JPS6243493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内外刃を備えたかみそり頭部に水
洗いに際しての通水用あるいは、毛くず掃出用な
どの開口部を形成してある電気かみそりの改良に
係る。

電気かみそりにおいてその頭部に開口部を形成
しておくと、水洗いに際し、外刃を装着した状態
で内刃を駆動させ、水道水を前記開口部から注ぎ
入れて内刃に付着した毛くずや毛受け面上に溜ま
つた毛くずを水とともに洗い流すのに便利であ
り、また水洗いをしないまでも、毛くずをブラシ
等で掃き出す場合にも至便である。そして、かか
る開口部は、電気かみそりの使用時に毛くずがそ
の開口部から飛び出さないように開閉蓋で開閉可
能に閉塞される。

ところで、かかる蓋を開閉する手段としては、
その開閉操作の簡易化を図るため、かみそり本体
の外表面上に操作ボタンを装着してそのボタンの
ワンタツチ操作で開閉蓋を開けるようにすること
が考えられる。

しかし、操作ボタンはかみそり本体の外表面上
の何れの個所に装着してもよいというものではな
く、つぎのことを配慮してその装着位置を設定す
る必要がある。すなわち、電気かみそりの使用に
際してその本体を手で把持するが、その手の指に
より不慮に前記操作ボタンが誤操作されて開閉蓋
を開ければ、かみそり使用時に開口部から毛くず
が飛び出ることになるため、この点の対応策を配
慮する必要がある。

この考案はかかる事実に着目して、内外刃を備
えるかみそり頭部がかみそり本体に対しある角度
で傾斜した従来のかみそり頭部傾斜型の電気かみ
そりを採択し、蓋開閉用の操作ボタンの装着位置
は、電気かみそりの使用時にその本体を把持した
手が届きにくいかみそり頭部の傾斜面に設定する
ことにより、開閉蓋の不測な開きを防止できるよ
うにしたものである。

以下、その詳細を図面に基づき説明する。

図面はこの考案に係る電気かみそりを例示して
おり、このかみそり本体１は内刃駆動機構の動力
源であるモータ２や電池３を内蔵し、該かみそり
本体１の上部に形成されるかみそり頭部１ａはか
みそり本体１に対しある角度αだけ前方向に傾斜
させて、かみそり使用時にかみそり頭部１ａが、
例えば顎の下の肌などに対しても適切な角度であ
てがい得るようにしてある。

かみそり頭部１ａおよび内刃駆動機構の構造に
ついて説明する。かみそり本体１の前傾型の開口
上端部に本体蓋４をタツピングネジ５等で結合し
て閉塞し、該本体蓋４の上面を毛受け面６とす
る。毛受け面６の中央開口部７からは振動子８を
上向きに突出させ、該振動子８の突出端に振動式
内刃９を保持する内刃ホルダ１０を装着する。振
動子８はモータ２の回転を偏心カム１１を介して
受けて左右方向に振動し、内刃９を内刃ホルダ１
０を介して同方向に往復振動させる。本体蓋４の
外周には、網目状の外刃１２を保持した外刃ホル
ダ１３を上方から着脱可能に嵌合して、外刃１２
の内面に内刃９が摺接するようにしてある。

