JPS6239807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はマスカラやアイライナー等の気密性が
要求される化粧料用容器の改良に関する。

従来より、マスカラやアイライナー等の化粧料
用容器は数多く考案され使用されているが、容器
自身の気密性を維持するために多数の部材を必要
とし、また複雑な構造のため高度な加工技術を不
可欠とするなど、必然的に製品が高価となる欠点
を有していた。

また、この種の化粧料用容器においては、容器
本体とキヤツプとの螺合成分が収納された化粧料
で汚され易く、通常マスカラやアイライナー等に
は接着剤が含有されているために、前記螺合部分
は強固に接着され易い。そのため、一旦該螺合部
分が汚染されると、キヤツプを開閉するには強い
回転力を必要とし、容器本体に収納されているし
ごき部材を兼ねる口栓部と該容器本体との係合部
分に強い回転力が作用する結果、該係合部分がゆ
るんだり或いは損傷して化粧料用容器の気密性が
損われ、収納している化粧料が漏れるという欠点
が多々見られた。

かかる欠点の改善を目的として、数多くの提案
が試みられているが、上記のような欠点を総て同
時に満足するようなものは得られていない。例え
ば実行昭54−21173号公報によれば、本考案の口
栓部に相当する部材が柔軟弾性を有する材料で一
体に形成されているので、組立も容易で且つ安価
なマスカラやアイライナー等を収納する液状化粧
品容器が提案されている。しかし、口栓部が柔軟
弾性を有する材料で形成されているために、口栓
部を容器本体とに強い係合力が得られず、該液状
化粧品容器を使用する際には、前述の如く、キヤ
ツプを開ける度毎に口栓部と容器本体との係合部
分がゆるんだり損傷したりして、収納している液
状化粧料が漏れるという欠点が有り、実用性に乏
しい考案といわざるを得ない。

本考案は、上述の如き従来技術の欠点を改良せ
んとするを目的とし、組立も容易で且つ安価であ
ると共に、容器本体と口栓部との係合力が強固に
して気密性が改良された化粧料塗布容器を提供す
るものである。

即ち、本考案の化粧料塗布容器は、 (イ) 複数本の縦条溝１１が上端開口部から下方に
向けて内周壁に刻設された有底筒状の金属製容
器本体１０と、 (ロ) 内周壁の下端部にはねじ部２３が螺設され、
中心部には下端開口部より突出した塗布棒２４
が垂設された筒状のキヤツプ２０と、 (ハ) 外周壁の上端部には前記ねじ部２３と螺合す
るねじ部３６が螺設され、外周壁の中間部には
前記容器本体１０の内径よりわずかに大なる外
径を有する突条部３８が周設された筒状のプラ
スチツク製口部筒３１と、 (ニ) 上端部は前記口部筒３１の上端周縁に冠着し
て該口部筒３１と前記キヤツプ２０とのパツキ
ング部材を構成すると共に、下端部はその内径
を先細に形成させることにより前記塗布棒２４
のしごき口部３２ｂを構成してなる尖頭筒状の
弾性体からなる中栓３２と、 (ホ) 前記口部筒３１の下端周縁に冠着して、該口
部筒３１と前記容器本体１０とを気密化せしめ
る筒状の弾性体からなるパツキング３３ とよりなり、前記パツキング３３が冠着してな
る前記口部筒３１の下端を前記容器本体１０内
に強制嵌入して、前記突条部３８と前記縦条溝
１１とを係止せしめてなるものである。

以下、図面に示す実施例にて、更に本考案を詳
細に説明する。

第１図は本考案の一実施例の全体を示す縦半断
面図であり、第２図、第３図及び第４図に本実施
例を容器本体、キヤツプ、口栓部に分解したそれ
ぞれの縦判断面図を示す。

先ず、第２図において、１０は化粧料を収納す
るアルミニウム等の金属からなる有底筒状の容器
本体であり、その内周壁には上端開口部より下方
に向つて複数本のほゞ同一長さである縦条溝１１
が刻設されている。

