JPS6243316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子写真装置や他の静電記録装置、
或いは磁気写真装置等、被記録情報をトナー像と
して記録する装置に関する。

かかる画像記録装置に於いては、像支持材に形
成されたトナー像を少なくとも一対のローラで像
支持材を挾持搬送することにより定着せしめるよ
うにした定着装置が多用されている。従来、この
定着に関するローラは、トナー像と接触するため
にトナーが付着するので、ローラ表面をクリーニ
ングするウエブ等が用いられている。このウエブ
はローラに圧接せしめられ、多くは、連続して新
しいウエブがクリーニング作用を行うためローラ
回転方向に対して逆方向に移動するように設けら
れている。そして上記ローラ対の部分に像支持材
が詰まる、所謂ジヤムが生じた場合、ローラ対を
手動で回転したり、或いはローラ対を画像記録装
置本体から引き出してジヤムした像支持材の除去
作業を行う。この際、ローラ表面に圧接している
ウエブは、ウエブの移動方向及びその逆方向に移
動せしめられる。従つてウエブは、たるんだり、
余分なウエブが多量に出てローラ表面やローラ表
面に近接配置されている温度検出器等の部材に巻
き付く等、除去作業を困難にし操作上支障が大き
い。

本考案は、かかる欠点を除去しジヤム処理を容
易かつ確実に行え、かつその構成も簡単な装置を
提供することを主な目的とする。

本考案は、上記目的を達成するための構成とし
て、被記録情報に対応するトナー像が形成された
像支持材を挟持搬送する第１と第２の定着ローラ
と、これらの少なくとも一方の定着ローラに駆動
力源からの駆動力を伝達する伝達手段と、この第
１定着ローラの表面を圧接するウエブによつてク
リーニングするウエブクリーニング手段と、上記
ウエブクリーニング手段に設けられ上記第１定着
ローラの上記ウエブ圧接表面における第１定着ロ
ーラ移動方向に対して上記ウエブ圧接表面を逆方
向に移動させるウエブの巻き取り軸と、上記第１
定着ローラを手動駆動力で回転させるための手動
操作手段と、上記第１定着ローラの回転を行なわ
せる駆動力を第１定着ローラに伝達する駆動力伝
達系のいずれかに設けられ、この手動操作手段に
よる第１定着ローラの回転を上記第１定着ローラ
が上記像支持材を定着するために上記伝達手段に
よつて回転する像支持材搬送方向のみに回転を許
可しその逆方向の回転を禁止する一方向回転制御
手段と、を有することを特徴とする画像記録装置
である。

以下、図面を参照しながら本考案について説明
をする。

第１図は本考案の一実施例の要部断面図であ
る。１は定着ローラで、剛性金属パイプロール１
_１周面に４弗化エチレン樹脂等のオフセツト防止
材の薄い被覆１_２を有している。又定着ローラ１
の中空中にヒータ２が配置されており、このヒー
タによつてローラ１はトナーを熱溶融定着可能な
温度に加熱される。５は加圧ローラで、剛性金属
ロール３周面にシリコーンゴム等オフセツト防止
性のある弾性材の厚い被覆４を有している。この
定着ローラ１と加圧ローラ５は互いに圧接し、上
記弾性被覆層４が弾性変形することで紙Ｐの定着
を行うニツプ部を形成している。このローラ１，
５の駆動は後述するが、モーターＭによつてロー
ラ１が矢印方向へ回転駆動され、またローラ５は
摩擦力によつてローラ１に従動回転する。

又、定着ローラ１の周面には、その表面をクリ
ーニングするウエブ７がローラ８によつて圧接せ
しめられ、そのウエブは回転自在の軸６から駆動
力によつて回転する軸６_１まで移動して軸６_１に
巻き取られる。以上のローラ１，５，８及び軸
６，６_１は定着器箱体１２に回転可能に支持され
ている。

電子写真複写機等の所定の画像形成法によつて
形成されたトナー像Ｔを支持する紙Ｐは搬送ベル
ト１３によつて搬送され、定着器箱体１２内に導
かれる。次に案内部材１４によつて紙Ｐは、前述
したローラ１とローラ５との成すニツプ部へ導か
れる。ここでトナー像Ｔは定着ローラ１によつて
熱溶融され、加圧ローラ５によつて紙Ｐに定着せ
しめられる。この紙Ｐはニツプ部通過後定着ロー
ラ１に粘着し、ローラ周面と共に移動し、定着ロ
ーラに圧接している分離爪１０（軸９を中心に回
動し弾性力によつて定着ローラ１に圧接せしめら
れている）によつてローラ１から分離される。そ
して案内板１１によつて紙Ｐは排出ローラ対１
５，１６に達し、これによつて画像形成装置の外
へ導かれ軸１７を中心に回転可能なトレイ１８に
収納される。一方、トナー像に接触する定着ロー
ラ１の表面は、ローラ１の回転方向と逆に移動す
るウエブ７によつてクリーニングされ、定着が良
好に行えるように保たれる。このウエブ７はロー
ラ１の回転にさからつてローラの一定回転数ごと
に少しづつ移動を繰り返し、新しいウエブがロー
ラ１に圧接するようになつている。このウエブは
移動させないもので、ウエブが汚れた際に切りと
るようなものでも良い。

