処理方法および装置に関する
ものであつて、特に本発明は原木から切削した連
続状または不連続状のベニヤ単板を継続的に後段
工程へ移送しながら乾燥し、および横はぎする直
列直結型の単板処理技術の利用分野に属するもの
である。

(ロ) 従来技術 従来のこの種原木から切削した連続状または不
連続状のベニヤ単板を継続的に後段工程へ移送し
ながら乾燥し、および横はぎする直結型の単板処
理技術には、例えば特公昭54−16058号ベニヤ単
板連続乾燥方法およびその装置に開示されている
ような、１台のベニヤレースと１台のネツト型ベ
ニヤドライヤーを前後に直列に配設した直列ライ
ンの中に、巻取巻戻装置と不連続乱尺単板貯蔵ト
レイからなる単板貯蔵装置、および有寸クリツパ
ーと生単板接合装置と接合単板貯臓トレイからな
る不連続乱尺単板接合処理装置、ならびに連続単
板搬送コンベア等を直並列に配設して、原木から
切削した連続状または不連続状のベニヤ単板を継
続的に後段工程へ移送しながら乾燥し、および横
はぎする、１台のベニヤレースと１台のネツト型
ベニヤドライヤーを前後に直列に配設した直列ラ
インの中でのベニヤ単板の継続処理方法および装
置があつた。

また他の従来技術の例としては、１台のベニヤ
レースとネツト型およびローラー型の２台のベニ
ヤドライヤーを直角方向に曲げて前後に並列に配
設した直角ラインの中でのベニヤ単板の継続処理
方法および装置による、例えば特公昭50−16846
号ベニヤ単板の旋削乾燥工程に於ける直角移送方
法及び装置のように、ベニヤレースとネツト型ベ
ニヤドライヤーとを直角方向に曲げて前後に配列
したものの間にリーリングマシンとストレージデ
ツキとアンリーリングマシンを直列に配設し、ま
た前記ベニヤレースとローラー型ベニヤドライヤ
ーとを直角方向に曲げて前後に配列したものの間
にトレイコンベアとベニヤクリツパーと集結コン
ベアとピンチローラーを直列に配列し、且つ常法
によりローラー型ベニヤドライヤーの後段に不連
続乱尺単板接合処理装置を付設した、原木から切
削した連続状または不連続状のベニヤ単板を継続
的に後段工程へ移送しながら乾燥し、および横は
ぎする、１台のベニヤレースとネツト型およびロ
ーラー型の２台のベニヤドライヤーを直角方向に
曲げて前後に並列に配設した、直角ラインの中で
のベニヤ単板の継続処理方法および装置があつ
た。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 叙上のように従来のこの種原木から切削した連
続状または不連続状のベニヤ単板を継続的に後段
工程へ移送しながら乾燥し、および横はぎする直
結型単板処理技術は、その１台のベニヤレースと
１台のネツト型ベニヤドライヤーを前後に直列に
配設した直列ラインの中でのベニヤ単板の継続処
理方法および装置によるものにあつては、所謂連
続ドライヤーと称されているエンドレスの巾広ネ
ツトを水平に張架して連続的に回動する搬送帯の
上にベニヤ単板を搭載して連続的にこれを乾燥す
る連続移送動作の単板乾燥機の使用が絶対的条件
であり、また不連続乱尺単板の横はぎも乾燥前の
生単板を事前に接合する、所謂ベニヤミシン等の
特殊な生単板接合装置の使用が絶対的条件であつ
たので、他種のローラー型ベニヤドライヤーや棚
型ベニヤドライヤー、および通常の乾燥単板用の
接合装置がそのまま利用出来ない装備上の難点が
あり、また他種の１台のベニヤレースとネツト型
およびローラー型の２台のベニヤドライヤーを直
角方向に曲げて前後に並列に配設した直角ライン
の中でのベニヤ単板の継続処理方法および装置に
よるものにあつては、その生産ラインが直角方向
に曲つているので工場構築物の利用上からも、ま
た製造工程全体の作業性からも不都合が生じる難
点があつたものであるから、本発明は上記難点を
払拭すべく、１台のベニヤレースと１台の棚型ベ
ニヤドライヤーによる、直列ラインの中でのベニ
ヤ単板の継続処理方法および装置を茲に提供した
ものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本発明の第１番目の方法発明は、 (a) ベニヤレースにより切削されたベニヤ単板を
前記ベニヤレースと直列に配設した後段の棚型
ベニヤドライヤーの乾燥架の長さに相当する長
さの一装量毎に切断区分する第１工程、 (b) 前記切断区分された一装量毎のベニヤ単板を
前記ベニヤレースおよび前記後段の棚型ベニヤ
ドライヤーと直列に配設した複数段の待機コン
ベア上に交々収納する第２工程、 (c) 前記待機コンベア上に交々収納された一装量
毎のベニヤ単板を交々後段に送出して棚型ベニ
ヤドライヤーの最上部の乾燥架上に順次搬入搭
載する第３工程、 とからなるベニヤ単板の継続処理方法である。

