JPS6233131B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は複数の目的物を連結する係止片を連結
部材に一体的に連結した係止片群を提供すること
を目的とする。

〔従来技術〕

複数の目的物の連結、例えば商品に値札を取付
ける係止片は、例えば米国特許第3103666号明細
書に記載されている如く、頭部とこれの中央より
横に伸びるフイラメント部と、これのフイラメン
ト部の一端に直交して設けた横棒より構成され、
合成樹脂で一体的にＨ形に成形されたもので、こ
の係止片は、取扱上の便宜のために30〜50本を一
体として連結棒に櫛状に植設した状態で成形さ
れ、前記米国特許明細書に記載されるような、溝
を設けた針を有する取付具に、係止片を厚み方向
に多数連結した係止片群を差し込んだ後、前記針
に値札等を通してこの針を商品に貫通させる。そ
して、前記係止片群から１個の係止片を切り離す
とともに、この係止片の横棒を針の中に押し込み
フイラメント部分を横棒と並行になるように曲げ
た状態のまま横棒を商品の裏側まで誘導し、この
横棒が針から抜け出たところで針を商品及び値札
等から抜けば、並行状態になつていた横棒とフイ
ラメント部分がＴ字状に復帰して商品と値札等を
連結することができ、取付操作が著しく簡単であ
るので、多くの用途に使用されている。

この係止片は通常小型化されたものであつて、
横棒の直径0.8〜1.0mm、横棒の長さ８〜10mm、頭
部の幅８〜10mm、頭部の高さ３〜５mm、頭部の厚
み0.7〜1.0mmのごときものである。しかし、フイ
ラメントは柔軟なたわみ性が必要とされ、連結棒
上に植設された係止片が植立状態に乱れを生じ、
成形後容器に多数収納し、これを梱包した場合、
例えば輸送中に、頭部が第６図の如くからみ合つ
てしまい、１個の係止片群を取り出そうとした場
合に別の係止片群が引き出されてしまうという好
ましくない問題があつた。

前記からみ合いの問題を解決するために、特開
昭47−19800号公報に示されるように、フイラメ
ントを横棒と直交性を維持するべく強靭性を持た
せ、外力なしではたわむことなく自立するような
強度としたものや、特公昭52−20240号公報に示
されるように頭部の間を細いフイラメント状の連
結部で連結したり、頭部の間の弱い接着剤層で連
結し、横棒の近傍および頭部とが一連にまとめら
れたものが提案されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、前記特開昭47−19800号公報に示さ
れる係止片群は、各フイラメントは外力なしでは
たわむことなく、係止片群のからみ合い防止に多
少効果があるものの、各係止片間の間隔が比較的
広いため、係止片打込み時に横棒がカツターによ
り切断される時の衝撃により、切断された係止片
の位置が変化して横棒がガイド針方向と一致せ
ず、打込み不能となることも多かつた。

また、特公昭52−20240号公報に示される係止
片群では、係止片打込み時に横棒がカツターによ
り切断されても、頭部の連結部が引き千切られる
までに、横棒が頭部を中心に回動するようにな
り、これまた横棒がガイド針方向と一致せず、打
込み不能となることも多かつた。

さらに後者では、頭部の連結部が引き千切られ
た時に、連結部が針状に伸びて頭部の表面にひげ
状の小突起が突出することになる。

係止片は、衣類等布帛製品の柔かく、繊細な構
造をもつ品物に取付けられる場合が多いが、前記
のように頭部の表面に針状の小突起があると、こ
れが繊細な繊維製品の組織を引掛けて端糸を引き
出したり、切断するので商品価値を著しく低下す
るという問題があつたのである。

このような事情から前記従来の係止片はロー
ン、ジヨーゼツト、トリコツト等繊細な組織をも
つ繊維製品には実質的に使用できないものであつ
た。

本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、係止
片打込み時の位置変化による障害を排除し、から
み合いを解消し、前記頭部表面の小突起による欠
点を全く生じない係止片群を提供するものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、拡大面を有する頭部と、この頭部の
中央部より直交して伸びるフイラメント部と、こ
のフイラメント部の端部に直交し、前記頭部の面
に並行して接続された横棒よりなる係止片が複数
個頭部の面を並行にして前記横棒より前記フイラ
メント部の反対方向に伸びる接続部を介して連結
棒に一体的に連結された合成樹脂製の係止片群に
おいて、前記フイラメントを外力なしではたわむ
ことなく自立する強度に形成し、かつ相隣る頭部
及び横棒同士を互いに接触状態に近い間隔で配列
し、かつ相隣る頭部を無接触状態としたことを特
徴とする係止片群である。

〔実施例〕

以下図面に従い本発明の実施例を説明する。

第１図は本発明の係止片群の正面図、第２図は
同側面図で、係止片Ｔは頭部１とフイラメント部
２と、横棒３により構成され、接続部４を介して
連結棒５に全体として櫛状に接続されている。

第１図に例示するように、係止片は比較的偏平
な拡大面を有する頭部１と、頭部の面に並行に伸
びる横棒３と、これらの間を連結するフイラメン
ト部２とよりなり、接続部４を介して連結棒５に
連設される。

フライラメント２は図面に示すように外力が加
わらなければたわむことなく自立しうる強度で、
取付の際には充分にたわむことができる。通常延
伸により繊細性、強度性およびたわみ性が高めら
れる。

また、第２図に示されるように、相隣る係止片
の頭部１及び横棒３の間隔はできるだけ最小の間
隔に配列し、しかも相隣る頭部１同士は無接触状
態に維持される。

すなわち、各頭部１及び各横棒３の厚さＡより
相隣る相互間の距離（すなわち間隔）Ｂはできる
だけ小さくし、ピツチＰ（係止片間の距離）は
2A近くとし、互いに接触しない状態とする。

