JPS6236119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 冷凍機等のパイプの漏れを検査する手段とし
て、パイプの耐圧試験が行なわれている。このパ
イプの耐圧試験は、パイプの一方の開口部を閉
じ、他方の開口部から高圧ガスを送り込むことに
より行なわれているが、被検査機のパイプ開口端
の切り口の状態は不揃いであるため、耐圧試験時
の気密性が維持しにくいものであつた。このた
め、冷凍機等のパイプの耐圧試験、ガス漏れ試験
等は非常に手数がかかるものとなつていた。

この考案は、上記の点に鑑み、シールの完全性
を期し、更にパイプのチヤツクを確実に行なえる
ようにすることを目的とした冷凍機等のパイプの
耐圧試験用継手を提供するものであり、その要旨
は、バルブを有するソケツトまたはプラグを一端
に有し、他端をパイプ挿入部とした芯管に、パイ
プ挿入部側の内側に係止部を形成した固定筒体を
嵌合し、この固定筒体と芯管との間にスプリング
を介してレバー操作により軸方向に摺動するシー
ル用スリーブを嵌装し、このシール用スリーブの
パイプ挿入部側端部には、該スリーブの摺動によ
り挿入したパイプの端面に当接してシールするバ
ツキングと前記固定筒体の係止部に当接し求心方
向に変形して前記パイプの外周面をシールするパ
ツキングを設け、また芯管のパイプ挿入部には前
記シール用スリーブと一体に摺動するチヤツク用
スリーブを嵌装し、さらに前記パイプ挿入部には
チヤツク用スリーブの摺動により遠心方向に膨出
し挿入したパイプを内側からチヤツクする膨出体
を設けたところにある。

以下、この考案の一実施例を図面に基づき詳細
に説明する。

図面において、１は一端にバルブ２を有するプ
ラグ３を有し、他端をパイプ挿入部４とした芯管
であり、この芯管１は細長いものであり、かつ挿
入する冷凍機等のパイプ５の内径をその基本外径
とする。６は芯管１に嵌合した固定筒体、７は固
定筒体６と芯管１との間に軸方向移動自在に嵌装
したシール用スリーブであり、このシール用スリ
ーブ７のパイプ挿入部４側端部には、このパイプ
挿入部４に挿入したパイプ５の端面に当接しシー
ルするパツキング８と、このパイプ５の外周面に
当接しシールするパツキング９を設ける。１０は
シール用スリーブ７をパイプ挿入部４方向に摺動
操作するレバーで、芯管１上に設けてなり、この
レバー１０はシール用スリーブ７のプラグ３側端
部を背中合わせに設けた２枚の皿バネからなるス
プリング１１を介してシール用スリーブ７をパイ
プ挿入部４方向に押圧して摺動させる変形カム１
２を有する。１３は前記固定筒体６のパイプ挿入
部４側端部に、この固定筒体６内側に鍔状に形成
した係止部であり、レバー１０の操作により前記
シール用スリーブ７をパイプ挿入部４方向へ摺動
させたとき、シール用スリーブ７に設けたパイプ
５の外周面に当接しシールするパツキング９が前
記係止部１３に当接し、このパツキング９を求心
方向に、すなわちパイプ５の外周面方向に突出変
形させるものである。１４は芯管１のパイプ挿入
部４に嵌装したチヤツク用スリーブであり、この
チヤツク用スリーブ１４はパイプ挿入部４ととも
にパイプ５内は挿入されるものである。そして、
このチヤツク用スリーブ１４は、その端部を前記
シール用スリーブ７に当接させており、シール用
スリーブ７の摺動により一体として摺動するよう
になつている。１５は同じく芯管１のパイプ挿入
部４に設けた膨出体であり、前記チヤツク用スリ
ーブ１４の摺動により半径方向、さらに詳しくは
遠心方向に膨出し、パイプ５を内側から押当てて
チヤツクするものである。この膨出体１５は、第
３図イに示すようにコレツトチヤツクや同図ロに
示すように弾性材をもつて形成しチヤツク用スリ
ーブ１４の軸方向への摺動により変形して膨出す
るようなものでも良く、特に限定されるものでは
ない。

なお、前記実施例では芯管１の一端にバルブ２
を有するプラグ３を有ぜしめているが、プラグ３
の代りにソケツトにしても良く、この場合には高
圧ガスを送るコンプレツサーの配管端部にはプラ
グを設けるようにする。

この考案は以上の構成からなり、次にこの考案
の作用について説明する。

まず、耐圧試験をしようとする冷凍機等のパイ
プ５に芯管１のパイプ挿入部４を挿入し、パイプ
５の端面がシール用スリーブ７のパツキング８に
当接するまで挿入したら、レバー１０を操作して
シール用スリーブ７をパイプ挿入部４方向に摺動
させると、この摺動によりシール用スリーブ７に
設けたパイプ５の端面に当接したパツキング８は
このパイプ５の端面を押圧するようにして変形し
てシールし、また同じくパツキング９はシール用
スリーブ７の摺動により固定筒体６に形成した係
止部１３に当接し、その圧力により求心方向に突
出変形して挿入したパイプ５の外周面に圧接して
これをシールする。また、パイプ挿入部４に嵌装
しパイプ挿入部４とともにパイプ５内に挿入され
ているチヤツク用スリーブ１４は、前記シール用
スリーブ７の摺動に伴い、このシール用スリーブ
７と一体として摺動し、パイプ挿入部４に設けた
膨出体１５を膨出させる。この膨出体１５が膨出
して挿入しているパイプ５内周面に圧接し、パイ
プ挿入部４をパイプ５内にチヤツクする。そし
て、上記シール用スリーブ７によるパイプ５のシ
ールおよびチヤツク用スリーブ１４によるパイプ
５へのチヤツクを行うためのシール用スリーブ７
およびチヤツク用スリーブ１４の摺動は、上記レ
バー１０の操作により行うが、レバー１０による
シール用スリーブ７の押圧はスプリング１１を介
し、スプリング１１の弾性を利用して行うように
しているから、押圧されるシール用スリーブ７お
よびチヤツク用スリーブ１４はスプリング１１の
弾性により確実にパイプ５へのシールおよびチヤ
ツクを行うものであり、かつスプリング１１の弾
性の逃げにより必要以上の圧接は防止される。

