JPS6238991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は筒状巻芯を両端支持して回転駆動す
るための巻芯端支持駆動装置に関する。

従来、この種の巻芯端支持駆動装置としては、
第１，２図に示すように駆動軸２先端の駆動頭２
ａに設けたキー溝に、外周に巻芯支持用の刃先４
を備える巻芯支持用の円錐体１の内周に設けたキ
ー３を滑合させることにより駆動軸の回転駆動を
円錐体を介して巻芯に伝達する形式がある。

又、他の形式としては、駆動頭外周のテーパ面
と、巻芯支持用の円錐体内周のテーパ面とを嵌め
合わせる形式がある。

しかし、上記前者の形式の場合には、シート仕
様変更のために円錐体１を交換する際にあつて、
キー溝にキー３を正確に合わせなければならない
ので作業が面倒である。

又、上記後者の形式の場合には、駆動頭から円
錐体に回転を確実に伝える為に駆動頭の外周のテ
ーパ面を長くする必要があるので、円錐体を着脱
する為のストロークが長くなる。従つて、一対の
駆動頭間で支持可能な巻芯の最大長さ、つまりは
当該巻取装置における最大巻取幅が駆動頭間隔の
割に狭くなり、合理的でない。

又、巻芯支持用の円錐体のテーパ面により巻芯
を直接支持する場合には、巻芯先端に重いシート
ロールの半分の重量が加わるので傷みやすい。

そこで、この考案は上記の問題を解決するもの
で、その基本構想はキーやテーパ面による動力伝
達をやめ、ボールロツク方式、つまりボールクラ
ツチのように軸を一方へ回すと球体がクサビにな
つて駆動頭と巻芯支持環を結合し、逆方向へ回す
と解放する方式を採用した。しかし、そのボール
ロツク方式は駆動頭と巻芯支持環の同芯結合を完
全には保証し得ないため、高速回転し、大重量を
支える巻芯の駆動端支持機構としては不適である
ので、この考案は上記ボールロツク方式の欠点、
つまり駆動頭と巻芯支持環との同芯結合を駆動頭
先端部に設けた芯出し用テーパ面によつて補うこ
とにより、その採用を実現した。

第３図にこの考案の一実施例を示すが、その主
要部は、周方向の傾斜底溝１１及び該溝１１内か
ら脱出不能な外筒ロツク用球体１２を備える外筒
ロツク部分と、外周が次第にすぼまる短い芯出し
用テーパ面１３となつた先端部とを備える駆動頭
１４と、上記駆動頭１４に滑りはまる外筒であつ
て、上記ロツク部分に適合する円筒内周面及び前
記芯出し用テーパ面１３と適合するテーパ内周面
を有し、前記球体１２を介して駆動頭１４により
回転駆動される筒状の巻芯支持環１６と、上記巻
芯支持環１６の外周に放射状に軸方向沿いに立つ
着脱可能な巻芯固定用の刃先１５と、上記駆動頭
１４端面に取付け可能であつて、前記巻芯支持環
１６の脱出を防止する脱出防止材１７から構成さ
れる。

第４，５図に、この考案のより具体化された実
施例を示す。この場合の駆動頭１４は駆動軸２に
嵌めた環状をなし、後縁を駆動軸の歯車１８側面
にあて、前縁は軸２前端よりやや突出している。
上記駆動頭１４は、そのままでは駆動軸から脱出
するが、そのテーパ面１３沿いに巻芯支持環１６
を滑り嵌め、この支持環１６を脱出防止材１７、
ボルト１９により駆動軸２の方へ締込むと、支持
環１６の内面が駆動頭１４のテーパ面１３を押す
から軸２に固定される。

巻芯支持環１６は、これを駆動頭の芯出し用テ
ーパ面１３を案内にして嵌め込めば、支持環１６
内周のテーパ面が適合するので、最終的に完全な
同芯状態に取付けられる。無論、キーがないので
円周方向の位置決めは不要である。球体１２と溝
１１によるボールロツク機構は締まり方向に回し
た時、結合力を生ずるから、巻芯支持環１６を駆
動頭１４にはめる際、ゆるめ方向に回し気味に押
込むとよい。球体１２がコロの役目をして円滑な
嵌め込みを助ける効果がある。

