JPS6239814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリツプステイツク（棒状口紅）、チツ
クその他の棒状化粧品の繰出容器に関するもので
ある。

この種の繰出容器において、化粧品収容作業の
能率向上及び化粧品の傷付け防止を目的として予
め中皿へ型筒を嵌合させておき、溝管底壁の窓孔
から化粧液を充填し中皿へ凝固支承させる方法が
採用されている。

しかしながら、この方法によると化粧品充填用
の窓孔から容器内へ塵埃が入り込むため、窓孔を
接着剤等によりシールする必要があり、そのシー
ル作業が面倒であつた。そこで、従来よりこのよ
うな問題点を解決するための繰出容器として、例
えば、第１図なしい第４図に示す構造のものが知
られている。

第１図および第２図に示す繰出容器１は、溝管
２の充填用窓孔３に底蓋４の底板５上に立設した
弾性係合片６を挿入し、この弾性係合片６によつ
て前記窓孔３を塞ぐとともに、底蓋４の周壁７を
溝管２の外周に嵌合させて窓孔３を完全にシール
するものである。

また、第３図および第４図に示す繰出容器８
は、その基本構成は前述した第１図および第２図
に示す繰出容器１と同様、溝管９の充填用窓孔１
０に弾性係合片１１を挿入し、さらにこの弾性係
合片１１を固定する底蓋１２を溝管９の外周に被
せて窓孔１０を完全にシールするものである。

ところが、従来のこのような構成の繰出容器
１，８は、溝管２，９の下側に弾性係合片６，１
１を装着するから、この弾性係合片６，１１の長
さｌだけ繰出容器が大きくなるという問題があつ
た。

しかもこの弾性係合片６，１１によつて溝管
２，９を支持する構造であるため、弾性係合片
６，１１の長さｌおよび肉厚を大きくしてその弾
性力を強くする必要があり、容器全体の長さを短
かいものとすることは構造上難しかつた。

また、前記弾性係合片６，１１に弾性力や足り
ない場合には、溝管２，９全体がガタついてしま
うというおそれもある。

しかも、溝管３，４に弾性係合片９，１０を嵌
め込んでしまうと、これを再び取り外して新しい
化粧品あるいは種類の違つた化粧品と取り換える
ことができないという不便さもあつた。

本考案は、前述事情に鑑みて提案されたもの
で、その目的とするところは窓孔を閉塞する下容
器に弾性リングを投げ、この弾性リングによつて
溝管の下部を係止しかつこの弾性リングを外部か
ら弾性変形可能な構成とすることにより、弾性変
形する部分を実質的に長いものにし得てその弾性
力を大きなものにし得るとともに、容器全体の長
さを短かくすることができ、また棒状化粧料の交
換も容易にすることのできる上窓孔のシールも容
易かつ完壁に行なうことのできる新規な繰出容器
を提供しようとするものである。

以下、本考案を図面を参照して説明する。

第５図ないし第８図は本考案の一実施例を示す
もので、本考案にかかる繰出容器は窓孔から化粧
料が充填される上容器２０と、この上容器２０の
下部に嵌合され前記窓孔を閉塞する下容器４０と
からなる基本構成とされている。

前記上容器２０は周壁２１に軸線方向に沿つて
長孔２２が形成された溝管２３と、この溝管２３
の外側に回転自在に挿入され内周にらせん溝２４
が形成された案内筒２５と、この案内筒２５のら
せん溝２４に溝管２３の長孔２２を介して係合す
る突起２６を外周壁２７ａに設けた中皿２７とか
らなり、溝管２３または案内筒２５のいずれか一
方を回転させることにより、中皿２７を昇降動さ
せる基本構成となつている。

さらに、これら溝管２３、案内筒２５および中
皿２７を詳細に説明すれば、まず溝管２３は、周
壁２１下部に該周壁２１よりも大径な大径部２８
が一体に設けられるとともに、下端に溝管２３の
内側と外側とを連通する窓孔２９が形成されてい
る。また、溝管２３の下端には、周方向に沿つて
外方に突出した係止突起３０が形成され、大径部
２８の外周には回り止め用の縦リブ３１が突設さ
れている。なお、溝管２３の上端外周には周壁２
１よりも外方へ突出した周突条３２が設けられて
いる。

案内筒２５は、その上端内周に設けられた係合
溝３３を前記溝管２３の周突条３２に嵌め入れて
溝管２３の周壁２１の外側に周方向に回転自在に
挿入されたものである。

また、中皿２７は、円筒状に形成され内周壁に
化粧料抜け止め用の突起３４が形成されている。

ここで、第７図を参照して下容器４０について
説明すれば、この下容器４０は前記溝管２３の下
部を囲むようにしてセツトされる可撓性を有する
弾性リング４１と、この弾性リング４１を内部に
収納する収納容器４２とから構成されており、ま
た収納容器４２には弾性リング４１の抜け止めを
防止するための中筒４３が嵌め込まれている。

そして、前記弾性リング４１は、その内周の相
対する位置に前記溝管２３の係止突起３０に係合
する突片４４が突設されるとともに、この突片４
４からそれぞれ周上ほぼ90゜の位置の外周には、
外方へ突出した一対の押圧部４５，４５が設けら
れている。