また、該容器本体１０の内壁には、収納される
化粧料による腐蝕を防止するために、耐腐蝕性に
富む塗料が塗布されている。

また、第３図において、２０はキヤツプであつ
て、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体、ポリプロピレンまたはポリアセタール等
のプラスチツクからなる下方に開口部を有するキ
ヤツプ基部２１と、アルミニウム等の金属からな
る有頂筒状のキヤツプ外筒２２とよりなり、該キ
ヤツプ外筒２２が前記キヤツプ基部２１の内部に
嵌着されている。該キヤツプ基部２１は、その内
周壁の下端部にはねじ部２３が螺設され、また、
その中心部には塗布棒２４が垂設されており、該
塗布棒２４の先端には毛筆状または刷子状の塗布
部２５が設けられている。

次いで、第４図において、３０は口栓部であ
り、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体、ポリプロピレン、ポリアセタール、ナイ
ロン等の軟質または半硬質のプラスチツクからな
る筒状の口部筒３１の上下縁に、それぞれ軟質ポ
リエチレンまたは合成ゴム等の弾性体からなる尖
頭筒状の中栓３２と、同じく弾性体からなる筒状
のパツキング３３が冠着されている。

前記口部筒３１の上端部は、その外周縁には、
前記中栓３２が冠着する段部３４が周設され、そ
の内周壁には該中栓３２を係止するための環状の
第１係合突条３５が設けられている。また、口部
筒３１の外周壁の上端部には、前記段部３４の下
方に、順次、前記キヤツプ２０のねじ部２３に螺
合するねじ部３６と、前記キヤツプ２０並びに容
器本体１０の各開口部周縁に当接する鍔部３７と
が設けられている。更に、同じく外周壁の中間部
には、前記容器本体１０の内径よりわずかに大な
る外径を有する複数本の環状の突条部３８が周設
されている。更にまた、口部筒３１の外周壁下端
部には、前記パツキング３３を係止するための環
状の第２係合突条３９が設けられている。

前記中栓３２の上端部外周縁には、前記口部筒
３１の段部３４に冠着する環状の係止凹溝３２ａ
が下向きに形成されており、第１図に示すごと
く、該係止凹溝３２ａは前記口部筒３１と前記キ
ヤツプ２０とのパツキング部材を構成するもので
ある。また、中栓３２の下端部は内径が先細に形
成されていて、その先端開口部は前記塗布棒２４
と塗布部２５に付着する化粧料を適切な量にしご
き除くためのしごき口部３２ｂを形成している。
更に、該中栓３２の外周壁には、前記口部筒３１
の第１係合突条に係止する係止凹溝３２ｃが形成
されている。

前記パツキング３３は、その外径が前記容器本
体１０の内径よりわずかに大であると共に、その
内径が前記口部筒３１の下端部の外径よりわずか
に小に形成されており、第１図に示す如く、前記
口部筒３１と容器本体１０とのパツキング部材を
構成している。また、該パツキング３３の内周壁
には、係止凹溝３３ａが形成されていて、前記口
部筒３１の第２係合突条３９に係止する。

本考案は、上述のような部材から構成されてお
り、その組立てに際しては、口部筒３１は、その
下端周縁にパツキング３３が冠着された後、その
鍔部３７が容器本体１０の上端周縁に当接するま
で、容器本体１０の内部へ強制的に嵌入される。
かかる強制的な嵌入によつて、弾性体からなる該
パツキング３３は容器本体１０の縦条溝１１を越
えた部位に圧縮変形して係合せしめられるため、
口部筒３１と容器本体１０とは完全に気密に係合
されている。一方、同時に、軟質または半硬質の
プラスチツクからなる複数本の環状の突条部３８
はその突出している先端が弾性変形して容器本体
１０の複数本の縦条溝１１内に強制嵌入されるた
め、口部筒３１と容器本体１０とは強固に係合し
固定されている。尚、突条部３８は、本実施例の
如き環状の代りに、螺旋状からなるものであつて
もよく、本実施例と同等の作用効果が得られる。

本考案の容器に収納される化粧料は、口部筒３
１の上端周縁の段部３４に中栓３２が冠着された
後、容器本体１０の内部に収納される。次いで、
塗布部２４と塗布棒２５が中栓３２のしごき部３
２ｂを貫通して挿入された後、口部筒３１はキヤ
ツプ２０とそれぞれのねじ部３６，２３でもつて
螺合される。この際、中栓３２の上端部は口部筒
３１とキヤツプ２０のパツキング部材を構成する
ため、口部筒３１とキヤツプ２０は気密に係合さ
れる。

