JPS6239582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気接続体としての作用と、封口蓋
の支持体としての作用を合せ持つ導電内罐が、備
えられた電池の改良に関するものである。

先ず、この種の電池の従来例について第１図に
基き説明する。

図において、１はその内底面に絶縁シート２が
設けられた正極端子兼用の外装罐で、３はその周
縁部にインサート成形により形設された、絶縁パ
ツキング４を有する負極端子兼用の封口蓋であ
る。５は一端に内鍔５１が形成された円筒状の正
極導電内罐であつて、上端に開口が形成された外
装罐１に内装される。この導電内罐５の外側に
は、複数個の突起５２…が同心円状に配備され、
この突起５２…の外側を結ぶ円の直径は、外装罐
１の内径より若干径大であつて、導電内罐５は外
装罐１内に圧入される。導電内罐５の内部には、
負極集電ピン６を巻芯として、セパレータ７を介
してリチウム負極８と二酸化マンガン正極９を巻
回して得られた、発電要素としての渦巻電極体１
０が収納される。この渦巻電極体１０の最外側に
は、正極９の露出芯体（図示せず）が位置され、
接触により導電内罐５に電気的に接続される。な
お、２１は内鍔５１と渦巻電極体１０の上端とを
絶縁する環状の絶縁シートである。

さて、この種の電池の組立てに際しては、先ず
集電ピン６に電極群７，８，９を巻回して渦巻電
極体１０を形成し、この渦巻電極体１０を導電内
罐５に収納した後、集電ピン６の上端を封口蓋３
の内壁面にスポツト溶接により固着した状態で、
電解液貯蔵容器内に浸漬して正極９およびセパレ
ータ７に電解液を含侵せしめる。次いでこの導電
内罐５を外装罐１に嵌着し、外装罐１の開口縁１
１を絞つて、絶縁パツキング４に締着せしめ、完
成電池とする。

而して、前記電解液含浸工程においては、導電
内罐５の上部にまで電解液が浸透し、電解液貯蔵
容器から導電内罐５を引き上げた際に、電解液が
導電内罐５の上部に溜る。従つて、電解液は図中
点々部分にて示すように、封口蓋３とパツキング
４と渦巻電極体１０の上端とにより区切られた狭
い空間に密封されることになる。それ故、開口縁
１１を絞る際に、この電解液に圧力が加わり、封
口蓋３の中心部が持上つて図中２点鎖線で示すよ
うに変形する。

本考案はかかる従来例の難点に鑑みてなされた
もので、封口蓋の内鍔に、その内周側と外周側と
を連通する凸条が放射状に形成されたものであ
る。

以下、本考案の一実施例につき第２図および第
３図を参照して説明する。なお、従来例と同一部
分には同一図番を付して説明は省略する。第２図
は導電内罐５を示す斜視図で、上端に形成された
内鍔５１に、放射状の凸条５３…が形成される。
第３図はこの導電内罐５が組込まれた電池の部分
断面図である。

前述のように、本実施例に係る電池の導電内罐
５の内鍔５１には、その内周側と外周側とを連通
する凸条５３…が放射状に配設されているので、
この内鍔５１上に絶縁パツキング４を装着して
も、この絶縁パツキング４の底面と内鍔５１の上
面との間に空隙が形成される。従つて、導電内罐
５上に電解液が残留しても、外装罐１の開口縁１
１を絞る際、電解液は第３図の矢印にて示すよう
に流れ、外装罐１と導電内罐５との隙間に入りこ
む。それ故、電解液により封口蓋３が持上げられ
ることはない。

叙上のように、本考案によると、導電内罐上に
溜つた電解液は、内鍔と絶縁パツキングとにより
形成された空隙から外装罐と導電内罐との隙間に
入りこむので、導電内罐上に電解液が溜ることは
なく、従つて封口蓋が変形する虞れはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す部分断面図、第２図およ
び第３図は本考案の一実施例を示す図で、第２図
は内罐を示す斜視図、第３図は完成電池の部分断
面図である。 １……外装罐、３……封口蓋、４……絶縁パツ
キング、５……導電内罐、５１……内鍔、５３…
…凸条、６……負極集電ピン、１０……電極体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発電要素が内装され、一端に内鍔が形成された
   筒状の導電内罐と、この導電内罐が内装され一端
   に開口が形成された外装罐と、この開口を閉蓋す
   るための封口蓋と、前記導電内罐の内鍔と外装罐
   と封口蓋との間に介装された絶縁パツキングとが
   具備され、前記導電内罐の内鍔にはその内周側と
   外周側とを連通する凸条が放射状に形成されてい
   ると共に、外側には複数の突起が同心円状に形成
   されていることを特徴とする電池。