一方、前記収納容器４２の側壁部には弾性リン
グ４１の押圧部４５，４５を収納容器４２の外周
側に臨ませるための開口部４６，４６が設けられ
ている。そして、この開口部４６，４６に弾性リ
ング４１の押圧部４５，４５を嵌め入れて、この
弾性リング４１の上から中筒４３を嵌め込むこと
により下容器４０が構成される。

なお、図中４７は中筒４３の内周に突設された
縦リブで、前記大径部２８の縦リブ３１と係合し
て溝管２３の回転方向のすべりを防止するように
なつている。また５０は中皿２７に支持された棒
状化粧料を示す。

次いで、このように構成された繰出容器の使用
方法並びに作用について説明する。

上容器２０に棒状化粧料５０を充填する場合に
は、従来と同様に予め溝管２３に上方から棒状化
粧料の型筒を挿入して、これを中皿２７に嵌合さ
せておき、溝管２３下端の窓孔２９および中皿２
７を通して型筒内に融解状態の化粧料原液を充填
し、凝固されることにより中皿２７に棒状化粧料
５０を支持させ、後ほど型筒を除去することによ
り行なう。

そして、この上容器２０の下端を下容器４０に
向けて挿入すれば、溝管２３の下端の係止突起３
０が弾性リング４１の突片４４を乗り超えてこの
突片４４と係合し固定される。このようにして上
容器２０と下容器４０とを組み合わせた繰出容器
を使用する場合には、上容器２０の案内筒２５
と、下容器４０の収納容器４２とをもつて、これ
らのうちのいずれか一方を回転させれば良い。こ
の操作によつて中皿２７の突起２６が案内筒２５
のらせん溝２４によつて押し上げ、押し下げら
れ、かつ長孔２２を伝つて上下に移動させられ、
化粧料５０が容器の先端から繰り出されるのであ
る。

また上容器２０を下容器４０から取り出す際に
は、下容器４０の側部に突出している押圧部４
５，４５を例えば親指と中指で押して弾性リング
４１を撓ませ、突片４４，４４を外方へ移動させ
て溝管２３の係止突起３０との係合を解除させ、
そのまま上容器２０を持ち上げれば良い。

しかして、溝管２３の窓孔２９は溝管２３を下
容器４０に収納した状態すなわち溝管２３の係止
突起３０と弾性リング４１の突片４４とを係止さ
せた状態において、収納容器４２の底板によつて
閉塞されるので塵埃の進入を防止できるのであ
る。しかも上容器２０を係止する弾性リング４１
は溝管２３の下端を囲むようにして収納容器４２
に収納され、また暖性変形する部分を実質的に長
いものとしてその弾性力を大きなものとしている
ので、容器全体の長さを短かくすることができる
とともに、上容器２０も下容器４０に確実に係止
されてガタつくなどのおそれもない。

また、このような弾性リング４１を使用するの
で、上容器２０を圧入しても棒状化粧料５０に強
い震動も与えることがなく傷つくこともない。

以上説明したように、本考案は弾性リングに設
けた突片によつて溝管を係止し、この溝管の窓孔
を弾性リングを収納する収納容器によつて閉鎖
し、かつ前記弾性リングを収納容器の外側から撓
ませることができる構成としたから、窓孔のシー
ルを容易かつ完壁にし得て、容器全体の長さも短
かくでき、また棒状化粧料の交換も容易にできる
ので製品のコストも安価にできる等の種々の優れ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の繰出容器の一構造
例を示す縦断面図、第３図および第４図は従来の
他の繰出容器の一構造例を示す縦断面図、第５図
ないし第８図は本考案の一実施例を示すもので、
第５図は縦断面図、第６図は組み立て前の縦断面
図、第７図は下容器の斜視図、第８図は第５図
−線に沿う断面図である。 ２０……上容器、２１……周壁、２２……長
孔、２３……溝管、２４……らせん溝、２５……
案内筒、２６……突起、２７ａ……外周壁、２７
……中皿、２８……大径部、２９……窓孔、３０
……係止突起、３１……縦リブ、３２……周突
条、３３……係合溝、３４……突起、４０……下
容器、４１……弾性リング、４２……収納容器、
４３……中筒、４４……突片、４５……押圧部、
４６……開口部、４７……縦リブ、５０……棒状
化粧料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上容器とこの上容器に嵌合される下容器とから
   なり、前記上容器は、周壁に軸線方向に沿つて長
   孔が形成された溝管と、この溝管の外側に回転自
   在に挿入され内周にらせん溝が形成された案内筒
   と、前記溝管内に昇降自在に挿入されるとともに
   外周壁に溝管の長孔を介して案内筒のらせん溝に
   係合する突起が形成された中皿とから構成され、
   一方前記下容器は溝管の下部を囲むようにしてセ
   ツトされる可撓性を有する弾性リングと、この弾
   性リングを内部に収納する収納容器とから構成さ
   れ、かつ前記溝管の下端には周方向に沿つて係止
   突起が設けられ、弾性リングの内周の相対する位
   置には係止突起に係合させる突片が対向させて設
   けられるとともに、弾性リングをその径方向に弾
   性変形させて前記突片を互いに離間させるための
   一対の押圧部がそれぞれ形成され、さらに前記収
   納容器には前記押圧部を収納容器の外周側にそれ
   ぞれ臨ませるための開口部が設けられていること
   を特徴とする繰出容器。