JPS6245528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバイン等を穀稈列に自動追従さ
せるための方向制御装置に関する。

一般に、この種方向制御装置に用いられるセン
サーは、センサーの一方から突出している１本の
センサーアームを有し、該アームの穀稈に接触す
ることに基づく回動角度により機体と穀稈列との
関係を検知する側面センサー方式と、センサーの
左右から突出しているセンサーアームを有し、該
左右いずれかのアームが穀稈列に当接して方向制
御を行なう両面センサー方式がある。ところで、
これら両方式のセンサーにおいても、センサーか
らの信号が左右クラツチ制御用のソレノイドに送
られると、クラツチが切断されて、機体が突然、
急激に回動されるので、作業者に振られるような
不快感を与え、更には作業者を振り落す等の事故
が発生する虞れがあつた。また、これを防止する
ため、センサーの信号により、クローラクラツチ
を細かく断続操作を繰返えす、いわゆるインチン
グ動作によつて行なうことも提案されているが
（実願昭54−55540号参照）、この場合、条列の曲
りが急な場合、インチング動作のみでは追従する
ことができず、条はずれを生じる欠点があつた。

そこで、本考案は、左右回向指令用のスイツチ
の外にインチング指令用スイツチを設け、かつ該
インチング指令用スイツチがセンサーアームの直
進指令域に隣接する所定範囲内のインチング指令
域で作動するように設定し、該インチング指令域
ではパルス信号を発するタイマーを介してインチ
ング出力をソレノイドに送り、コンバインをイン
チング操作により回向し、更にセンサーアームが
該インチング指令域を越えて回動すると、連続操
作により回向するように構成し、もつて前述欠点
を解消したコンバインにおける方向制御装置を提
供することを目的とするものである。

以下、図面に沿つて本考案による実施例を説明
する。

コンバイン１は、第１図に示すように、機体前
方に多数のデイバイダー２……、刈り刃３及び穀
稈搬送装置５を有しており、右端即ち通常の左回
り作業時における既刈り区Ａ側端のデイバイダー
２ａ部に右側センサー６が、また左端即ち未刈り
区Ｂ側端のデイバイダー部２ｂに左側センサー７
がそれぞれ配置されており、更に穀稈搬送装置５
には該搬送路を通過する穀稈により作動される穀
稈検知センサー９が配設されている。右側及び左
側センサー６，７はそれぞれ内方に突出している
センサーアーム１０，１１を有する側面センサー
よりなり、これら左右センサーは手動により、ま
たは、右側センサー６を基準として、該センサー
の直進及び右回向指令では直進及び右方向にそれ
ぞれコンバインを制御し、該右側センサー６の左
回向指令によつては左側センサー７を作動状態に
して、該左側センサー７に基づきそれぞれ対応す
る方向にコンバインを制御するように回路を設定
し、もつて、条刈り作業時には左側センサー７に
より刈幅の左側部分の穀稈列に沿つてコンバイン
を追従させ、また横刈り作業には右側センサー６
により既刈り区Ａと未刈り区Ｂとの間に沿つてコ
ンバインを追従させるように制御している（実願
昭53−159544号参照）。そして、方向センサー、
例えば左側センサー７は、第２図及び第３図に示
すように、ケース１２を有しており、ケース１２
には軸１３が回転自在に支持されている。軸１３
のケース１２内部には３個のカム１４，１５，１
６が位相をそれぞれ相違して固定されており、こ
れらカム１４，１５，１６はそれぞれ右回向指
令、左回向指令用スイツチ１７，１８及びインチ
ング指令用スイツチを構成するタイマー解除指令
用のリミツトスイツチ１９を作動し得る。即ち、
第２図イ位置ではスイツチ１７，１９が両方とも
ONし、ロ位置ではスイツチ１７のみONし、ハ位
置では全てのスイツチ１７，１８，１９がOFF
状態になり、またニ位置ではスイツチ１８のみが
ONし、ホ位置ではスイツチ１８，１９が両方と
もONするように設定されている。また、軸１３
とケース１２との間にはスプリング２０が張設さ
れており、軸１３即ちアーム１１が第２図実線で
示す位置になるように付勢している。更に、軸１
３のケース１２外部には止めネジ２２によりセン
サーアーム１１が固定されている。

