JPS6243959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複写機の原稿セツト面上に原稿を自動
的に給送セツトし、複写終了後再びこれを自動的
に搬出する複写原稿自動給送装置に関する。

一般にこの種の装置は複写機の原稿セツト面上
に無端ベルト等の搬送手段を設け、複写工程に合
せて原稿を自動的に供給し、排出するものとして
広く使用され、原稿を一枚づつ手差し供給するも
の、多数原稿を自動的に一枚づつ分離給送するも
の等種々のものが知られている。

かゝる装置にあつて搬送手段として原稿セツト
面上に設けた前後一端のプーリ間に比較的広幅の
無端ベルトを張設し、この無端ベルトで原稿セツ
ト面に沿つて原稿を給排送する場合に次の不都合
が生ずる。

通常このベルトは白色の高摩擦素材が要求され
ネオプレンゴム等の軟質材が用いられている為原
稿セツト面の全長に亘つて確実にフイツトせずセ
ツト面上の原稿をその摩擦に打ち勝つて搬送する
ことが出来なかつたり、走行中に蛇行してプーリ
から外れたり、原稿が曲つて基準位置にセツトさ
れミスコピーを招く等の欠点がある。

そこで従来前後一対のプーリの中間位置に一列
若しくは適宜間隔で数列のプレスローラを設け、
このプレスローラでベルトをセツト面に押圧して
フイツトさせセツト面上の原稿を確実に搬送する
ようにしている。

ところが従来のプレスローラはベルト幅方向に
複数個のローラを支軸に軸承し、この支軸を機枠
側壁に固定しているが、この各ローラとベルトと
の係合状態が均一でなければベルトが蛇行する。

つまり第１図イの如くベルト幅方向に多数のプ
レスローラ１′を配置すればベルト２′による原稿
３′の搬送力は十分であるがこのローラ１′の径が
異なつたり、支軸４′が傾むいて取付けられたと
きにはベルト２′が蛇行して外れる恐れ、或いは
原稿が傾むいて所謂スキユーしてセツト位置に到
達する恐れがある。

これと共に多数のプレスローラの回転で騒音が
激しく、複写機のような事務機としては好ましく
ない。

そこで第１図ロの如くプレスローラ１′の数を
少なくした場合には十分な搬送力が得られないと
共に、ゴム質材であるベルトは幅方向左右が曲つ
て図示矢印方向から外部光が侵入し良好なコピー
が得られない欠点がある。

本考案は上記の点に鑑み搬送ベルトの蛇行によ
る弊害を解消し、原稿を確実かつ正確な位置に給
送セツトでき、しかもプレスローラの騒音が少な
く複写時の外部光を搬送ベルトで遮閉して良好な
コピーを得ることが可能な複写原稿自動給送装置
を簡単な構造で提供することをその主な目的とし
ている。

以下図示の一実施例に基づいてその構成を詳述
する。

まず本考案は複写機の原稿セツト面に張設した
無端ベルトにプレスローラを装備するに際し、 (イ) プレスローラの支軸を機枠に原稿セツト面に
対して上下動自在に取付け、これにより支軸の
傾きによる影響を少なくし、 (ロ) ベルト幅方向のプレスローラを原稿の搬送を
得る最少限にすることにより各プレスローラ相
互の不均一なベルトへの係合を少なくすると共
に騒音を小さくし、 (ハ) プレスローラの左右ベルト幅両端部にプレス
ローラより小径のベルト規制ローラを設けて、
ベルト幅両端のセリ上がりによる曲がりを防止
し搬送力を助長すると同時に複写時の外部光の
侵入を阻止するようにしたもので第２図の一実
施例に基づいてこれを説明すると、 (A)は複写機本体で内部に図示しない通常の複
写光学系が設けてあり、１はその原稿セツト面
である。

(B)はこの原稿セツト面１上に開閉自在にヒン
ジ連結して据付けた自動給送装置である。

この自動給送装置Ｂは原稿セツト面１の給送
方向前後に対向して配設した一対のプーリ２，
３間に無端ベルト４を張設し、このベルト４の
弛み側４ａと原稿セツト面１との間で複写原稿
をその一端から給送し、他端から排出するよう
になつている。

上記プーリ２，３は機枠７（図示のものは原稿
セツト面１に載置する側枠を示している。）にそ
の入口側プーリ２が軸承してあると共に駆動モー
タ（図示せず）に連結している。また出口側プー
リ３はこの左右の機枠７にテンシヨンスプリング
９で引張りながら支持してある。

１０は原稿セツト面１の複写基準位置に出没自
在に設けたストツパーである。

１１は原稿供給部１２は原稿収納ストツカーで
あり、原稿供給部１１としては使用者が一枚づつ
手差し供給した原稿を前記無端ベルト４の入口側
プーリ２部位に送るピンチローラ及びフイードロ
ーラ等で構成しても図示の如く給紙スタツカー１
１ａと分離手段１１ｂとで自動的に原稿１３を分
離供給するものであつても良く。１１ｃはフイー
ドローラである。

