JPS6234532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 ａ 産業上の利用分野 本考案は連続して編成される靴下生地を裏返す
と共に分断し且つトウ部をかゞる自動装置に関す
る。

ｂ 従来の技術 従来、ダブルシリンダ靴下編機は靴下生地を連
続した帯状に編成するため片足づつ分断すること
を要し、分断のために予じめウエルト部とトウ部
の境目に抜糸コースと捨編コース及びリンキング
コースをそれぞれ編立てゝおき、抜糸コースの糸
を鋏で切断し手作業で抜糸することにより分断し
ている。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 抜糸コースの糸を鋏で切断し抜糸する手作業は
面倒であると共に作業能率が低い。

更に分断された靴下の爪先部をかゞるリンキン
グ工程に備えて靴下生地を予じめ裏返しにしてお
くことを要し、更にリンキング口程終了後は蒸熱
セツト工程に備えて再度分断された靴下を裏返し
表編地を表面に反転しなければならない。

「考案の構成」 ａ 前記問題点を解決するための手段 本考案はこのような実情に鑑み提供したもの
で、ダブルシリンダ靴下編機より連続して帯状に
連続した靴下生地を被せる挿込み管と、挿込み管
に被せた靴下生地に接離自在に摺擦して挿込み管
の奥部へ靴下生地を摺動させる圧接ロールとを具
備した裏返し装置と、予じめ靴下生地のウエルト
部とトウ部に連設して数コース編立てた薄手のセ
パレートコースと厚手のウエルト部の境目に形成
される段部を係止して引揃える上刃と下刃を具え
た引揃え部材と、引き揃えた靴下生地のセパレー
トコースを切断するカツタを摺動自在な架台上に
装設せる引き揃え切断装置と、靴下生地の厚手の
トウ部とセパレートコースの境目に形成される段
部を係止する隙間を対向端面間に保持した上ガイ
ドと下ガイドとから構成されるガイド部材を前記
引揃え切断装置の側面に対向してベツド上に並設
しガイド部材と並走するように設けたスラツトコ
ンベヤの各板子上に板子と間隔を保持して靴下生
地を嵌挿し保持する筒状の係着部材をガイド部材
と直交する方向に横設し、更に靴下生地のトウ部
を接離自在に蛟持すると共に切断された靴下生地
のトウ部を上向きになる如く転倒する起倒自在な
クランプ部材を該係着部材と対向し且つ前記ガイ
ド部材と接近して板子上に並設し、クランプ部材
から上向きに突出したトウ部をかゞるリンキング
装置をスラツトコンベヤの上方に設け、係着部材
に嵌挿され且つトウ部をかゞつた靴下に摺擦して
係着を解放する移動自在をローラ装置と、係着部
材の開口端部に嵌脱自在に嵌着する靴下吸引装置
をスラツトコンベヤの終端に接近し装設したこと
を要旨とし、編成された靴下生地の裏返し工程
と、表編地に裏返す工程を一人の作業者が最初の
裏返し工程のときに挿込み管に挿入する手作業及
び裏返された靴下生地に予じめ編立てたセパレー
トコースを引揃え切断装置に挿入する手作業のほ
かは皆て自動的に動作するもので、作業能率の向
上と作業人員の削減を図ると共に編糸の節約と編
成時分の短縮を図ることを目的とする。

ｂ 作用及び実施例 以下に本考案の実施例を図面によつて作用と共
に詳述すると、ダブルシリンダ靴下編機により連
続して編成された帯状の靴下生地１を被せる挿込
み管２の軸方向外面に対し接離自在摺擦すると共
に移動しながら回動する靴下生地１を挿込み管２
の奥部に達するまで摺動させ被せる一対の圧接ロ
ール３，３を挿込み管２に移動自在に装設し、靴
下生地１の後端が挿込み管２の挿口に達したとき
挿込み管２内の空気を吸引して該後端を挿口より
管内へ吸引して靴下生地１を裏返し、挿込み管２
の末端に裏返しにされた靴下生地１を引出す取出
し口４を定着した靴下生地の裏返し装置５を設け
る。取出し口４に接近してベツド６に垂設したモ
ータM1の駆動軸にクランク円板７を定着すると
