JPS6243947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トロリーコンベヤ等に吊掛け支持さ
れたバケツト上に、形状の異なる複数の鋳造品を
混載する移載装置に関するものである。

一般に、閉ループ状に設けたレール上に間欠移
動する台車を配置した鋳造ラインにおいて、この
台車上に載置した鋳枠の鋳型に注湯して固化さ
せ、この鋳枠から鋳型を降ろして鋳型をばらし、
湯口、湯道および押し湯などを鋳物から除去した
のち、鋳物を冷却するとともに砂抜き等の次工程
に搬送するために、間欠移動するトロリーコンベ
ヤに吊掛け支持されたバケツトに移載している。
また、大形鋳物と小形鋳物とを混合生産し、それ
ぞれバケツトに積み込む場合、大形鋳物を積載し
たバケツトは安定しているが、小形鋳物を積載し
たバケツトは、小形鋳物が散在し、不安定とな
り、鋳物が落下する危険性がある。そして、たと
えばコンベヤの流れ方向の上流側で小形鋳物をバ
ケツト上に積み込み、下流側で大形鋳物を積み込
む場合は、バケツト上に散乱した小形鋳物がスペ
ースを余分に占有し、さらに大型鋳物を積み込む
ことはできない。

本考案は、かかる欠点に鑑みてなされたもので
あり、トロリーコンベヤに吊掛け支持されたバケ
ツト上に移載した小形鋳物を寄せ具で押し込んで
バケツトの姿勢を安定させるとともに、寄せ具の
ストロークで混載可否を検出するようにした鋳造
品の移載装置を提供することを目的とする。

以下、本考案を一実施例について詳細に説明す
る。

１は鋳造品の移載装置であつてシリンダブロツ
ク等の大形鋳造品２，２…と、歯車等の小形鋳造
品３，３……と、該両鋳造品から除去した湯口、
湯道および押し湯等の不要鋳造品４，４……と
を、鋳込みラインＡからバケツト上で鋳造品を冷
却する冷却ラインＢまで搬送、移載するものであ
り、第１移載手段５、第２移載手段６、寄せ具７
および制御手段８を包含して構成されている。

第１移載手段５は小形鋳造品３，３……および
不要鋳造品４，４……を取りまとめて移載するも
のであり、鋳込みラインＡの一定方向F₁へ間欠
移動する鋳枠Ｃ，Ｃ……の側方位置から冷却ライ
ンＢの図示省略したトロリーコンベヤに吊掛け支
持されたバケツト３６ａ，３６ｂ，３６ｃ……の
移動経路の近傍位置まで、該各バケツトの流れ方
向F₂と交又する方向に配設された第１フラツト
コンベヤ９と、該第１フラツトコンベヤの搬送端
１０と上流側バケツト３６ｃとの間に介設された
振動シユート等の第１押込み機構１１とからなつ
ている。

第２移載手段６は大形鋳造品２，２……のみを
移載するものであつて、鋳枠Ｃ，Ｃ……の側方位
置からバケツト３６ａ，３６ｂ，３６ｃ……の移
動経路の近傍位置まで、第１移載手段５に沿つて
配設された第２フラツトコンベヤ１２と、該第２
フラツトコンベヤとの搬送端１３と下流側バケツ
ト３６ａとの間に介設されたローダ等の第２押込
機構１４とからなつている。１５は第２移載手段
６の不要鋳造品４，４……を第１移載手段５に転
送する中間コンベヤである。

寄せ具７は、該寄せ具と正対する中間バケツト
３６ｂ内の小形鋳造品３，３……および不要鋳造
品４，４……を寄せ具７位置の反対側に押しつけ
る押圧機構１６と、中間バケツト３６ｂを位置決
め保持する保持機構１７とを包含してなつてい
る。押圧機構１６は、基台１８の上部両側に架設
したガイドレール１９，１９に往復動自在に支承
されたスクレーパ２０と、該スクレーパに連設し
た進退シリンダ２１とで構成されている。保持機
構１７は、基台１８中間部の架台２２上に配設し
た軸受２３，２３，２４，２４と、該各軸受に枢
支された回動軸２５，２６と、該各回動軸にそれ
ぞれ下端部が固定され、上端部にローラ２７，２
７……を枢支せしめた揺動アーム２８，２８，２
９，２９と、該揺動アームの連結ピン３０，３１
間に介設された駆動シリンダ３２とで構成されて
いる。

制御手段８は、マイクロスイツチ等の検出器３
３制御器３４および操作回路３５でなり、寄せ具
７が中間バケツト３６ｂ内を移動して大形鋳造品
２，２……を載置しうる所定ストロークＳ以上を
超えると、これを検出器３３で検出してその検出
信号により、第２移載手段６の第２押込み機構１
４を作動させるものである。なお、３８，３８…
は前記押圧機構１６のガイドレール１９，１９上
を走行するローラ、３９，３９…は該ローラの支
持軸である。