そこで、冷凍機等のパイプの耐圧試験に使用す
場合、第５図に示すように、冷凍機等において入
口と出口を構成する２つのパイプ５の開口部にそ
れぞれこの考案に係る継手のパイプ挿入部４を、
パイプ５の端面がシール用スリーブ７に設けたパ
ツキング８に当接するまで挿入し、レバー１０を
操作してパイプ５にパイプ挿入部４をチヤツクし
かつパイプ５の端面およびその外周面をシール
し、一方のパイプ５に挿入した継手を構成する芯
管１の端部に有するプラグ３にコンプレツサーか
らの配管を接続して冷凍機等のパイプ５内に高圧
ガスを送り込むようにするものである。このとき
他のパイプ５の開口部に挿入したこの考案に係る
継手は蓋体としての役割を果す。

以上のように、この考案によれば、バルブを有
するソケツトまたはプラグを一端に有し、他端を
パイプ挿入部とした芯管に、パイプ挿入部側の内
側に係止部を形成した固定筒体を嵌合し、この固
定筒体と芯管との間にスプリングを介してレバー
操作により軸方向に摺動するシール用スリーブを
嵌装し、このシール用スリーブのパイプ挿入部側
端部には、該スリーブの摺動により挿入したパイ
プの端面に当接してシールするバツキングと前記
固定筒体の係止部に当接し求心方向に変形して前
記パイプの外周面をシールするパツキングを設
け、また芯管のパイプ挿入部には前記シール用ス
リーブと一体に摺動するチヤツク用スリーブを嵌
装し、さらに前記パイプ挿入部にはチヤツク用ス
リーブの摺動により半径方向に膨出し挿入したパ
イプの内側からチヤツクする膨出体を設けたか
ら、冷凍機等のパイプの耐圧試験をするにあた
り、たとえば熱交換器のパイプ端にパイプ挿入部
を挿入し、単にレバーを手動もしくは流体圧操作
によつて動かすという簡単な操作でパイプ開口端
にたとえ不揃いがあつても、当該部のシールを完
全にすることができる。そして、万一パイプ開口
端のシールが完全性が図れなかつたとしても、パ
イプの開口端面のみならずその外周面をもシール
するといつた二重シールを行なうものであるか
ら、完全なるシールが図れ、高圧に対する漏れを
充分に防ぐことができる。また、パイプ挿入部に
挿入したパイプは膨出体により内側からチヤツク
されているので、パイプ内に高圧がかかつても、
その圧力によりパイプが抜け出てしまうおそれは
なく、更にまた、スプリングの弾性が、芯管のパ
イプ挿入部をパイプに挿入してレバーを操作した
ときの圧力の逃げとなつて、パツキングなどの破
損のおそれは全くなく、パイプの耐圧試験用継手
として頗る便利であり、さらに芯管を比較的長く
構成した場合は、冷凍機等のパイプの配置構造か
ら非常に狭い場所に開口しているパイプであつて
も、他のパイプ群やその他の部分の影響を受ける
ことなく容易に接続することが可能となる。そし
て、構成が簡単なので製造が容易であるなどの効
果がある。

なお、この考案は、前記の実施例に限定される
ものではなく、前記の実施例以外の態様でも実施
できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の一実施例を示すもので、第
１図は縦断側面図、第２図はパイプに挿入しシー
ルおよびチヤツクした状態を示す一部拡大縦断側
面図、第３図イ，ロは膨出体の一例を示す説明
図、第４図はレバーの操作を示す説明図、第５図
は使用状態を示す説明図である。 １……芯管、４……パイプ挿入部、５……パイ
プ、７……シール用スリーブ、８，９……パツキ
ング、１０……レバー、１１……スプリング、１
４……チヤツク用スリーブ、１５……膨出体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブを有するソケツトまたはプラグを一端に
   有し、他端をパイプ挿入部とした芯管に、パイプ
   挿入部側の内側に係止部を形成した固定筒体を嵌
   合し、この固定筒体と芯管との間にスプリングを
   介してレバー操作により軸方向に摺動するシール
   用スリーブを嵌装し、このシール用スリーブのパ
   イプ挿入部側端部には、該スリーブの摺動により
   挿入したパイプの端面に当接してシールするパツ
   キングと前記固定筒体の係止部に当接し求心方向
   に変形して前記パイプの外周面をシールするパツ
   キングを設け、また芯管のパイプ挿入部には前記
   シール用スリーブと一体に摺動するチヤツク用ス
   リーブを嵌装し、さらに前記パイプ挿入部にはチ
   ヤツク用スリーブの摺動により遠心方向に膨出し
   挿入したパイプを内側からチヤツクする膨出体を
   設けたことを特徴とする、パイプの耐圧試験用継
   手。