JPS6244406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、タイムスイツチや時計（ドラム式）
等の装置に取り付けるマイクロスイツチの取付構
造に関するものである。

従来、タイムスイツチや時計等の装置の地板に
マイクロスイツチを取り付ける構造としては、第
１図、第２図に示したようなものが考えられてい
る。第１図に示したものは、マイクロスイツチ１
の略対角線上に取付孔２，３を設け、この取付孔
２，３に挿入した２本のビス４，５（タツピング
ネジも含む）を装置の地板６の２つのネジ孔７，
８に螺合することにより、マイクロスイツチ１を
地板６に固定する様にしたものである。また、第
２図に示したものは、地板６にこれから延出した
ダボ（プレス加工で打ち出した部分）又は突起等
の支持部９を設け、この支持部９をマイクロスイ
ツチ１の取付孔２に挿入すると共に、マイクロス
イツチ１の取付孔３に挿入したネジ５を地板６の
ネジ孔１０に螺合することにより、マイクロスイ
ツチ１を地板６に固定する様にしたものである。

ところが、第１図に示した取付構造では、取付
孔２，３とネジ孔７，８との位置合せに手間取
り、更に、２ケ所でネジ締め作業をしなければな
らないので、その取付作業性が悪く、この結果、
生産性が低下する欠点があつた。また、第２図に
示した取付構造では、ネジ締め部分を一個所とし
たので第１図に示したものよりは取付作業性が良
いものであるが、マイクロスイツチ１の端子１１
の強度試験（電気取締法、UL規格etc.）を行つ
たり、端子１１に他の機器のコネクターを差し込
んだり、引き抜いたり、又はコネクター等で端子
１１をその横方向に誤つて引つ張つたりした場合
に、支持部９が取付孔２から外れて地板６とマイ
クロスイツチ１との間にガタが発生することがあ
り、好ましくないものであつた。このため、従来
はガタが発生しないようにネジ５及び取付孔２に
接着剤を付け固着しなければならないという欠点
あつた。

本考案の目的は、上述した欠点を解消し、組立
てが容易でかつ構成が簡単なマイクロスイツチの
取付構造を提供することにある。

本考案に係るマイクロスイツチの取付構造は、
マイクロスイツチ取付用の互いに間隔を置いて対
向する２枚の地板と、マイクロスイツチに設けら
れた２つの取付孔の一方が挿入され且つ上記マイ
クロスイツチを回動可能に支持するための前記２
枚の地板の一方に設けられた支持部と、前記２つ
の取付孔の他方に挿通され且つ前記２放の地板の
一方に設けられたネジ孔に螺合したネジと、前記
２枚の地板の一方に向かつて前記地板の他方に一
体的に形成された押え部とを備え、前記２枚の地
板の一方と前記押え部との間隔をマイクロスイツ
チの厚みとしたことを特徴とする。

以下、本考案の実施例を図面にしたがつて説明
する。

第３図乃至第６図は本考案の一実施例を示した
ものである。第３図、第４図において、１２は一
般に市販されているマイクロスイツチで、このマ
イクロスイツチ１２には略対角線上に取付孔１
３，１４が形成されている。図中、１５，１６，
１７はマイクロスイツチ１２の端子である。この
端子１５，１６，１７には、電源或は制御される
機器等に設けられたリード線の付いたコネクター
（図示せず）が接続されるか、或は、リード線が
直接ハンダ付けされる。

第３図乃至第６図において１８は、タイムスイ
ツチや時計に用いる機器の下地板である。この下
地板１８は鋼板を折曲して形成したもので、この
下地板１８の折曲部１８ａ，１８ｂの先端部には
鋼板製の上地板１９がネジ止め、カシメ等により
固着され、これら下地板１８と上地板１９とは互
いに間隔を置いて対向している。この下地板１８
と上地板１９は、図示しないタイムスイツチ、或
は、機械時計の機構部を収容する筐体２０を形成
している。

下地板１８の一側には、支持部となる第１舌片
２１が直角に切起されている。この第１舌片２１
は、マイクロスイツチ１２の端子１５，１６，１
７側の取付孔１３に挿入され、その両側縁は取付
孔１３の内面にガタなく係合し、マイクロスイツ
チ１２を回動可能に支持している。また、下地板
１８の取付孔１４に対応する位置にはネジ孔２２
が形成されていて、このネジ孔２２には取付孔１
４に挿入したネジ２３が螺合されている。

上地板１９には、マイクロスイツチ１２が下地
板１８から浮き上がるのを防止する押え部として
の第２舌片２４が下地板１８に向けて延びるよう
に一体的に形成されている。この第２舌片２４と
下地板１８との間隔はマイクロスイツチ１２の厚
さｌと同じに形成されている。

第６図に示した第１舌片２１と第２舌片２４と
の下地板１８と平行な方向へのズレ寸法ａは、第
５図に示したマイクロスイツチ１２の取付孔１３
とその側壁１２ａとの間の寸法ｂより充分大きく
設定されている。

