JPS6238483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、横軸廻り正逆転自在な爪軸に取付け
られて、アツパカツト耕耘とダウンカツト耕耘と
を行ない得る正逆転ロータリ耕耘機に使用される
耕耘爪に関する。

正逆転ロータリ耕耘機においては、作業性能を
向上するために、耕耘爪を取付け方向を変更する
ことなく、正逆転耕耘ができるようにすることが
要請されている。

従来のこの種の耕耘爪においては、第５図に示
すように、前後縁に外向き円弧状の刃部ａ，ｂを
有し、中心線CLが側面視直線となつたものがあ
る。この耕耘爪は取付け方向を変更することなく
正逆転耕耘が可能であるが、前後幅は中心線CL
方向中途部分で最大となり、基部ｃ及び先端部ｄ
の両方向へ細くなつており、基部ｃに向つて先細
りとなつているため、巻付いた草が取れなく、基
部ｃに集つてくる。そのため、耕耘性能の低下を
招くことがあつた。

本考案は、このような従来の問題点に鑑み、基
部から先端部にかけて先細り状に形成し、且つ最
大幅の基部にも刃部を形成すると共にその基部を
取付け用のブラケツト外端に近接させることによ
り、外向き円弧状刃部であつても草の巻付きがな
い耕耘爪を提供することを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図乃至第４図において、１はアツパカツト
耕耘とダウンカツト耕耘とが可能な正逆転ロータ
リ耕耘機で、トツプリンク２及びロアリンクを介
してトラクタに牽引装着されている。

３は機枠で、中央のギヤケース４、その左右の
サポートアーム５、左サポートアーム５に固定の
伝動ケース６、右サポートアーム５に固定のサイ
ドフレーム７等を有している。

８はギヤケース４から前方へ突出した入力軸
で、ギヤ機構９を介して左サポートアーム５を貫
通している伝動軸１０を駆動している。ギヤ機構
９は入力軸８に設けたベベルギヤ１１と、このベ
ベルギヤ１１に噛合すべく伝動軸１０上に配置さ
れたベベルギヤ１２，１３とを有しており、図外
の正逆切換機構を介して、ベベルギヤ１２，１３
のどちらか一方から伝動軸１０へ動力を伝達する
ことにより、伝動軸１０を正転又は逆転できる。
１４は入力軸８と同芯に配置された後方突出状の
動力取出軸で、ベベルギヤ１２，１３と噛合して
いるベベルギヤ１５を有している。

１７は爪軸で、多数本の耕耘爪１８を植設して
耕耘部１９を形成しており、伝動ケース６内のチ
エーン伝動手段２０を介して、伝動軸１０から正
逆動力が伝達される。

前記耕耘爪１８は爪軸１７に固定の箱形ブラケ
ツト２１（又はフランジ）にボルト２２を介して
取付けられており、その中心線CLは側面視にお
いて直線で、爪軸１７の中心を通つており、前後
両縁には前後刃部２３ａ，２３ｂが形成されてい
る。

耕耘爪１８の刃部２３ａ，２３ｂは夫々外向き
（前後方向）円弧状に形成され、その基部２３ｃ
（刃元）から先端部２３ｄにかけて先細り状で且
つ爪軸１７軸方向に湾曲しており、前記基部２３
ｃはボルト２２貫通用孔２４を形成した取付部２
５よりも幅広で、且つ箱形ブラケツト２１と同一
又は幅広である。

即ち、耕耘爪１８は、取付部２５が横軸廻り正
逆転自在な爪軸１７に固着のブラケツト２１に取
付けられ、取付部２５より外側の基部２３ｃがブ
ラケツト２１から突出していて最大幅を有し、こ
の基部２３ｃから先端部２３ｄにかけて先細り状
に形成され、前後縁は前記爪軸１７の中心を通る
中心線CLに対して線対称形であると共に前後方
向突出状の円弧状刃部２３ａ，２３ｂが形成され
ており、更に、前記基部２３ｃはブラケツト２１
の外端２１ａに近接しており、前記刃部２３ａ，
２３ｂは先端部２３ｄから最大幅の基部２３ｃま
で延設されてその内端２３ｅはブラケツト２１に
近接している。

このように耕耘爪１８の刃部２３が先細り円弧
状であることにより、刃部２３の接線は基部２３
ｃから先端部２３ｄにかけて中心線CLに対して
角度が大きくなるように変化し、先端部２３ｄよ
りも基部２３ｃが先行する。従つて、耕耘爪１８
は土壌を耕起していく際、草が巻付いても、その
草は基部２３ｃ側から先端部２３ｄ側へ押動さ
れ、且つ遠心力も加わつて、先端部２３ｄから抜
脱する。これにより、箱形ブラケツト２１又は耕
耘爪１８の基部２３ｄに対する草の巻付きが防止
できる。

