JPS6347405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば連続鋳造ラインにおいて、取
鍋やタンデツシユに使用するノズルのクランプ装
置に関するものである。

例えば、タンデツシユの摺動ノズルにおいて、
下部ノズルと浸漬ノズル間のシールは、溶鋼の酸
化を防止し製品々質の安定のため必要不可決の技
術であり、両ノズルのシールを確実に行なうた
め、各種のクランプ装置が提案され、実用に供さ
れている。

ところで、この種クランプ装置は、ノズルの交
換を短時間かつ容易に行なえること、ノズルの寸
法は必ずしも一定ではないのでクランプ位置に自
由度があること、熱変形や外力に対応できる機構
であること、各部にガタや緩みが生じないこと等
の条件を満すことが必要である。

このような条件を満すクランプ装置の一例とし
て、第１図及び第２図に示すような実願昭56−
34030号の考案がある。両図において、１はタン
デツシユ（以下タンデツシユを例にとり説明す
る）の底部鉄皮（図示せず）に直接又は他の部材
を介して固定されたケース、２はケース１内に配
設された摺動ノズル、３は下部ノズル、４は下部
ノズル３の固定金具、５は浸漬ノズル、６はその
固定金具である。１１はノズルのクランプ装置で
ある。クランプ装置１１において、１２は下端に
フランジ１３を有する案内軸で、ボルト１４によ
りケース１に固定されている。１５は案内軸１２
に回動可動に装着された円筒状のガイドで、下端
部には鍔１６を備えており、鍔１６の外周にはほ
ぼ等間隔に複数個の穴１７が設けられている。１
８はガイド１５の外周上の一部に傾斜して設けら
れたカム溝である。１９はガイド１５に軸方向に
のみ移動しうるように嵌装されたカラーで、フラ
ンジ２０を備えており、ガイド１５のカム溝１８
に嵌合するガイドピン２１が固定されている。２
２はカラー１９の上端に固定されたストツパであ
る。２３はカラー１９のフランジ２０とストツパ
２２との間に嵌装されたクランパで、カラー１９
の軸方向には移動するが回動はしないように装着
されており、二又状のクランプ腕２４を備えてい
る。２５はカラー１９のフランジ２０とクランパ
２３との間に介装された皿ばねである。

このようなクランプ装置によりノズルをクラン
プするには、先ずガイド１５に設けた穴１７にレ
バー等を差込んでガイド１５を時計方向に回動
し、カム溝１８に嵌合したガイドピン２１を介し
てカラー１９及びクランパ２３を下降させ、クラ
ンパ２３と一体に形成されたクランプ腕２４を下
降させてノズルのクランプを解除する。この状態
で下部ノズル３、浸漬ノズル５を固定金具４，６
により装着したのち、ガイド１５を反時計方向に
回動すると、カラー１９及びクランパ２３が上昇
し、クランプ腕２４が浸漬ノズル５の固定金具６
を上方に押圧して、ノズルをクランプする。この
ようにクランプ機構１１を操作することにより、
ノズルを容易かつ短時間で交換できる。

このように構成したクランプ装置は、カム溝１
８が傾斜して形成されているので、クランプ位置
を広範囲に選択できる、クランプ腕２４の直接の
クランプ力は皿ばね２５のたわみ量で決まり、ま
た熱変形や外力などでカムが緩んでも皿ばね２５
の弾性がクランプ力として作用し、この緩みは解
消される、各ノズルの接合面に介装されたシール
材の撓みもこの皿ばね２５で吸収される、ノズル
の交換を短時間で行なえる等、多くの利点があ
る。

ところで、このクランプ装置においては、第３
図に示すように、クランプ腕２４にはクランプに
よる反力F₁が加えられるため、クランパ２３の
Ａ点及びＢ点には、F₁L＝F₂l₁の隅力が作用する。
しかしながら、クランパ２３の長さl₁は構造上あ
まり長くできないので力F₂が大きくなり、長期
の使用によりＡ点、Ｂ点にいわゆるカジリが生じ
る。この結果クランパ２３が傾き、皿ばね２５が
有効に作用しなくなつてクランプが不安定にな
り、下部ノズル３と浸漬ノズル５とのシールが不
確実になる。このため度々オーバーホールを行な
つて修理し、部品を交換しなければならないの
で、多くの作業工数を必要とするばかりでなく、
予備品の管理上も問題があつた。

