JPS6240183Y2

JPS6240183Y2 -

Info

Publication number: JPS6240183Y2
Application number: JP1981065793U
Authority: JP
Priority date: 1981-05-07
Filing date: 1981-05-07
Publication date: 1987-10-14
Also published as: JPS57176939U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、主に二輪車用に用いられる小型デイ
スクブレーキに関するものである。

一般に二輪車等の小型車両に使用される小型デ
イスクブレーキについては、ブレーキ時の発生ト
ルクが比較的小さいことから、装置構成に際して
の強度、剛性に関してはその設計の選択ゆとりが
あるとも言えるが、反面、ブレーキ装置の取付面
が、車輪の径方向に延在したフオークに存するの
が普通であるという４輪車等とは異なつた特殊な
側面をもつており、このためにフオークからロー
ターの回転方向に延出した状態で形成、組付けさ
れるブレーキ装置の構成にあたつて種々の問題点
を考慮しなければならない。特にこのようなブレ
ーキ装置として汎用されるピンタイプのデイスク
ブレーキにおいては、ピン摺動部におけるトルク
伝達の負荷を軽減する目的から、摩擦パツドに作
用するブレーキトルクの受圧をサポートによつて
直接受圧する形式とした場合には、形状的にサポ
ートが複雑となり、また重量の増大コスト高にも
つながるという難点がある。

ところで、この種の小型デイスクブレーキが使
用される二輪車等の小型車両では、前述の如くブ
レーキ時の発生トルクは比較的小さいのみなら
ず、後進方向についてはその頻度、ブレーキトル
クの大きさも特に小なるものと考えられるもので
あり、本考案はこのような装置の特徴を充分に利
用して簡易なるサポート構造を備えた有利なる構
成の小型デイスクブレーキを提供せんとするもの
である。

かかる目的を実現するための本考案よりなる小
型デイスクブレーキの特徴は、ローターと、該ロ
ーターの片側のみに近接平行して固設され、かつ
ローター回転方向に直角なパツド係合用の側面が
形成されているサポートと、該サポートの前記側
面からローター回転回出側に位置してローターと
は反対方向に延出片持支持された太径のメインピ
ンと、前記サポートの前記側面からローター径内
方側に位置して同様に片持支持された細径のサブ
ピンと、前記ローターを跨ぐように配置されて前
記一対のピンを介してローター軸方向移動可能に
支持されるパツド押圧用ピストン内蔵のキヤリパ
と、ローターを挾んで対向するインナー・アウタ
ー両側の摩擦パツドとを備え、前記インナー側の
摩擦パツドは前記ピストンの前端部に取着支持さ
れると共に、その左右側面の一方はサポートの前
記側面に対向係合し、かつ他方はキヤリパに対向
係合するように支持され、前記アウター側の摩擦
パツドはキヤリパのアウター側脚部にブレーキ時
のトルクが支えられるように取着支持された構成
をなすところにある。

以下本考案を図面に示す実施例に基づいて説明
する。

図において１はフオークであり、車輪（図示せ
ず）の軸受け部から径外方から車体固定部の間に
延在固定されている。２は車輪と一体回転するロ
ーターである。３は、該ローター２の片側におい
て、径方向に離隔した２位置で締結ボルト７，７
により前記フオーク１に固定された平板材よりな
るサポートであり、ローター２の径縁部内方位置
でローター回転方向に対して直角をなす側面４
と、この側面４の回転ローターの回出側位置に形
成された螺子孔５と、前記側面４からローター径
内方側位置で突出された腕部に形成された螺子孔
６とを有するように設けられている。

８は前記螺子孔５に片持様に螺着固定された太
径のメインピンであり、頭部８ａがサポート３の
ローター２とは反対側の面に係合することによつ
てその螺入限界が規定される。そしてこのメイン
ピン８は後述するインナー側摩擦パツドの車両後
進時のローター回転回入側に位置することによ
り、該車両後進時のキヤリパを介したトルク伝達
を強固に支えるように設けられている。