２７は耕耘部１９からの土飛散を防止する耕耘
カバーで、機枠３に固定の主カバー２８と、この
主カバー２８の前後に横軸廻り揺動自在に枢支さ
れた前後カバー２９，３０と、機枠３に対して固
定の前後側カバー３１，３２とを有し、耕耘爪１
８の正逆転に対応できるように構成されている。

前記後カバー３０は均平圧調整機構３３で高さ
調整も可能となつており、前カバー２９は前側カ
バー３１に形成した円弧孔３４に貫通したネジ３
５を有し、ネジ３５に蝶ナツト３６を締緩するこ
とにより、円弧孔３４の範囲内で角度調整自在と
なつている。

前記主カバー２８の内面側には耕耘部１９との
間に土付着防止機構３８が設けられている。この
土付着防止機構３８は上下動可能なレーキ状部材
３９と、このレーキ状部材３９を動力取出軸１４
の動力で上下動させる振動手段４０とを備えてい
る。

レーキ状部材３９は主カバー２８に沿つた円弧
杆４１を耕幅方向に多数本配列し、これを直交す
る複数本の横杆４２で連結し、前後端の横杆４２
の少なくとも両端を主カバー２８の内面に固定の
吊持具４３で上下動可能に吊持ちしている。

振動手段４０は動力取出軸１４に固定の偏心カ
ム４４に連結杆４５の環状部４５ａを相対回動自
在に嵌合し、この連結杆４５の下端を主カバー２
８を貫通して円弧杆４１（又は横杆４２でも良
い）に連結して構成されている。

偏心カム４４の回転は連結杆４５の上下運動と
なり、レーキ状部材３９を上下振動させ、耕耘部
１９から跳ね上げられて主カバー２８の内面に付
着した土を脱落させ、且つ土が付着しようとする
のを阻止する。

尚、前記レーキ状部材３９は金網等で形成した
り、その前後端の一方を枢支又は固定したりして
も良く、また振動手段４０は入力軸８から動力を
得るように構成することも可能である。更に、前
記前後カバー２９，３０と耕耘部１９との夫々の
間にレーキ装置を配置しても良い。

以上、詳述した本考案においては、耕耘爪１７
の前後縁の刃部２３ａ，２３ｂは先端部２３ｄか
ら最大幅の基部２３ｃまで且つブラケツト２１の
近傍まで形成されており、ブラケツト２１の近傍
までの耕耘爪１７の略全長にわたつて耕耘及び草
の切断ができ、基部２３ｃに草が巻付いてもブラ
ケツト２１及び取付部２５側へ移動させることは
なく、先端部２３ｄ側へ移動させることができ
る。また、耕耘爪１７はブラケツト２１に対して
不動であり、刃部２３ａ，２３ｂの内端２３ｅが
ブラケツト２１の外端２１ａに近接しているの
で、取付部２５に草が巻付くこともほとんどな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例を示してお
り、第１図は全体側面図、第２図は一部断面全体
背面図、第３図は要部の断面側面図、第４図は要
部の拡大断面図、第５図は従来の耕耘爪を示す側
面図である。 １……正逆転ロータリ耕耘機、１７……爪軸、
１８……耕耘爪、１９……耕耘部、２１……箱形
ブラケツト、２３ａ……前刃部、２３ｂ……後刃
部、２３ｃ……基部、２３ｄ……先端部、２８…
…主カバー、３８……土付着防止機構、CL……
中心線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付部２５が横軸廻り正逆転自在な爪軸１７に
   固着のブラケツト２１に取付けられ、取付部２５
   より外側の基部２３ｃがブラケツト２１から突出
   していて最大幅を有し、この基部２３ｃから先端
   部２３ｄにかけて先細り状に形成され、前後縁は
   前記爪軸１７の中心を通る中心線CLに対して線
   対称形であると共に前後方向突出状の円弧状刃部
   ２３ａ，２３ｂが形成されている耕耘爪におい
   て、前記基部２３ｃはブラケツト２１の外端２１
   ａに近接しており、前記刃部２３ａ，２３ｂは先
   端部２３ｄから最大幅の基部２３ｃまで延設され
   てその内端２３ｅはブラケツト２１に近接してい
   ることを特徴とする正逆転ロータリ耕耘機用耕耘
   爪。