JPS6234503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内容液の湯温の低下により容器内が
負圧となつた場合においても、それを速やかに解
消するとともに、密栓状態を常に保持し得るよう
にした容器の栓の構造に関する。

液体を収容する容器のうち特に断熱構造を有す
る保温容器では、熱湯を入れ密栓したまま放置し
ておくと、湯温が低下するに連れ容器内が減圧せ
しめられ、いわゆるバキユーム状態となり、栓が
容器内に吸引される結果、開栓に際し過大な力を
要するばかりか、容器がアルミニウムで形成され
ているような場合には、容器内の負圧力により変
形してしまい、元に戻らないという欠点がある。

そこで、本考案ではバキユーム現象が起つたと
き速やかにそれを解消し、その後あるいはバキユ
ーム現象のない平常時は、密栓状態を保持し得る
よう工夫したものである。

本考案の実施例を添付の図面に基いて説明す
る。

栓１の下面からこれより小径の栓子２を設け、
栓１の下部外周に水平平坦面である段部３を周設
する。

栓子２の根元近くには環状の突隆条４を設けて
段部３の周面３ａとの間に周溝５を形成し、該周
溝５中に上記突隆条４を無理に飛越えせしめて断
面略方形状のリング状のパツキン６を嵌入する。

段部３の周面３ａには、上記突隆条４を切断し
て周面３ａをえぐつた状態で、段部３の天面３ｂ
に至るまで縦溝７を形成する。

一方、段部３のうちパツキン６の上面が当接す
る天面３ｂには、第３図に示すように縦溝７と同
一線上における外端P₁からその途中、即ち容器Ａ
の肩部材Ｂの口部開口縁ｂ〔第５，６図〕とほぼ
対応する位置P₂、に至るまで横溝８を形成する。

栓１をネジ込むと、そのパツキン６が容器Ａの
肩部材Ｂの口部に密接して容器Ａ内を封鎖するこ
ととなるが、前記バキユーム現象のない平常時に
おいては、断面略方形状のパツキン６は、第５図
に示すようにその上面が全面に亘つて段部３の天
面３ｂに当接しており、横溝８が存在するにもか
かわらず密栓状態が保持され、シール効果が減殺
されることがない。

一方、内容液の湯温の低下に伴つて容器内が減
圧せしめられると、パツキン６は肩部材Ｂの口部
開口縁ｂとの当接部分を支点としてそれより内側
の部分が、負圧力により下方へ吸引され、下向き
に撓むようになる。すると、パツキン６の上面の
一部が第６図に示すように段部３の天面３ｂから
離れ、横溝８のところにあつては同図の左側に現
われるように、天面３ｂとの間に間隙Ｓが形成さ
れるに至る。従つて、横溝８と縦溝７とが上記間
隙Ｓを介して連通したような状態となり、横溝
８、間〓Ｓ、縦溝７を経て外気が内部に流入せし
められ、バキユーム現象は解消される。

なお、横溝８のないところにおいては、第６図
の右側に現われるように密栓状態が維持されてい
る。

バキユーム現象が解消されると、パツキン６の
撓みは元の状態に戻り、その上面が第５図に示す
ように、段部３の天面３ｂと再び当接するに至
り、密栓状態が維持される。

本考案においては、バキユーム現象が生ずる
と、その負圧力によりパツキン６の内側部分が下
方に吸引・変形せしめられ、段部３の天面３ｂと
の間に間〓Ｓを生ずるに至り、該間〓Ｓを介して
横溝８と縦溝７とが連通したような状態となり、
横溝８、間〓Ｓ、縦溝７を経て外気を容器内へ流
入させることができるから、容器内のバキユーム
現象を自然に解消することができ、栓１のネジ戻
しを容易に行うことができる。

また、上述したようにバキユーム現象を自然に
解消することができるから、たとえ薄肉のアルミ
ニウム容器を使用したとしても、バキユーム現象
による変形を生ずることがないから、容器を薄肉
のものとすることもでき、それだけコストダウン
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による容器の栓の実施例を示すも
ので、第１図は正面図で、一部を切欠いて示す、
第２図はその一部の拡大図、第３図は底面図で、
パツキンは省略して示す、第４図は使用状態を示
す側面図で、一部を切欠いて示す、第５図、第６
図はパツキンの作動状態を示す拡大図で、第５図
はバキユーム現象のない平常時を、第６図はバキ
ユーム現象が生じている場合を示す。 １……栓、３……段部、３ａ……周面、３ｂ…
…天面、４……突隆条、５……周溝、６……パツ
キン、７……縦溝、８……横溝、Ｓ……間〓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シール用のパツキンを巻装し容器口部に装着さ
   れ、容器の口部を水密的に閉鎖するようにした容
   器の栓において、栓１の下部外周にパツキン巻装
   用の段部３を周設し、該段部３の周面３ａには、
   段部３の天面３ｂに至るまで縦溝７を、また、段
   部３の天面３ｂには、縦溝７と同一線上において
   その外端から途中に至るところまで横溝８を、そ
   れぞれ形成したことを特徴とする容器の栓。