JPS6245527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンバインを穀稈列に自動追従させ
るための方向センサー装置に関する。

一般に、コンバイン作業では、条列に沿つて作
業する、いわゆる条刈りと、条列に直交する方向
に作業する、いわゆる横刈りとがあるが、条刈り
作業時に既刈り区側デイバイダー部に設けた右側
方向センサーを用いると、特に穀稈の条間のトー
タル幅よりコンバインの刈り幅を広くしている場
合、機体の振れにより左側の穀稈列を刈り取つた
り、刈り残したりして、次の作業時における右側
方向センサーによる穀稈列の追従を困難にしてい
る。従つて、条刈り作業時には未刈り区側デイバ
イダー部に設けた左側方向センサーにより、刈り
幅の左側部分の穀稈列に沿つて追従させる方が望
ましい。また、コンバインの横刈り作業時には、
穀稈列が揃つてないので、左側方向センサーでは
方向制御することができず、既刈り区と未刈り区
との間に沿つて追従する右側方向センサーにより
方向制御する必要がある。

そこで、第１図に示すように、コンバイン１の
左右のデイバイダー３ａ，３ｂ部に、それぞれ内
側に突出するセンサーアーム５ａ，６ａを有する
左右の方向センサー５，６を設けたものが提案さ
れている。そして、第２図に示すように、左右の
方向センサー５，６のそれぞれのリミツトスイツ
チ７，８，１０，１１は条刈り接点Ａ及び横刈り
接点Ｂに切換える手動スイツチ１２を介して連接
されており、また左右クラツチ切断用のソレノイ
ド１４，１５は手動スイツチ１２の横刈り接点Ｂ
への接続で作動されるリレー１６により切換えら
れるスイツチ１６ａを介して連接されている。ま
た、図中１７はタイマーで、該タイマー１７への
通電により所定不感時間後、タイマー接点１７ａ
が閉成される。なお、１９は穀稈検知センサー
で、刈取り穀稈の接触で作動し、メインスイツチ
１９ａを閉成する。また、２０は穀稈で、２０ａ
は未刈り穀稈、２０ｂは既刈り穀稈である。これ
により、条刈り作業時は、手動スイツチ１２を条
刈り接点Ａに接続し、左側センサー５に基づき方
向制御し、また横刈り作業時は、手動スイツチ１
２を横刈り接点Ｂに切換え、右側センサー６に基
づくと共に、左右のソレノイド１４，１５をスイ
ツチ１６ａにより切換える。

なお、上述装置は条刈りと横刈りの切換えを手
動により行なつているが、多くの操作を必要とす
るコンバイン回向時の操作を更に煩雑にするの
で、実願昭53−159544号に示されているように、
右側センサー６を基準として、該センサーの直進
及び右回向指令では直進及び右方向にそれぞれコ
ンバイン１を制御し、該右側センサー６の左回向
指令によつては左側センサー５を作動状態にし
て、該左側センサー５に基づきそれぞれ対応する
方向にコンバインを制御するように回路を設定
し、もつて、条刈り時には主に左側センサー５に
より、また横刈り時には右側センサー６により制
御するように、自動的に切換えられる方向制御装
置が提案されている。

ところで、第３図に示すように、既刈り区側の
穀稈２０は前回の刈取り作業で株の半分を刈取ら
れたり、またデイバイダー３ａ等の分草作業で、
穀稈の立上り力が弱くなつており、従つてセンサ
ー５，６のセンサーアーム５ａ，６ａを強い力で
起立するように付勢すると、横刈り作業時に、第
４図に示すように未刈り穀稈２０ａに右側センサ
ー６のアーム６ａが当接しても、穀稈２０ａを押
し倒してセンサー６が誤つた信号を発したり、更
に刈り残しや、高刈りを生じて扱き残しの原因に
もなつていた。反対に、センサー５，６のアーム
５ａ，６ａを弱い付勢力で起立しておくと、条刈
り作業時に、第５図に示すように雑草又は孫株２
１により左側センサー５のアーム５ａが回動して
しまい、誤つた信号を発してコンバイン１の条外
れの原因となつていた。