また本発明の第２番目の装置発明は、 (d) 原木からベニヤ単板を連続的に切削するベニ
ヤレース、 (e) 切削されたベニヤ単板を所定長さの一装量毎
に連続的に切断し、およびこれを所定長さの一
装量毎に交々上下に区分して送出するツイン型
ベニヤクリツパーまたは仕分機構付ベニヤクリ
ツパーからなる単板切断区分送出機、 (f) 一装量毎に切断区分されて送出されるベニヤ
単板を交々一装量づつ収納する複数段の待機コ
ンベア、 (g) 交々一装量づつ収納したベニヤ単板を交々最
上部の乾燥架上に順次搬入搭載して間断的に下
方へ移送しながら加熱乾燥する棚型ベニヤドラ
イヤー、 を直列ラインに形成してなるベニヤ単板の継続処
理装置である。

(ホ) 作 用 本発明に於けるツイン型ベニヤクリツパーや仕
分機構付ベニヤクリツパーによるベニヤ単板の切
断区分動作は、その所定長さを後段工程に配設さ
れる棚型ベニヤドライヤーの乾燥架の長さに相当
する長さに合せて、例えばその乾燥架の長さが５
ｍある時はベニヤクリツパーの切断誤差も考慮し
てそれより若干短い長さに定寸長さを合せて切断
区分したものを一装量として送出し、次段の複数
段の待機コンベヤ上にこれを上下交々受渡して一
旦ここに収納した後に再び後段工程にこれを取出
して交々送出するものである。この複数段の待機
コンベアによるベニヤ単板の収納および送出の繰
返動作は、前段のツイン型ベニヤクリツパーや仕
分機構付ベニヤクリツパーから上下交々受渡され
る一装量づつのベニヤ単板を複数段、例えば２段
の待機コンベアの上下何れか一側に、例えば60ｍ
毎分程度の移送速度で収納し、他の一側に既に収
納されているベニヤ単板はこれを後段の棚型ベニ
ヤドライヤーに、例えば60ｍ毎分程度の移送速度
で送出する一装量づつのベニヤ単板の収納送出動
作を交々繰返すものである。

然る時はベニヤレースの連続的な切削動作と、
棚型ベニヤドライヤーの間断的な移送動作とが、
この２段以上から構成されている複数段の待機コ
ンベアによる工程速度の調整機能によつて、よく
その連続移送動作と間断移送動作の工程時間の偏
差が調整されるのみならず、通常有するベニヤレ
ースに原木を供給する際の単板切削動作の一時的
な休止によるベニヤドライヤーへの単板供給量の
不足の事態に対しても、例えば待機コンベアのベ
ニヤドライヤーへの送出速度に対して暫時の間べ
ニヤレースおよびベニヤクリツパーの切削切断送
出速度と待機コンベアの収納速度とを高速化する
ことによつてこれを補償し得るものである。

