JP7365837B2 - 配管端部の封止装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の図1に開示された封止装置では、閉塞部材と配管端部外周との間にOリングを介在させることにより、配管端部を封止している。
特許文献2に開示された封止装置では、ゴム製の弾性シール部材を配管端部の内側に配置し、この弾性シール部材を軸方向に圧縮して拡径することにより、配管端部の内周に密着させ、これにより配管端部を封止している。
特許文献2に開示された封止装置は、一時的に配管端部を封止するために用いられるものであり、弾性シール部材の支持が不安定で、長期にわたる配管端部の封止には不適である。
上記配管端部の開口に対向配置される閉塞部と、上記配管端部の径方向外側に配置される筒部とを有する閉塞部材と、
上記閉塞部材の上記筒部を上記配管端部に固定する固定手段と、
上記閉塞部材に支持されて上記配管端部を封止する封止構造と、を備え、
上記封止構造が、上記配管端部の内側に配置された弾性シール部材と、上記弾性シール部材の挿通孔と上記閉塞部材の上記閉塞部の挿通孔を貫通して上記配管端部の軸方向に延びるロッドと、上記ロッドの内端部に取り付けられた押圧部材と、上記ロッドの外端部に連結され、上記ロッドを介して上記押圧部材を上記閉塞部材の閉塞部に向けて引き付けることにより、上記弾性シール部材を上記閉塞部材の閉塞部と上記押圧部材との間で軸方向に圧縮し、これにより拡径された上記弾性シール部材を上記配管端部の内周に密着させる引付手段と、を有することを特徴とする。
好ましくは、上記引付手段は上記ロッドの外端部に螺合するナットである。
上記構成によれば、弾性シール部材が長期使用により劣化して弾性シール材の挿通孔内周とロッドの間に漏れ通路が形成されても、閉塞部材の挿通孔の内周とロッドとの間が、充填空間に充填されたシーリング材によりシールされているので、良好なシール性を確保できる。
上記構成によれば、弾性シール部材が長期使用により劣化して配管端部の内周と弾性シール材の間に漏れ通路が形成されても、環状空間に充填されたシーリング材により配管端部と閉塞部材の間がシールされているので、良好なシール性を確保できる。
上記構成によれば、共通の注入ポートを用いて、2つの充填空間にシーリング材を同時に充填することができる。
上記構成によれば、現場において配管端部に閉塞部材を円滑かつ簡単に固定することができる。
図1には、原子力発電設備において切断された配管の端部1と、この配管端部1を封止する封止装置2が示されている。封止装置2は、閉塞部材10と、この閉塞部材10に組み込まれたOリング20と、閉塞部材10を配管端部1に固定する固定構造30(固定手段)と、配管端部1を封止する封止構造40とを備えており、配管端部1への装着に先立って、予め組み立てられている。
閉塞部材10は、円盤形状の閉塞部11と筒部12とを一体に有している。筒部12は、閉塞部11に連なる第1円筒部分12aと、この第1円筒部分12aに段差部12bを介して連なり第1円筒部分12aより径が大きい第2円筒部分12cとを有している。閉塞部11の内面の中央には、筒部12と同軸をなして突出する押圧部13が形成されている。
さらに閉塞部11には、注入ポート16と排出ポート17を横切って軸方向に貫通する2つの貫通穴が形成されている。これら貫通穴はその外端がプラグ18a,18bを圧入することにより塞がれ、後述の作用をなす連絡通路19a,19bとして提供される。
固定構造30自体は公知であり市販のものを用いることができる。固定構造30は、閉塞部材10を配管端部1に固定するためのものであり、インナーリング31と、アウターリング32と、締込リング33とを有している。
インナーリング31は、軸方向に隣接されたテーパ部31aと螺合部31bとを有している。テーパ部31aは、軸方向に延びるスリット(図示しない)により周方向に複数に分割されている。テーパ部31aの外面が螺合部31bに向かって径が小さくなるようなテーパをなしている。螺合部31bの外周面には雄ネジ31xが形成されている。
固定構造30のインナーリング31とアウターリング32のテーパ部31a,32aは接合状態で閉塞部材10の第2円筒部分12cの内側に収容されている。
封止構造40は、円柱形状をなすゴム製の弾性シール部材41と、ネジ棒42(ロッド)と、押圧部材43と、ナット44(引込手段)と、ワッシャ45を有している。弾性シール部材41の中心には、軸方向に貫通する挿通孔41aが形成されている。この挿通孔41aの内径はネジ棒42の外径と略等しい。
ネジ棒42の内端部には押圧部材43が螺合されており、溶接により固定されている。押圧部材43は弾性シール部材41の内端面に接する平坦面を有している。ネジ棒42の外端部にはナット44が螺合されている。閉塞部11の押圧部13と弾性シール部材41の外端面との間には、ワッシャ45が介在されている。
上記のようにして組み立てられた封止装置2が配管端部1に装着される。詳述すると、固定構造30を配管端部1に向けた状態で封止装置2を軸方向に移動させる。これにより、配管端部1は、固定構造30のインナーリング31を通り、閉塞部材10の第1円筒部分12aを通り、その先端が閉塞部11の内面11aに当たる。この状態で、閉塞部材10の閉塞部11が配管端部1の開口に対向配置されこの開口を塞ぐ。インナーリング31のテーパ部31aとアウターリング32のテーパ部32aは、接合状態で閉塞部材10の第2円筒部分12cと配管端部1の外周との間に収容される。
上記のように固定構造30により、溶接を用いず簡単な作業で、閉塞部材10を配管端部1に強固に固定することができる。
