JPS6236742Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、容器本体の上下部に各々カバーキヤ
ツプを被着させて樽状の外観を呈する樽状容器を
形成するものにおいて、容器本体とカバーキヤツ
プを確実に固定するものに関する。

この種容器における従来の固定構造は、第１図
に示されるように、瓶本体１０１の口頚部１０２
下縁に環状の外向フランジ１０３を突設し、一方
当該瓶本体１０１の上部に嵌合せしめられる上部
嵌合部材１０４の内面には略水平状に延びる環状
の内向フランジ１０５を突設して、内向フランジ
１０５の内周縁部に瓶本体の外向フランジ１０３
外周面を嵌合させるための下方へ折曲げられた嵌
合壁１０６を付設すると共に、該嵌合壁１０６内
面には外向フランジ１０３外周部下面に係合せし
められる係合突条１０７を連続状に付設して構成
されていた。

しかし、この従来技術においては、固定側の外
向フランジ１０３に対して内向フランジ１０５を
上下方向へ弾性的に回転揺動させることにより、
瓶本体１０１の凸部（外向フランジ）と上部嵌合
部材１０４の凹部（内向フランジの嵌合壁内面）
を嵌め合わせて固定する嵌合構造を採用してい
る。従つて、瓶本体１０１に対して下向きの荷重
が働いた場合、あるいは上部嵌合部材１０４に上
向きの荷重が働いた場合には、嵌合状態にある外
向フランジ１０３と内向フランジ１０５が容易に
離脱するので、上部嵌合部材１０４の瓶本体１０
１への固定が確実に行えないという欠点があつ
た。

そこで本考案は従来技術の斯かる問題点を解決
するためになされたもので、その目的とするとこ
ろは、容器本体の外向フランジと、ねじ結合また
はバヨネツト結合によつて容器本体に固定された
固定用キヤツプにより、カバーキヤツプの内向フ
ランジ内端を支持するようにして、内向フランジ
を容器本体に確実に固定することにある。また他
の目的とするところは、容器本体の外向フランジ
上部に偏心防止突起を設けることにより、カバー
キヤツプと容器本体の中心軸を常に一致させた状
態でカバーキヤツプの固定を行うことにある。

以下に本考案の構成および作用を図示の実施例
に基づいて説明すると、第２図乃至第９図におい
て、１はプラスチツク製の瓶等よりなる容器本
体、１１は容器本体の口頚部、１２は該口頚部１
１の下縁に水平状に突設された外向フランジで、
該外向フランジ１２は、上面部外周縁付近に係合
凹条等の回止め部材１３を備えている。またこの
外向フランジ１２は上部において口頚部１１の外
周添いに所定の間隔を設けて円周方向に任意数の
偏心防止突起１４を備えている。この偏心防止突
起１４は後述するカバーキヤツプの内向フランジ
３２内周端と当接して、カバーキヤツプ３の中心
軸線O′を容器本体１の中心軸線Ｏに一致させる
ためのものであり、後記螺子部１５の外径R₁よ
りやや大きい外径R₂を有している。１５は口頚
部１１の中途部外周に設けられた螺子部で、後記
固定用キヤツプ５を容器本体に螺着固定する。

３，４は容器本体１の上下に嵌着されるプラス
チツク製の環状カバーキヤツプ、容器本体１にこ
れ等カバーキヤツプ３，４を嵌着することによつ
て樽形状の外観を呈するようになされている。

而して上位の環状カバーキヤツプ３は周壁３１
の内面に略Ｕ字形の断面形状を有する円環状の内
向フランジ３２を一体的に備えている。この内向
フランジ３２は、その先端を容器本体の外向フラ
ンジ１２と容器本体１に螺着される後記固定用キ
ヤツプ５とによつて挟持されて、カバーキヤツプ
３を容器本体１に固定せしめる役割をなすもので
ある。該内向フランジ３２は、カバーキヤツプの
周壁３１頂部より該周壁３１と所定の空隙３３を
設けて下方へ降下する垂下部３４とこれに連結さ
れて容器本体１の中心軸線Ｏ側へ延びる水平部３
５、さらに該水平部３５下面に垂設される環状の
脚部３６とから成つている。該水平部３５の内径
R₃は容器本体の偏心防止突起１４の外径R₂とほ
ぼ等しくなるよう形成される。また水平部３５は
上面および下面の内周縁係合凸条等の回止め部材
３７，３８を有している。この上方回止め部材３
７は後記固定用キヤツプの回止め部材５４と、ま
た下方回止め部材３８は容器本体の外向フランジ
に設けられた回止め部材１３とそれぞれ係合し
て、カバーキヤツプ３を容器本体１に対して定位
置に固定するものである。