(ヘ) 実施例 本発明の実施の一例を第１図及至第４図に図示
するように、原木１からベニヤ単板２を連続的に
切削するベニヤレース３には通常周知構造のテン
ダー機構等が付設されていて単板切削の過程で材
質の歪が排除されて搬送コンベア４上に略平坦な
姿態のベニヤ単板２を吐出し得るように装置され
ており、次段に直列に連設されたツイン型ベニヤ
クリツパーや仕分機構付ベニヤクリツパーからな
る単板切断区分送出機５にこれが直接受渡される
ものである。前記単板切断区分送出機５の一機種
を構成する第２図に例示したツイン型ベニヤクリ
ツパーは、ベニヤ単板２の搬入路を挾んで上下に
対峙した１対の可動刃６ａ，６ｂと、該可動刃６
ａ，６ｂに対向して側方に水平に架設した２面固
定刃７からなり、前記下側の可動刃６ａと２面固
定刃７により所定長さのベニヤ単板２ｂにベニヤ
単板２を切断分離すると、後続するベニヤ単板２
はその搬出路を上方の搬出コンベア８ａ側に切断
と同時に切換えられる仕分機能を有し、また前記
上側の可動刃６ｂと２面固定刃７により所定長さ
のベニヤ単板２ａにベニヤ単板２を切断分離する
と、後続するベニヤ単板２はその搬出路を下方の
搬出コンベア８ｂ側に切断と同時に切換えられる
仕分機能を有するので、後段に直列に配設された
棚型ベニヤドライヤー９の乾燥架１０の長さに相
当する長さにその定寸法長さを合せてベニヤ単板
２を切断分離することにより、一装量のベニヤ単
板２ａ，２ｂに夫々切断区分されて夫々異なる場
所から送出されるとになるから、これを直列に複
数段の、この場合コンベア１１ａ，１１ｂ，１１
ｃから構成されている２段の待機コンベア１１上
に上下交々受渡して一旦ここに収納するものであ
る。また前記単板切断区分送出機５の他の機種を
構成する第３図に例示した仕分機構付ベニヤクリ
ツパーは、ベニヤ単板２の搬入路上に架設された
回転ナイフ１２ａとローラーアンビル１２ｂから
なる回転型ベニヤクリツパー１２と、該回転型ベ
ニヤクリツパー１２の切断動作に同調して所定長
さに切断された一装量毎のベニヤ単板２ａ，２ｂ
を刺着コンベア１３の最終抜針場所となる抜針プ
ーリー１４の直下と、中間抜針場所となる掻落バ
ー１５の直下の夫々異なる場所から待機コンベア
１１のコンベア１１ａ，１１ｂ，１１ｃ上に上下
交々受渡して一旦ここに収納するものである。次
にまた前記前段の待機コンベア１１と直列に配設
された後段の棚型ベニヤドライヤー９は、第４図
にその構成の要部を例示するように、前段の待機
コンベア１１上に上下交々受渡されて一旦ここに
収納された一装量のベニヤ単板２ａ，２ｂを順次
最上部の乾燥架１０上に搬入搭載すべく、該乾燥
架１０上に架設した開閉コンベア１６等により直
下の乾燥架１０上に一装量づつのベニヤ単板２
ａ，２ｂを交々落下させて水平に搭載するように
装置されているものであり、また該乾燥架１０は
図示ていないが上下に巻掛けたチエーンの間欠駆
動により各段一装量づつのベニヤ単板２ａ，２ｂ
を搭載したまま順次下方へ間断的に移送され、そ
の移送の過程で機内を送風循環する熱風により急
速に加熱乾燥されるように装置されているもので
ある。

尚、前記棚型ベニヤドライヤー９には、これを
要すれば第１図に例示するように、その乾燥単板
２ｃの搬出側周知構造の単板冷却機１７を配設し
て加熱により高温化されている乾燥単板２ｃの材
温をここで放冷可能に、冷却架上の乾燥単板２ｃ
に冷風を通風自在に装置することが出来、また該
単板冷却機１７の後段に冷却された乾燥単板２ｄ
の不規則端縁や、割れ、節孔等の不良部を切断除
去して優良な有寸単板とし、この有寸単板の端面
にホツトメルト樹脂を塗着し、およびその表面に
ホツトメルト樹脂含浸接着糸を貼着して所定長さ
に連続したすだれ状の横はぎ単板１８を生産可能
に、周知構造の単板横はぎ機１９を連設すること
も出来、原木１から切削したベニヤ単板２を継続
的に後段工程へ移送しながら乾燥し、および横は
ぎする一連の直結型単板処理工程に構成すること
が出来るものである。

