JPS6239006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は糸条の走行を案内すために繊維機械
に付設されるヤーンガイドに関する。

従来のヤーンガイドは糸条を糸道へ挿通しやす
くしかも走行中の糸条が振動等により糸道から逸
脱しにくいように形成されていて、例えば、第１
図イ，ロ，ハ，ニ，ホに示す両鉤付ガイドｇ１、
三つ鉤付ガイドｇ２、センターフツク付ガイドｇ
３、あるいは組合せ型フツクガイドｇ４，ｇ５等
はそれぞれ各ヤーンガイドがもつ易糸通し機能
と、糸外れ防止機能とを生かした用途に供されて
きた。併し、ヤーンガイドの用途によつては一旦
糸通しした糸条を積極的に糸外しする必要が生
じ、この場合にはヤーンガイドの糸外れ防止機能
が逆に易糸外し機能を阻害し、糸条走行中の糸外
し操作が困難となるため、例えば仮撚機のヒータ
への導入部に用いるヤーンガイドにおいて、糸掛
け時の挿通ミス等にてヤーンガイドから糸外しす
る必要が生じたときに、機台の運転を中断して糸
外しする不具合が起生する等、従来のヤーンガイ
ドでは糸外れ防止機能と易糸外し機能との背反す
る両機能を充足しえなかつた。

本考案の目的は、上記理由にかんがみ、易糸通
し機能に加え、糸外れ防止機能と易糸外し機能と
を併有したヤーンガイドを提供することである。

次に、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明すると、図中、１はヤーンガイドＧを所定の繊
維機械に装着するときの支持部材となるボルト２
に対しベアリング３を介して可転支持されたガイ
ドローラであつて、その外周面には糸条Ｙの走行
を案内するための案内面１ａが凹状に形成されて
いて、糸条Ｙが案内面１ａを擦過したときにはガ
イドローラ１が従転されるとともに、本例では横
方向に走行する糸条Ｙが擦過する案内面１ａの上
端には糸道Ｉが形成される。

４，４はガイドローラ１の両側方に対し左右対
称状に並設された１対のフランジ片であつて、ガ
イドローラ１にボルト２とナツト５を介して締着
され、その図示上部にそれぞれ延出された突出部
４ａ，４ａの内面には支承部６，６が相対向して
それぞれ球面状に凹設されている。

７は糸道Ｉを蓋覆するために両フランジ片４の
間に対し遊動可能に挟持された球状の規制部材で
あつて、両支承部６に対し遊嵌状に嵌合されて支
承され、支承部６と規制部材７とが接触部８，８
を介してそれぞれ接離可能に対接されるととも
に、両接触部８の上方には挿脱通路９，９がそれ
ぞれ規制部材７の表面に沿つて間隙状に形成され
ていて、常には糸道Ｉを走行する糸条Ｙの規制部
材７上方への逸脱が両接触部８にて規制される一
方、糸条Ｙを規制部材７の内外方へ挿脱するとき
には規制部材７の遊動にて糸条Ｙの接触部８間へ
の強制通過が許容され、糸条Ｙが挿脱通路９を通
じて挿脱される。

続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効
果を説明する。

さて、本例では糸道Ｉの両側に対設された両フ
ランジ片４間には糸道Ｉを蓋覆して糸外れを規制
するための規制部材７が両支承部６を介して遊動
可能に挟持されていて、糸条Ｙが規制部材７の遊
動にて接触部８間を強制通過しうるように構成し
てある。

このため、糸条Ｙの走行中は糸条Ｙの規制部材
７外方への逸脱が規制部材７の自重を受承する両
接触部８にて確実に規制されるとともに、糸道Ｉ
へ糸通し、もしくは糸道Ｉから糸外しするときに
は糸条Ｙを規制部材７の自重に抗して一方の接触
部８間を強制通過させかつ規制部材７の表面に摺
擦して挿脱通路９を通過させると、糸条Ｙを規制
部材７の内外方に対し容易に挿脱することがで
き、とくに、糸条が走行中であつても糸条の接触
部８間への強制通過と挿脱通路９への通過とを容
易に操作しうる特長がある。

また、本例では規制部材７が球状に形成されか
つ両支承部６に遊嵌されているため、糸条Ｙが接
触部８間を強制通過するときに規制部材７が転動
して通過抵抗が低減し、糸条Ｙを損傷することな
く規制部材７の内外方へ円滑に転移しうる効果が
ある。

さらに、糸条Ｙの走行方向に対応してフランジ
片４を任意角度回動し、支承部６と規制部材７と
を変位しても、規制部材７を常に支承部６にて遊
動可能に支承しかつ接触部８と挿脱通路９とを確
保しうるため、常に糸外れ防止機能と易挿脱機能
とを併せて保持しうる効果がある。

なお、接触部８に対する糸条Ｙの通過抵抗は規
制部材７の自重と挿脱通路９の間隙にて調節する
ことができる。

すなわち、本考案は糸道の両側に対設された両
フランジ片の間には前記糸道を蓋覆して糸外れを
規制するための規制部材が前記両フランジ片の内
面に前記規制部材を支承するためにそれぞれ凹設
された両支承部を介して遊動可能に挟持されてい
て、糸条を前記規制部材の内外方へ挿脱するとき
には糸条が前記規制部材と前記支承部との接触部
間を強制通過しうるように構成したことによつて
糸条が走行中にヤーンガイドから逸脱する不具合
を確実に防止しうるとともに、糸条走行時の糸通
しと糸外しが容易となるため、ヤーンガイドとし
て極めて実用的に優れた考案である。

なお、上記実施例において、球状の規制部材７
に変えて円柱状や紡錘型状等の規制部材を設け、
この規制部材の形状に対応して支承部６を形成し
てもよい。

また、支承部６を貫通孔としたり、円錐状や楕
円状に凹設してもよい。

さらに、ガイドローラ１と一方のフランジ片４
とを一体状に形成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロ，ハ，ニ，ホは従来のヤーンガイ
ドを示す正面図および側面図、第２図〜第４図は
本考案の一実施例を示すもので、第２図は側面
図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線断面図、第４図は
第３図のＹ−Ｙ線断面図である。 ４……フランジ片、６……支承部、７……規制
部材、８……接触部、Ｉ……糸道。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 糸道の両側に対設された両フランジ片の間には
   前記糸道を蓋覆して糸外れを規制するための規制
   部材が前記両フランジ片の内面に前記規制部材を
   支承するためにそれぞれ凹設された両支承部を介
   して遊動可能に挟持されていて、糸条を前記規制
   部材の内外方へ挿脱するときには糸条が前記規制
   部材と前記支承部との接触部間を強制通過しうる
   ように構成したことを特徴とするヤーンガイド。