JPS6240992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、穀類搬送機の改良に関する。

〔従来技術と問題点〕

特に近年コンバインの大型化に伴い、圃場で刈
取り、脱穀した穀類（籾）を荷台の傾倒機構（堕
ンプ型）を備えたトラツクやトレーラーなどで運
搬し、農家の作業場に設置されている穀類乾燥機
や貯蔵タンクなどに短時間に効率よく投入供給す
る作業傾向にある。従つて、従来の小型の穀類搬
送機に代わつて、トラツクやトレーラーの荷台か
ら荷卸しされる穀類を直接受入れることのできる
長さをもつホツパーを備え、ホツパー内の穀類を
ホツパーの一端に搬送し揚穀機（スロワー）で直
接乾燥機や貯蔵タンクに搬送する大型の穀類搬送
機が必要とされ、既に本件出願人において実願昭
56−32523として提案されているが、ホツパーが
トラツクなどの荷台巾に合わせて長く長方形に構
成されていることから、自ずとスクリユウー移送
体も長尺となり、そのためホツパー内の穀類の重
量によつてスクリユウー移送体の中間部が変形
（曲がり）したり、また、回転消費馬力が大とな
るなどの不都合がある。

このような問題点を解決する手段として従来で
は、例えば実開昭52−138059号公報に開示されて
いるように、ホツパーの谷部に設けたスクリユウ
ー移送体の上方に山形形状の流板を配設するとと
もに、この流板の両側縁とホツパー壁との間に形
成された落下流路に開閉板を開閉可能に設けた穀
類収穫機用タンクが提案されている。このタンク
に使用されている上記両開閉板は、タンク側壁に
設けた操作レバーのオン、または、オフ方向への
切換えレバー運動により同時に開き、かつ、同時
に閉じるように構成されていることから、次のよ
うな問題点がある。

(a) 開閉板により穀類の落下流路が全開、また
は、全閉され、落下流路の微妙な開度調整がで
きないものであるため、スクリユウー移送体へ
の穀類供給が極端に行われ、移送体の移送能
力、揚穀機の揚穀能力、穀類物性に適応した操
作がなし得ず、処理効率が悪い。

(b) 両開閉板が同時に開閉するため、両開閉板に
より同時に両落下流路を開くと、大量の穀類が
スクリユウー移送体に供給され、これの移送能
力以上の穀類はスクリユウー移送体によつて損
傷される。

また、実開昭49−3192号公報のように、ホツパ
ーの上端開口部全域に網を張設したものが提案さ
れているが、このような網の張設手段では、トラ
ツクなどから直接物をホツパー内に投入する際、
投入物が四方に飛散し、後処理に多くの労力と時
間を要するなどの問題がある。

〔考案の目的〕

本考案は、上記問題点を解決するためになされ
たもので、ホツパー内穀類の重圧を流板とこれの
両側に設けた開閉板によつてうけ、圧力が比較的
高速回転する移送体に及ぼさないようにし、穀類
の揚穀処理効率の向上を計るようにしたことは勿
論のこと、両開閉板を各別に開閉しうるようにし
て、移送、揚上の向上と、穀類の損傷をなくする
ことができ、更に、トラツクから穀類を直接ホツ
パーに投入しても、穀類をホツパー外に飛散させ
ることがなく、併せて、投入時における流板、開
閉板などが保護しうる穀類搬送機を提供せんとす
るものである。

〔考案の構成〕

従来技術の問題点を解決する本考案の構成は、
上面を開口した平面形状が長方形状の左右底壁を
下向きに傾斜して形成せる谷状の下底部に、これ
の長手方向にそつて穀類の移送体を配設せしめ、
該移送体の上方に、これの軸線方向にそつて狭巾
で、かつ、端面形状が山形状の流板を臨設し、こ
の流板の長手方向両側縁と上記ホツパーの側壁と
の間に形成された両落下流路に、夫々開閉板を設
けた穀類搬送機において、上記開閉板を夫々各別
に開閉可能に構成し、上記流板の上方に、上記ホ
ツパーの中途部全域を覆う網状のガード部材を開
閉可能に張設したことを特徴とするものである。

〔実施例〕

図面について本考案実施例の詳細を説明する。

１は、長方形状の機枠２の上にとりつけられた
平面形状が長方形状のホツパーであり、該ホツパ
ー１の長辺長さは傾倒機構（ダンプ型）を備えた
運搬車（図示略）の荷台巾より若干長目に形成さ
れる。該ホツパー１の正面形状は、第３図に示す
ように、長手方向にそつて左右に下向き傾斜した
誘導壁３，４の合流最低部にスクリユウー移送体
５が軸架配設されている。上記一方の誘導壁４
が、その途中部より垂直に構成されているのは、
移送スクリユウー軸６の終端に設けた揚穀機（ス
ロワー）Ａを、これによつて揚上搬送される穀類
を受け入れる乾燥機や貯蔵タンクにより近づける
ためである。

