JPS6238124Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガステーブルなどに用いられる火力切
替ガス栓に関するものである。

ガステーブルなどのガス調理器において、例え
ば大中小の三段階の火力切替えを行なう場合に
は、通常の火力調整用のガス栓のほかに火力切替
栓を用いるのが普通であり、火力切替栓としては
閉子の導通穴を特殊な形状にしたものや、本体側
にメイン、中火用、小火用の各ガス穴を設け、閉
子の導通穴を各ガス穴のいずれかに連通させるよ
うにしたものなどが一般的である。しかしなが
ら、閉子の導通穴を特殊な形状としたものは、導
通穴の加工が面倒である上にガス量を正確に制御
することが困難であるという問題があり、また本
体側に各火力ごとのガス穴を設けたものは、特に
中火及び小火の際のガス穴を正確に制御するため
に、中火用と小火用の各ガス穴にそれぞれニード
ルを挿着する必要があり、構造が複雑になるとと
もに本体が大型化し、コストアツプにもなるとい
う問題があつた。

本考案はこれらの問題点に着目し、構造が簡単
で比較的小型であり、しかもガス量の制御が正確
に行なえる火力切替ガス栓を提供することを目的
としてなされたものであつて、本体にメイン、中
火用、小火用の各ガス穴を設け、閉子の導通穴を
回転角度に応じて各ガス穴のすべてを、あるいは
中火用と小火用のガス穴を、あるいは小火用ガス
穴のみをガス入口に選択的に連通する形状とし、
中火用ニードル穴と小火用ニードル穴を設けた１
個のニードルを本体に挿着し、中火用ガス穴を中
火用ニードル穴を通じて、また小火用ガス穴を小
火用ニードル穴を通じてそれぞれメインガス穴に
連通させたものである。

以下、本考案の一実施例について図面にもとづ
いて説明する。図面はいずれも閉子の軸方向から
見た要部の断面図であり、第１図は全閉位置、第
２図は全開位置、第３図は中火位置、第４図は小
火位置をそれぞれ示している。

図において、１はガス栓の本体、２はメインガ
ス穴、３は中火用ガス穴、４は小火用ガス穴、５
は閉子取付穴、６は閉子である。各ガス穴２，
３，４は互いに並んで設けられ、閉子取付穴５の
壁面にそれぞれ開口しており、その開口位置は閉
子６の軸方向に対して直角な円周上に一定の間隔
を隔てて並んでいる。７は閉子６の内部に形成さ
れたガス室であり、ガス室７は周知の構造によつ
てガス入口（図示せず）に適宜連通している。８
はガス穴２，３，４の開口位置に対応して形成さ
れた導通穴であり、導通穴８は長穴でもよいが、
この実施例では閉子６の周壁を貫通するように設
けられた貫通穴８ａと、この貫通穴８ａにかかる
ように周壁外面に接線方向に設けられたスリツト
８ｂとで構成されており、導通穴８の円周に沿う
全長は、第２図に示す全開時にすべてのガス穴
２，３，４に連通できる寸法に選定されている。
１１は中火用ガス穴３の延長線上に設けられたニ
ードル挿着穴、１２はニードル挿着穴１１の奥の
方に開口した小火用ガス穴４の開口部、１３はニ
ードル挿着穴１１の中間部をメインガス穴２に開
口させる開口部、１４はニードル挿通穴１１に挿
着されたニードルである。ニードル１４は外気に
対する密封用のＯリング１５のほかに、先端部分
にガス路分離用のＯリング１６を有しており、ニ
ードル１４の先端から軸方向にニードル中心穴１
７を形成し、更にＯリング１６より先端側に中心
穴１７を開口部１２に連通させる小火用ニードル
穴１８を形成し、Ｏリング１５，１６の間に中心
穴１７を開口部１３に連通させる中火用ニードル
穴１９を形成してある。

２１はメインガス穴２のガス出口、２２，２
３，２４は加工上発生する開口部を密封するため
の封孔用ボールである。また、本体１は加工上の
理由で閉子側部材１ａとガス出口側部材１ｂとに
分割されており、両部材１ａ，１ｂはパツキン２
５を介在させてビス２６によつて連結することに
より一体化されている。

