JPS6237945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料噴射式エンジンの電子ガバナに関
し、電子ガバナのアクチユエータを簡単に高精度
に組付けられるようにすることを目的とする。

従来では第４図に示すように、ポンプハウジン
グ４０の外側壁４１にブラケツト４２を固着し、
このブラケツト４２に電子ガバナのアクチユエー
タ４３を支持させ、ポンプハウジング４０の上部
の蓋板４４に枢支したガバナレバー４５とアクチ
ユエータ４３とをターンバツクル式ボールジヨイ
ント４６で連結していた。

これでは、アクチユエータ４３を支持するブラ
ケツト４２を別部品として製作して取付ねばなら
ず、高価になる。しかも、アクチユエータ４３の
ブラケツト４２への取付及びブラケツト４２のポ
ンプハウジング外側壁４１への取付時の組付誤差
がアクチユエータ４３とガバナレバー４５との間
の寸法に集積して表われることから、ターンバツ
クル式ボールジヨイント４６で最終調整しなけれ
ばならず、手間を要し、生産性が悪いという欠点
があつた。

本考案は上記欠点を解消するために提案された
もので、ポンプハウジングの窓孔を蓋する蓋板に
ガバナレバーを回動可能に枢支させるとともに、
電子ガバナのアクチユエータを支持する支持枠を
蓋板と一体に形成するようにしたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

第１図は水冷横形デイーゼルエンジンの縦断側
面図を示し、このエンジンＥは、前後方向に摺動
自在にピストン１を収容したシリンダ２をシリン
ダブロツク３内に鋳込み、その前方にヘツドブロ
ツク４を固定してある。このヘツドブロツク４に
は、吸気ポート５及び排気ポート（図示略）が燃
焼室６に連通させて形成してあり、この連通は吸
気弁７及び排気弁（図示略）で断続される。

吸気弁７及び排気弁は、クランク室８に枢支さ
れたクランク軸９のクランクギア１０と、動弁カ
ムギア１１及び燃料噴射ポンプ駆動用カムギア１
２の各ギア１０，１１，１２に亘つて巻掛けられ
たタイミングベルト１３で構成される動弁駆動装
置Ｄで作動される。

燃料噴射ポンプ用カムギア１２は、シリンダブ
ロツク３の上方に位置し、ポンプケーシング１４
に枢支された燃料噴射カム１５を駆動する。ポン
プケーシング１４には燃料噴射ポンプ１６が装着
してあり、燃料噴射ポンプ１６の燃料噴射量を調
節するコントロールラツク１７は、ポンプケーシ
ング１４の上面の窓孔１８にボルト１９で固定し
た蓋板２０に枢支のガバナレバー２１でコントロ
ールラツク１７のラツクピン１７ａが操作される
ようになつている。

このガバナレバー２１は蓋板２０を貫通して回
動可能に枢支された軸２２の内端に燃料噴射ポン
プ１６のコントローンラツク１７のラツクピン１
７ａに係合する出力レバー２３を固定し、外端に
は入力レバー２４を固定して構成される。

こうして構成されたガバナレバー２１の入力レ
バー２４は蓋板２０と一体に形成された支持枠２
５に固定のアクチユエータ２６にワイヤ２７で連
結され、電子ガバナ装置Ｇで操作される。

この電子ガバナ装置Ｇは第１図に示すように、
バツテリ２８からの電流を回転速度設定器２９で
設定して比較器３０のVcに入力する一方、回転
速度検出器３１でエンジンＥの回転数に比例して
バツテリ２８の電流が増大するように制御器３２
で制御された電流を比較器３０のＶ_Rに入力し、
これらVc.V_Rに入力された電流値を比較器３０で
比較する。そしてエンジンＥに負荷がかかり回転
が低下して比較器３０のVc.V_RがVc＞Ｖ_Rになる
ときは、その偏差値に応じてアクチユエータ２６
を増幅器３３を介して作動させ、ガバナレバー２
１で燃料噴射ポンプ１６のコントロールラツク１
７を燃料噴射量増大側へ移動する。

こうして、燃料噴射量が増大してエンジンＥの
回転速度が増すと、回転速度検出器３１がこれを
検出し、比較器３０のＶ_Rに入力する電流値を増
大させて、Vc＝Ｖ_Rになるとアクチユエータ２６
は燃料噴射ポンプ１６のコントロールラツク１７
を燃料噴射量増大側への移動量が設定回転数にな
るようにガバナレバー２１を操作する。

逆に、エンジンＥが設定回転数よりも高くな
り、比較器３０のVc及びＶ_Rに入力された電流値
がVc＜Ｖ_Rになると、アクチユエータ２６を引き
寄せる操作力が弱くなり、ガバナレバー２１に設
けたリターンスプリング３４で燃料噴射ポンプ１
６のコントロールラツク１７を燃料噴射量減少側
に移動させて、エンジンＥの回転数を常に設定回
転速度に保つようになる。

本考案は以上に述べたように、燃料噴射ポンプ
のポンプケーシングに明けた窓孔を蓋する蓋にガ
バナレバーを枢支させるとともに、蓋から一体形
成した支持枠に電子ガバナのアクチユエータを支
持させ、このアクチユエータでガバナレバーを操
作するようにしてあるので、電子ガバナのアクチ
ユエータを蓋と一体に形成した支持枠に取付ける
だけで済み、簡単に組付けることができる。

しかも、アクチユエータとガバナレバーとが一
つの蓋に組付けられることから、アクチユエータ
とガバナレバーとの間の寸法を簡単に高精度に設
定することができる。

加えて、ガバナレバーを枢支している蓋がアク
チユエータの支持枠を兼ねるので、別体に形成し
た支持枠を介してアクチユエータを取付ける従来
のものに較べ、構造組付けが遥かに簡単になり、
安価に実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は水冷横形デイーゼルエンジンの縦断側
面図、第２図は要部の平面図、第３図は要部の側
面図、第４図は従来例を示す第３図相当図であ
る。 Ｅ……エンジン、１４……ポンプハウジング、
１６……燃料噴射ポンプ、１７……１６のラツク
（コントロールラツク）、１７ａ……ラツクピン、
１８……窓孔、１９……固定具（ボルト）、２０
……蓋板、２１……ガバナレバー、２２……２１
の軸、２３……２１の出力レバー、２４……２１
の入力レバー、２５……支持枠、２６……アクチ
ユエータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンＥの燃料噴射ポンプ１６をポンプハウ
   ジング１４内に挿入して固定し、ポンプハウジン
   グ１４に窓孔１８を燃料噴射ポンプ１６のラツク
   １７に臨ませて開口し、窓孔１８に蓋板２０を固
   定具１９で固定し、蓋板２０に軸２２を貫通させ
   て回転自在に枢支するとともに、軸２２の外端と
   内端とに入力レバー２４と出力レバー２３とを固
   定してガバナレバー２１を構成し、出力レバー２
   ３を燃料噴射ポンプ１６のラツクピン１７ａに伝
   動係合し、入力レバー２４をアクチユエータ２６
   に連動連結し、アクチユエータ２６を支持する支
   持枠２５を蓋板２０と一体に形成した事を特徴と
   する、燃料噴射式エンジンの電子ガバナ装置。