ＨおよびＶはそれぞれバケツト３６ａ，３６
ｂ，３６ｃ……を支持する横枠および縦枠であつ
て、３７は該バケツトの底板である。

上記の構造において、各鋳枠Ｃ，Ｃ……内の大
形鋳造品２，２……および小形鋳造品３，３……
を、それぞれ第２移載手段６および第１移載手段
５に収容して型ばらしをなし、不要鋳造品４，４
……がすべて第１移載手段５に集められ、間欠停
止中の各バケツト３６ａ，３６ｂ，３６ｃに対し
て次の移送が行われる。

上流側バケツト３６ｃの底板３７上に第１フラ
ツトコンベヤ９上の小形鋳造品３，３……および
不要鋳造品４，４……が、第１押込み機構１１に
よつてバラ積みされる。

バラ積みを終えた中間バケツト３６ｂは、その
横枠Ｈが保持機構１７の揺動アーム２８，２８，
２９，２９の挾持動作によつて位置決め、保持さ
れるとともに、押圧機構１６のスクレーパ２０に
より、バラ積みの小形鋳造品３，３……および不
要鋳造品４，４……を一方に押しつけて中間バケ
ツト３６ｂ内で安定させ、スクレーパ２０が所定
ストロークＳ以上を移動する場合は検出器３３が
作動する。

上記のように検出器３３を作動させた下流側バ
ケツト３６ａに対して、第２フラツトコンベヤ１
２上の大形鋳造品２，２……が第２押込み機構１
４によつて移載されたのち、該バケツトが下流方
向へ間欠移動する。

上流側バケツト３６ｃに後続する各バケツト３
６，３６……に対しても、上記と同様の各動作が
順次行われ、大形鋳造品２，２……、小形鋳造品
３，３……および不要鋳造品４，４……は各バケ
ツトに混載し搬送される。なお、寄せ具７の移動
量が所定ストロースＳに満たないときは、第２移
載手段６が作動しないため、各バケツト３６ａ，
３６ｂ，３６ｃ……は大形鋳造品２，２……を収
容しないでそのまま移行する。なお、本考案で
は、この実施例に限られるものではなく、小形鋳
物と大形鋳物との混在ラインでなく、湯口、湯道
および押し湯等を小形鋳物とし、これらを取り除
いた鋳物と区別して第１および第２移載手段５お
よび６に載置してバケツトに積み込む場合にも適
用できる。

本考案は上記の構成により、間欠移動するコン
ベヤに吊掛け支持されたバケツトの側方位置に、
バケツト底板上に小形鋳造品を移載する第１移載
手段と、大型鋳造品を移載する第２移載手段と、
該両移載手段間に位置せしめた寄せ具とを設け、
第１移載手段によりバケツト上に移載された小形
鋳造品を寄せ具によつて一方へ押しつけて安定さ
せるとともに、寄せ具が所定ストローク以上を移
動するとき第２移載手段による大形鋳造品の移載
可能性を制御手段で制御するようにしたので、バ
ケツトを安定させるとともに大形鋳造品および小
形鋳造品の混載が可能となることにより、バケツ
トの利用率が著しく向上するという優れた効果を
もつものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の実施態様を例示し、第１図
は寄せ具の正面図、第２図は同右側面図、第３図
は鋳込ラインにおける移載装置の機器配置の平面
図である。 ２……大形鋳造品、３……小形鋳造品、４……
不要鋳造品、５……第１移載手段、６……第２移
載手段、７……寄せ具、８……制御手段、１６…
…押圧機構、１７……保持機構、３６ａ，３６
ｂ，３６ｃ……バケツト、３７……底板、F₂…
…流れ方向、Ｓ……所定ストローク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 間欠移動するコンベヤに吊掛け支持されたバ
   ケツトの底板上に鋳造品を移載するものにおい
   て、上流側バケツトおよび下流側バケツトに、
   鋳造品をバケツトの流れ方向と交又して移載す
   る第１移載手段および第２移載手段がそれぞれ
   設けられ、該第１移載手段および第２移載手段
   間のコンベヤ側方に、第１移載手段によりバケ
   ツトに移載された鋳造品を一方に寄せる寄せ具
   が設けられ、該寄せ具の移動ストロークを検出
   し、所定ストローク以上のとき第２移載手段を
   作動せしめる制御手段が連係され、寄せ具によ
   り第１移載手段で移載した鋳造品をバケツト内
   で安定させるとともに、第２移載手段での移載
   可能性を検出できるようにしたこと特徴とする
   鋳造品の移載装置。 (2) 第１移載手段は小形鋳造品を、第２移載手段
   は大形鋳造品を移載するものである実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の鋳造品の移載装置。 (3) 第１移載手段、第２移載手段および寄せ具は
   コンベヤの同じ側方に設けられている実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の鋳造品の移載装
   置。 (4) 寄せ具はバケツト内の鋳造品を反対側に押し
   込む押圧機構と、バケツトを位置決め保持する
   保持機構とを具備している実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の鋳造品の移載装置。