JPS6243129Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はパネルなどの支持体に保持される保
持手段を備えた外胴と、雌ネジ孔ないしネジの下
孔からなる締付孔を有し、外胴中で軸方向に動き
を止められてはいるが水平方向には動ける様に収
容された中子からなる二体型のスクリユーグロメ
ツトに関する。

例えば自動車で長尺のカウルトツプグリルを多
数のネジを用いて車体に固定する場合、車体には
ネジをねじ込む締付孔を備えたスクリユーグロメ
ツトを取付ける取付孔をグリルのネジを通す位置
にに開設して置くが、この取付孔の位置と、グリ
ルのネジを通す位置の間にはどうしても許容誤差
の範囲内でずれが生じる。このためスクリユーグ
ロメツトの締付孔を長孔にし、或る程度の位置ず
れを長孔によつて吸収することも考えられるが、
これでは一軸の方向にずれがある場合しか吸収で
きない。又、取付孔にバリなどがある場合にはス
ライド不能となりピツチの吸収ができないことが
あつた。そして、実際上、位置ずれはＸ軸方向
や、Ｙ軸方向のほか、その複合方向に生じるので
役立たない。

そこで本考案は位置ずれがどの方向に生じたと
してもこれをすべて吸収できる様にし、問題点を
解消したのであつて、以下、図示の実施例を参照
して説明する。

各図において１は筒状の外胴、２は中子で、と
もにプラスチツクから成形し、外胴１は上端外周
に外方に張出した鍔３と、外周下部から斜上向き
に延び、鍔３との間で外胴１を車体のパネルに対
して保持する弾性の係止片４を一体に有する。

係止片４は例えば外胴の直径方向に対向した位
置に開設された窓孔の下縁から斜上向きに延びて
外胴の外周から張出し、自由端には段状の肩を備
え、外胴の外形より僅かに大きくパネルにあけた
孔に上から押込むと孔縁で押されて窓孔中に引込
み、鍔３の下面がパネルの上面に当接すると係止
片は弾性で復元しようとして肩を孔縁に引懸け、
鍔の下面と肩の間で外胴をパネルに保持する。

第１〜３図の実施例では外胴１、鍔３の外形は
正方形で、鍔３をつなぐヒンジ１１を残して鍔と
外胴は一対角方向に切割られている。そして、外
胴は他の対角部分に係止片４，４を有する。

外胴１は両切割面に半円形の窪み１ａ，１ａを
有し、ヒンジ１１を曲げて両切割面を対面させる
と窪み１ａ，１ａは円筒形をした中子の収容部を
形成する。

中子２は中心に円形断面の締付孔１２を有する
円筒形で、その外径は窪み１ａ，１ａにより形成
される収容部の内面の直径よりも小さい。そして
中子２は上端と下端に外形が円形の張出鍔１３，
１４を有する。上の鍔１３は外胴の収容部に中子
を収めた場合に中子が下に脱出するのを防止し、
下の鍔１４はネジを締付孔１２にねじ込んだとき
に収容部から上に脱出するのを防ぐためのもので
ある。このため外胴の各半円形の窪み１ａ，１ａ
の上端と下端には夫々張出鍔１３，１４の外径よ
りも大きな半円形の凹み１５，１６を段状に設
け、こゝに各鍔を嵌合し、中子が収容部中で動く
場合各鍔１３，１４は凹み１５，１６の底の上で
移動できる様にする。

そして、中子が外胴に対して所定量以上回転す
るのを防止するため一方或いは双方の鍔１３，１
４と凹み１５，１６の底の間には突出部１７ａ
と、これを受入れる凹所１７ｂからなる回り止め
装置１７を設ける。凹所１７ｂは中子が外胴中で
動く場合に突出部１７ａが凹所内で動ける様に突
出部よりも大きく形成する。

従つて、中子２の外周から張出した張出鍔１
３，１４と、これを受入れるための外胴の半円形
の凹み１５，１６、及び上記張出鍔と凹みに設け
た突出部１７ａと、これを受入れる凹所１７ｂか
らなる回り止め装置１７は、外胴の内周中で中子
を円周方向に所定量回動可能に支持すると共に、
中子が軸方向に移動するのを阻止する保持装置を
構成する。

これにより外胴が切割面で開いているときに窪
み１ａ中に中子を入れ、それから切割面を対面さ
せて外胴を閉じ、この状態でパネルの孔に押込ん
で外胴をパネルに保持させる。必要ならば切割面
を対向させて閉じたとき、外胴をスナツプ式の閉
鎖装置で閉じた状態に維持できる様にしてもよ
い。