そして、第４図に示す電気回路図のように結線
されている。即ち、９′は穀稈検知センサー９で
作動されるスイツチであり、７は左側センサー
で、１７，１８，１９はそれぞれリミツトスイツ
チである。タイマー解除スイツチ１９はリレー２
３のコイル２３ａに接続されており、リレー２３
はコイル２３ａの通電によりそれぞれ接点２３ｂ
を実線から破線状態に切換える。また、左右回向
指令スイツチ１８，１７はそれぞれ接点２３ｂに
より直接に、又はタイマー２５，２６を介して左
右ソレノイド２７，２９に接続しており、ソレノ
イド２７，２９はそれぞれ左右のクローラのクラ
ツチを切断するソレノイドバルブを操作する。タ
イマー２５，２６は、第５図に示すように、セン
サー７のスイツチ１８，１７の信号ａを受ける
と、ｃに示すように所定間隔のパルス信号よりな
るインチング出力を発信する。また、タイマー２
５，２６を介さないで直接ソレノイド２７，２９
に接続されると、ソレノイドには連続出力ｂが送
られる。

本考案は以上のような構成を有するので、セン
サーアーム１１が穀稈と適度に当接し、第２図ハ
位置に示す直進指令域に回動していると、すべて
のスイツチ１７，１８，１９はOFF状態にあ
り、コンバイン１は直進する。今、条列に対しコ
ンバイン１が僅かに左方向又は右方向にずれる
と、センサーアーム１１はそれぞれロ位置又はニ
位置に示されるインチング指令域に回動される。
すると、右回向指令用スイツチ１７又は左回向指
令用スイツチ１８のみがONし、リレー接点２３
ｂは実線状態にあるので、タイマー２６，２５を
作動する。これにより、タイマー２６，２５に基
づくインチング出力ｃにより右又は左ソレノイド
２９，２７が励磁され、コンバイン１はクラツチ
の細かい断続の繰返しによるインチング動作によ
り操作され、ゆつくりとそれぞれセンサー信号に
対応する方向に方向修正される。更に、条列の曲
がりが急で、センサーアーム１１が穀稈と当接せ
ずイ位置に回動するか、又はアーム１１が穀稈と
深く当接しホ位置まで回動すると、それぞれ右回
向指令用スイツチ１７又は左回向指令用スイツチ
１８をONすると同時に、タイマー解除スイツチ
１９をONする。すると、リレー２３はコイル２
３ａが励磁されて接点２３ｂを破線位置に切換
え、この状態においてそれぞれ右又は左ソレノイ
ド２９，２７を励磁する。これにより、連続出力
ｂに基づきソレノイド２９，２７は励磁され、コ
ンバイン１は急カーブの条列に対応すべく急激に
方向修正される。

なお、上述実施例は、左側センサー７について
のみ説明したが、右側センサー６についても同様
であり、更に両面センサーにも同様に適用できる
ことは勿論である。

以上説明したように、本考案によれば、方向セ
ンサー７の直進指令域ハに隣接してインチング指
令域ロ，ニを設け、更にそれ以上センサーアーム
１１が回動イ，ホすると、連続出力により方向制
御するので、インチング制御と連続制御の両方の
長所を利用でき、通常の略々真直ぐな条列に対し
てはインチング制御により、機体の振れを最小限
にとどめて滑らかに運転し、曲りの大きい条列に
対しては連続制御により、機体を急激に回向して
条はずれを防止することができる。また、通常は
インチング制御により滑らかに回動し、かつ連続
制御による回向時も、インチング制御を介した後
に行われるので、機体が急激に振られることな
く、作業者を振り落す等の事故を防止できる。更
に、３個のスイツチ１７，１８，１９及びタイマ
ー２５，２６等で足り、構造が簡単で安価に製造
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用し得るコンバインを示す
概略平面図、第２図は本考案による方向センサー
を示す平面図、第３図はその側面断面図、第４図
は本考案の電気回路を示す図、第５図は連続及び
インチング出力を示す図表である。 １……コンバイン、７……方向センサー、１１
……センサーアーム、１７，１８……右及び左回
向指令用スイツチ、２５，２６……タイマー、２
７，２９……ソレノイド、ハ……直進指令域、
ロ，ニ……インチング指令域。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 方向センサーから突出しているセンサーアーム
   を穀稈に当接させ、該センサーアームの回動に基
   づき左右回向指令用のスイツチを開閉して、コン
   バインを穀稈列に自動追従させる方向制御装置に
   おいて、前記左右回向指令用のスイツチの外にイ
   ンチング指令用スイツチを設け、かつ該インチン
   グ指令用スイツチが前記センサーアームの直進指
   令域に隣接する所定範囲内のインチング指令域で
   作動するように設定し、該インチング指令域では
   パルス信号を発するタイマーを介してインチング
   出力をソレノイドに送り、コンバインをインチン
   グ操作により回向し、更に前記センサーアームが
   該インチング指令域を越えて回動すると、連続出
   力をソレノイドに送り、コンバインを連続操作に
   より回向するように構成したコンバインにおける
   方向制御装置。