かかる構造において、この考案は、外刃ホルダ
１３の相対向する左右側壁１３ａ，１３ａに開口
部１４，１４を形成するとともに、左右側壁１３
ａ，１３ａの各外面側に開閉蓋１５を重合状に装
着して開口部１４，１４を開閉可能に閉塞する。
第１０図に示すように各開閉蓋１５は、その下端
の両側に軸受片１６，１６を内向きに突設し、第
４図および第５図に示すように軸受片１６，１６
に挿通される枢軸１７を中心にして閉蓋状態から
90゜外方へ回動して開くように外刃ホルダ１３に
一体的に枢着するとともに、枢軸１７上のバネ１
８で常に閉じ勝手に付勢する。そして、第３図に
示すように、かみそり本体１の背面側の略垂直な
立上り面１ｂとかみそり頭部１ａの傾斜面１ｃと
が出合う出隅部分における、前記傾斜面１ｃ上に
蓋開閉用の操作ボタン１９を上下方向にスライド
自在に装着する。操作ボタン１９は傾斜面１ｃ上
の左右方向すなわち内刃往復動方向の略中央部位
で、かつ第１２図に示すように左右の開口部１
４，１４の開口下縁１４ａ，１４ａどうしを結ぶ
ラインＬよりも下方に位置するように設定する。
操作ボタン１９は左右の両蓋１５，１５に開閉作
動機構を介して連係する。その開閉作動機構とし
ては、第１０図に示す如き概ね舟形形態の昇降レ
バー２１を用いる。昇降レバー２１は平行な前後
側板２１ａ，２１ａと、前後側板２１ａ，２１ａ
を一体に連結する連結部片２１ｂ，２１ｂとから
なり、前後側板２１ａ，２１ａの各左右端に蓋接
当部２１ｃを立上げて形成し、後側板２１ａの左
右方向の中央部に左右一対のボタン結合孔２２，
２２を形成するとともに、ボタン結合孔２２，２
２間の透孔２３内に全体が前後方向に弾性変形可
能で、かつ下端に後向き突部２４ａを有する昇降
位置規制片２４を形成する。而して、第７図およ
び第８図に示すように、昇降レバー２１は、本体
蓋４の内部に水平姿勢で昇降自在に組込み、操作
ボタン１９の内面側に突設した結合突起１９ａ，
１９ａを本体蓋４の後側壁４ａの透孔２５に通し
たうえで昇降レバー２１の後側板２１ａのボタン
結合孔２２，２２に一体的に挿入結合するととも
に、昇降位置規制片２４の突部２４ａを本体蓋４
の後側壁４ａの透孔２５，２５間に開口した上下
の位置決め孔２６，２６に係脱可能に係入する。
第６図および第１１図に示すように、昇降レバー
２１の左右の蓋接当部２１ｃ，２１ｃ，２１ｃ，
２１ｃは、かみそり本体上部１ａの左右側部と本
体蓋４の左右側壁４ｂ，４ｂとの間の間隙から上
方へ突出させて外刃ホルダ１３の左右の閉じ状態
にある開閉蓋１５の軸受片１６，１６の直下に位
置させる。

しかるときは、電気かみそりの水洗い、または
毛くず掃出しに際し、第９図に示すように操作ボ
タン１９を指先で上方へスライドさせると、昇降
レバー２１が昇降位置規制片２４の突部２４ａを
上段側の位置決め孔２６に係入するまで上昇して
その蓋接当部２１ｃ，２１ｃで左右の軸受片１
６，１６の各下面１６ａの偏心部分を同時に押上
げるため、第５図および第１１図に示すように、
左右の開閉蓋１５，１５は同時に各枢軸１７まわ
りに外方向へ90゜回動して開く。蓋１５が完全に
開くと、第１１図に仮想線で示すように、蓋接当
部２１ｃの蓋閉じ阻止面２１ｄが軸受片１６の下
面１６ａに接当する回動阻止状態となり、開閉蓋
１５はバネ１８の力で不測に閉じるようなことが
なくなる。水洗い、あるいは毛くず掃出し後、第
７図および第８図に示すように操作ボタン１９を
下方へスライドさせて復位させると、昇降レバー
２１は、昇降位置規制片２４の突部２４ａを上段
側の位置決め孔２６から抜出して下段側の位置決
め孔２６に係入する元の位置に下降するため、蓋
接当部２１ｃ，２１ｃは軸受片１６，１６の下面
１６ａ，１６ａから下方へ離反すると同時に、左
右の開閉蓋１５，１５は各バネ１８の力で各枢軸
１７まわりに前記と反対方向に90゜回動して開口
部１４，１４を閉じる。このため電気かみそりの
使用時に毛くずが開口部１４，１４から飛び出す
ことがなくなる。

このように操作ボタン１９を指先で操作するこ
とにより開閉蓋１５がワンタツチで開閉されるの
であるが、電気かみそりの使用時にこれを把持す
る手はかみそり本体１の立上り面１ｂを含む外表
面上に存在し、たとえその手が上方へ滑るような
ことがあつても手はかみそり本体１とかみそり頭
部１ａの曲り角部でとどめられるため、その手の
指先が不慮にかみそり頭部１ａの傾斜面１ｃ上の
操作ボタン１９に触れて誤操作するようなことが
なくなる。

なお、操作ボタン１９は上下あるいは左右方向
へのスライド式に代え、プツシユ式にしてこの押
し操作により左右の開閉蓋１５，１５を同時に開
閉できるようにしてもよい。