７は、スクリユウー移送体５の近接上部に臨ま
せ、その両端を上記ホツパー１の側壁に固着した
巾が狭く、かつ、端面形状が山形形状の流板であ
り、上記ホツパー１内の穀類重量が直接スクリユ
ウー移送体５に加わるのを防止する役割を果して
いる。また、８，８はホツパー１内の穀類をスク
リユウー移送体５部に落下供給し、かつ、流量を
調節する開閉板であり、該開閉板８，８の中途部
は、流板７の軸線と平行に設けた操作杆９，９に
固定されるとともに、開閉板８，８は、上記流板
７の両側縁と上記誘導壁３，４の傾斜面との間
で、上記操作杆９，９の操作により各別に開閉動
作するように構成されている。

１０はホツパー１の中途部略全域を覆う面積を
もつ網状ガード部材であり、該ガード部材１０
は、スクリユウー移送体５に落下供給する穀類に
混入している藁クズなどを選別し、かつ、上層部
穀類の重量を受ける作用をなし、スクリユウー移
送体５や開閉板８，８に直接加わる穀類の荷重を
軽減させるものである。尚上記ガード部材１０
は、ホツパー内部の清掃や保守点検をしやすくす
るために一側縁をホツパー内壁面に螺着せしめ、
他側縁を上方に回動開放可能とするものである。

また、上記スクリユウー移送体５の移送終端軸
部には、放射状に翼１４を備えた回転翼車１５が
固定してあり、該回転翼車１５は、ホツパー１の
側壁に設けた通口１１と軸受部１２を構成する軸
受部材１３に支承された移送スクリユウー軸６端
にネジなどで回動自在に取付け、スロワー胴１６
内に収められている。図中１７はスロワー胴１６
の遠心方向に設けた揚上筒、１８は街道可能な曲
形揚上筒、１９はスロワー胴１６の中央部に設け
た吸引部、２０はスロワー胴１６を回動し揚上筒
１７の角度を変え位置を固定する金具で、ホツパ
ー側壁に設けた複数の孔２０ａに適宜ボルトなど
でとりつけられるようにしてある。

２１はホツパー１の上部に着脱自在に取付けら
れ、多量の穀類をホツパー１内に収容するための
補助ホツパーであり、該補助ホツパー２１は第４
図から明らかなように、側方三方を覆う３枚のパ
ネル２１ａ，２１ａ，２１ｂにより構成され、長
手方向一側が運搬車の荷台がホツパー内に入り込
むように開放状態となつており、作業場における
装置の設置状態によつては、図に示す状態を前後
入れ変えて使用するもので、取付金具２２…が対
称に設けてある。

図中２３は中間軸受、２４は車輪である。

〔効 果〕

本考案は上述のように構成したので、次のよう
な効果が得られる。

(a) 移送体の上方に、端面形状が山形状で、か
つ、比較的狭巾の流板を設け、その両側に穀類
落下流路を構成したことによつて、ホツパー内
穀類の重量が移送体に直接加わることなく、穀
類移送は円滑に行われ、また、移送体にて搬送
される穀類は、流板の両側落下流路から移送体
の両側に流れ込むため、常に移送体には左右均
等な押圧が加わり、移送体軸の変形や破損など
の事故を防止することができることは勿論のこ
と、 (b) 流板の両側に設けた開閉板の各別な開閉作用
により、移送体への穀類供給量が微妙に調整で
き、移送体の移送能力、揚穀機の揚穀能力、穀
類の物性などに適応した操作がなしうる。

(c) トラツクなどから直接穀類をホツパー内に投
入しても、網状ガード部材がホツパーの中途部
に張設されているため、穀類がホツパー外に飛
散放出されることがない。

(d) 投入穀類中のワラ屑や異物類は、全て網状ガ
ード部材によつて選別去され、異物によつて流
板、開閉板、移送体が損傷をうけることがな
い。

(e) ホツパー内の穀類の自重の大部分が網状ガー
ド部材によつて支承され、そのため、長尺で、
かつ、回転する移送体に対する上方より加わる
穀類の荷重が大きく削減され、作業中移送体の
軸が変形し、スクリユウーの外週部が底板に接
触したりすることがなく、また、回転に必要な
消費馬力も少なくて済む。

(f) 網状ガード部材により作業者の安全が計れ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切欠正面図、第２図は同上一部切
欠側面図、第３図はホツパーの縦断側面図、第４
図は補助ホツパーの斜視図である。 １……ホツパー、２……機枠、３，４……誘導
壁、５……スクリユウー移送体、６……移送スク
リユウー軸、７……流板、８……開閉板、９……
操作杆、１０……網状ガード部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上面を開口した平面形状が長方形状の左右底壁
   を下向きに傾斜して形成せる谷状の下底部に、こ
   れの長手方向にそつて穀類の移送体を配設せし
   め、該移送体の上方に、これの軸線方向にそつて
   狭巾で、かつ、端面形状が山形状の流板を臨設
   し、この流板の長手方向両側縁と上記ホツパーの
   側壁との間に形成された両落下流路に、夫々開閉
   板を設けた穀類搬送機において、 上記開閉板を夫々各別に開閉可能に構成し、 上記流板の上方に、上記ホツパーの中途部全域
   を覆う網状のガード部材を開閉可能に張設したこ
   とを特徴とする穀類搬送機。