JPS6242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ピンチローラのキヤプスタンに対
する傾きを補正するピンチローラの傾き補正装置
に関する。

ピンチローラがキヤプスタンに対して傾むいて
いると、このピンチローラとキヤプスタンとに挾
持され走行された磁気記録テープは、キヤプスタ
ンの回転中心線に沿つた上方あるいは下方に移動
する。その結果、磁気記録テープに片伸びが生じ
たり、あるいはピンチローラとキヤプスタンとに
よる磁気記録テープの挾持が解除されていまつた
り、またあるいは、磁気ヘツドのギヤツプと磁気
記録テープのトラツクとの間に上下方向の位置の
ずれが生じてしまう。従来、上述した様な種々の
欠点を生じさせるピンチローラのキヤプスタンに
対する傾きを補正するための装置が種々開発され
ている。しかしながら、従来のピンチローラの傾
き補正装置は、構造が複雑なので、製造作業及び
組み立て作業が煩雑であつたり、あるいは傾きの
補正作業が煩雑であつた。

この考案は上記事情に基づきなされたものであ
り、この考案の目的は、簡易な構造を有し、製造
作業，組み立て作業及び傾きの補正作業を容易に
することができるピンチローラの補正装置を提供
することである。

以下この考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

磁気記録テープ走行装置のシヤーシ１０には、
第１図に示す如く、キヤプスタン１２が回転自在
に設けられている。シヤーシ１０には、第２図に
特に詳細に示す如く、キヤプスタン１２の近傍に
軸１４が固定されている。軸１４はキヤプスタン
１２と略平行に配置されている。しかし組立時の
誤差等により完全な平行ではない。シヤーシ１０
の上面には、第１図に示す如く、ピンチローラ１
６を回転自在に保持したピンチローラ保持部材１
８が配置されている。キヤプスタン１２とピンチ
ローラ１６との間には磁気記録テープ２０が配置
されている。

ピンチローラ保持部材１８は、スリーブ部材２
２を備えている。スリーブ部材２２の孔２４に
は、第２図に示す如く、軸１４が遊嵌されてい
る。スリーブ部材２２の孔２４を規定する内周面
には、第２図に示す如く、孔２４の半径方向内方
に張り出した第１の支点手段２６が形成されてい
る。この実施例において第１の支点手段２６は内
方フランジの形状をした突起であり、軸１４の外
周面と円周方向に線接触している。

このような構成であると、第１の支点手段２６
の軸１４への接触位置を回転中心として、スリー
ブ部材２２の孔２４の回転中心線を、即ちピンチ
ローラ保持部材１８を、軸１４の回転中心線２８
に対して傾斜させることができる。

スリーブ部材２２の上端面には、第１図に示す
如く、円形状の円周面３０を有した凹所が形成さ
れている。内周面３０は、孔２４の直径よりも大
きな直径を有しており、内周面３０の回転中心線
３２は孔２４の回転中心線に対して離心してい
る。この実施例において、内周面３０の半分は、
第１図に示す如く、切り欠かれている。

内周面３０には、第１図及び第２図に示す如
く、円板形状の回転部材３４が装着されている。
回転部材３４は、自身の外周面を内周面３０と摺
接させることにより、孔２４の回転中心線に対し
て離心して回転自在である。回転部材３４には、
回転部材３４の回転中心線、即ちスリーブ部材２
２の内周面３０の回転中心線３２，から離心した
位置に孔３６が形成されている。回転部材３２の
孔３６を規定する内周面は、第２図に示す如く、
支点部材２６から上方に離間した位置で軸１４の
外周面に接触している。この実施例において、回
転部材３２の内周面は、第２図に示す如く、回転
部材３２の上面から下面に向うにつれて直径が大
きくなるように形成されており、第２の支点手段
３８を構成している。

このような構成の実施例においては、回転部材
３４を回転させると、スリーブ部材２２の内周面
３０の回転中心線３２，即ち回転部材３２の回転
中心線，が、軸１４の回りに第１図に示す如き円
形の軌跡４０を描く。従つて支点部材２６を回転
中心にしてスリーブ部材２２の孔２４の回転中心
線を軸１４の回転中心線に対して任意の角度で傾
斜させることができる。

このような構成であれば、軸１４の回転中心線
が組立時の誤差等によりキヤプスタン１２の回転
中心線に対して平行でないとしても、ピンチロー
ラ１６の回転中心線をキヤプスタン１２の回転中
心線と平行にすることができる。

この考案のピンチローラの傾き補正装置は、ピ
ンチローラを回転自在に保持し、軸が遊嵌された
孔を有するピンチローラ保持部材と；上記ピンチ
ローラ保持部材に設けられ、上記軸の外周面と接
触し、上記軸との接触位置を回転中心として上記
ピンチローラ保持部材の上記孔の回転中心線を上
記軸の回転中心線に対して傾斜させる第１の支点
部材と；上記孔に上記孔の回転中心線に対して離
心して回転自在に設けられ、上記回転の回転中心
線に対して離心し上記支点部材から離間した位置
で上記軸の外周面と接触する第２の支点手段を有
した回転部材と；を有した構成である。

このような構成であれば、従来に比べて構造を
簡易にすることができるので、ピンチローラ補正
装置の製造作業、組み立て作業及び傾きの補正作
業を容易に行うことができる。

上述した実施例はこの考案を説明するためのも
のであり、この考案を何んら限定するものでな
く、この考案の技術範囲内で変形、改造等の施さ
れたものも全てこの考案に包含されることはいう
までもない。

例えば第１の支点手段２６は、孔２４の内周面
から孔２４の半径方向内方に突出し軸１４の外周
面と接触する複数の突起であつても良い。

また第２の支点手段３６は、回転部材３４の孔
３６を規定する内周面から孔３６の半径方向内方
に突出し軸１４の外周面と接触する複数の突起で
あつても良い。

また回転部材３４の平面形状は、半径方向に複
数突出し、夫々の突出端の回転軌跡が円となるよ
うなものであれば何でも良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示す斜視図、第
２図は第１図の−線に沿つた断面を示す斜視
図である。 １２……キヤプスタン、１４……軸、１６……
ピンチローラ、１８……ピンチローラ保持部材、
２０……磁気記録テープ、２２……スリーブ部
材、２４……孔、２６…第１の支点手段、２８…
…回転中心線、３４……回転部材、３２……回転
中心線、３８……第２の支点手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ピンチローラを回転自在に保持し、軸が遊嵌さ
   れた孔を有するピンチローラ保持部材と； 上記ピンチローラ保持部材に設けられ、上記軸
   の外周面と接触し、上記軸との接触位置を回転中
   心として上記ピンチローラ保持部材の上記孔の回
   転中心線を上記軸の回転中心線に対して傾斜させ
   る第１の支点手段と； 上記孔に上記孔の回転中心線に対して離心して
   回転自在に設けられ、上記回転の回転中心線に対
   して離心し上記支点部材から離間した位置で上記
   軸の外周面と接触する第２の支点手段を有した回
   転部材と； を具備したことを特徴とするピンチローラの傾
   き補正装置。