JP6029498B2 - ロングノズル支持装置 - Google Patents
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Description
また、取鍋内の溶鋼が全てタンディッシュに注がれると、ロングノズルを取鍋の底部のスライディングノズルから離脱し、溶鋼が満たされた取鍋の底部のスライドバルブに装着して、タンディシュ内に溶鋼を注ぐ。ロングノズルを取鍋毎に再使用または交換することによって、連続的に鋳造することができる。
斯かるロングノズル支持装置の構造を開示する文献としては、特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1は、レードルカーの昇降デッキ上に支柱を設け、この支柱に、水平回動自在に第1アームを取付けるとともに、この第1アームの先端部上側に、水平回動自在に旋回座を取付け、さらに、この第1アームの先端部下側に、前記旋回座と同心回動自在に第2アームを取付ける一方、エアシールパイプ(ロングノズル)を揺動自在に支持したビームの中間点を前記旋回座に、上下方向に回動自在に支持し、また、前記第2アームの先端に、軸線方向を垂直とし、かつ中間停止及び停止保持自在なシリンダを取付け、このシリンダのロッドを前記ビームに連結しているエアシールパイプ(ロングノズル)支持装置を開示する。
ためビームそのものが中途部を中心に回動してしまう。即ち、特許文献1のロングノズル支持装置は、ビームの「前進運動・後退運動」に第1アームの基端部を中心とする「円弧運動」が合成された複雑な動作になる。そのため、ロングノズル支持装置の操作性が悪くなるばかりか、ロングノズルの上面とスライドバルブ(取鍋ノズル)の下面とが接する密着面において、スライドバルブの動き(ロングノズルの直線運動)に伴い、これら面同士がずれる回転摺動運動が生じてしまうという問題がある。この回転摺動運動は、スライドバルブとの密着面においてのロングノズルのシール性を悪化させる虞がある。ゆえに、連続鋳造における鋳片の品質を低下させる虞がある。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、ロングノズルを取鍋に装着する際に、目標位置が定め易いといった良好の操作性を有するロングノズル支持装置を提供することを目的とする。
本発明に係るロングノズル支持装置は、取鍋内の溶鋼をタンディッシュに注入する際に用いられるロングノズルを把持するロングノズル把持アームと、前記ロングノズル把持アームを支持するとともに当該ロングノズル把持アームを上下方向に回動自在に旋回させるロングノズル支持部材と、前記ロングノズル支持部材を、前記取鍋に備えられたスライドバルブの可動プレートがスライドする方向である前後方向への動作が可能なように支持するリンク部と、前記リンク部を垂直軸心周りに回動自在に旋回させる旋回装置と、を有し、前記リンク部は、第1リンク部材と第2リンク部材と第3リンク部材とを有し、前記第1リンク部材は、当該第1リンク部材のいずれかの部位が固定側に対して垂直軸心周りに回動自在に連結されるとともに、先端部が前記第2リンク部材の基端部に垂直軸心周りに回動自在に連結されており、前記第2リンク部材は、その先端部が前記ロングノズル支持部材に垂直軸心周りに回動自在に連結されており、前記第3リンク部材は、その基端部が前記第1リンク部材に垂直軸心周りに回動自在に連結されるとともに先端部が前記ロングノズル支持部材に垂直軸心周りに回動自在に連結されていることを特徴とする。
好ましくは、前記ロングノズル支持部材の後端部には、前記ロングノズル支持部材を回動させるとともに前後方向に動作させる操作部が備えられていて、前記操作部は平行リンク機構を回動させる力点部、及び/又は、前記旋回装置を旋回させる力点部となっているとよい。
好ましくは、前記ロングノズル把持アームの基端部は、前記ロングノズル支持部材の先端に水平軸心周りに回動自在に枢支されているとよい。
好ましくは、前記ロングノズル支持部材には、取鍋の底部に対してロングノズルを付勢するロングノズル押当て機構が備えられているとよい。
以下、本実施形態に係るロングノズル支持装置1を説明する前に、本実施形態のロングノズル支持装置1で支持されるロングノズル36が配備された連続鋳造設備30の説明を行う。