第５図は、マイクロスイツチ１２を取付ける状
態を示したものである。マイクロスイツチ１２を
第３図、第４図の如く筐体２０に取り付けるには
次の様な手順で行なう。まず、マイクロスイツチ
１２を第２舌片２４に当らない様にして下地板１
８側に移動させて、マイクロスイツチ１２の取付
孔１３に第１舌片２１を第５図の如く挿入する。
そして、次に、第１舌片２１を中心にマイクロス
イツチ１２を反時計方向に回動させて、マイクロ
スイツチ１２を下地板１８と第２舌片２４との間
に一部を挿入すると共に、取付孔１４とネジ孔２
２を合致させ、この後、取付孔１４に挿入したネ
ジ２３をネジ孔２２に螺合する。

第７図は、第３図〜第６図に示した第２舌片２
４とほぼ同一の第２舌片２５を設けた例を示した
もので、第２舌片２４と異なる点及び他の相違点
は、第１舌片２１の長さl₁を第２舌片２５の長さ
l₂より短く形成し、第１舌片２１の先端と上地板
１９までの距離l₃をマイクロスイツチ１２の厚さ
ｌより大きく設定した点にある。なお、上述した
ズレ寸法ａの関係は、本実施例でも同じ様に設定
されている。従つて、本実施例では、マイクロス
イツチ１２の取付孔１３に第１舌片２１を挿入す
る際、マイクロスイツチ１２を横方向から下地板
１８と上地板１９との間に挿入できるので、マイ
クロスイツチ１２の筐体２０への取付が容易とな
る。その上、第２舌片２５先端から下地板１８ま
での距離（間隔）l₄は、マイクロスイツチ１２の
厚さｌと等しく設定されているので、マイクロス
イツチ１２が上方向に向けてガタ付くのを防止で
きる。

第８図、第９図は、第７図に示したものの変形
例を示したもので、第７図に示した第２舌片２５
の代わりに、第２舌片２５とは直交する方向に向
けた第２舌片２５′を設けたもので、他の構成は
第７図に示したものと同一である。

更に、上記各実施例では、支持部として下地板
１８の一部を切起して形成した第１舌片２１を示
したが、この支持部に円柱状のものを用いてもよ
い。この場合には、いずれの方向へのガタの発生
も確実に防止できる点で、上記した各実施例より
も有利である。また、上記実施例においてマイク
ロスイツチ１２の取付孔１４とネジ孔２２とが一
致する位置で、マイクロスイツチ１２の回動規制
をさせるダボ等の突起を下地板１８に設けてもよ
い。この場合には取付孔１４とネジ孔２２の位置
合せ作業をより容易にすることができる。

本考案は、以上説明したように構成したので、
次のような種々の優れた効果を奏する。

簡単な構成で確実にマイクロスイツチを地板
に取り付けることができる。

また、マイクロスイツチの２板の地板の一方
への取付けは、マイクロスイツチの一方の取付
孔に該２枚の地板の一方に設けられた支持部を
挿入した後、このマイクロスイツチを該支持部
を中心に回動させて、マイクロスイツチを２枚
の地板の一方と押え部との間に挿入すると共
に、マイクロスイツチの他方の取付孔を２枚の
地板の一方に形成されているネジ孔に合致さ
せ、次に、他方の取付孔に挿通したネジをネジ
孔に螺合するようにして行なうことができるの
で、締付部分は一個所となる。この結果、マイ
クロスイツチの下地板への取付作業性が従来の
ものに比べて良いので、量産製品に適用すると
好ましい。

しかも、上述の如くマイクロスイツチを取付
けた装置を誤つて落下させてしまつたとして
も、マイクロスイツチは２枚の地板の一方と、
２枚の地板の他方に形成された押え部との間に
保持されているので、マイクロスイツチが装置
から分解離脱するのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のマイクロスイツチの取付構造
を示す側面図。第２図は、従来のマイクロスイツ
チの取付構造の他の例を示す側面図。第３図は、
本考案に係るマイクロスイツチの取付構造の一実
施例を示す平面図。第４図は、第３図の側面図。
第５図は、第３図に示した筐体にマイクロスイツ
チを取り付ける状態を示した平面図。第６図は、
第３図に示した筐体の平面図。第７図は、本考案
に係る筐体の他の実施例を示す側面図。第８図
は、本考案の他の実施例を示すマイクロスイツチ
の取付構造の平面図。第９図は、第８図の側面
図。 １２……マイクロスイツチ、１３，１４……取
付孔、１８……下地板、１９……上地板、２０…
…筐体、２１……第１舌片（支持部）、２２……
ネジ孔、２３……ネジ、２４……第２舌片（押え
部）、ｌ……マイクロスイツチの厚さ、l₄……距
離。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) マイクロスイツチ取付用の互いに間隔を置い
   て対向する２枚の地板と、マイクロスイツチに
   設けられた２つの取付孔の一方が挿入され且つ
   上記マイクロスイツチを回動可能に支持するた
   めの前記２枚の地板の一方に設けられた支持部
   と、前記２つの取付孔の他方に挿通され且つ前
   記２枚の地板の一方に設けられたネジ孔に螺合
   したネジと、前記２枚の地板の一方に向かつて
   前記地板の他方に一体的に形成された押え部と
   を備え、前記２枚の地板の一方と前記押え部と
   の間隔をマイクロスイツチの厚みとしたことを
   特徴とするマイクロスイツチの取付構造。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のマイ
   クロスイツチの取付構造において、前記押え部
   を前記２枚の地板の一方と一体にした前記２枚
   の地板の他方に設けると共に、前記支持部の先
   端と前記２枚の地板の他方との距離を前記マイ
   クロスイツチの厚さよりも大きく設定したも
   の。