５は容器本体の口頚部１１に螺着される固定用
キヤツプで、該固定用キヤツプ５は円周壁５１の
下端に外向フランジ５２を連設して形成される。
この外向フランジ５２は、容器本体口頚部の外向
フランジ１２と共に口頚部の外向フランジ１２上
に載置されたカバーキヤツプの内向フランジ３２
内周端を挟持して、カバーキヤツプ３を容器本体
１に固定するものである。５３は円周壁５１内周
に刻設された螺子部で、該螺子部５３は容器本体
口頚部の螺子部１５と螺合して、固定用キヤツプ
５を容器本体１に固定する。５４は外向フランジ
５２の下面に形成される係合凹条等の回止め部材
で、該回止め部材５４は、固定キヤツプ５がカバ
ーキヤツプの内向フランジ３２内周端を挟持する
際に、内向フランジの上方回止め部材３７と係合
して、カバーキヤツプ３を容器本体１に対して定
位置に固定するものである。また前記円周壁５１
は、キヤツプ２の外径R₄より大きな内径R₅を有
しており、容器本体の口頚部１１にキヤツプ２が
冠着された後でも固定用キヤツプ５を容器本体１
に取付けることができる。なお本実施例において
は、固定用キヤツプ５を容器本体１に螺子結合に
より固定したが、第１０図および第１１図に示す
ように容器本体の口頚部１１中途部に、任意数の
バヨネツト突起１６を円周方向に設け、また固定
用キヤツプの円周壁５１内周にバヨネツト溝５５
を刻設して、固定用キヤツプ５を容器本体１に嵌
着後回転させるバヨネツト結合によつて固定する
ことも可能である。

以上の構成よりなる本考案において、先ず容器
本体の口頚部１１にキヤツプ２を取付ける。次に
容器本体１にカバーキヤツプ３，４を被着させ、
カバーキヤツプの内向フランジの水平部３５内周
端部を容器本体口頚部の外向フランジ１２上に載
置する。この場合内向フランジの水平部３５内周
端縁は外向フランジ１２上の偏心防止突起１４の
外周端縁に当接しており、容器本体１の中心軸線
Ｏとカバーキヤツプ３の中心軸線O′は一致して
いる。然る後固定用キヤツプ５を容器本体の口頚
部１１に螺着せしめると、固定用キヤツプの外向
フランジ５２が容器本体の外向フランジ１２上の
内向フランジ水平部３５を押圧する。ここにおい
て内向フランジの水平部３５は、固定用キヤツプ
の外向フランジ５２と容器本体の外向フランジ１
２とによつて挟持されており、カバーキヤツプ３
は容器本体１に固定されている。また容器本体の
外向フランジ１２の回止め部材１３と内向フラン
ジの水平部３５の下方回止め部材３８、固定用キ
ヤツプの外向フランジ５２の回止め部材５４と内
向フランジの水平部３５の上方回止め部材３７と
がそれぞれ係合している。