この考案の電気かみそりは、外刃ホルダ１３の
内刃往復動方向に対応する両側壁１３ａ，１３ａ
に開口部１４，１４を設けたものであるから、水
洗いに際しては第１２図に示すように開閉蓋１
５，１５を開けて一側の開口部１４から水を流入
し、内刃９を往復動させて水を撹拌させながら他
側の開口部１４から毛くずと共に効果的に洗い流
すことができる。

開閉蓋１５を開き操作する操作ボタン１９は、
電気かみそり使用時に把持されるかみそり本体１
の立上り面１ｂとは向きを異にしてその立上り面
１ｂと出合う傾斜面１ｃ上の内刃往復動方向の略
中央部位に装着してあるので、電気かみそりの使
用時にかみそり本体１を把持する手が操作ボタン
１９に不慮に触れるのを可及的に防止でき、かみ
そり使用時における誤操作による開口部１４の開
きをなくすることができて使い勝手が良い。

操作ボタン１９は左右の開口部１４，１４の開
口下縁１４ａ，１４ａを結ぶラインＬよりも下方
の把持部側に位置設定してあるので、第１２図に
示すように水洗い時に、この操作ボタン１９に入
水側の開口部１４から内刃９の往復動によりあふ
れ出る水や毛くずがかかるのを可及的に避けるこ
とができる。

開閉蓋１５は外刃ホルダ１３側に常備し、かつ
バネ１８で常に閉じ付勢してなるので、清掃ブラ
シで毛くず掃除をするに際し、外刃ホルダ１３を
かみそり本体１の上部から取り外すとき外刃ホル
ダ１３の内部に付着している毛くずが開口部１４
からこぼれ出たり、外刃ホルダ１３を持つ手に付
着するようなことがなく、その取り外し、取り付
けが都合よく行える。

一方、操作ボタン１９はかみそり本体１側の傾
斜面１ｃ上で、かつ該傾斜面１ｃ上の内刃往復動
方向の略中央部位に設けてあるので、外刃ホルダ
１３の左右側壁１３ａ，１３ａを手でつかんで取
り外すときもその手の指が不用意に操作ボタン１
９に触れるようなことがなく、開閉蓋１５が不慮
に開いて毛くずがこぼれ出る危惧もなくなり、こ
の点でも使い勝手がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る電気かみそりの一実施
例を、閉蓋状態で示す背面図、第２図は開蓋状態
で示す背面図、第３図は閉蓋状態で示す側面図、
第４図は閉蓋状態のかみそりヘツド部の縦断正面
図、第５図は開蓋状態のかみそりヘツド部の縦断
正面図、第６図は開蓋状態のかみそりヘツド部を
内刃を取除いて示す横断平面図、第７図は第６図
における−線断面図、第８図は第６図におけ
る−線断面図、第９図は第８図に相応して示
すところの開蓋時における断面図、第１０図は
蓋、昇降レバーおよび操作ボタンのそれぞれを示
す斜視図、第１１図は蓋の開閉作動図、第１２図
は水洗い状態で示す背面図である。 １……かみそり本体、１ａ……かみそり頭部、
１ｂ……立上り面、１ｃ……傾斜面、９……内
刃、１２……外刃、１３……外刃ホルダ、１４…
…開口部、１５……開閉蓋、１９……操作ボタ
ン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内刃駆動機構を内蔵したかみそり本体１の上部
   に、かみそり頭部１ａがかみそり本体１の前面方
   向に所定角度で傾斜するよう形成されており、 かみそり頭部１ａは、かみそり本体１の上部に
   往復動自在に装着した内刃９と、この内刃９を覆
   う外刃１２を保持した外刃ホルダ１３とを有して
   おり、 外刃ホルダ１３はかみそり本体１の上部に対し
   着脱可能に装備されており、 外刃ホルダ１３の内刃往復動方向に対応する左
   右側壁１３ａ，１３ａに開口部１４，１４をそれ
   ぞれ開口し、かつ外刃ホルダ１３に各開口部１４
   を開閉する開閉蓋１５を装着するとともに、開閉
   蓋１５をバネ１８で常に閉じ付勢してあり、 かみそり本体１のかみそり頭部１ａの傾き方向
   と反対側の略垂直な立上り面１ｂと出合うかみそ
   り頭部１ａの傾斜面１ｃには、前記開閉蓋１５を
   バネ１８に抗し開き操作する操作ボタン１９が、
   前記傾斜面１ｃ上の内刃往復動方向の略中央位置
   に該当し、かつ前記左右の開口部１４，１４の開
   口下縁どうしを結ぶラインＬよりも下方に位置す
   るように装着されていることを特徴とする電気か
   みそり。