中子は外胴中で360゜の方向に所定量の範囲内
で自由に移動できるのでグリルをパネルに固定す
るためのネジの位置がどの方向にずれていても、
中子を外胴中で移動し締付孔をネジの位置に合わ
せ、ねじ込みを行うことができる。この場合、中
子と外胴の間には回り止め装置１７があるので、
ねじ込みの当初、中子は外胴中で若干回動するこ
ともあるが、その後は回転しなくなるので支障な
くねじ込める。又、ねじ込みにつれ中子は上に引
上げられようとするが下の張出鍔が下の凹みの底
に当接してこれに抗する。

中子の締付孔１２はネジのねじ込みによつて雌
ねじが形成される円筒形などのネジの下孔でもよ
いし、場合によつてネジに螺合する雌ネジ孔でも
よい。

第４図の実施例は外胴、鍔の外形が正方形で、
鍔をつなぐヒンジを残して外胴と鍔は一対角方向
に切割られ、切割面にあるほゞ半円形などの窪み
１ａ，１ａで中子の収容部を形成し、係止片４，
４は外胴の他の対角方向に設けらている点で前述
の実施例と共通する。

この外胴は四辺に周囲方向の細長い孔１８を有
する。中子２は中心に締付孔１２′を有する円筒
形で、その外径は窪み１ａ，１ａによる収容部の
内径よりも小さく。そして、外周からは上記孔１
８に横方向に緩く突入するピン１９が90゜の位相
で突出する。従つて、外胴が開いているときにピ
ン１９を孔１８に通して中子を外胴の窪み中に入
れ、それから外胴の切割面を対向させて全部のピ
ン１９を孔１８に通し、中子を外胴中に収容す
る。

これによりピン１９を孔１８中で移動させて中
子は外胴中で360゜の方向に或る量自由に動ける
ので、上記第１〜３図の実施例と同様に機能す
る。

要するにこの実施例は孔１８と、これに横方向
に或る程度自由に動ける様に通つたピン１９が回
り止め装置と、中子が外胴中で上下に動くのを阻
止する装置を兼ねる保持装置になるのである。

無論、ピン及び孔の数は四つであることに限定
されず、それ以下でも、それ以上でもよい。

この様に本案ではパネルなどの支持体に保持さ
れる外胴を一対角方向にヒンジを残して切割つた
ので、締付孔を有し、上記外胴中で軸方向に動き
を止められる中子を、水平方向に移動可能に収容
することが、外胴の切割面を開いて容易に行え、
外胴中で中子が移動できる量の範囲内でネジの位
置ずれを完全に吸収できる。又、パネルに対しこ
のスクリユーグロメツトを介してグリルなどをネ
ジで固定すると、その後に熱などでグリルが変形
する場合も、ネジが外胴中で中子を移動させるの
でグリルの変形に応じることができ、グリルが破
損するのを防止することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の分解斜視図、第
２図は第１図の組立状態の平面図、第３図は第２
図の横断面図、第４図は他の一実施例の要部の横
断面図で、図中、１は外胴、１ａはその切割面の
窪み、２は中子、３は鍔、４は係止片、５はパネ
ル、１１はヒンジ、１２は締付孔、１３と１４は
鍔、１５と１６は凹み、１７ａは突起部、１７ｂ
は凹所、１８は孔、１９はピンを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) パネルなどの支持体に保持される保持手段を
   備えた筒状の外胴と、ネジをねじ込むための締
   付孔を有し、上記外胴の内周中に水平方向に移
   動可能に収容された円筒形の中子とからなり、 上記外胴は外形が四角形で、一対角方向にヒ
   ンジを残して切割られた切割面を有し、上記各
   切割面は上記中子の外径よりも曲率半径が大き
   い半円形の窪みを備え、且つ 前記中子は外周から張出した張出し部、外胴
   は上記張出し部を受入れ、内周中に中子を円周
   方向に所定量回転可能に支持すると共に中子が
   軸方向に移動するのを阻止する保持装置を備え
   ていることを特徴とするスクリユーグロメツ
   ト。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のスク
   リユーグロメツトにおいて、保持装置は、中子
   の上下両端に設けられた張出鍔と、外胴の切割
   面にある半円形の窪みの上下両端に上記張出鍔
   の外径よりも大きく段状に設けられた凹みと、
   上記張出鍔と凹みの底に設けられた突出部及び
   上記突出部を受入れるそれよりも大きな凹所と
   からなるスクリユーグロメツト。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のスク
   リユーグロメツトにおいて、保持装置は中子か
   ら半径方向に突出した張出しピンと、上記張出
   しピンを円周方向に所定量移動可能に受入れる
   ため外胴に開設した周囲方向の細長孔からなる
   スクリユーグロメツト。