共にクランク杆８を連結し、ベツド６上に敷設し
たレール９，９上を摺動する架台１０の側縁部に
クランク杆８の他端を連結する。予じめ靴下生地
のトウ部１′とウエルト部１′の境目に薄手のセパ
レートコース１１を数コース編成し、セパレート
コース１１とトウ部１′及びウエルト部１″の境目
に形成される段部を係止しつつ引揃える上刃１
２′を具えた引揃え部材１２を架台１０上に立設
せるブラケツト１４に高さ調節自在に横架定着す
ると共に上刃１２′と若干の間隙を保持して下刃
１３′を並列する如く下刃１３′を具えた引揃え部
材１３を架台１０上に立設定着し、更に下位の引
揃え部材１３の後端寄りにカツタ１５を揺動自在
に枢着し且つカツタ１５の後部に連杆１５′を固
着し、架台１０上に固着せるモータM2の駆動軸
に定着したクランク円板１６にクランク杆１７を
枢着して該クランク杆１７の他端を連杆１５′に
連結することにより摺動自在な架台１０に靴下生
地の引揃え切断装置を装設する。引揃え部材１２
の側面に対向して上ガイド１８をベツド６上に立
設せるブラケツト２０に高さ調整自在に横架定着
すると共に上ガイド１８と若干の間隙を保持して
引揃え部材１３の側面に対向する下ガイド１９を
ベツド６に立設定着することによりガイド部材を
形成し、靴下生地１のセパレートコース１１を上
ガイド１８と下ガイド１９間に形成される間隙
と、引揃え部材１２，１３の上刃１２′と下刃１
３′間に形成される間隙の双方にわたつて挿入
し、架台１０に立設した引揃え部材１２，１３を
モータM1の駆動により摺動しガイド部材に対し
平行移動することによりセパレートコース１１を
拡張して引揃えウエルト部１″に接近したセパレ
ートコース１１の編目をカツタ１５で切断するの
である。ガイド部材と並走するスラツトコンベヤ
２１を設け、スラツトコンベヤ２１を構成する各
板子２２上のガイド部材側に一対のブラケツト２
３，２３を定着し、該ブラケツト２３，２３の反
対側の板子２２上に板子２２と間隔を保持して靴
下生地１を嵌挿して保持する筒状の係着部材２４
をガイド部材と直交する方向に横設し、更に靴下
生地１のトウ部１′を接離自在に蛟持する上位蛟
持杆２５の一端部を下位蛟持杆２６の両端部をブ
ラケツト２３，２３に枢着して係着部材２４側に
対し起倒自在とし、更に上位蛟持杆２５の先端部
に欠設した凹部２５′に圧入して上位蛟持杆２５
を下位蛟持杆２６に係着する弾性留金２７を下位
蛟持杆２６の一方の側端面に固着すると共に上位
蛟持杆２５の凹部２５′を設けた側と反対側の側
端面に凸部２５″を突設し、凸部２５″に弾接して
上位蛟持杆２５を下位蛟持杆２６と離隔し斜上向
きに立上がらせる補助板ばね２８を下位蛟持杆２
６の他方の側端面に固着し、且つ上位蛟持杆２５
と下位蛟持杆２６の接合面をそれぞれ鋸歯面に形
成してクランプ部材３０を構成する。第１図に示
す第ポジシヨンにおいて前記架台１０上にモー
タM3を立設して駆動軸にカム２９を定着し、カ
ム２９を上位蛟持杆２５の上面に圧接させること
により上位蛟持杆２５を下位蛟持杆２６と接離自
在に接合し靴下生地１のトウ部１′を鋸歯面で蛟
持する。第１図に示す第ポジシヨンにおいて片
足づつ分断され且つクランプ部材３０によつて蛟
持された靴下生地１が第ポジシヨンに移送され
てきたとき、クランプ部材３０の側面を摺擦して
押圧することによりクランプ部材３０を係着部材
２４側へ傾斜させ次いで自重により90度転倒させ
る平面視において曲線を画く押倒し杆３１をクラ
ンプ部材３０の通過する経路に近接してベツド６
上に立設する。クランプ部材３０に挟持され且つ
クランプ部材３０の転倒によつて上向きになつた
トウ部１′をかゞるリンキング装置３２をスラツ
トコンベヤ２１の上方に設け、第１図に示す第
ポジシヨンにクランプ円板３３の回動によりクラ
ンク円板３３の周面と摺擦して往復する押圧杆３
