JPS6246830Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はユニツトインジエクタを有する内燃機
関の燃料コントロールロツド装置に関するもので
ある。

シリンダヘツドに、燃料噴射ポンプと燃料噴射
弁との機能を有するユニツトインジエクタを挿着
した従来の内燃機関において、そのユニツトイン
ジエクタの燃料噴射量を調量するためには、ユニ
ツトインジエクタに内蔵したプランジヤを回動さ
せる必要があり、そのプランジヤに固設されたレ
バーをコントロールロツドにより回動させてい
る。

このコントロールロツドは、従来は第２図に示
すようにシリンダヘツド７上に設けられた弁腕サ
ポート２４上に取り付けられたコントロールロツ
ド支え２５ａ，２５ｂによつて摺動可能に支持さ
れているが、シリンダヘツド２３に対して設けら
れた弁腕サポート２４及びコントロールロツド支
え２５ａ，２５ｂのそれぞれの全高の加工上のば
らつき及びコントロールロツド支え２５ａ，２５
ｂの取付面からコントロールロツド穴までの高さ
のばらつきにより、各々のコントロールロツド支
え２５ａ，２５ｂの高さが合致せず、コントロー
ルロツド２６の摺動がスムースでなく、コントロ
ールロツド２６が上手く作動しないという問題が
あつた。

そこで、本考案は前記従来の問題点を解消する
ためになされたものであり、コントロールロツド
支えをシリンダヘツド上の弁腕室のふた部材の内
側に一体に形成することにより、コントロールロ
ツドの作動をスムースにさせると共に、部品点数
を低減することを目的としたものである。

即ち、本考案の燃料コントロールロツド装置
は、シリンダヘツドにユニツトインジエクタを挿
着した内燃機関において、該ユニツトインジエク
タの燃料噴射量を調量するコントロールロツドを
摺動可能に支持するコントロールロツド支えを、
弁腕室のふた部材に一体に形成することにより構
成される。

以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明
するが、第１図の概略側面図は、本実施例におけ
る小形船舶の船尾１にデイーゼル機関２及びドラ
イブユニツト３からなる船外機を装着したもので
あり、この船外機用内燃機関であるデイーゼル機
関２によりドライブユニツト３の下部に設けられ
たプロペラスクリユウ４を回転させ、この小形船
舶を矢印Ａの進行方向に推進させると共に、この
船外機の前方に突出した操舵ハンドル５を船上に
て左右に動かすことにより操縦するようになつて
いる。

次に、第３図は第１図のデイーゼル機関２の内
部の部分拡大側断面図を示しており、ユニツトイ
ンジエクタ９からの燃料噴射による燃焼によりシ
リンダライト１４内のピストン１０を水平方向に
往復動させ、垂直方向に設けられたクランク軸１
１を回転させ、上記ドライブユニツト３経由、プ
ロペラスクリユウ４を回転させるようになつてい
る。

上記のユニツトインジエクタ９の燃料噴射量の
調量は、ユニツトインジエクタ９に内蔵された図
示されていないプランジヤを回動させることによ
り行なつているが、そのプランジヤに固設された
図示されていないレバーを回動するコントロール
ロツド１２が、垂直なクランク軸１１に平行な矢
印Ｅ方向に摺動するようになつているが、本考案
では、第３図を裏側から見た要部側断面図である
第４図に示すごとく、このコントロールロツド１
２を摺動可能に支持するコントロールロツド支え
１３を、シリンダヘツド７の上部の弁腕室１５の
ふた部材１６の内側に一体に形成している。

このコントロールロツド１２は、第４図におい
て図示されていないガバナ装置にて作動されるリ
ンク２２により矢印Ｅ方向に作動されることによ
り、ユニツトインジエクタ９からの燃料噴射量が
増量するようになつているが、その下端部に設け
られたストツパ１７により機関負荷時におけるそ
の燃料噴射量が制限されるようになつている。

上記の構成からなる本考案の燃料コントロール
ロツド装置においては、コントロールロツド支え
１３が弁腕室１５のふた部材１６に一体に形成さ
れているため、ふた部材１６のみの加工精度を確
立するだけで、コントロールロツド１２のスムー
スな作動が得られ、他の部品の加工公差はコント
ロールロツド１２の摺動には関係がなくなり、ま
た、ふた部材１６に対するこのようなコントロー
ルロツド１２の取り付け及び第２図に示すごとく
コントロールロツド１２を引張るためのスプリン
グ２０やストツパー１７の取り付けが、ふた部材
１６をシリンダヘツド７に組付ける前に行なうこ
とができるので、その組付けが容易になる。

一方、本実施例ではコントロールロツド１２
を、弁腕室１５内に挿入する場合、このふた部材
１６の上部に設けた潤滑油の注入用の穴１８から
挿入可能であり、この穴１８はコントロールロツ
ド１２の挿入用にも、潤滑油の注入用にも兼用で
きる。

更に、この穴１８から潤滑油を注入することに
より、機関分解組立直後においても、コントロー
ルロツド１２のコントロールロツド支え１３との
摺動部等が潤滑されるという利点もある。

なお、弁腕室１５のふた部材１６の上記の穴１
８からコントロールロツド１２を挿入する際に
は、第３図の−方向の平面図である第４図に
示すごとく、コントロールロツド１２に取り付け
られたピン１９その他の突起物が邪魔になるが、
第５図のごとくコントロールロツド１２を矢印Ｒ
のごとく回し、ピン１９を破線で示す位置にして
入れることにより上記の穴１８の径は比較的小さ
くても良く、穴の設置位置にも自由度があり、本
実施例の如くコントロールロツド１２と同心にす
る必要なく機関全高も低くできる。また、この穴
１８は通常第３図に示すごときキヤツプ２１にて
カバーされるようになつている。

従つて、本考案の燃料コントロールロツド装置
を、ユニツトインジエクタをシリンダヘツドに挿
着した内燃機関に適用すれば、コントロールロツ
ドの作動がスムースになると共に、その部品点数
及び組立工数が低減するという効果がある。

なお、本考案は主としてユニツトインジエクタ
を有する各種内燃機関に対して有効に適用するこ
とができるが、特に船外機用デイーゼル機関に対
しても有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるデイーゼル
機関を有する船外機の船尾要部の概略側面図、第
２図は従来例におけるコントロールロツド装置の
断面図、第３図は第１図のデイーゼル機関の内部
の部分拡大側断面図、第４図は第２図を裏側から
みた要部側断面図、第５図は第４図の−方向
の要部平面図である。 ２…デイーゼル機関、７…シリンダヘツド、９
…ユニツトインジエクタ、１２…コントロールロ
ツド、１３…コントロールロツド支え、１５…弁
腕室、１６…ふた部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダヘツドにユニツトインジエクタを挿着
   した内燃機関において、該ユニツトインジエクタ
   の燃料噴射量を調量するコントロールロツドを摺
   動可能に支持するコントロールロツド支えを、弁
   腕室のふた部材に一体に形成したことを特徴とす
   る内燃機関の燃料コントロールロツド装置。