図7には、本実施形態の鋳片引抜装置が備えられる連続鋳造設備30の概略が示されている。
図1に示すように、本発明に係るロングノズル支持装置1は、長尺の溶鋼注入ノズル、すなわちロングノズル36を溶鋼で満たされた取鍋37の底部にあるスライドバルブ38(溶鋼注入孔)に装着し、その位置で支持するためのものである。
ロングノズル支持部材3は、ロングノズル把持アーム2と略同じ長さであり、且つ内部が空洞とされた筒部材であって、先端が後端に比べて大きく開口されている。この先端には、ロングノズル把持アーム2の基端が挿入されるようになっている。ロングノズル支持部材3の先端の側面には、ロングノズル把持アーム2の軸孔の内周面と同一の内周面を有した貫通孔が形成されていて、軸孔と貫通孔とが同一軸線上となっている。これにより、枢支軸15が貫通するように内挿され、ロングノズル支持部材3とロングノズル把持アーム2とが回動自在に連結されるようになっている。
成されている。第1孔は、ロングノズル支持部材3の先端に形成され、上下方向に貫通するようになっている。第2孔は、ロングノズル支持部材3の中途部の上部に形成されている。
また、ロングノズル支持部材3の先端上部には、ロングノズル把持アーム2を上下方向に回動自在に動作させる昇降装置10が備えられている。昇降装置10は、駆動軸17が伸縮する油圧シリンダで構成されており、駆動軸17が本体部18内を摺動するようになっている。昇降装置10は、その本体部18が前側に上方傾斜するように取り付けられている。昇降装置10の本体中途部がロングノズル支持部材3の先端に立設された取付部16に回動自在に接合され、昇降装置10の駆動軸17(ロッド軸)の先端がロングノズル把持アーム2の基端に取り付けられている。駆動軸17が伸縮することで、ロングノズル把持アーム2が枢支軸15の軸心周りに上下方向に回動するようになっている。
ロングノズル押当て機構11は、上記したロングノズル把持アーム2を昇降させる昇降装置10によって稼働されるものであって、取鍋37のスライドバルブ38とロングノズル36の上面とを密着するように面接触させるものである。すなわち、昇降装置10の駆動軸17が伸長することで、ロングノズル把持アーム2の基端は下方向へ押し下げられ、それに伴い、ロングノズル把持アーム2は枢支軸15周りに回動して、ロングノズル36を把持するロングノズル把持アーム2の先端は、上方へと押し上げられるようになる。昇降装置10の駆動軸17が伸長することで、取鍋37のスライドバルブ38に対してロングノズル36を密着させるようになる。
ロングノズル脱落防止機構12は、ロングノズル支持部材3の内部に配備されており、昇降装置10が何らかのトラブルにより機能しなくなった場合、ロングノズル把持アーム2の先端が下がらないようにするものである。ロングノズル脱落防止機構12は、枢支軸15の外周面周りに嵌着されたスプロケット19と、スプロケット19の歯部に掛け止めされるチェーン20と、そのチェーン20を引っ張るスプリング21(コイルバネ)と、を有している。
また、ロングノズル支持部材3は、後述するリンク部4を介して、上下軸心周り(垂直軸心周り)に回動自在に旋回するようになっている。
第1リンク部材5は、ロングノズル支持部材3の前後方向に略半分程度の長さで形成された短尺のビーム部材であり、その先端部には第1リンク部材孔が形成されている。なお、第1リンク部材5の前側を先端部とし、後側を基端部とする。第1リンク部材5の基端部又は中途部は、床面Fから立設された太径の心棒に、ベアリングを介して、回動自在に嵌合されている。また、第1リンク部材孔とリンク軸22によって、第1リンク部材5の先端部が第2リンク部材6の基端部に回動自在に連結されるようになっている。また、図1(a)に示すように、本実施形態では、第1リンク部材5は、先端部が基端部に比べてやや先細るように形成されている。
第3リンク部材7は、第2リンク部材6と同じ長さであって、第1リンク部材5及び第2リンク部材6に比べて細い棒材で形成されている。第3リンク部材7の両端部には、第3リンク部材孔がそれぞれ形成されている。なお、第1リンク部材5と第3リンク部材7とが連結されている側を基端部とし、その反対側を先端部とする。なお、先端部の第3リンク部材孔を第3リンク部材孔aとし、基端部の第3リンク部材孔を第3リンク部材孔b