(ト) 発明の効果 本発明のベニヤ単板の継続処理方法および装置
は、叙上のように１台のベニヤレースと１台の棚
型ベニヤドライヤーによる直列ラインの直結型単
板処理手段によつて構成されているので、従来技
術の連続移送動作の単板乾燥機や特殊な生単板接
合装置の使用を絶対的条件にしていた、１台のベ
ニヤレースと１台のネツト型ベニヤドライヤーに
よる直列ラインの直結型単板処理手段が、他種の
ローラー型ベニヤドライヤーや棚型ベニヤドライ
ヤーおよび通常の乾燥単板用の接合装置をそのま
ま利用出来ない装備上の難点があり、また１台の
ベニヤレースとネツト型およびローラー型の２台
のベニヤドライヤーを直角方向に曲げて前後に並
列に配設した直角ラインの直結型単板処理手段
は、その生産ラインが直角方向に曲つているので
工場構築物の利用上からも、また製造工程全体の
作業性からも不都合が生じる難点があつたものを
悉く払拭し得たものであり、本発明の１台のベニ
ヤレースと１台の棚型ベニヤドライヤーによる直
列ラインの直結型単板処理手段による時は、その
中間を複数段の待機コンベアによつて直結し、か
つ前記待機コンベア上に前段のベニヤレースに直
結した単板切断区分送出機から交々収納される一
装量毎のベニヤ単板を交々後段の棚型ベニヤドラ
イヤーの最上部の乾燥架上に順次搬入搭載するよ
うになつているので前段のベニヤレースの連続移
送動作と後段の棚型ベニヤドライヤーの間断移送
動作の工程時間に偏差があつても安全に前後段の
工程時間の調整が出来るのみならず、ベニヤレー
スに原木供給時の単板切削動作の一時的な休止時
間があつて後段のベニヤドライヤーへの単板供給
量に不足を生じる事態があつても、通常のベニヤ
ドライヤーへの待機コンベアの送出速度を上廻る
ベニヤレースおよびベニヤクリツパーの切削切断
送出速度と待機コンベアの収納速度にこれを調整
することが出来、それによつてその生産性の低下
分を完全に補償し得るとともに棚型ベニヤドライ
ヤーの単板充填効率を著しく高めることが出来得
る等、従来技術のものに無い優れた特長を有する
実施効果の顕著な発明である。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施の一例を示すものであつて、
第１図は全体の側面図、第２図はツイン型ベニヤ
クリツパーの側面図、第３図は仕分機構付ベニヤ
クリツパーの側面図、第４図は棚型ベニヤドライ
ヤーの側面図である。 １……原木、２，２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ……
ベニヤ単板、３……ベニヤレース、５……単板切
断区分送出機、９……棚型ベニヤドライヤー、１
０……乾燥架、１１……待機コンベア、１７……
単板冷却機、１８……横はぎ単板、１９……単板
横はぎ機。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ベニヤレースにより切削されたベニヤ単板を
   前記ベニヤレースと直列に配設した後段の棚型ベ
   ニヤドライヤーの乾燥架の長さに相当する長さの
   一装量毎に切断区分することと、前記切断区分さ
   れた一装量毎のベニヤ単板を前記ベニヤレースお
   よび前記後段の棚型ベニヤドライヤーと直列に配
   設した複数段の待機コンベア上に交々収納するこ
   とと、前記待機コンベア上に交々収納された一装
   量毎のベニヤ単板を交々後段に送出して棚型ベニ
   ヤドライヤーの最上部の乾燥架上に順次搬入搭載
   することを特徴とするベニヤ単板の継続処理方
   法。 ２ 原木からベニヤ単板を連続的に切削するベニ
   ヤレースと、該ベニヤレースに直列に連設されて
   前記切削されたベニヤ単板を所定長さの一装量毎
   に連続的に切断し、およびこれを所定長さの一装
   量毎に交々上下に区分して送出するツイン型ベニ
   ヤクリツパーまたは仕分機構付ベニヤクリツパー
   からなる単板切断区分送出機と、該単板切断区分
   送出機に直列に連設されて前記一装量毎に切断区
   分されて送出されるベニヤ単板を交々一装量づつ
   収納する複数段の待機コンベアと、該待機コンベ
   アに直列に連設されて前記交々一装量づつ収納し
   たベニヤ単板を交々最上部の乾燥架上に順次搬入
   搭載して間断的に下方へ移送しながら加熱乾燥す
   る棚型ベニヤドライヤーとからなることを特徴と
   するベニヤ単板の継続処理装置。