従つて本考案の容器では、上述の如き縦条溝１
１と突条部３８との係合関係により、容器本体１
０と口栓部３０とは強固に係合されているため、
従来のごとく、材質の相異する容器本体と口栓部
とを、かしめたり或いは接着剤で固定するなどの
高度な加工技術は不必要である。また、中栓３２
は、キヤツプ２０と口部筒３１とのパツキング部
材を構成すると共に、塗布部２５等に適量の化粧
料を保持させるためのしごき口部３２ｂをも兼ね
備えているので、必要とする部材の数も少なく、
組立も容易である。更には、口部筒３１と螺合せ
るキヤツプ２０を開閉するに際し、たとえキヤツ
プ２０と口部筒３１の螺合部分２３，３６が収納
されている化粧料で汚染されていても、非常に大
なる回転力を必要としたとしても、容器本体１０
と口部筒３１との係合部分は強固に係合したまま
で、係合部分がゆるんだり或いは損傷したりして
容器の気密性が失われることはない。しかも、中
栓３２とパツキング３３とは、キヤツプ２０と口
部筒３１、及び口部筒３１と容器本体１０との
各々の係合部分において、有効なるパツキング部
材を構成しているばかりでなく、上述のごとき機
構から容易に判る如く、たとえキヤツプ２０を開
閉するに際し非常に大なる回転力を必要としたと
しても、かかる回転力から生じるトルクはこれら
のパツキング部材には何ら作用しないため、優れ
た気密性を終始維持している。

以上述べた如く、本考案は、従来のこの種の化
粧料用容器と比較して、部材の数も少く簡単な構
造であるため、組立も容易で且つ安価であり、し
かも、何回キヤツプを開閉しても、いつまでも丈
夫で気密性に優れており、実用上極めて有用な化
粧料用容器を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す組立縦半断面
図、第２図は容器本体を示す縦半断面図、第３図
は塗布棒の一部を切欠いたキヤツプの縦半断面
図、第４図は口栓部を示す縦半断面図である。 １０……容器本体、１１……縦条溝、２０……
キヤツプ、２３……ねじ部、２４……塗布棒、３
０……口栓部、３１……口部筒、３２……中栓、
３２ｂ……しごき口部、３３……パツキング、３
６……ねじ部、３８……突条部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) (イ) 複数本の縦条溝１１が上端開口部から下
   方に向けて内周壁に刻設された有底筒状の金
   属製容器本体１０と、 (ロ) 内周壁の下端部にはねじ部２３が螺設さ
   れ、中心部には下端開口部より突出した塗布
   棒２４が垂設された筒状のキヤツプ２０と、 (ハ) 外周壁の上端部には前記ねじ部２３と螺合
   するねじ部３６が螺設され、外周壁の中間部
   には前記容器本体１０の内径よりわずかに大
   なる外径を有する突条部３８が周設された筒
   状のプラスチツク製口部筒３１と、 (ニ) 上端部は前記口部筒３１の上端周縁に冠着
   して該口部筒３１と前記キヤツプ２０とのパ
   ツキング部材を構成すると共に、下端部はそ
   の内径を先細に形成させることにより前記塗
   布棒２４のしごき口部３２ｂを構成してなる
   尖頭筒状の弾性体からなる中栓３２と、 (ホ) 前記口部筒３１の下端周縁に冠着して、該
   口部筒３１と前記容器本体１０とを気密化せ
   しめる筒状の弾性体からなるパツキング３３ とよりなり、前記パツキング３３が冠着してな
   る前記口部筒３１の下端を前記容器本体１０内
   に強制嵌入して、前記突条部３８と前記縦条溝
   １１とを係止せしめてなる化粧料塗布容器。 (2) 突条部３８が１本乃至複数本の環状の突条で
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載の化粧
   料塗布容器。 (3) 突条部３８が螺旋状の突条である実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の化粧料塗布容器。