本考案は、上記のような従来の問題点を解決す
るためになされたもので、ノズル接合面のシール
を長期に亘つて確実に行なうことのできるクラン
プ装置を得ることを目的としたものである。以下
図面により、本考案を説明する。

第４図は本考案実施例の縦断面図で、第１図乃
至第３図と同じ機能の部分には同じ符号を付し、
説明を省略する。本考案は、クランパ２３の長さ
l₁をカラー１９のフランジ２０とストツパ２２間
の長さとほぼ等しく形成してカラー１９をこの間
に密に嵌装すると共に、ガイド１５の鍔１６に設
けた切除部１６ａの深さを従来より大きく形成
し、案内軸１２の下端に設けたフランジ１３との
間に空隙Ｇを形成し、この空隙Ｇ内に皿ばね２５
ａを介装したもので、ノズルをクランプする操作
は第１図乃至第３図の場合と同様である。

本考案は、上記のように構成したので、クラン
プ腕２４に加えられる反力F₁は、クランパ２３、
カラー１９を介してガイド１５に加えられる。こ
こで、ガイド１５のＣ点とＤ点に作用する偶力は
F₁L＝F₂l₂となり、l₂＞2l₁に設定されているので
Ｃ点、Ｄ点に加わる力は第３図の場合の1/2以下
になる。更にクランパ２３は上下をストツパ２２
及びカラ付フランジ２０によつて挾持されている
ので傾くことがない。このため、Ｃ点、Ｄ点にカ
ジリが発生するおそれはほとんどなく、皿ばね２
５ａは長期に亘つて有効に作用することができ
る。

第５図は本考案の別の実施例の一部断面図で、
第４図と同じ機能の部分には同じ符号を付し、説
明を省略する。本実施例においては、クランプ腕
２４ａを有しガイドピン２１ａが固定されたカラ
ー１９ａを、軸方向にのみ移動しうるように案内
軸１２に嵌装し、案内軸１２とガイド１５との間
に皿ばね２５ａを介装したもので、作用効果は第
４図の場合と同じであるが、構造をさらに簡単に
したものである。

上記の実施例では、本考案のクランプ装置で浸
漬ノズルの固定金具をクランプする場合を説明し
たが、下部ノズルその他のノズルのクランプにも
実施しうることは云う迄もない。また案内軸とガ
イドとの間に皿ばねを介装した場合について述べ
たが、コイルばねその他の弾性体を介装してもよ
い。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば案内軸とガイドとの間に弾性体を介装すること
により、ノズルを長期に亘り確実かつ安定にクラ
ンプすることができ、従来１回／３か月の頻度で
オーバーホールが必要であつたのが、１回／６か
月以上に延長することができた。また、熱変形や
外力等による緩みも解消でき、さらにノズルの接
合面に介装するシールの撓みも吸収できるのでシ
ール性を向上できる等、実施による効果大であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はクランプ装置の一例を示す縦断面図、
第２図はその底面図、第３図はその作用説明図、
第４図は本考案実施例の縦断面図、第５図は本考
案の別の実施例の一部縦断面図である。 １……ケース、１１……クランプ装置、１２…
…案内軸、１５……ガイド、１８……カム溝、１
９……カラー、２１，２１ａ……ガイドピン、２
３，２３ａ……クランパ、２４，２４ａ……クラ
ンプ腕、２５……皿ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) カム溝を備えたガイドを案内軸に遊嵌し前記
   カム溝で制御されるガイドピンの変位を利用し
   てノズルをクランプする装置において、 前記ガイドに前記カム溝に嵌合するガイドピ
   ンを備えたカラーを軸方向にのみ移動しうるよ
   うに嵌装し、該カラーに直接又は該カラーのフ
   ランジとストツパ間の長さとほぼ等しい長さの
   クランパを嵌装し、該クランパにクランプ腕を
   設け、前記案内軸の先端部に設けたフランジと
   前記ガイドの先端部との間に該ガイドを押圧す
   る弾性体を介装したことを特徴とするノズルの
   クランプ装置。 (2) 前記クランプ腕をカラー又はクランパと一体
   に形成してなる実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のノズルのクランプ装置。 (3) 前記弾性体を皿ばねで構成してなる実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のノズルのクランプ
   装置。