とする。
また、ロングノズル支持部材3の後端には、ロングノズル支持部材3を回動させる操作部9が備えられていて、この操作部9は平行リンク機構を回動させる力点部となっている。操作部9は、ロングノズル支持部材3を挟んで平行リンク機構の反対側、すなわち旋回装置8の反対側に備えられている。このように操作部9をロングノズル支持部材3の後端からオフセットして配置することで、ロングノズル36を取鍋37のスライドバルブ38に装着する際のロングノズル把持アーム2の視認性を向上させている。
図2は、ロングノズル支持装置1の前後方向の直線運動を示した図である。
図2(a)には、ロングノズル36が取鍋37のスライドバルブ38に装着された際のロングノズル支持装置1が示されている。このときのロングノズル支持装置1は、ロングノズル支持装置1の前側先端(ロングノズル把持アーム2の先端)が取鍋37のスライドバルブ38の可動プレート23の中央と重なり合うように配置されている。
の軸心と同一直線上にある。
図2(b)には、ロングノズル36が取鍋37のスライドバルブ38に装着された際のロングノズル支持装置1が、図2(a)より前方に移動した状態、すなわちロングノズル把持アーム2の先端がスライドバルブ38の可動プレート23の中央よりt1だけ前方に移動した状態が示されている。このとき、スライドバルブ用油圧シリンダ24は、そのピストンが最も前方に移動した位置(ストロークエンド)に配置されている。この状態をスライドバルブ用油圧シリンダ24のストロークの全開位置とする。
図2(d)及び図2(e)には、ロングノズル36を取鍋37のスライドバルブ38に装着する前のロングノズル支持装置1が示されている。
図3に示されているロングノズル支持装置1は、第3リンク部材7の基端部が第1リンク部材5の中途部に回動自在に連結されるとともに、その先端がロングノズル支持部材3の中途部よりやや前方に回動自在に連結されている。つまり、第3リンク部材7が第1リ
ンク部材5の基端部よりも第2リンク部材6側に配置されているといえる。
図5は、ロングノズル支持装置1の水平方向の旋回運動、つまりロングノズル支持装置1の旋回範囲を示した図である。
次に、この実線で示されたロングノズル支持装置1を90°右側に旋回させると、2点鎖線で示された状態となる。このとき、ロングノズル支持装置1のリンク部4は、実線で示された状態とほぼ同様である。
このように、ロングノズル支持装置1が旋回装置8の軸心周りに一周旋回すると、ロングノズル把持アーム2の先端が図5の斜線部分の旋回範囲内を自在に移動するようになる。また、3本のリンクを有するリンク部4により、3本のリンクが夫々個別に無秩序に運動することがないのでロングノズル把持アーム2及びロングノズル支持部材3の旋回が安定するようになる。
、ロングノズル把持アーム2の先端が下方へ揺動し、スライドバルブ38に装着されたロングノズル36も下方に移動するようになる。つまり、ロングノズル把持アーム2はタンディシュ34側へ押し下げられるようになる(実線で図示)。このとき、ロングノズル支持装置1は、ロングノズル押当て機構11により、取鍋37のスライドバルブ38に対して常にロングノズル36を押し当てるようになっている。このロングノズル押当て機構11は、油圧系のトラブルなどによって昇降装置10が作動不良になったとしても取鍋37のスライドバルブ38に装着されたロングノズル36を取鍋37のスライドバルブ38から脱落させないようにするものである。また、ロングノズル押当て機構11は、ロングノズル押当て機構11に備えられたコイルバネによって、ロングノズル36を取鍋37のスライドバルブ38から脱落させない程度の弱い押し当て力を付勢している。
このように、本発明のロングノズル支持装置1を用いることにより、ロングノズル36を取鍋37のスライドバルブ38に装着する際のロングノズル36の上面と取鍋37のスライドバルブ38との位置決めが容易にできるとともに、連続的にロングノズル36を取鍋37の底部のスライドバルブ38に装着したり、離脱させたりすることができる。また、本発明のロングノズル支持装置1を用いることにより、鋳造を連続的にすることができ、且つ品質及び生産性も向上させることができる。また、第1リンク部材5の基端部とロングノズル支持部材3との間隔が小さいので、ロングノズル支持装置1の旋回半径が小さくなる。そのため、本発明のロングノズル支持装置1は、連続鋳造設備30内の狭小スペースに配備することができる。