本考案は、上述事情により、左側センサー５の
センサーアーム５ａを、半刈り穀稈、孫株等が接
しても該センサーアームが回動して検知信号を発
しない程度の強いスプリングで付勢し、また右側
センサー６のセンサーアーム６ａを、半刈り穀稈
等の当接により該センサーアームが回動して検知
信号を発する程度の弱いスプリング付勢し、もつ
て上述欠点を解消したコンバインにおける方向セ
ンサー装置を提供することを目的とするものであ
る。

以下、第６図及び第７図に基づき、本考案の実
施例を説明する。

右側センサー６はケース２２を有しており、ケ
ース２２には軸２３が回転自在に支持されてい
る。軸２３のケース２２内部には２個のカム２
５，２６が位相を相違して固定されており、これ
らカム２５，２６はそれぞれ左回向指令及び右回
向指令用のリミツトスイツチ１０，１１を作動し
得る。また、軸２３の中程は略々半分が切欠かれ
た凹溝２３ａになつており、凹溝２３ａにはスプ
リング２７により押圧されているロツド２９が嵌
合して、軸２３即ちアーム６ａを第６図実線で示
す位置になるように付勢している。更に、スプリ
ング２７のロツド２９の反対側のケース２２のネ
ジ孔２２ａには調節ネジ３０が進退自在に螺合さ
れており、調節ネジ３０はスプリング２７の付勢
力を調節し得る。また、軸２３のケース２２外部
にはボルト３１によりセンサーアーム６ａが固定
されており、アーム６ａは第６図ａ位置で左回向
指令用のリミツトスイツチ１０を作動し、ｃ位置
で右回向指令用のリミツトスイツチ１１を作動
し、ｂ位置では両スイツチを作動しないように規
定されている。

なお、左側センサー５もセンサーアーム５ａが
反対側に突出するように取付けられている外、同
一構造を有するので、説明を省略する。

以上構成により、調節ネジ３０を調節し、右側
センサー６のスプリング２７を緩めてその付勢力
を弱め、センサーアーム６ａが立上り力の弱つて
いる未刈り穀稈２０ａによつても容易に回動する
ように設定し、また左側センサー５のスプリング
２７を圧縮してその付勢力を強め、センサーアー
ム５ａが雑草や孫株２１では回動しないように設
定する。

なお、上述実施例は調節ネジ３０によりスプリ
ング２７の強さを調節したが、右側センサー６に
は弱いスプリングを、また左側センサー５には強
いスプリングをそれぞれ配設するようにしても良
いことは勿論である。

以上説明したように、本考案によれば、未刈り
側センサー５のスプリング付勢力を強くしたの
で、雑草又は孫株２１でセンサーアーム５ａが回
動し、誤つた信号を発してコンバイン１の方向制
御を乱すことを防止でき、また既刈り側センサー
６のスプリング付勢力を弱くしたので、前行程で
半分刈取られた半刈り穀稈２０ｂやデイバイダー
にて押し倒された腰の弱い穀稈にセンサーアーム
６ａが当接しても、該アームは回動して検知信号
を発し、正確な方向制御を行うことができ、刈り
残しや、高刈りによる扱ぎ残しを防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の基となる既に提案されたコン
バインを示す概略平面図、第２図はその電気回路
図、第３図は既刈り側センサーによる穀稈当接状
態を示す正面図、第４図はその側面図、第５図は
未刈り側センサーによる同様な正面図、第６図は
センサーを示す蓋を除去した状態の平面図、第７
図はその断面図である。 １……コンバイン、３ａ……未刈り区（左）側
デイバイダー、３ｂ……既刈り区（右）側デイバ
イダー、５……未刈り（左）側センサー、５ａ…
…センサーアーム、６……既刈り（右）側センサ
ー、６ａ……センサーアーム、２０ａ……穀稈、
２０ｂ……半刈り穀稈、２１……雑草又は孫株、
２７……スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 未刈り区側のデイバイダー部に未刈り側センサ
   ーを設け、また既刈り区側のデイバイダー部に既
   刈り側センサーを設けたコンバインにおいて、未
   刈り側センサーのセンサーアームを起立するよう
   に付勢しているスプリングの付勢力を、半刈り穀
   稈、孫株等が上記センサーアームに当接しても該
   アームが回動して検知信号を発しない程度に強く
   設定し、また既刈り側センサーのセンサーアーム
   を起立するように付勢しているスプリングの付勢
   力を、半刈り穀稈等の当接により上記センサーア
   ームが回動して検知信号を発する程度に弱く設定
   したコンバインにおける方向センサー装置。