JPS6244015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、換気用の棟構造に関するものであ
る。

従来の換気用の棟構造においては、第２図ａに
示すように、小屋裏空間１′と連通している連通
口２′を有する換気口部材３′を棟部に跨がらせて
設け、換気口部材３′に鞍形のカバー４′を通風路
をへだてて外装し、カバー４′の妻側端部に鬼瓦
部材５′を形成し、鬼瓦部材５′に妻側に開口する
換気口６′を形成するとともに鬼瓦部材５′内に送
風機７′を設けていた。そして換気口部材３′は、
第１図に示すように、頂面が山形に形成されてい
たが故に、第２図ａ及び第２図ｂに示すように、
屋根勾配が変わつて棟部角度θが変動した場合
に、換気口部材３′の山形部の高さＨや鬼瓦部材
５′を外装するための働き巾Ｌが大巾に変動し、
換気口部材３′の山形部が送風機７′に当つたり取
り合いが悪くなつて、場合によつては、別な形の
換気口部材３′を用意しなければならないという
欠点があつた。

本考案はこのような従来欠点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、屋根の勾
配が変わつても換気口部材の働き巾の変動を抑
え、送風機に当るのを回避できかつ高さの変動も
少なくでき、しかも換気効率を高め、それでいて
外観を低下させることがないようにできる換気用
の棟構造を提供することにある。

本考案の換気用の棟構造は、小屋裏空間１と連
通している連通口２を有するとともに上方に突曲
させた換気口部材３を棟部に跨がらせて換気口部
材３の両側に延出した取付片２０にて棟下地材２
１に取付け、換気口部材３に鞍形のカバー４を通
風路をへだてて外装し、カバー４の妻側端部に鬼
瓦部材５を形成し、鬼瓦部材５に妻側に開口する
換気口６を形成した換気用の棟構造において、換
気口部材３の頂面を偏平面８に形成するとともに
偏平面８の両肩部に逆へ字状に屈曲する屈曲部９
を偏平面８より下方に形成し、屈曲部９に引き続
いてこの屈曲部９よりも下方に上記取付片２０を
延出し、鬼瓦部材５内に送風機７を換気口部材３
の頂面の偏平面８よりも上方に設けて成る換気用
の棟構造に係るものであり、このように構成する
ことによつて上記目的を達成したものである。

以下本考案の実施例を図面に基いて詳述する。
Ａは換気棟であり、小屋裏空間１の換気を図るも
のである。換気棟Ａはたる木１０を介して棟木１
１上に載設された左右の棟棧１２，１２上に跨が
せて取付けてある。以下換気棟Ａの構成を説明す
る。３は換気口部材であり、鋼板などの鉄板を芯
材とし、これに塩化ビニル樹脂のような合成樹脂
を被覆した樹脂被覆鋼板、もしくは塗装鋼板、又
はその他の材料が使用される。換気口部材３の両
側に延出して形成した略Ｌ形の取付片２０にて棟
下地材２１としての棟棧１２の頂面及び外側面、
棟棧１２に当てつけてある笠木１３、笠木１３に
連なる瓦１４部分を棟長さ方向に全長にわたつて
覆つて棟棧１２及び笠木１３まわりの水切りを行
なうものである。１５は金具であり、棟長さ方向
に適宜間隔をへだてて釘１８にて棟棧１２に取付
けてある。金具１５に鞍形のカバー４を棟長さ方
向全長に取付けてある。カバー４と換気口部材３
との間に通風路１６をへだててある。カバー４の
妻側端部には鬼瓦部材５を一連に形成してある。
鬼瓦部材５には妻側に開口する換気口６を設けて
ある。鬼瓦部材５の内部には送風機７を設けてあ
る。しかして小屋裏空間からの熱気を換気口部材
３の連通口２を通し、通風路１６をへて送風機７
により換気口６から妻側の外部に強制換気を行な
うことができるようにしてある。なお、送風機７
はフアンを有する丸形換気扇のようなものがよい
が、他の形態のものでもよい。そして駆動は室内
に設けてあるスイツチの投入により行なうように
してある。換気口３の形状は、その頂面を偏平面
８にしてあり、偏平面８の両肩部に逆へ字状に屈
曲する屈曲部９を偏平面８より下方に形成し、屈
曲部９に引き続いてこの屈曲部９よりも下方に上
記取付片２０を延出してある。このような構成に
よれば、第３図ａ及び第４図ａのように、屋根勾
配が変わり、棟部角度θが変わつた場合、換気口
部材３の施工角度が変わるのであるのであるが、
換気口部材３の頂面が偏平面８となつているの
で、鬼瓦部材５の内部に設けた送風機７に換気口
部材３が当ることがなく、更に逆へ字状の屈曲部
９の屈曲角αを変えることで、その働き巾Ｌを一
定に保つことができ、カバー４との取り合いも円
滑に行なえるものである。又、屈曲角αを変える
ことで、換気口部材３の山部の高さＨの変動を抑
えることができるものである。図中１７はガラ
リ、１９は支持金具である。

