JPS6245802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続鋳造ラインにおいて、取鍋やタン
デツシユに使用するノズルのクランプ装置に関す
るものである。

この種ノズルのクランプ装置は、ノズルの交換
を短時間かつ容易に行なえること、ノズルの寸法
は必ずしも一定ではないのでクランプ位置に自由
度があること、熱変形や外力に対応できる機構で
あること、各部にガタや緩みが生じないことなど
の諸条件を満すことが必要とされており、各種の
装置が提案されている。

第１図は一部を断面で示した従来のノズルクラ
ンプ装置の一例の正面図、第２図はその下面図で
ある。両図において、１はタンデツシユ（以下タ
ンデツシユを例にとり説明する）の底部鉄皮（図
示せず）に直接又は他の部材を介して固定された
ケース、２はケース１内に配設された摺動ノズル
又はロータリーノズル、３は下部ノズル、４は下
部ノズル３の固定金具、５は浸漬ノズル、６はそ
の固定金具である。１１はノズルのクランプ装置
である。クランプ装置１１において、１２は案内
軸で、ボルト１３によりケース１に固定されてい
る。１４は案内軸１２に回動可能に遊嵌されたガ
イドで、円周上の一部に傾斜して切除されたカム
溝１５が設けられている。１６はガイド１４に遊
嵌されたクランパーで、ガイド１４の軸方向には
変位するが回動しないように構成されている。１
７はクランパーに固定されたガイドピンで、ガイ
ド１４のカム溝１５に嵌合している。１８はクラ
ンパー１６と一体に形成した二又状のクランプ腕
である。

上記のように構成したクランプ装置によりノズ
ルをクランプするには、先ずガイド１４を時計方
向に回動し、カム溝１５に嵌合したガイドピン１
７を介してクランパー１６を下降させ、これと一
体に形成されたクランプ腕１８を下降させる。こ
の状態で下部ノズル３、浸漬ノズル５を固定金具
４，６により装着し、次にガイド１４を反時計方
向に回動すると、クランパー１６、したがつてク
ランプ腕１８が上昇し、浸漬ノズル５の固定金具
６を上方に押圧してノズルをクランプする。

このように構成したクランプ装置においては、
ノズルを短時間で交換できる、クランプ位置の自
由度が大きい等の利点がある。しかしながら上記
のように構成したクランプ装置においては、以下
に述べるような問題があつた。

この種クランプ用のガイドピンとカム溝との関
係は、カム溝の傾斜角によつて上下のストローク
と押圧力が決定されるが、上記従来のカム溝は、
第３図の展開図に示すように、ストロークｈを得
るために傾斜角Θは大きく選ばれている。このた
め押圧力が比較的小さく、しかも振動や外力によ
つて緩み易い欠点がある。押圧力を大きくかつ安
定にするためには、カム溝１５の傾斜角Θを小さ
くすればよいが、所定のストロークｈを得るため
にはカム溝１５の長さｌを大きくとらなければな
らない。しかしガイド１４の外径との関係もあ
り、長さｌを大きくすることは困難であつた。

一般的にこの種のねじにより締付けた場合、緩
まないための条件として、ねじの傾斜角βをその
金属間摩擦角λ以下にする必要がある。一例とし
て、この種のクランプ装置に通常使用される鋼の
場合、摩擦係数μは0.1（潤滑）〜0.4（無潤滑）
程度であるが、これに振動が加わつた場合、容易
に0.05〜0.08程度に低下する。従つて傾斜角度と
しては、μ＝tanλより３〜５゜以下にする必要
がある。

この種のクランプ装置において、ねじの直径は
100mm程度である。したがつて、この条件ではス
トロークｈは、 100×π×1/2×tan5＝14mm ただし1/2はねじ（カム溝）を円筒の両側に切
つた場合。となり、耐火物及び設備の誤差、ノズ
ル内部の地金付着を考えると、鋳造中のノズルの
変換は勿論、通常のノズルの取付け，取外しにつ
いても事実上不可能であつた。

本考案は上記のような従来の欠点を解決するた
めになされたもので、同じ外径のガイドにおいて
ストロークもほぼ同じに得られ、かつ押圧力が大
きく安定なカム溝を備えたクランプ装置を提供す
るものである。以下図面により本考案を説明す
る。

第４図は本考案実施例のカム溝の展開図であ
る。本考案は、傾斜角αのカム溝１５ａとこれよ
り小さい傾斜角βのカム溝１５ｂを連結して、２
段のカム溝１５を構成したものである。このよう
に構成したカム溝１５によれば、ガイド１４を回
動すると、ガイドピン１７はカム溝１５ａでh₁上
昇し、次いでカム溝１５ｂでh₂上昇するので、最
終の押圧位置では、ガイドピン１７は（h₁＋h₂）
＝ｈ上昇したことになる。しかも、カム溝１５ａ
の傾斜角αは従来のカム溝の傾斜角Θより大きく
選ばれており、一方カム溝１５ｂの傾斜角βは従
来のカム溝の傾斜角Θより小さく選ばれているの
で、最終的にガイドピン１７がカム溝１５ｂ内に
位置するとき、その押圧力は大きく、しかも振動
や外力等によつて緩むことがなくきわめて安定し
ている。

以上の説明から明らかなように、本考案はカム
溝を傾斜角の大きい部分と小さい部分の２段に構
成したので、従来のガイドと同じ外径のガイドに
おいて所定のストロークが得られ、押圧力が大き
くしかも安定したクランプ装置が実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を断面で示した従来のクランプ装
置の正面図、第２図はその底面図、第３図はカム
溝の展開図、第４図は本考案実施例のカム溝の展
開図である。 １４…ガイド、１５，１５ａ，１５ｂ…カム
溝、１６，７…クランパー、１７…ガイドピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カム溝を備えたガイドを案内軸に遊嵌し該カム
   溝で制御されるガイドピンの変位を利用してノズ
   ルをクランプする装置において、 前記カム溝をその傾斜角が大きい第１のカム溝
   と該第１のカム溝より傾斜角が小さい第２のカム
   溝とにより２段に構成したことを特徴とするノズ
   ルのクランプ装置。