仮想線で示した係止片T′とT₁は、従来の係止
片の配列状態を示すもので、頭部間距離B′は1.2
〜1.6mmで、ピツチP′は1.9〜2.3mm程度であつた
が、このような従来の疎な配列の係止片群に対し
て、本発明の係止片群は、頭部１及び横棒３の各
相互の間隔をできる限り小さくし、金型製作が許
される範囲で最小にする。

従つて本発明では、相隣る係止片Ｔの頭部１及
び横棒３の各間隔が極めて小であり、かつ頭部１
同士も無接触状態にあるから、係止片の打込みに
際して残つている相隣る係止片Ｔの頭部１及び横
棒３がガイドの役目をすると同時に、打込まれる
係止片Ｔの横棒３は円滑にガイド針方向に一致し
た位置に保たれ、打込みは正確に支障なく行わ
れ、品質を損なうことがない。

なお、第３図ないし第５図は、本発明の他の実
施例を示すもので、からみ合いを更に少なくした
頭部形状に構成している。

第３図は、頭部１の横棒３に向う側縁面１ａを
ブラウン管状に曲線に形成したものである。

本考案の係止片の間隔は従来品よりはるかに狭
く、またフイラメントがたわむことなく自立して
いるので、係止片群の頭部がフイラメント間に入
り込むことは皆無に近い。仮に衝撃のごとき外力
が加わつて入り込んだとしても、頭部面が並行に
保たれているのでからみ合いは容易にとけるが、
第３図に示す頭部形状では、ときほぐしの力Ｘが
接触する頭部の側縁面１ａ間に作用すると、その
力ＸはＹとＺの合力と考えられ、互いに外側方向
へ移動される力Ｚが生じ、からみ合いは一層とけ
易くなる。

第４図は面１ａを傾斜した直線状に形成したも
ので、前記からみ合いの解除効果は更に顕著にな
る。

第５図は実質的に第４図の場合と同様である
が、フイラメント部２の頭部に近い位置に未延伸
部２ａを有しており、この種の係止片によればフ
イラメント部２の長さを延伸条件の選定により
種々調節できる点において有利である。

〔発明の効果〕

本発明の実施に当つては、第１図に示す如くピ
ツチＰが従来のピツチP′より著しく小さい関係
上、精密な金型が必要であるが、次の如き各種の
すぐれた効果を奏する。

(1) 本発明の係止片群は、相隣る頭部及び横棒の
間隔が小さく、打込みの際に残つている相隣る
係止片の頭部及び横棒がガイドの役目をし、打
込まれる係止片の位置を円滑に正しく保持し、
打込み作業を正確かつ円滑に行うことができ
る。

(2) 本発明の係止片群は、フイラメント部が接近
して配列された状態となるので、係止片同士の
絡みが極度に減少して包装が簡易化されると共
に、使用に際して絡まないように特に注意する
必要はない。

また、頭部をフイラメント状の連結部に連結
する必要がなく、従つて頭部の表面に小突起を
形成することがないので、繊細な布帛製品に本
発明の係止片群から分離された係止片を使用し
ても従来品の如く引掛りによつて製品を損傷す
るおそれがない。

(3) 同一本数の係止片を有する係止片群であつて
も、従来の係止片に比較して連結棒５が短縮さ
れ、またフイラメントが自立性であるので、取
付装置に装填しやすく、また係止片取付操作中
に邪魔になることがない。

(4) 係止片群は密集しているので、全体としてま
とまりがよく、打込まれる係止片は、次に打込
まれる係止片の頭部が一種の案内面となつて横
方向に逸脱することがなく、確実に取付装置の
先端に設けた針の部分まで送り込むことができ
る。

(5) 成型工程においては、ランナーの役目をする
連結棒が従来の係止片群のそれに比較して短縮
されるので、溶融した合成樹脂の流れがよく、
不良品を発生することがない上に、成型材料を
節減でき、ひいては金型を小型化することがで
きる。

(6) 合成樹脂成型品は、成型後、肉厚の厚い部分
が収縮し、特に係止片群においては連結棒が頭
部側に曲り易い特性を有する。しかし本発明の
係止片群においては頭部が密集しているので前
記連結棒の曲りが少なく、殆ど連結棒が真直ぐ
な製品を製造することができる。また、注湯口
から係止片群の最も遠い係止片の頭部まで溶融
した合成樹脂が流れる通路が短いので、連結棒
の断面を小さくし、前記曲りを防止すると共
に、材料を大幅に節減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る係止片群の第１の実施
例を示す正面図、第２図は側面図であり、鎖線は
従来品との比較説明用仮想線である。第３図、第
４図および第５図は他の実施例に係る係止片群の
側面図である。第６図は従来の係止片群が絡み合
つた状況を示す斜視図である。 Ｔ……係止片、１……頭部、２……フイラメン
ト部、３……横棒、４……接続部、５……連結
棒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 拡大面を有する頭部と、この頭部の中央部よ
   り直交して伸びるフイラメント部と、このフイラ
   メント部の端部に直交し、前記頭部の面に並行し
   て接続された横棒よりなる係止片が複数個頭部の
   面を並行にして前記横棒より前記フイラメント部
   の反対方向に伸びる接続部を介して連結棒に一体
   的に連結された合成樹脂製の係止片群において、
   前記フイラメントを外力なしではたわむことなく
   自立する強度に形成し、かつ相隣る頭部及び横棒
   同士を互いに接触状態に近い間隔で配列し、かつ
   相隣る頭部を無接触状態としたことを特徴とする
   係止片群。