JPS6244811Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のドアの内部で昇降する窓ガ
ラスの車外面に摺接し窓ガラスを車内に向けて抑
えるプラスチツク製窓ガラス抑え具に関する。

自動車のドアの窓を閉めたり、開けたりするの
に昇降する窓ガラスの閉めた状態、開けた状態を
一定させるため、ドアのアウターパネルの窓下
縁、或いはこゝに装着されるウエストモールデイ
ング（単にモールとも記す。）に、ゴムロールを
回転自在に支持したブラケツトを取付けたり、テ
フロンを植毛した布を筒状に縫製し、これにスポ
ンジを片面に接着した金属片を通し、スポンジで
テフロン植毛面を裏から支持して金属片を取付
け、ゴムロールや植毛面をインナーパネルに向か
つて突出させ、これを昇降する窓ガラスに摺接さ
せていた。しかし、ゴムロールによる場合、ガラ
スに傷が付いたり、昇降の際に摩擦音を発する等
の問題があり、又、植毛布による場合はバツクア
ツプするスポンジの接着、ガラスに摺接しない部
分までも植毛する等の工程の増加、材料の無駄と
言う問題点がある。更にゴムロールや植毛面が長
期間の使用で摩耗したときに交換するのが困難で
ある。

そこで本考案は植毛面をガラスに摺接させなが
ら、上述の問題点をすべて解消し、窓ガラスを有
効に抑えると共に、モールを支持するのにも役立
つ改良されたガラス抑え具を提供することを目的
とするもので、以下、図示の実施例を参照して説
明する。

第１〜４図の第１実施例はアウターパネル１の
窓下縁にフツク２で引懸け、アウターパネルの内
周板１ａの内面沿いに吊下げて取付けるもので、
フツク２は内面板１ａと接面する基板３の上縁前
面に設けられている。基板３は開口３′を有する
枠状で、その両側の上半部と下半部の境界沿いに
後向きの張出部４を有し、張出部４の後縁からは
基板の上半部と対立して一体に高さの低い起立片
５が、モールＭの内側脚の下部が突入できる間隔
を保つて立ち、その相対向した面の一方或いは双
方にはモールの内側脚にある係合部６に応じて
こゝに係入する歯７が設けられている。

起立片５には四角の窓孔８があり、この窓孔８
の内部に後述の植毛部を有する布地片を取付け
る。

このため、この実施例では基板の開口３′の下
面後縁から起立片５の窓孔８の幅より狭く、後面
が凸状に彎曲した支持片９が窓孔内に突入させて
ある。支持片９の上端は窓孔の上面から離れ、上
端前縁は基板の前面から後に離れ、両側面も窓孔
の両側面から離れている。

この支持片は凸状に彎曲した後面に、植毛部１
０を表に有する布地片１１の裏を支持し、植毛部
１０を昇降する窓ガラスＧの外面に摺接させるた
めのものである。布地片１１の幅は支持片とほゞ
同じでよいが、上下方向の長さは支持片の後面よ
りも長くし、植毛部１０は支持片の後面で支持さ
れる中央部表面に帯状に設ければよい。

１２はこの布地片１１を支持片の後面に固定す
るために支持片に嵌合する取付枠で、この実施例
ではプラスチツクで成形する際に基板１の下縁に
薄肉のヒンジ１３で一体に連接され、ヒンジ１３
を二つ折りにして上向きに起こすと、窓孔８の支
持片から離れた上面と両側の空間に入つて支持片
を嵌合し、支持片の下にはみ出した布地片の下部
を基板の後面下部との間に挟むと共に、支持片の
上からはみ出した布地片の上部を支持片の上縁部
との間で挟む。

この状態に取付枠を固定するため、取付枠の両
側部と、窓の両側部の一方には小さな突起１４、
他方にはこの突起１４がスナツプインする凹み１
４′を形成して置く。尚、基板の後面下部と、こ
れに対向する取付枠１２の下部の一方には布地片
１１の下部が全幅にわたつて入れる横溝１５、他
方にはこの横溝１５中に突入する突条１５′を設
けて置けば、布地片の下部を単に取付枠の下部と
基板の後面下部の間で挟むだけでなく、横溝１５
中に突条１５′で押込んでしつかりと咬えて取付
けると共に、取付枠を上に起し支持片９に後から
嵌合して突起１４と凹み１４′で固定するとき布
地片１１を上に引張つて支持片の後面沿いにピン
と張ることもできる。勿論、こうして布地片１１
を取付けた状態で表の植毛部１０は張出部４や、
その後縁から立つ起立片５よりも後に突出する。