４をベツド６を刺挿して斜上向きに設け、トウ部
１′のかゞり工程を完了した靴下生地１を蛟持せ
るクランペ部材３０が第ポジシヨンに達したと
き押圧杆３４が斜上向きに進行してクランプ部材
３０を起立させ、更に押圧杆３４が進行すること
により上位蛟持杆２５を押し上げ下位蛟持杆２６
との係合を解放し靴下生地１の蛟持を解放する。
トウ部１′がかゞられ且つ係着部材２４に身部を
嵌挿し保持された靴下生地１が第１図に示す第
ポジシヨンに達したとき、該第ポジシヨンにお
いてクランク円板３５に連結したクランク杆３６
に係着部材２４の後端部に嵌脱自在に嵌着する帽
嵌部３７′を連結すると共に帽嵌部３７′に吸引管
３７を連設し、更に第ポジシヨンにおいてスラ
ツトコンベヤ２１が折返すために板子２２が垂直
状態となる位置の上方にモータM4によつて駆動
され回動し、係着部材２４に嵌挿されていを靴下
生地１に圧接して抜取る方向へ移動させる圧接ロ
ール３８を設け且つモータM4を取付けたブラケ
ツト３９を矢印方向へ移動させ係着部材２４と圧
接ロール３８を係脱自在に係合させるモータM5
を装設する。４０はスラツトコンベヤ２１を構成
するリンク片、４１はカムであつて靴下生地１の
トウ部１′が上向きになつてリンキング装置３２
の真下に達する際に、トウ部１′を上方へ扛上さ
せてかゞり工程を容易に行なわせるため、該所を
通過するリンク片４０…を扛上させ板子２２をリ
ンキング装置３２側へ接近させるものである。

「考案の効果」 本考案は上記のように構成されるから、連続し
て帯状に編成された靴下生地１を手作業により挿
込み管２の挿口に被せると、圧接ロール３，３が
正転し且つ移動して靴下生地１を挿込み管２の奥
部へ引き入れる。靴下生地１の後端が挿込み管２
の挿口にある位置に達したとき挿込み管２内の空
気を吸引すると同時に圧接ロール３，３を逆転し
且つ挿口側へ移動させると靴下生地１は表裏を反
転され裏編地が表側となつて取出し口４に達す
る。取出し口４から引き出した靴下生地１を第
ポジシヨンにおいて手作業によりスラツトコンベ
ヤ２１に装設された筒状の係着部材２４に嵌挿
し、第ポジシヨンで予じめ靴下生地１に編成さ
れている薄手のセパレートコース１１を引揃え部
材１２，１３の上刃１２′と下刃１３′の間に形成
される間隙と、ガイド部材の上ガイド１８と下ガ
イド１９の間に形成される間隙の双方にわたつて
嵌入するとモータM1が作動して引揃え部材１
２，１３を立設した架台１０が移動し引揃え部材
１２，１３がガイド部材から離隔しセパレートコ
ース１１が引き伸ばされる。このときモータM3
が作動してカム２９が回動しクランプ部材３０の
上位蛟持杆２５を押圧して靴下生地１のトウ部
１′の端部を蛟持する。この蛟持完了と同時にモ
ータM2が作動しカツタ１５がセパレートコース
１１を切断する。片足づつ分断された靴下生地１
を蛟持したクランプ部材３０が第ポジシヨンで
押倒し杆３１に接触して90度転倒するとトウ部
１′が上向きに立上がり、更にカム４１の動作に
よつてクランプ部材３０を立設した板子２２が若
干扛上しリンキング装置３２によつて容易にトウ
部１′をかゞるのであり、かゞり工程の完了した
第ポジシヨンにおいて押圧杆３４が進行してき
たクランプ部材３０を押し上げて起立させ、次い
で上位蛟持杆２５を斜め上向きに押し上げて下位
蛟持杆２６との係合を解放すると靴下生地１のト
ウ部１′がクランプ部材３０から外れる。係着部
材２４に嵌挿された靴下生地１が第ポジシヨン
に達したときモータM5が作動して圧接ロール３
８が係着部材２４の真上へ移動し、同時にクラン
ク杆３６の動作によつて吸引管３７の帽嵌部３
７′が進行し係着部材２４の後端部に嵌着する。
吸引管３７の接続と同時にモータM4が作動して
圧接ロール３８が回動し係着部材２４に被せた靴
下生地１のトウ部１′端を係着部材２４の開口側
へ摺動させ同時に吸引管３７内の空気を吸引する
