JPS6241129Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は天井吊形空気調和機のドレンパンの
小型化に関するものである。

従来の天井吊形空気調和機は第１図に示すよう
に構成されていた。すなわち第１図において、１
は空気調和機の骨組みとなるフレームであり、こ
のフレーム１は周縁を折り曲げてフランジを形成
した一対の側板２の上部フランジに上板３を重合
してネジ等により固定することにより逆Ｕ字状に
構成されている。４は一対の側板２に形成された
角穴２Ａに着脱自在に挿入支持された熱交換器
で、一方の側板２外に導出された配管接続口４Ａ
を有する。５は熱交換器４およびフレーム１の下
面を覆つてフレーム１の下部フランジに固定され
たエアーガイドで、フレーム１とエアーガイド５
によりフレーム１内に前後が開口する通風路を形
成する。

６は熱交換器４およびエアーガイド５の下面を
覆うドレンパンであり、フレーム１およびエアー
ガイド５等に生じたドレンを受けるようにフレー
ム１幅よりも大きい幅に形成されていると共に前
後方向はフレーム１の前面側から後面側に向つて
順次深くなるように形成され、更に左右方向は熱
交換器４の配管接続口４Ａ側が低くなるようにド
レンパン６をフレーム１に固定する取付板６Ａに
２段の穴を設けて配管接続口４Ａ側は上側の穴で
反対側は下側の穴で固定してドレンパン６を傾斜
させてドレン排水を準滑にしている。

またドレンパン６の後部立上り部には左右両側
にドレン排水口６Ｂを有する。なお配管接続口４
Ａ側に位置するドレン排水口６Ｂは盲栓により閉
じられている。

７は通風路の前側の開口を覆うようにフレーム
１の前面側に取り付けられた通風路に直通する吹
出口７Ａを有する吹出しフランジ、８は通風路の
後側の開口を覆うようにフレーム１の後面側に取
り付けられた送風機組立であり、上記送風機組立
８は送風機台８Ａに取り付けられた送風装置８Ｂ
および駆動用モータ８Ｃにより構成されている。

以上のように構成された空気調和機は天井裏内
に吊り下げられて、熱交換器４の配管接続口４Ａ
は冷温水熱源機へ、ドレンパン６のドレン排水口
６Ｂは排水管へ配管接続され、更に吹出しフラン
ジ７およびフレーム１の後面側には天井面に設け
られた吹出しグリルおよび吸込グリルと接続する
為のダクトが取り付けられて運転に移るが、運転
時には熱交換器４へ冷温水熱源機より冷温水が供
給され、一方送風装置８Ｂにより吸込グリルから
吸込まれた空気は熱交換器で冷却、加熱されて吹
出しグリルより室内に吹出されて室内が冷房暖房
される。

なお冷房時には、熱交換器４の下流側における
側板２、上板３、エアーガイド５、吹出しフラン
ジ７の取付面は、露点温度以下に冷却される為に
その表面にはドレンが生じて下方に滴下する。ド
レンパン６はこのドレンを受けて機外に排水する
ものであるが、従来の天井吊形空気調和装置にお
いては、吹出しフランジ７の下端がフレーム１の
垂直面から下方に突出している為、吹出しフラン
ジ７の取付面すなわち垂直面に生じたドレンは吹
出しフランジ７下端より直接滴下し、また、エア
ーガイド５表面に生じたドレンもエアーガイド５
の傾斜が小さいので、表面を伝つて下方に流下せ
ず着露部より直接滴下する。従つてドレンパン６
は吹出しフランジ７の垂直面まで受ける必要があ
る為前後方向の幅寸法が大きくなつてコストが高
くなると言う欠点があつた。

この考案はエアーガイドの傾斜を大きく取り、
また吹出しフランジ下端が側板垂直面より下方に
突出しないようにすることにより機体表面に着露
したドレンを傾斜面に沿つて流下させ、傾斜面の
最下端部を受ける幅寸法の小さいドレンパンに導
き上記欠点を除去しようとするものである。

以下この考案の一実施例について説明する。第
２図において、４は左右方向に多数枚並設された
短形プレートフイン４Ｂの両端に側板２を配置
し、上記プレートフイン４Ｂと側板２を貫通する
Ｕ字状パイプ４Ｃを連続的に接続して左右方向の
一側に突出する配管接続口４Ａを設けた熱交換器
で側板２は周縁が外側に折り曲げられた中心に対
して前後対称の形状であり、その前面および後面
の上部には垂直面２Ａ、下部には所定角度で中心
に向つて下り傾斜の傾斜面２Ｂを有する。

