JPH0233976Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、タンデイツシユ等の溶湯容器に設け
られる浸漬ノズル等の保持交換装置に関する。

〔従来の技術〕 連続鋳造設備のタンデイツシユの下部に配置さ
れたスライデイングノズル装置には、このスライ
デイングノズルに接続される浸漬ノズルを保持す
るとともに交換を行なう浸漬ノズル保持交換装置
が設けられている。

従来、このような保持交換装置は、浸漬ノズル
をタンデイツシユに強固に接続するための機構を
備えている。

この機構としては例えば、実開昭56−65766号
公報に記載されたようなエアーシリンダの流体圧
によるもの、特開昭52−82635号公報に記載され
たバヨネツト構造による機械的圧力負荷によるも
の、及び実開昭56−165556号公報に記載されたば
ね機構を用いて弾性圧力により保持力を保つよう
にしたもの、及び実開昭54−80514号公報に記載
されたコツタ機構によりノズル保持を行う構成と
したもの等がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の従来構造において、まずエアーシリンダ
による流体圧支持の場合は、エアー供給用のホー
ス破損等によつてエアー供給が停止する恐れがあ
り、これに代わるものとしてバツクアツプ機構を
付帯しなければならない。従つて付帯設備が複雑
となり、タンデイツシユとモールド間のような狭
い部分ではオペレータの視野確認が十分に行えな
いという問題がある。

バヨネツト構造のものでは使用時に緩む恐れが
あるので、浸漬ノズルの接続時に増し締めが必要
である。この作業は熟練を要し、増し締めする作
業の間の事故が起こると溶湯が瞬時に流出して極
めて危険であるという問題がある。

さらに、ばね機構のものではタンデイツシユの
底面にこれを取り付ける構造としなければなら
ず、他の構成要素と干渉する場合が多く設計上の
問題を生じたり、オペレータの視野の確保も十分
でないという問題がある。

また、コツタ機構を用いたものでは、据付スペ
ースが大きくなるので設備上の問題があり、ノズ
ル保持時のバツクアツプが効かないという欠点が
ある。

本考案の目的は、溶湯容器のノズル交換保持装
置において、ノズルを簡単に交換でき、かつ常時
均一な圧力で溶湯容器に装着保持可能とすること
にある。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案の構成は、溶湯容器１の下部に下方へ伸
延して配置される連結ハンガー２０と、同連結ハ
ンガー２０に上下方向へ揺動可能に中途部分を枢
着され一端にノズル４の支持部２１ａを形成した
ノズル保持アーム２１と、同ノズル保持アーム２
１の他端側に同アームと交差するように位置し一
端が上記溶湯容器１に上下方向へ揺動可能に枢着
され前記ノズル保持アーム２１に係合する押圧ア
ーム２３と、同押圧アーム２３上面と溶湯容器１
下面間に配置され且つ押圧アーム２３と交差する
方向に配列した複数のスプリング２２と、同押圧
アーム２３のほぼ中央部の下面に形成されて前記
ノズル保持アーム２１の上面に衝き当たる先細の
ピボツト２７と、同押圧アーム２３の他端に配置
され前記弾性体２２の付勢力に抗して押圧アーム
２３を上方に回動変位させるためのトグル機構２
４とを設けたもので、押圧アーム２３の圧下力に
よりノズル４を溶湯容器１に接続し、かつトグル
機構２４及び押圧アーム２３の旋回によりノズル
交換を行なうようにしたものである。そして、ピ
ボツトを備えることにより、複数のスプリングの
付勢力分布が変化しても、押圧アームのノズル保
持アームへの圧下力を一点に集中させることがで
きる。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図は本考案に係る浸漬ノズル保持交換装置
を備えたスライデイングノズル装置の断面図、第
２図は同第１図の−線矢視図である。

溶湯容器をなすタンデイツシユ１の底部のノズ
ル受け２に支持された上部ノズル３の下部に、ス
ライデイングノズル装置Ａ（以下「SN装置Ａ」と
記す。）が配置され、さらにその下位に浸漬ノズ
ル４が位置している。

SN装置Ａは固定金枠５と開閉金物１２間に上
部プレート７と下部プレート８を配置し、両プレ
ート７，８間にシリンダ９により往復動作するス
ライド金枠６に中間プレート１０を設けたもの
で、中間プレート１０の開口１１を上部ノズル３
と浸漬ノズル４の軸線と整合させて溶鋼を排出す
ることができる。

Ｂは浸漬ノズル４を下部プレート８の下面に密
着状態に接続するとともに浸漬ノズル交換を行な
う保持交換装置である。

この保持交換装置Ｂは、SN装置Ａの開閉金物
１２の下面に鉛直方向に垂下されかつ回動自在な
連結ハンガー２０、同連結ハンガー２０の下端に
枢着されて鉛直面内で揺動し一端に浸漬ノズル４
を支持するための二股状の支持部２１ａを形成し
たノズル保持アーム２１、同アーム２１の端部上
面をスプリング（弾性体）２２により圧下する押
圧アーム２３、この押圧アーム２３のノズル保持
アーム２１圧下を解除するトグル機構２４等を要
素として構成される。

第３図は第２図の−線矢視図で、押圧アー
ム２３の一端は開閉金枠２５の固定ブラケツト２
６に枢着され、中央下面にはノズル保持アーム２
１に点接触するピボツト２７を形成し、開閉金枠
２５の下面との間に３個の弾性体をなすスプリン
グ２２を配置している。このスプリング２２は開
閉金枠２５の下面に形成されたスプリングボツク
ス２５ａ内に夫々配置される。

