JPS6233883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用ドアラツチ装置に関するもの
である。

自動車用ドアラツチ装置は、第１図に示すよう
に基本的にはベース１に回転可能にそれぞれ軸着
されたクロー２とデイテントレバー３の組合せよ
りなり、ドア閉時車体ピラー側に固設したドアス
トライカ４がＡ矢印の如く相対的に進行して来て
鎖線示のようにアンラツチ位置にあるクロー２の
係止溝２ａの一側縁２a′に当つてこれを押圧回転
させつつ、実線示の如く係止溝２ａ中に係合し、
そのときデイテントレバー３がクロー２の爪部２
ｂに係合してドアラツチ状態を保持し、デイテン
トレバー３を図示しないオペレーテイングレバー
を操作することにより図において反時計方向に回
動させ、クロー２の爪部２ｂとの係合を解除する
と、クロー２はリターンスプリング５の復元力に
よつて図において反時計方向に回動し、ドアスト
ライカ４は係止溝２ａより抜け出し、鎖線示のア
ンラツチ状態となるよう構成される。

クロー２のリターンスプリング５は合成樹脂製
ベース１に形成したクロー２の回転中心Ｏを中心
としたほぼ円弧状の溝１１内に嵌装され、該リタ
ーンスプリング５の一端部はクロー２に突設した
レリーズピン２１に当接し、クロー２のラツチ方
向回動時該レリーズピン２１によりリターンスプ
リング５は第１図示のように圧縮され、アンラツ
チ時リターンスプリング５の復元力にてレリーズ
ピン２１を介してクロー２をアンラツチ位置に回
動させるようになつており、このようなドアラツ
チ装置は例えば実開昭52−68516号等数多く開発
されている。

上記のようなドアラツチ装置において、組付状
態では第１図示のように溝１１上面はクロー２に
てほとんど覆われた状態となるので、クロー組付
前に予じめ溝１１内にリターンスプリング５を嵌
装しておかなければならないが、溝１１内にリタ
ーンスプリング５を予じめ嵌装した状態では該リ
ターンスプリング５の両端部は溝１１の両端縁部
１１ａ及び１１ｂに弾接した状態となつている。

この状態でクロー２を組付けるときレリーズピ
ン２１を溝１１の一端縁部１１ａとそれぞれに弾
接しているリターンスプリング５の一端部間に嵌
め込まねばならないが、レリーズピン２１先端で
スプリング５の一端をこねて幾分圧縮させて端縁
部１１ａ間にすき間を形成しそのすき間にレリー
ズピン２１を嵌め込まねばならずその作業中スプ
リング５が跳ねて飛び出すことがある等、作業が
非常に厄介であるばかりか、レリーズピン２１で
スプリング５の端部をこねる場合スプリング５端
部を変形させてしまうと言う不具合も生じること
がある。

本考案は、上記のような従来の不具合に対処す
る為に、第３図に示すように上記溝１１の一端縁
部１１ａに近い位置にスプリング５が当接するス
プリング受部１２を内側に向けて突出形成し、ス
プリング５の一端を先細りとなるよう徐徐に縮径
させてたけの子状部５ａを構成し、スプリング５
を溝１１内に組付けたとき該たけの子状部５ａの
基部が上記スプリング受部１２に当接することに
よりたけの子状部５ａの先端部と溝１１の一端縁
部１１ａ間に所定の間隙δが保たれるよう構成す
ると共に、第４図に示すようにクロー２に設けら
れるレリーズピン２１の先端部を先細りのテーパ
部２１ａに構成したものである。

尚スプリング５のたけの子状部５ａ先端部と溝
１１の一端縁部１１ａ間の間隙δは、レリーズピ
ン２１のテーパ部２１ａ先端部の直径よりは大
で、レリーズピン２１の円柱部の直径よりは小な
るよう設定される。又スプリング受部１２の突出
高さはレリーズピン２１の溝１１内の移動を妨げ
ることがない程度の高さとする。

上記のように構成した本考案によれば、先ずベ
ース１の溝１１内にスプリング５を組込んだとき
該スプリング５の一端部は溝１１内に突出形成し
たスプリング受部１２に弾接支持され、スプリン
グ５先端のたけの子状部５ａがスプリング受部１
２から溝１１の一端縁部１１ａ側に突出し、該一
端縁部１１ａに所定の間隙δをもつて対向した状
態に保持される。

その状態でクロー２を、該クロー２に設けたレ
リーズピン２１を一端縁部１１ａに沿つて溝１１
内に挿し込みつつベース１に組付けると、該レリ
ーズピン２１のテーパ面部２１ａ先端がまず前記
たけの子状部５ａ先端と溝の一端縁部１１ａ間に
入り、ある程度入つたところでテーパ面部２１ａ
がたけの子状部５ａ先端に接触した後該テーパ面
にてたけの子状部５ａを押圧圧縮させつつレリー
ズピン２１の挿込みが完了する。

上記のように予じめ設けられている隙間に先細
りのテーパ面部を挿し込んで行くので、レリーズ
ピンの挿込に際してスプリング先端部はレリーズ
ピンにてこじられることは全くなく、スプリング
先端のたけの子状部はテーパ面により的確に圧縮
変形され、クローの組付を極めて簡単に行うこと
ができると共に、レリーズピン挿込完了時には該
たけの子状部は一杯に圧縮され、その弾性復元力
にてレリーズピンを溝端縁部に押しつけ、クロー
のアンラツチ位置規制を確実に行う。

以上のように本考案によれば、極めて簡単なる
構成によりクローの組付作業性の大幅な向上をは
かり得ると共にクローのリターンスプリング端部
がこじられて変形するような不具合を完全に解消
することができるもので、実用上多大の効果をも
たらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用すべきドアラツチ装置の
要部正面図、第２図は第１図の−断面図であ
る。第３図は本考案の実施例を示すもので、クロ
ーのリターンスプリング組付部の正面図、第４図
は本考案におけるクローのリターンスプリングと
クローに設けたレリーズピンとの関係を示す分解
説明図である。 １……ベース、１１……溝、１２……スプリン
グ受部、２……クロー、２１……レリーズピン、
２１ａ……テーパ面部、３……デイテントレバ
ー、４……ドアストライカ、５……リターンスプ
リング、５ａ……たけの子状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースに回転可能に取付けられるクローのリタ
   ーンスプリングを、ベースに形成した溝内に嵌装
   し、該リターンスプリングの一端部に当接するレ
   リーズピンを上記クローに設けたドアラツチ装置
   において、上記リターンスプリングの一端部を先
   細りのたけの子状に形成し、該リターンスプリン
   グが嵌装される溝の一端縁部近傍位置に、リター
   ンスプリングのたけの子状部の基部が当接したけ
   の子状部先端が溝の一端縁部に所定の間隙をもつ
   て対向する状態に保持するスプリング受部を突出
   形成すると共に、クローに設けられるレリーズピ
   ンの先端に先細りのテーパ面部を形成したことを
   特徴とする自動車用ドアラツチ装置。