JPS6244183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案はタイミングベルト及びプーリによつて
２つの軸を連結可能にし、一方の軸のあるタイミ
ングに同期させて他方の軸を回転させるタイミン
グベルトプーリ機構に関する。

〔従来技術〕

第１図は従来のこの種のタイミングベルトプー
リ機構を示す斜視図で、図において１と２は軸、
３はタイミングベルトプーリ、４は該タイミング
ベルトプーリ３のボス部に設けられたネジ穴、５
は押しネジ、６は軸２の一端に固定されたプー
リ、７はタイミングベルト、８はテンシヨンロー
ラの如く構成されている。

この構成においてタイミング調整を行うには、
軸１の一端にタイミングベルトプーリ３を回転可
能に嵌め、該タイミングベルトプーリ３と軸２に
固定されているプーリ６とにタイミングベルト７
を巻掛けて噛合わせ、このタイミングベルト７に
テンシヨンローラ８で所定の張力を与える。そし
て、この状態でタイミングベルトプーリ３を回し
て軸２の所定のタイミングに合わせた時点で、該
タイミングベルトプーリ３のボス部に設けたネジ
穴４に予じめ緩く螺着しておいた押しネジ５を締
付けて軸１に圧接することにより、タイミングベ
ルトプーリ３を軸１に固定する。

しかしながら、このような従来のタイミングベ
ルトプーリ機構では、軸１とタイミングベルトプ
ーリ３とを押しネジ５の先端の圧接力により固定
しているため、回転負荷が大きい場合には、軸１
とタイミングベルトプーリ３との位置関係がずれ
て、タイミングが狂つてしまうという欠点があつ
た。

また、別の従来のタイミングベルトプーリ機構
として、第２図に示すように軸１にネジ穴９を設
け、タイミングベルトプーリ３のボス部にネジ挿
通穴１０を設けて、このネジ挿通穴１０にネジ１
１を通して前記ネジ穴９に螺合締結することによ
り、タイミングベルトプーリ３を軸１に固定する
構成としたものがある。

この構成では、タイミング調整を行う場合、テ
ンシヨンローラ８を外して、タイミングベルト７
の張りを緩めておき、この状態で軸１と軸２のタ
イミングを合わせながらタイミングベルト７をタ
イミングベルトプーリ３に巻掛けて、その後テン
シヨンローラ８によりタイミングベルト７の張り
の調整を行う。

従つて、このタイミングベルトプーリ機構で
は、上述の如くタイミングベルトプーリ３のボス
部に設けられたネジ挿通穴１０に通したネジ１１
を軸１に設けたネジ穴９に締結して、タイミング
ベルトプーリ３を軸１に固定しているので、回転
負荷が大きくとも、軸１とタイミングベルトプー
リ３との位置関係がずれることはないが、しかし
ながら、タイミングベルト７を緩めた状態でタイ
ミング調整を行うため、タイミングベルト７の張
り調整を行うときに軸１と軸２のタイミングに誤
差が生じるという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上述した従来技術の欠点を解決するた
めになされたもので、タイミング誤差の発生を防
止できると共に、タイミング調整が容易で、信頼
性の向上を計ることができるタイミングベルトプ
ーリ機構を実現することを目的とするものであ
る。

〔考案の構成〕

この目的を達成するため、本考案はタイミング
ベルトプーリと同軸上に、該タイミングベルトプ
ーリと同一の外径で同一の歯数を持つアイドルプ
ーリを回転可能に取付け、タイミング調整を行う
ときは、このアイドルプーリにタイミングベルト
を巻掛け、２つの軸を所定のタイミングに合わせ
た後、タイミングベルトをアイドルプーリからず
らしてタイミングベルトプーリに噛合わせるよう
にしたものである。

〔実施例〕

第３図は本考案によるタイミングベルトプーリ
機構の一実施例を示す斜視図で、図において１と
２は軸、３はタイミングベルトプーリ、６は前記
軸２の一端に固定されたプーリ、７はタイミング
ベルト、８はテンシヨンローラ、９は前記軸１に
設けられたネジ穴、１０は前記タイミングベルト
プーリ３のボス部に設けられたネジ挿通穴、１１
はネジ、１２は前記タイミングベルトプーリ３と
同一の外径でかつ同一の歯数を持つアイドルプー
リであり、ここでタイミングベルトプーリ３は、
ボス部に設けられたネジ挿通穴１０にネジ１１を
通し、このネジ１１を軸１に設けられたネジ穴９
に螺合締結することによつて軸１に固定されてお
り、またアイドルプーリ１２は前記タイミングベ
ルトプーリ３の一端同軸上にかつ隣接して回転可
能に取付けられている。

このような構成によるタイミングベルトプーリ
機構では、タイミング調整を行う場合、まずタイ
ミングベルト７をプーリ６とアイドルプーリ１２
に巻掛けて噛合わせ、テンシヨンローラ８により
タイミングベルト７の張り調整を行う。そして、
その後軸１と軸２を所定のタイミングに合わせ、
タイミングベルトプーリ３とアイドルプーリ１２
の互いの歯が合致したところで、タイミングベル
ト１５を軸方向にずらしてタイミングベルトプー
リ３に噛合わせる。

これによりタイミング調整は完了し、軸１と軸
２は連動可能となり、軸２のあるタイミングに同
期させて軸１を回転させることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、タイミングベル
トプーリと同一の外径でかつ同一の歯数を持つア
イドルプーリを、該タイミングベルトプーリと同
軸上に隣接して回転可能に取付けた構成としてい
るため、タイミングベルトを緩めることなく実稼
動時と同じ状態でタイミング調整を容易かつ正確
に行うことができ、２つの軸のタイミング誤差の
発生を防止できるという効果がある。

また、タイミングベルトプーリの軸への固定
は、タイミングベルトプーリのボス部に設けたネ
ジ挿通穴にネジを通し、このネジを軸に設けたネ
ジ穴に螺合締結するという確実な固定方法を採用
できるので、回転負荷によるタイミングの狂いの
発生を防止することができ、信頼性の向上が計れ
るという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のタイミングベルトプーリ機構を
示す斜視図、第２図は従来の別のタイミングベル
トプーリ機構を示す斜視図、第３図は本考案によ
るタイミングベルトプーリ機構の一実施例を示す
斜視図である。 １，２……軸、３……タイミングベルトプー
リ、６……プーリ、７……タイミングベルト、８
……テンシヨンローラ、９……ネジ穴、１０……
ネジ挿通穴、１１……ネジ、１２……アイドルプ
ーリ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方の軸に固定されたプーリと、他方の軸に固
   定されたタイミングベルトプーリとにタイミング
   ベルトを巻掛けて前記２つの軸を連動可能とし、
   一方の軸のあるタイミングに同期させて他方の軸
   を回転させるタイミングベルトプーリ機構におい
   て、 タイミングベルトプーリと同一の外径でかつ同
   一の歯数を持ち、タイミング調整時に該タイミン
   グベルトプーリに先立つて前記タイミングベルト
   を巻掛けて、タイミングベルトの張り調整を行う
   アイドルプーリを、前記タイミングベルトプーリ
   と同軸上にかつ隣接して回転可能に取付けたこと
   を特徴とするタイミングベルトプーリ機構。