周知の様にモールＭはドアのアウターパネルの
窓下縁沿い点々と取付けたモールデイングクリツ
プにより窓下縁を上から包む様に装着される。従
つて、この抑え具はモールデイングクリツプの間
隔中でフツク２により窓下縁から吊下げ、モール
をモールデイングクリツプに上から押被せて装着
する際にモールの内側脚の下部を基板上半部と起
立片５の間隔に突入させるか、或いはモールの装
着前に内側脚の下部に上記間隔を押込んでモール
デイングクリツプの間隔内に位置する様に取付
け、モールを装着する際にフツク２を窓下縁に吊
下げさせればよい。

これによつてドアパネル、モールデイングを何
等加工せず、しかもモールの装着の際に同時に取
付けることができると共に、植毛部が摩耗したら
取付枠１２を開き、布地片を外して新しいものと
モールとは無関係に簡単に取替えることができ
る。更に、モールはモールデイングクリツプで取
付けられる以外に、クリツプの間隔で内側脚が基
板の上半部と起立片により挟まれるのでモールの
取付強度は向上すると共に、この抑え具も単にフ
ツクで吊下がつているだけでなく、クリツプによ
り取付けられたモールの内側脚を挟んでいるので
抑え具も安定し、かつドアパネルとの取付強度が
上がる。

尚、この実施例では取付枠１２はヒンジによつ
て基板３と一体に成形してあるが、勿論、分離し
て別々に成形し、支持片に後から押付けて固定す
る様にしてもよい。

更に、第５図の実施例の如く基板の上縁前面に
フツクを形成せず、前向きの張出片１６と、張出
片１６の下面に錨形など周知のフアスナ脚１７を
一体に設け、アウターパネルの外周板１６の窓下
縁沿いにある段１８の孔１８′に上から押込んで
取付ける様にしてもよい。

第６図は本考案の更に他の一実施例を示す。こ
れが第１実施例と主に相違するのは布地片が筒形
をなすためその取付けかたである。従つて、第１
実施例と同一構成部分には同じ符号を付して説明
を省略する。

窓孔８中には下から突入した支持片９が無い代
りに、こゝでは窓孔８を横切る橋片１９を一体に
有する。そして、橋片に後から被さる溝状の窪み
を前面に有し、後面が凸状に彎曲したほゞＣ形断
面の支持片２０を別に成形し、これを筒形の布地
片中に通して橋片に後から被せる。この場合も窓
孔８の両側部と、これに対向する支持片２０の両
端の一方には小さな突起２１、他方にはこの突起
がスナツプインする凹み２１′を形成して置き、
橋片に後から被せた状態にスナツプ係合で固定す
る。

布地片１１の円周長さは支持片を橋片に後から
被せて固定したときにピンと張られる様に定めて
置き、表面の植毛部１０は支持片の凸状に彎曲し
た後面で裏を支持される部分にだけ設ければよ
い。

この実施例の場合も基板の前面上縁にフツク２
を設けたり、或いは前向きの張出片とスナツプ脚
を設けてドアパネルに固定すればよく、前述した
各実施例と同様な作用効果を発揮する。

尚、いずれの実施例でも基板の上半部はクリツ
プ脚を下向きに有する張出片や、フツクなどの取
付手段を備えた上縁部と、後面に歯７を有する両
側部を残して窓状に開口部３′を設け、成形する
のに必要なプラスチツクの使用量を節約し、コス
トを低減させることが好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の第１実施例の全体の配置を示す
斜面図、第２図は同上の固定状態における縦断面
図、第３図は同上の基板の一半は前、他半は後か
ら見た正面図、第４図は第３図の−線に沿う
断面図、第５図は本案の第２実施例の斜面図、第
６図は同じく他の一実施例の分解状態の斜面図
で、図中、１はドアパネル、２は取付手段である
フツク、３は基板、４は張出部、５は起立片、８
は窓孔、９は支持片、１０は植毛部、１１は布地
片、１６，１７は取付手段である張出片とクリツ
プ脚、２０は支持片を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のドアの窓の下縁に対して取付けられる
   取付手段を前面上部に備えた基板の高さの中程に
   後向きに突出した張出部を横方向に設け、該張出
   部の後縁沿いに前記基板の上半部と対立し、その
   間で窓下縁に固定されるウエストモールデイング
   の下部を突入させて挟む起立片を設けると共に、
   上記起立片には窓孔を開設し、この窓孔中に前記
   基板と一体か、或いは前記起立片に対し着脱可能
   な別体の後面が凸状に彎曲した支持片を設け、表
   に植毛部を有する布地片の裏面を前記支持片の後
   面に取換可能に張出し、該布地片の植毛部をドア
   内で、昇降する窓ガラスの外面に押付ける様にし
   たことを特徴とする自動車のドアの昇降窓ガラス
   の抑え具。