次に動作を説明する。第１図は導通穴８がいず
れのガス穴２，３，４にも連通していない状態の
全閉位置であり、この位置から閉子６を反時計方
向に約130度回転させると、導通穴８がガス穴
２，３，４のすべてに連通する第２図の全開位置
となる。この時は、メインガス穴２のほかに、中
火用ガス穴３からニードル１４のニードル中心穴
１７、中火用ニードル穴１９、開口部１３を経て
メインガス穴２に至る中火用ガス路Ａと、小火用
ガス穴４から開口部１２、ニードル挿着穴１１、
小火用ニードル穴１８、中心穴１７、中火用ニー
ドル穴１９、開口部１３を経てメインガス穴２に
至る小火用ガス路Ｂのすべてが並列なガス通路と
して作動し、最大量のガス供給が可能な状態とな
る。

次に全開位置から閉子６を時計方向に約45度回
転させると、メインガス穴２は閉塞され、導通穴
８が中火用ガス穴３と小火用ガス穴４に連通した
第３図の中火位置となる。すなわち、この時には
中火用ガス路Ａと小火用ガス路Ｂが並列なガス通
路として作動し、中火に対応した量のガス供給が
可能な状態となる。更にこの中火位置から閉子６
を時計方向に約40度回転させると、中火用ガス穴
３も閉塞されて導通穴８は小火用ガス穴４のみに
連通した第４図の小火位置となり、この時には小
火用ガス路Ｂのみがガス通路として作動し、ガス
供給量は最も絞られた状態となる。従つて、ニー
ドル１４の中火用ニードル穴１９と小火用ニード
ル穴１８の径を適正に選定しておくことにより、
大、中、小の三段階の火力に応じた一定量のガス
を供給できるのである。

なお、図示していないが、閉子６を回転操作す
るためのスピンドルに連動するクリツク機構を設
け、大中小の各切替位置を明確に判断できるよう
にしてある。

上述の実施例の説明から明らかなように、本考
案は閉子の回転角度に応じてメインガス穴、中火
用ガス穴、小火用ガス穴を選択的にガス入口に連
通させ、全開位置及び中火位置ではガス供給路を
並列的に使用するようにしているので、各ガス穴
を切替えてそれぞれを単独で使用する場合より
も、小さいガス穴によつて多くのガスを供給する
ことが可能でガス栓の本体をそれだけ小型化する
ことができ、また１個のニードルによつて中火と
小火の各ガス供給量を設定できるため、中火と小
火のガス供給量を別々のニードルで設定する場合
よりも構造が簡単で本体を小型化することがで
き、ガス量の制御が正確な火力切替ガス栓を安価
に得ることが可能となるのである。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案の一実施例の要部を示す
断面図であり、第１図は全閉位置、第２図は全開
位置、第３図は中火位置、第４図は小火位置をそ
れぞれ示す図である。 １……本体、２……メインガス穴、３……中火
用ガス穴、４……小火用ガス穴、５……閉子取付
穴、６……閉子、８……導通穴、１４……ニード
ル、１８……小火用ニードル穴、１９……中火用
ニードル穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メインガス穴、中火用ガス穴、小火用ガス穴を
   本体に設けてこれらの各ガス穴を閉子取付穴壁面
   に一定の間隔を隔ててそれぞれ開口させ、閉子に
   は閉子の回転角度に応じて前記各ガス穴のすべて
   を、あるいは中火用ガス穴と小火用ガス穴を、あ
   るいは小火用ガス穴のみをガス入口に選択的に連
   通させる導通穴を形成し、中火用ニードル穴と小
   火用ニードル穴を設けた１個のニードルを本体に
   挿着し、中火用ガス穴を中火用ニードル穴を通じ
   て、また小火用ガス穴を前記ニードルの小火用ニ
   ードル穴を通じてそれぞれメインガス穴に連通さ
   せてなる火力切替ガス栓。