配管端部1からの流体の漏れ経路は2つ想定される。第1の漏れ経路は、弾性シール部材41の挿通孔41aおよび閉塞部11の挿通孔14の内周とネジ棒42との間の経路である。この第1の漏れ経路は押圧部材43が弾性シール部材41の内端面に強い力で密着すること、および弾性シール部材41が軸方向の圧縮力を受けて挿通孔41aの内周がネジ棒42に密着することにより、遮断される。
第2の漏れ経路は、弾性シール部材41の外周と配管端部1の内周との間の経路である。この第2の漏れ経路は、上述したように弾性シール部材41が強い力で配管端部1の内周に密着することにより、遮断される。
本実施形態では、弾性シール部材41の劣化を想定して、さらに長期にわたる良好なシール性を確保している。以下、詳述する。
上記のようにナット44を締め込んで弾性シール部材41による封止作業が終了した後、図1、図2に矢印Aで示すように、注入ポート16からシーリング材50(コーキング材:図3にのみ示す)を注入する。このシーリング材50は粘性および流動性を有しており、注入ポート16から環状の充填空間15に入り込み、この充填空間15に充填される。また、注入ポート16から連絡通路19aを経て、閉塞部材10の押圧部13と配管端部1との間に形成された環状空間25にも入り込み、この環状空間25に充填される。シーリング材50は、充填空間15を満たしてから排出ポート17を通って排出され、また、環状空間25を満たしてから連絡通路19bを経、排出ポート17を通って排出される。排出ポート17からのシーリング材50の排出状況から、充填空間15および環状空間25への充填を確認した後、シーリング材50の注入を終了する。
2 封止装置
10 閉塞部材
11 閉塞部
12 筒部
12a 第1円筒部分
12b 段差部
12c 第2円筒部分
13 押圧部
14 挿通孔
15 充填空間
16 注入ポート
19a 連絡通路
25 環状空間
30 固定構造(固定手段)
31 インナーリング
31a テーパ部
31b 螺合部
32 アウターリング
32a テーパ部
32b 係合部
33 締込リング
40 封止構造
41 弾性シール部材
42 ネジ棒(ロッド)
43 押圧部材
44 ナット(引付手段)
50 シーリング材
Claims (4)
- 配管端部を封止する装置において、
上記配管端部の開口に対向配置される閉塞部と、上記配管端部の径方向外側に配置される筒部とを有する閉塞部材と、
上記閉塞部材の上記筒部を上記配管端部に固定する固定手段と、
上記閉塞部材に支持されて上記配管端部を封止する封止構造と、
を備え、
上記封止構造が、
上記配管端部の内側に配置された弾性シール部材と、
上記弾性シール部材の挿通孔と上記閉塞部材の上記閉塞部の挿通孔を貫通して上記配管端部の軸方向に延びるロッドと、
上記ロッドの内端部に取り付けられた押圧部材と、
上記ロッドの外端部に連結され、上記ロッドを介して上記押圧部材を上記閉塞部材の閉塞部に向けて引き付けることにより、上記弾性シール部材を上記閉塞部材の閉塞部と上記押圧部材との間で軸方向に圧縮し、これにより拡径された上記弾性シール部材を上記配管端部の内周に密着させる引付手段と、
を有し、
上記引付手段が上記ロッドの外端部に螺合するナットであり、
上記閉塞部材の上記閉塞部における上記挿通孔の軸方向中間部内周には、環状の凹部からなり上記ロッドを囲む充填空間が形成され、上記充填空間にはシーリング材が充填され、このシーリング材により、上記閉塞部と上記ロッドとの間が封止されることを特徴とする配管端部の封止装置。 - 上記閉塞部材の上記閉塞部は上記配管端部より小径の押圧部を有し、上記押圧部は上記弾性シール部材に向かって突出して上記配管端部に入り込み、上記押圧部と上記配管端部との間に環状空間が形成され、上記環状空間にも上記シーリング材が充填されることにより、上記押圧部と上記配管端部との間が封止されることを特徴とする請求項1に記載の配管端部の封止装置。
- 上記閉塞部材の上記閉塞部には、上記充填空間に上記シーリング材を注入するための注入ポートが形成されるとともに、上記環状空間と上記注入ポートとの間には、上記注入ポートからの上記シーリング材を上記環状空間に送るための連絡通路が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の配管端部の封止装置。
- 上記閉塞部材の上記筒部は、上記閉塞部に連なり上記配管端部を挿入する第1円筒部分と、上記第1円筒部分に段差部を介して連なり上記第1円筒部分より径の大きな第2円筒部分とを有し、
上記固定手段は、インナーリングとアウターリングと締込リングとを備えた固定構造からなり、
上記インナーリングは、外面がテーパをなし周方向に分割されたテーパ部と、このテーパ部に連なる筒状の螺合部とを有し、
上記アウターリングは、周方向に複数に分割された複数の片の集合からなり、各片は、内面がテーパをなして上記インナーリングの外面に接するテーパ部と、このテーパ部に連なる係合部とを有し、
上記締込リングは、上記インナーリングの上記螺合部に螺合されるとともに、上記アウタ―リングの上記係合部に相対回転可能かつ軸方向に移動不能に係合しており、
上記インナーリングの上記テーパ部と上記アウターリングの上記テーパ部が、上記閉塞部材の第2円筒部分と上記配管端部の外周との間に配置された状態で、上記締込リングの回転に伴う上記インナーリングと上記アウターリングの相対的軸方向移動により、上記インナーリングの上記テーパ部の内面が上記配管端部の外周に押圧され、上記アウターリングの上記テーパ部の外面が上記第2円筒部分の内周に押圧されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の配管端部の封止装置。
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