以上要するに本考案は、換気口部材の頂面を偏
平面に形成するとともに偏平面の両肩部に逆へ字
状に屈曲する屈曲部を偏平面より下方に形成し、
屈曲部に引き続いてこの屈曲部よりも下方に上記
取付片を延出し、鬼瓦部材内に送風機を換気口部
材の頂面の偏平面よりも上方に設けてあるので、
送風機との間に余裕を持たせることができ、屋根
勾配が変わつても換気口部材の高さが高くなつた
としても送風機に当ることがないものである。そ
のうえ偏平部の両肩部の逆へ字状の屈曲部の屈曲
角度を変えることで鬼瓦部材を取付けるための働
き巾を一定に補正することができ、しかも変動も
抑えることができ、屋根勾配の変動にかかわらず
換気口部材を共通使用することができ、加えて偏
平面よりも上方において鬼瓦部材内に送風機を設
けてあるから、略水平方向に長い棟長さ方向に換
気を行うのに、棟長さ方向の端部における鬼瓦部
材内の送風機によつて偏平面を送風ガイドとして
強制換気を行うことができ、換気効率を大幅に高
めることができ、しかも鬼瓦部材を有効に利用し
てこれの内部に送風機を入れることで、送風機を
隠すことができ、送風機を設けることによる外観
の低下を招くものではないようにできるという利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の換気口部材の概略断面図、第
２図ａ，ｂは同上の換気用の棟構造の概略断面
図、第３図ａは本考案の換気口部材の概略断面
図、同図ｂは同上の使用状態の概略断面図、第４
図ａは同上の屋根勾配が変わつたときの換気口部
材の概略断面図、同図ｂは同上の使用状態の概略
断面図、第５図は第３図ｂの詳細断面図、第６図
は第４図ｂの詳細断面図、第７図は同上の概略斜
視図であり、１は小屋裏空間、２は連通口、３は
換気口部材、４はカバー、５は鬼瓦部材、６は換
気口、７は送風機、８は偏平面、９は屈曲部、２
０は取付片、２１は棟下地材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小屋裏空間と連通している連通口を有するとと
   もに上方に突曲させた換気口部材を棟部に跨がら
   せて換気口部材の両側に延出した取付片にて棟下
   地材に取付け、換気口部材に鞍形のカバーを通風
   路をへだてて外装し、カバーの妻側端部に鬼瓦部
   材を形成し、鬼瓦部材に妻側に開口する換気口を
   形成した換気用の棟構造において、換気口部材の
   頂面を偏平面に形成するとともに偏平面の両肩部
   に逆へ字状に屈曲する屈曲部を偏平面より下方に
   形成し、屈曲部に引き続いてこの屈曲部よりも下
   方に上記取付片を延出し、鬼瓦部材内に送風機を
   換気口部材の頂面の偏平面よりも上方に設けて成
   る換気用の棟構造。