JPS6235859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、エンジンを機枠に取付けるエンジ
ン懸架装置の改良に関する。

一般に、エンジンを機枠に懸架する場合は、エ
ンジンケースに数個所取着孔を突設し、取着孔に
通したボルトを機枠のステーに締着して取付け
る。そして、取着孔とボルトとの関係は、一個所
だけ回動可能にし、他の個所は弾性片を介在させ
て浮動にし、エンジンを運転したときの振動を、
エンジンを浮動にして機枠に伝わる振動を少くし
ながら、エンジンが、余り大きく揺れ動かないよ
うにしている。しかし、長い間使用していると、
回動可能にした一個所が、潤滑グリース切れ、錆
の発生等によつて動かなくなり、機枠に固定的に
取付けたのと変りなくなつて、機枠へ直接振動が
伝わり、機枠の振動が大きくなる不都合がある。

この考案は、かかる点に鑑み改善したもので、
以下本考案を図面に示す実施例について説明す
る。

エンジンケース１には、後部、下部、前部に、
取着孔２を設けた保持部３を一体に突設する。図
では、後側の保持部３には、第２図に示すよう
に、取着孔２に、両端外周にＯリング状のシール
４を取付けたカラー５を挿入する。そして、カラ
ー５の内孔６に通したボルト７を、機枠８のステ
ー９に締着する。従つて、エンジンケース１は、
ボルト７を中心に回動できる。下側及び前側は、
カラー５の代りに、取着孔２とボルト７との間に
弾性片を介在させて、浮動できるようにしてあ
る。このため、後側は下側及び前側の弾性片によ
る浮動範囲で回動できる。回動できるようにした
後側の取着孔２は、エンジンケース１の内側と、
中央部で給油孔１０によつて連通させてある。エ
ンジンケース１内は、歯車等が装着されていて、
内部に潤滑オイルが封入してある。

作用について説明する。

エンジンを運転している間、エンジンケース１
内に封入された潤滑オイルは、歯車等の回転によ
つて撹拌されるので、給油孔１０を通つて取着孔
２とカラー５の間に入り、この部分を潤滑でき
る。潤滑オイルは、常時エンジンケース１内に入
つているので、潤滑切れを起すことがない。こう
して、エンジンケース１の取着孔２とカラー５の
間の動きが、いつまでも確保できる。従つて、取
着孔２とカラー５の動きが悪くなつて、機枠８に
エンジンの振動が直接伝わるようになるのを防止
できる。

以上説明したように、この考案は、エンジンケ
ースの外側に取着孔を突設し、該取着孔に両端を
シールしたカラーを挿入し、カラーの内孔に通し
たボルトを機枠のステーに締着するようにし、エ
ンジンケースに、取着孔と内側を連結する給油孔
を設けたので、エンジンケース内に封入した潤滑
オイルが、取着孔とカラーの間に給油孔を通して
供給される。従つて、取着孔とカラーの動きが潤
滑不足、錆の発生等によつて悪くなることがな
く、動き不良によつて、機枠にエンジン振動が直
接伝わるようになるのを防ぐことができる。そし
て、取着孔に、エンジンケース内に封入した潤滑
オイルが供給されるので、メンテナンスを考えな
くてよい。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は第１図Ａ−Ａ矢視拡大断面図であ
る。 １……エンジンケース、２……取着孔、４……
シール、５……カラー、６……内孔、７……ボル
ト、８……機枠、９……ステー、１０……給油
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンケースの外側に取着孔を突設し、該取
   着孔に両端をシールしたカラーを挿入し、カラー
   の内孔に通したボルトを機枠のステーに締着する
   ようにし、エンジンケースに、取着孔と内側を連
   結する給油孔を設けたことを特徴とするエンジン
   の懸架装置。