トグル機構２４は、開閉金枠２５に枢着された
トグルアーム２８、一端を押圧アーム２３に枢着
され他端をトグルアーム２８に連結した加圧治具
２９、及び同加圧治具２９に連設された取り外し
自在なトグルレバー３０とから構成される。この
トグルレバー３０はノズル交換作業後には取り外
すようにする。

上記構成の保持交換装置Ｂは、第３図の状態で
押圧アーム２３の圧下力によりノズル保持アーム
２１を連結ハンガー２０の枢着点回りに第１図に
於いて時計方向に押圧し、ノズル保持アーム２１
に支持された浸漬ノズル４を下部プレート８を圧
着する。

この接続において、圧着力を負荷する押圧アー
ム２３はスプリング２２の復元力に基づくので、
常に圧着保持力を一定に保つことができ、目地モ
ルタルが収縮しても隙間を生じることなく保持で
き、バツクアツプのための設備を必要としない。

次に、浸漬ノズル４を交換する時は第４図のよ
うにトグルレバー３０を下方に押し下げ、スプリ
ング２２の付勢力に抗して押圧アーム２３を固定
ブラケツト２６との枢着点周りに時計方向に回動
変位させる。

これにより、押圧アーム２３によるノズル保持
アーム２１への圧下力が作用しなくなり、同アー
ム２１は第１図において反時計方向に回動して浸
漬ノズル４が下部プレート８から離れる。この状
態で、ノズル保持アーム２１を浸漬ノズル４とと
もに連結ハンガー２０を中心として旋回させ、交
換位置にもたらし、セツトされた新ノズル（図示
せず）と交換することができる。

また、交換後のノズルは同様にノズル保持アー
ム２１を旋回させて下部プレート８との位置決め
を行なつた後、トグルレバー３０を第３図の位置
に回転させれば、スプリング２２の付勢力により
押圧アーム２３のピボツト２７がノズル保持アー
ム２１の上面を圧下し、浸漬ノズル４側を下部プ
レート８に圧接状態に保持できる。このピボツト
２７を用いたことから、押圧アーム２３とノズル
保持アーム２１上面は点接触するので、３連のス
プリング２２による付勢力分布が押圧アーム２３
の長手方向に一様でなくても、その影響を受ける
ことなくノズル保持アーム２１を鉛直方向に圧下
し、浸漬ノズル４を確実に下部プレート８に圧着
可能である。

以上のように、浸漬ノズル４の交換はトグルレ
バー３０の回動操作でワッタツチ作業で行え、ま
た押圧アーム２３はノズル保持アーム２１の上位
にこれと交差する状態に配置されるので、SN装
置Ａに対してコンパクトに付帯出来、他の機器と
の干渉を生じることなく据えつけが可能である。

尚、第５図に示すように連結ハンガー２０とス
プリングボツクス２５ａを一体化して開閉金枠２
５に回転自在に取りつける構成とすることも可能
である。

また、下部固定プレートを付帯せずに摺動金枠
の下に開閉金枠が直接位置する構成の二枚プレー
ト式のスライデイングノズル装置や、ロータリー
式のノズル交換装置にも本考案を適用できる。

さらに、ノズルとしては、本実施例で述べた浸
漬ノズルの他に下部ノズルやロングノズルの保持
交換も本考案構成によりその保持交換が行え、し
かも溶湯容器としては、タンデイツシユ以外に取
鍋や転炉等に対しても本考案を適用できる。

〔考案の効果〕

本考案は、複数のスプリングの付勢力とトグル
機構とを利用して押圧アームによつてノズル保持
アームを圧下するようにしている。このため、ト
グル機構によるノズル交換作業が簡単に行えるほ
か、弾性圧着方式なので目地モルタルの収縮の影
響を受けることなくノズルを確実に接合できる。
また、押圧アームの下端に形成したピボツトがノ
ズル保持アームの上面に衝き当たるので、複数設
けたスプリングの付勢力分布が変化しても、常に
一点で圧下するのでノズル保持アームを正確に鉛
直方向に押し下げることができる。このため、ノ
ズル保持アームの一端に取り付けたノズルを更に
一層確実に接合することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るノズル保持交換装置の要
部断面図、第２図は同第１図の−線矢視図、
第３図は同第２図の−線矢視であつて浸漬ノ
ズルを圧着接合した時の状態の押圧アーム部分を
示す正面図、第４図は押圧アームの圧下を解除し
た時の正面図、第５図はノズル保持アームの旋回
機構の他の例を示す断面図である。 １……タンデイツシユ（溶湯容器）、２０……
連結ハンガー、２１……ノズル保持アーム、２２
……スプリング（弾性体）、２３……押圧アーム、
２４……トグル機構、Ａ……スライデイングノズ
ル装置、Ｂ……ノズル保持交換装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶湯容器１の下部に下方へ伸延して配置される
   連結ハンガー２０と、同連結ハンガー２０に上下
   方向へ揺動可能に中途部分を枢着され一端にノズ
   ル４の支持部２１ａを形成したノズル保持アーム
   ２１と、同ノズル保持アーム２１の他端側に同ア
   ームと交差するように位置し一端が上記溶湯容器
   １に上下方向へ揺動可能に枢着され前記ノズル保
   持アーム２１に係合する押圧アーム２３と、同押
   圧アーム２３上面と溶湯容器１下面間に配置され
   且つ押圧アーム２３と交差する方向に配列した複
   数のスプリング２２と、同押圧アーム２３のほぼ
   中央部の下面に形成されて前記ノズル保持アーム
   ２１の上面に衝き当たる先細のピボツト２７と、
   同押圧アーム２３の他端に配置され前記スプリン
   グ２２の付勢力に抗して押圧アーム２３を上方に
   回動変位させるためのトグル機構２４とを有して
   なることを特徴とする溶湯容器のノズル保持交換
   装置。