次にこの構成の駆動機構を第２図を参照しなが
ら説明する。第２図は第１図の要部の機構を説明
するための機構図である。

モーター（不図示）からの駆動力はチエーン
（不図示）を介してスプロケツト１９に伝えられ
ている。１９_１はベアリング１９_２によつて不動
部２０に回転可能に保持されている軸で、この軸
１９_１にスプロケツト１９とギア２１が固定され
ている。２２は不動部２０に固定された軸で、こ
の軸２２にギア２３を固定したワンウエイクラツ
チ２４が設けられている。ギア２３はギア２１に
噛合せしめられ、モーターからの駆動力を伝える
が、ワンウエイクラツチ２４の働きで一回転方向
のみに回転を制御されている。２６は軸２２に関
して揺動可能な揺動板で、この板２６に固定され
た軸２７にギア２５が回転可能に保持されてい
る。このギア２５は、ギア２３に噛合せしめられ
ている。又このギア２５は、不動部２９に対しベ
アリング２８_１で回転可能に保持されている定着
ローラ１へ固定されたギア２８に噛合せしめられ
ている。更にこの揺動板２６がギア２５とギア２
８の噛合状態を保持せしめる弾性力（不図示）に
反して移動を行えば、ギア２５とギア２８の噛合
状態は解除される。従つて、モーターからの駆動
力は定着ローラ１に伝達されない。この揺動板２
６を移動させる時は、ジヤム処理に際し定着器箱
体１２を装置外に取り出す時等である。

以上の駆動機構により、モーターからの駆動力
は、スプロケツト，ギア２１からギア２３，ギア
２５を介してギア２８，定着ローラ１へと伝達さ
れ、定着ローラ１が駆動せしめられる。従つて、
スプロケツト又はギア２１，ギア２５は同一方向
（例えば時計方向）へ回転し、ギア２３（ワンウ
エイクラツチ２４連結）とギア２８及び定着ロー
ラとは逆の同一方向（反時計方向）へ回転する。

一方、上述した駆動機構と反対側のローラ１の
端部では、ローラ１に固定されたギア３３が不動
部２９に固定された軸３０に対して回転可動なギ
ア３１に噛合しており、このギア３１には手動回
転操作用ノブ３２が固定されている。又、定着ロ
ーラ１の中央部では前述したようにローラ８がウ
エブ７を介してローラ１に圧接している。

さて、画像形成装置の作動中、紙Ｐがローラ
１，５に挾まれたままの状態で詰まつた場合、前
記ノブ３２を操作者が手動で時計方向に回転すれ
ばローラ１が第１図の矢印方向（反時計方向）に
回転し、又これによつてローラ５も摩擦従動回転
するから、前記紙Ｐは通常の搬送方向に送り出さ
れる。この時、ローラ１とローラ５は圧接してい
るから、紙Ｐはローラ５によつてローラ１に当接
せしめられているのでトナー像はローラ１の余熱
を受け、溶融し紙Ｐに定着される。又、ローラ１
はベアリング２８_１によつて保持されているから
軽く回転させることができる。

この際ノブ３２を反時計方向に回転させようと
すれば（ローラ１を紙Ｐの搬送方向と逆方向に回
転させる）、ギア２３のワンウエイクラツチ２４
が非回転軸２２にロツクされることによつて回転
することはできない。従つて、ウエブ７のたるみ
方向に定着ローラ１を回転することができないの
で、ローラ１やその周辺の部材へのウエブ７の巻
き付きが発生することを完全に防止できる。

前記の操作によりローラ対１，５から搬送方向
に送り出された紙Ｐを装置外に取り出すために第
１図の如く、分離爪１０と排出ローラ１５とを支
持する板体３６をバネ３５及び移動手段３４によ
つて軸９を中心に上方へ回転させると、紙Ｐの取
り出しが更に容易になる。又、同様に排出ローラ
１６と案内板１１を移動させても良い。更に排出
ローラ１５，１６を手動回転させて紙Ｐを取り出
すようにしておくことも好ましい。

上記実施例では、ワンウエイクラツチ等の回転
制御手段をギア２３に用いたが、他の駆動力伝達
系のどの部分に設けても良い。この回転制御手段
は、駆動力伝達による第１，第２のローラの像支
持材搬送方向回転をフリーにし、その逆方向には
ロツクして回転させないようにするものである。

以上のように、本考案は、駆動力を正確に伝達
し、ローラを像支持材の搬送方向のみに回転させ
るから、ローラに接触しているクリーニングウエ
ブをたるませることがなく、ジヤム処理を容易か
つ確実に行える構成が簡単な装置を提供するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部断面図、第２
図は第１図の要部機構図である。 １は定着ローラ、２はヒーター、５は圧力ロー
ラ、７はクリーニングウエブ、１０は分離爪、１
１は案内板、１２は定着器箱体、１３は搬送ベル
ト、１５，１６は排出ローラ、１９はスプロケツ
ト、２１，２３，２５，２８，３１，３３はギ
ア、２４はワンウエイクラツチ、３２は手動回転
操作用ノブである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被記録情報に対応するトナー像が形成された像
   支持材を挟持搬送する第１と第２の定着ローラ
   と、これらの少なくとも一方の定着ローラに駆動
   力源からの駆動力を伝達する伝達手段と、この第
   １定着ローラの表面を圧接するウエブによつてク
   リーニングするウエブクリーニング手段と、を有
   する画像記録装置において、 上記ウエブクリーニング手段に設けられ上記第
   １定着ローラの上記ウエブ圧接表面における第１
   定着ローラ移動方向に対して上記ウエブ圧接表面
   を逆方向に移動させるウエブの巻き取り軸と、 上記第１定着ローラを手動駆動力で回転させる
   ための手動操作手段と、 上記第１定着ローラの回転を行なわせる駆動力
   を第１定着ローラに伝達する駆動力伝達系のいず
   れかに設けられ、この手動操作手段による第１定
   着ローラの回転を上記第１定着ローラが上記像支
   持材を定着するために上記伝達手段によつて回転
   する像支持材搬送方向のみに回転を許可しその逆
   方向の回転を禁止する一方向回転制御手段と、を
   有することを特徴とする画像記録装置。