前記無端ベルト４は原稿セツト面１上の原稿を
その摩擦抵抗に打ち勝つて給排送すると共に複写
時にこの原稿を覆つて外部からの光を遮閉するが
通常ネオプレンゴム、ウレタンゴム等のゴム質材
で原稿セツト面を覆う程度の幅即ち複写可能な最
大原稿の幅より広く形成してある。

そこでこのベルト４は原稿セツト面１の全長に
亘つて均一にフイツトすることは不可能であると
共にゴム質である為幅方向両側縁がセリ上がり傾
向に曲がる性質がある。

この為以下のプレスローラ５が前後一対のプー
リ２，３間にそのスパン長さに応じて適宜数列配
設してある。まずプレスローラ５はその支軸６が
前述の機枠７に原稿セツト面１に対して上下方向
（第２図上下方向）に移動可能に長孔７′で支承し
てある。

そしてこの支軸６に少なくとも１つのプレスロ
ーラ５が遊嵌若しくは圧入で取付けられ、図示の
ものは２個のプレスローラ５が圧入で一体的に取
付けてある。

このプレスローラ５は搬送する原稿に応じて選
定した最小数が最適な位置に配置してある。

従つてこのプレスローラ５は支軸６と伴にその
自重でベルト４を原稿セツト面に押し付け、この
場合プレスローラ５の径の大小、支軸６の真直
度、ベルト４の幅方向不均衡にかゝわらずほぼ均
一にベルト４をセツト面１に摺接せしめることと
なる。

このプレスローラ５の左右両側部でベルト４の
幅方向端縁に該プレスローラ５より小径のベルト
規制ローラ８が支軸６に遊嵌（圧入でも良い）し
て設けてある。

このベルト規制ローラ８は第３図イの状態を呈
する傾向にある無端ベルト４をその左右両端のセ
リ上がりを押えて同図ロの如くベルト４を原稿セ
ツト面１側に規制するから、プレスローラ５によ
るベルト４の搬送力を助長すると同時にベルト４
のセリ上がりによる複写時の外部光の侵入を防止
する。

これと共にプレスローラ５より小径の規制ロー
ラ８はベルト４に左右不均一に接したとしてもベ
ルト４を蛇行させる影響は少ない。

次に第４図に示すものは前述のプレスローラ５
の支軸６を機枠７にブラケツト１５で揺動自在に
取付けた場合でプレスローラ５及びベルト規制ロ
ーラ８は前述のものと同様である。

第５図に示すものはベルト規制ローラ８にフラ
ンジ部８′を設け、このフランジ部８′にベルト４
両側縁噛合して前述の作用に加えてベルト４の蛇
行を規制するようにしたものである。

本考案は叙上の構成から成り、プレスローラ５
の左右ベルト幅両端部にプレスローラ５より小径
のベルト規制ローラ８を設けたから、ゴム質系の
搬送ベルトであつても両側端のセリ上がりによる
曲がりを防止し、これによつてベルト４は原稿セ
ツト面１側により強くフイツトし搬送力を助長し
確実な原稿の搬送が可能である。

これと共にこの規制ローラ６によるベルト４へ
の影響は従来のプレスローラによりベルトを原稿
セツト面に押圧するのとは異なり両側縁がセリ上
がり傾向にあるベルト４の習性を規制して原稿セ
ツト面１にフイツトさせるから左右の規制ローラ
８が不均一に係合しても著しいベルト４の蛇行を
招く恐れがない。

従つてプレスローラ５を従来のものに比し少な
くすることが出来るから騒音、プレスローラ５相
互間の不均一によるベルトの蛇行を招き、原稿が
曲つてセツト位置に送られることも、ベルトがプ
ーリ２，３から離脱することも無い。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは従来装置の説明図であり、第２
図乃至第５図は本考案の好適な実施例を示し、第
２図は全体説明図、第３図イ，ロは要部の作動状
態説明図、第４図及び第５図はそれぞれ前図のも
のと異なつた実施例の説明図である。 １……原稿セツト面、２，３……プーリ、４…
…無端ベルト、５……プレスローラ、６……支
軸、７……機枠、８……ベルト規制ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複写機の原稿セツト面１上に前後一対のプーリ
   ２，３間に張設した無端ベルト４を配設し、この
   無端ベルト４で複写原稿を自動給送する給送装置
   において、上記無端ベルト４を原稿セツト面１に
   押圧して摺接せしめるプレスローラ５を上記プー
   リ２，３間に適宜数列配設するに際し、このプレ
   スローラ５の支軸６を原稿セツト面１に対し上下
   方向移動自在に適宜の機枠７に取付けると共に、
   このプレスローラ５のベルト幅方向左右両側端に
   該プレスローラ５より小径のベルト規制ローラ８
   を上記支軸６に取付けたことを特徴とする複写原
   稿自動給送装置。