また、本実施形態では、ロングノズル脱落防止機構12にコイルばねを用いて説明したが、例えば皿バネ、エアシリンダ、油圧シリンダ、錘式などを用いてもよい。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
2 ロングノズル把持アーム
3 ロングノズル支持部材
4 リンク部
5 第1リンク部材
6 第2リンク部材
7 第3リンク部材
8 旋回装置
9 操作部(力点部)
10 昇降装置
11 ロングノズル押当て機構
12 ロングノズル脱落防止機構
13 切り欠き部
14 ロングノズル保持ホルダ
15 枢支軸
16 取付部
17 駆動軸(ロッド軸)
18 本体部
19 スプロケット
20 チェーン
21 スプリング
22 リンク軸
23 可動プレート
24 スライドバルブ用油圧シリンダ
30 連続鋳造設備
31 鋳型
32 鋳片
33 サポートロール
34 タンディッシュ
35 浸漬ノズル
36 ロングノズル(溶鋼注入ノズル)
37 取鍋
38 スライドバルブ
40 レードルターレット
F 床面
Claims (7)
- 取鍋内の溶鋼をタンディッシュに注入する際に用いられるロングノズルを把持するロングノズル把持アームと、前記ロングノズル把持アームを支持するとともに当該ロングノズル把持アームを上下方向に回動自在に旋回させるロングノズル支持部材と、前記ロングノズル支持部材を、前記取鍋に備えられたスライドバルブの可動プレートがスライドする方向である前後方向への動作が可能なように支持するリンク部と、前記リンク部を垂直軸心周りに回動自在に旋回させる旋回装置と、を有し、
前記リンク部は、第1リンク部材と第2リンク部材と第3リンク部材とを有し、
前記第1リンク部材は、当該第1リンク部材のいずれかの部位が固定側に対して垂直軸心周りに回動自在に連結されるとともに、先端部が前記第2リンク部材の基端部に垂直軸心周りに回動自在に連結されており、前記第2リンク部材は、その先端部が前記ロングノズル支持部材に垂直軸心周りに回動自在に連結されており、
前記第3リンク部材は、その基端部が前記第1リンク部材に垂直軸心周りに回動自在に連結されるとともに先端部が前記ロングノズル支持部材に垂直軸心周りに回動自在に連結されている
ことを特徴とするロングノズル支持装置。 - 前記リンク部と前記ロングノズル支持部材とは、平行リンク機構を構成しており、前記第1リンク部材のいずれかの部位が前記平行リンク機構の旋回中心となっていることを特徴とする請求項1に記載のロングノズル支持装置。
- 前記ロングノズル支持部材の後端部には、前記ロングノズル支持部材を回動させるとともに前後方向に動作させる操作部が備えられていて、前記操作部は平行リンク機構を回動させる力点部、及び/又は、前記旋回装置を旋回させる力点部となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロングノズル支持装置。
- 前記操作部は、前記ロングノズル支持部材を挟んで平行リンク機構の反対側に備えられていることを特徴とする請求項3に記載のロングノズル支持装置。
- 前記ロングノズル把持アームの基端部は、前記ロングノズル支持部材の先端に水平軸心周りに回動自在に枢支されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロングノズル支持装置。
- 前記ロングノズル支持部材には、取鍋の底部に対してロングノズルを付勢するロングノズル押当て機構が備えられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のロングノズル支持装置。
- 前記ロングノズル支持部材には、連続鋳造中において取鍋の底部に装着されたロングノズルを取鍋の底部から脱落させないようにするロングノズル脱落防止機構が備えられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のロングノズル支持装置。
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