ためトウ部１′から裏返されて換言すれば表編地
が表側になるよう反転して吸込まれ放出されるの
である。

このように本考案は構造は堅牢で故障絶無であ
ると共に作動確実であり、然も作業人員を削減し
且つ作業能率を著しく高め、また編糸を節約する
すぐれた有用発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は引揃え切断装置を立設した架台とベツド上に立
設したガイド部材の関係位置を示す要部拡大平面
図、第３図は引揃え切断装置を示す要部拡大正面
図、第４図は同一部切欠左側面図、第５図はガイ
ド部材を示す要部拡大正面図、第６図は同左側面
図、第７図はクランプ部材と靴下生地の係着部材
を立設したコンベヤを示す要部拡大平面図、第８
図は同右側面図、第９図は同一部切欠正面図、第
１０図は引揃え部材とガイド部材及びクランプ部
材の関係位置と、靴下生地の挿入状態を示す要部
切欠正面図、第１１図は引揃え部材が移動し靴下
生地のセパートコースが引伸ばされた状態を示す
同正面図、第１２図は切断された靴下生地をクラ
ンプ部材で蛟持した状態を示す要部切欠正面図、
第１３図はクランプ部材を転倒させトウ部を上向
きにした状態を示す正面図、第１４図は同平面
図、第１５図は靴下生地を引揃え部材とガイド部
材にわたつて挿入すると共にクランプ部材の上位
蛟持杆を押圧してトウ部を蛟持した状態を示す要
部拡大正面図、第１６図はベツド上に立設した押
倒し杆とクランプ部材の関係位置を示す要部拡大
側面図、第１７図は靴下生地を裏返す装置を示す
斜視図、第１８図は靴下生地を分断する装置を示
す斜視図である。 １……靴下生地、１′……トウ部、２……挿込
み管、３，３８……圧接ロール、５……裏返し装
置、１１……セパレートコース、１２，１３……
引揃え部材、１５……カツタ、１８……上ガイ
ド、１９……下ガイド、２１……スラツトコンベ
ヤ、２４……係着部材、３０……クランプ部材、
３１……押倒し杆、３２……リンキング装置、３
４……押圧杆、３７……吸引管、３７′……帽嵌
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯状に連続した靴下生地を被せる挿込み管と、
   挿込み管に被せた靴下生地に接離自在に摺擦して
   挿込み管の奥部へ靴下生地を摺動させる圧接ロー
   ルとを具備した裏返し装置と、予じめ靴下生地の
   ウエルト部とトウ部に連設して数コース編立てた
   薄手のセパレートコースと厚手のウエルト部の境
   目に形成される段部を係止して引揃える上刃と下
   刃を具え且つカツタを具えた引揃え切断装置をベ
   ツド上に摺動自在に設けた架台に立設し、靴下生
   地の厚手のトウ部とセパレートコースの境目に形
   成される段部を係止する隙間を対向端面間に保持
   した上ガイドと下ガイドとから構成されるガイド
   部材を前記引揃え切断装置の側面に対向してベツ
   ド上に並設し、ガイド部材と並走するように設け
   たスラツトコンベヤの各板子上に板子と間隔を保
   持して靴下生地を嵌挿し保持する筒状の係着部材
   をガイド部材と直交する方向に横設し、更に靴下
   生地のトウ部を接離自在に蛟持すると共に切断さ
   れた靴下生地のトウ部を上向きになる如く転倒す
   る起伏自在なクランプ部材を該係着部材と対向し
   且つ前記ガイド部材と接近して板子上に並設し、
   クランプ部材から上向きに突出したトウ部をかゞ
   るリンキング装置をスラツトコンベヤの上方に設
   け、係着部材に嵌挿され且つトウ部をかゞつた靴
   下に摺擦して係着を解放する移動自在なローラ装
   置と、係着部材の開口端部に嵌脱自在に嵌着する
   靴下吸引装置をスラツトコンベヤの終端に接近し
   て装設して成る連続して編成される靴下生地を裏
   返すと共に分断し且つトウ部をかゞる自動装置。