球体１２と溝１１との状態は第３図の平面、第
５図の断面によつて示す構造であり、球体１２が
溝１１から脱出しないよう止めピン２０を溝底面
に植え、また溝１１の上縁間隔をせばめるため軽
い鍛圧加工を加えてある。

この巻芯支持環１６の交換が終り、巻芯Ｃを嵌
めると、上記支持環１６外周四箇所に配した軸方
向沿いに立つ刃先１５が巻芯（紙製）Ｃ内周に第
４，５図のように切込む。これにより、駆動軸２
の回転は駆動頭、巻芯支持環を介して確実に巻芯
Ｃに伝えられる。

この刃先１５が支持環１６外周の軸方向切溝に
はめられるのは従来通りであるが、この実施例の
場合には、刃先１５が浮上がるのを抑えるため、
中央の貫通孔にコイルバネ２１を通してある。上
記コイルバネ２１は支持環１６外周を一周するコ
イルバネ収容溝２２に納まり、ゴム輪のように四
枚の刃先１５を抑えている。上記刃先１５は扇形
をなしており、巻芯Ｃの押込み、引抜き時におけ
る作業を円滑にする。つまり、第２図の従来の刃
先４を巻芯Ｃの端縁に何度も切込んで使用する
と、紙製の巻芯の端縁が崩れ易いが、この刃先１
５のように扇形であれば、そのようなことがな
い。また、巻芯支持環１６の筒状部分で巻芯内面
を支えるので、巻芯のいたみが少ない。

以上、少数の実施例によつて本考案を説明した
が、この考案はその要旨を変えることなく、設計
者の周知技術により多様に変化、応用し得るもの
である。

この考案によれば、駆動頭と巻芯支持環とを駆
動頭の外筒ロツク部分に備えたボールロツク方式
で結合することから駆動頭の駆動力を巻芯支持環
に対して確実に伝えることができると共に、駆動
頭と巻芯支持環との同芯性は芯出し用テーパ面に
より保証される。また、各種寸法の巻芯に対応さ
せるための支持環交換作業を、従来のキーを用い
る場合に比して簡易化することができる。さら
に、駆動頭先端部のテーパ面は、駆動頭と巻芯支
持環の芯合せを行うとともに、駆動頭の駆動力を
伝達するものであるが、駆動頭の駆動力の伝達
は、外筒ロツク部分と分担して行うので従来の芯
合せと駆動力伝達を行う形式の場合に比して短く
て足りる。したがつて、駆動頭相互の間隔が同じ
であつたとしても、芯合せと駆動力伝達をテーパ
面により行う形式に比して、その間で支持する巻
芯長さを長くすることができ、スペースの有効利
用をはかることができる。また、駆動頭端面に取
付けた脱出防止材により、巻芯支持環の脱落等を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の巻芯端支持駆動装置の使用状態
の説明図、第２図はその要部拡大断面図、第３図
はこの考案の一実施例の断面説明図、第４図はこ
の考案の別の実施例の立面図、第５図は第４図の
Ｘ−Ｘ断面図である。 １４……駆動頭、１６……巻芯支持環、１７…
…脱出防止材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 周方向の傾斜底溝及び上記溝内から脱出不能な
   外筒ロツク用球体を備える外筒ロツク部分と、外
   周が次第にすぼまる短い芯出し用テーパ面となつ
   た先端部とを備える駆動頭と、 上記駆動頭に滑りはまる外筒であつて、上記ロ
   ツク部分に適合する円筒内周面及び前記芯出し用
   テーパ面と適合するテーパ内周面を有し、前記球
   体を介して駆動頭により回転駆動される筒状の巻
   芯支持環と、 上記巻芯支持環の外周に放射状に軸方向沿いに
   立つ着脱可能な巻芯固定用刃先と、 前記駆動頭端面に取付け可能であつて、前記巻
   芯支持環の脱出を防止する脱出防止材とを備える
   ことを特徴とする巻芯端支持駆動装置。