９はメインピン８と同様の形状で前記螺子孔６
に片持様に螺着固定された細径のサブピンであ
り、９ａはその頭部である。

１０はローター２の縁部を跨座するように配設
された断面逆Ｕ字状をなすキヤリパであり、その
一方の脚部１１には、シリンダ１３、ピストン１
４、油室１５、及びシールリング１６，１７より
なるパツド押圧機構としての油圧シリンダ装置が
内蔵収容されており、そのピストン１４の前面に
は矩形状のインナー側摩擦パツド１９がパツドク
リツプ２１を介して取着支持されている。尚１２
はサポート３の側面４と対向するようにキヤリパ
脚部１１のローター回転回入側に突出形成された
袖部であり、インナー側摩擦パツド１９の左右側
面はその一方（車両前進時のローター回転回出
側）においてはサポート３の側面４に対向係合
し、他方（車両前進時のローター回転回入側）に
おいてはキヤリパ脚部１１の袖部１２に対向係合
するように取着支持されている。

またキヤリパ１０のアウター側の脚部１８は、
反作用部をなし、矩形状のアウター側摩擦パツド
２０がパツドクリツプ２２を介して取着支持され
ている。尚このアウター側摩擦パツドの左右側面
は夫々脚部１８の凹設段付部の側面に係合するこ
とによつてブレーキ時のトルクをキヤリパにより
支えられるように設けられている。

そしてこのように構成されたキヤリパ１０のロ
ーター軸方向についての摺動可能の支持は、該キ
ヤリパ１０のインナー側脚部１１においてメイン
ピン８及びサブピン９と対応するよう形成された
ボス部２３，２４の開口２５，２６に、これらメ
インピン８及びサブピン９が嵌挿滑合されること
にて行なわれる。尚２７，２８は夫々シールリン
グである。

次ぎにその作動について説明すると、通常の車
両前進時におけるブレーキ作動においては、ピス
トン１４の油圧作用による前進にてインナー側摩
擦パツド１９がローター２の片側に押圧係合さ
れ、この反力によりキヤリパ１０は一対のスライ
ドピン８，９を介してインナー側に摺動される。
このためアウター側の脚部１８がアウター側摩擦
パツド２０をローター２のもう一方の面に押圧係
合させ、これらの挾圧によりブレーキ力が得られ
る。

そしてこの際の摩擦パツド１９，２０に生ずる
トルクは、インナー側についてはサポート３の側
面４にて支持され、アウター側についてはキヤリ
パ１０、次いでメインピン８を介してサポート３
に伝えられる。

また車両後進時については、インナー・アウタ
ー両側の摩擦パツド１９，２０のブレーキトルク
はいずれもキヤリパ１０、メインピン８を介して
サポート３に伝えられるが、このときのトルクは
前進時に比べて小なることは前述の通りである。

以上のような構成によれば、サポートの形状は
極めて簡易なるものであると共に、ブレーキトル
クの支持に関しても強度的に充分耐え得る構成を
なし、小型化、軽量化の上でその実用上の利益は
極めて大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例である小型デイスクブ
レーキを示すものであり、第１図は正面図、第２
図Ａ−Ａ線の断面図、第３図は第１図Ｂ−Ｂ線の
断面図である。１……フオーク、２……ローター、３……サポ
ート、４……側面、５，６……螺子孔、７……締
結ボルト、８……メインピン、９……サブピン、
８ａ，９ａ……太径頭部、１０……キヤリパ、１
１，１８……脚部、１２……袖部、１３……シリ
ンダ、１４……ピストン、１５……油室、１６，
１７……シールリング、１９……インナー側摩擦
パツド、２０……アウター側摩擦パツド、２１，
２２……パツドクリツプ、２３，２４……ボス
部、２５，２６……開口、２７，２８……シール
リング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ローターと、該ローターの片側のみに近接平行
して固設され、かつローター回転方向に直角なパ
ツド係合用の側面が形成されているサポートと、
該サポートの前記側面からローター回転回出側に
位置してローターとは反対方向に延出片持支持さ
れた太径のメインピンと、前記サポートの前記側
面からローター径内方側に位置して同様に片持支
持された細径のサブピンと、前記ローターを跨ぐ
ように配置されて前記一対のピンを介してロータ
ー軸方向移動可能に支持されるパツド押圧用ピス
トン内蔵のキヤリパと、ローターを挾んで対向す
るインナー・アウター両側の摩擦パツドとを備
え、前記インナー側の摩擦パツドは前記ピストン
の前端部に取着支持されると共に、その左右側面
の一方はサポートの前記側面に対向係合し、かつ
他方はキヤリパに対向係合するように支持され、
前記アウター側の摩擦パツドはキヤリパのアウタ
ー側脚部にブレーキ時のトルクが支えられるよう
に取着支持されたことを特徴とする小型デイスク
ブレーキ。