本考案は以上の構成および作用よりなるもの
で、容器本体口頚部の外向フランジと、容器本体
口頚部に螺子結合またはバヨネツト結合を用いて
固定した固定用キヤツプの外向フランジとによつ
てカバーキヤツプの内向フランジ内周端を挟持さ
せるようにしたことから、カバーキヤツプや容器
本体に軸方向の荷重が働いても、内向フランジが
容器本体から離脱することはなく、カバーキヤツ
プを容器本体に確実に固定し得る。また、容器本
体の外向フランジ上に偏心防止突起を設けて、該
突起にカバーキヤツプの外向フランジを当接せし
めることにより、カバーキヤツプの中心軸線を容
器本体の中心軸線に一致させるようにしたので、
カバーキヤツプを容器本体に被着させるだけでカ
バーキヤツプの偏心を完全に防止でき、カバーキ
ヤツプと容器本体の中心軸線を一致させるための
位置決め作業を省くことができると同時に、カバ
ーキヤツプの偏心によるがたを防止し得る。さら
に、カバーキヤツプの内向フランジを容器本体の
外向フランジと固定用キヤツプとで挟持すること
により固定して、カバーキヤツプの回転を防止し
得るようにすると共に、固定部分の接触面にそれ
ぞれ回止め部材を設けたので、カバーキヤツプの
回転をより確実に防止し得る。さらにまた、従来
のように容器本体の外向フランジ外周とカバーキ
ヤツプの内向フランジ内周を嵌合させる構造にお
いては、僅少の寸法誤差があつてもカバーキヤツ
プの固定が確実に行えなかつたが、本考案におい
ては、カバーキヤツプの内向フランジを固定用キ
ヤツプによつて上方から押圧した状態で挟持する
ようにしたので、内向フランジ内径や容器本体の
外向フランジ外径に多少の寸法誤差があつてもカ
バーキヤツプを確実に固定することができ、その
結果、カバーキヤツプの回転や偏心を防止するこ
とができる。また固定用キヤツプを容器本体口頚
部に冠着されたキヤツプ下端付近をも被覆し得る
高さに形成し、且つカバーキヤツプ、キヤツプお
よび固定用キヤツプに遮光性の部材を用いた場合
には、容器本体が光透過性部材により形成されて
いても容器本体内を遮光することができ、光によ
る内容液の変質を防止し得る等種々の効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る樽状容器の実施例を示すも
ので、第１図は従来技術の構成を示す要部説明
図、第２図は本考案に係る樽状容器を示す縦断正
面図、第３図は同樽状容器を示す要部縦断面図、
第４図および第５図は本考案に係る容器本体の外
向フランジの上面に設けた回止め部材を示す説明
図、第６図および第７図は本考案に係る内向フラ
ンジに設けた回止め部材を示す説明図、第８図は
外向フランジと内向フランジの回止め部材の係合
状態を示す説明図、第９図および第１０図は固定
用キヤツプに設けた回止め部材を示す説明図、第
１１図および第１２図は容器本体と固定用キヤツ
プのバヨネツト結合を示す説明図である。 符号の説明、１……容器本体、１１……口頚
部、１２，５２……外向フランジ、１３，３７，
３８，５４……回止め部材、１４……偏心防止突
起、１５，５３……螺子部、１６……バヨネツト
突起、２……キヤツプ、３，４……カバーキヤツ
プ、３１……周壁、３２……内向フランジ、３３
……空隙、３４……垂下部、３５……水平部、３
６……環状脚部、５……固定用キヤツプ、５１…
…円周壁、５５……バヨネツト溝、Ｏ，O′……
中心軸線、R₁，R₂，R₄……外径、R₃，R₅……内
径。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 口頚部にキヤツプを冠着した容器本体の上下
   部にそれぞれ環状のカバーキヤツプを被着し、
   且つ口頚部下縁に外向フランジを突設した樽状
   容器において、 容器本体の上部に嵌着される環状カバーキヤ
   ツプの内面には内向フランジを設けて、上記外
   向フランジと容器本体口頚部外周に固着した固
   定用キヤツプとにより、該内向フランジを挟持
   したことを特徴とする樽状容器。 (2) 外向フランジは上部にいて口頚部外周添いに
   所定の間隔を設けて円周方向に任意数の偏心防
   止突起を設けていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の樽状容器。 (3) 内向フランジと固定用キヤツプの接触面およ
   びまたは内向フランジと外向フランジの接触面
   にそれぞれ回止め部材を設けたことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   のいずれかの項に記載した樽状容器。