３は左右両側の側板２上に載置された上板であ
り前端および後端部は凹状に折り曲げて側板２内
に陥没させて左右端で側板にネジで固定してい
る。５は側板２の垂直面２Ａ下端から傾斜面２Ｂ
に沿つて左右両側の側板２間下部を覆うエアーガ
イドであり、その最下端部には所定間隔で穴が設
けられており、上板３同様左右両端で側板２にネ
ジで固定されている。７は左右両側の側板２と上
板３およびエアーガイド５によつて形成される開
口を覆つて側板２の前側垂直面２Ａに垂直面２Ａ
下端より突出しないように取り付けられた吹出し
フランジで上記開口に連通する吹出し口７Ａとフ
ランジ７Ｂを有する。８Ｂは送風装置、８Ｃは駆
動用モーターであり、これらは側板２の前側に向
つて箱曲げされた送風機台８Ａに取り付けられて
送風機組立８を構成し、しかも送風装置８Ａを送
風装置８の吐出口８Ｄが後側の開口に連通する位
置に配置して送風機台８Ａで後側開口を覆うよう
に送風機台８Ａを側板２にネジで固定している。
以上の各要素すなわち熱交換器４の側板２、上板
３、エアーガイド５、吹出しフランジ７、送風機
組立８により囲まれる空間は通風路となる。

６は熱交換器４のフイン４Ｂ下方すなわち側板
２の中央部下方に配置されたドレンパンで、その
前後方向の巾寸法は側板２の傾斜面２Ｂの最下端
より前後方向に所定寸法だけ広く、また熱交換器
４の左右方向の一側に突出する配管接続口４Ａの
下方側にはドレン排水口６Ｂを有する。なおドレ
ンパン６は、左右同一の取付板６Ａを介して側板
２の傾斜面２Ｂに取り付けられるが、ドレンパン
６と取付板６Ａの固定は排水口６Ｂ側において
は、ドレンパン６の上部で行なわれ、排水口６Ｂ
と反対の側においては底部で行なわれる為、側板
２に取り付けた際にドレンパン６の底面は排水口
側に向かつて下り勾配となつている。

このように構成された空気調和機の各部に着露
するドレンは、まず、上板３の外表面においては
滴下することはなく、運転停止時に自然蒸発す
る。次に通風路内に生じたドレンは、すべてエア
ーガイド５上に滴下した後エアーガイド５の傾斜
面を伝つて最下端部に設けられた穴よりドレンパ
ン６に滴下する。また側板２の表面においても、
まず傾斜面２Ｂまで流下した後、傾斜面２Ｂ上を
流れ最後に最下端部よりドレンパン６に滴下す
る。更に吹出しフランジ７の垂直面に生じたドレ
ンはまず吹出しフランジ７下端まで流下した後、
エアーガイド５に移り、エアーガイド５傾斜面に
生じたドレンと共に傾斜面を伝つて最下端部より
ドレンパン６に滴下する。従つて機体表面に生じ
たドレンを受けるドレンパン６は、側板２および
エアーガイド５の傾斜面最下端部を受け得る幅寸
法があれば良い訳である。なお吹出しフランジ７
のフランジ７Ｂには、ダクトが接続されて断熱材
が覆われる為ドレンは生じない。

以上のようにこの考案では、側板の下部に傾斜
面を設けその下部を覆うエアーガイドをこの傾斜
面に沿わせると共に側板前面上部の垂直面に取り
付く吹出しフランジは垂直面下端より突出させな
いようにし、エアーガイドおよび側板の最下端部
下方に、最下端部を受け得る幅寸法のドレンパン
を設けて傾斜面を伝つて最下端部より滴下する機
体表面に生じたドレンを受けるようにしたので、
ドレンパンの幅寸法が小さくなり、従つてコスト
が安く且つ重量が軽くなつて吊下げ工事が容易に
なると言う長所を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図従来の空気調和機を示す側面図、第２図
はこの考案の一実施例を示す空気調和機の側面図
である。 図中、２は側板、２Ａは垂直面、２Ｂは傾斜
面、３は上板、４は熱交換器、５はエアーガイ
ド、６はドレンパン、７はエアーガイド、８は送
風機組立である。なお図中同一符号は同一または
相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右方向に多数枚並設されたプレートフインの
   左右両端に周縁を中心に対して前後対称になるよ
   うに外側に折り曲げると共に前、後面の上部に垂
   直面、下部には中心に向つて下り傾斜の傾斜面を
   有する側板を配置した熱交換器と、上記熱交換器
   の上面を覆つて上記側板に取り付けられた上板
   と、上記側板の垂直面下端から傾斜面に沿つて熱
   交換器の下面を覆うように側板に取り付けられた
   エアーガイドと、上記エアーガイドの下方に位置
   して前後方向の幅寸法が上記熱交換器の側板およ
   びエアーガイドの最下端部幅寸法よりも大きく形
   成されたドレンパンと、上記側板の前面側垂直面
   に垂直面下端から突出しないように取り付けられ
   たエアーガイドと、上記側板の後面側垂直面に取
   り付けられた送風機組立とにより構成された天井
   吊形空気調和機。