JPS6232864Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、情報処理システムにおける印刷装
置の媒体供給装置に関するものであつて、印字部
が印字ヘツドとプラテンによつて構成され、印刷
用紙がプラテンの後方から供給されてプラテンの
前方から上方に向けて排出される形式の自動給紙
装置を有する印刷装置において、この印刷装置に
個別的な処理が要求されるシート媒体を手差しに
よつて容易かつ正確に供給することができるよう
にしたものである。

情報処理システムにおける近時の印刷装置に
は、シート媒体を連続的かつ自動的に処理できる
機能が要求されており、印字部が印字ヘツドとプ
ラテンとによつて構成され、印刷用紙がプラテン
の後方から供給されてプラテンの前方から上方に
向けて排出される形成の媒体経路を有する印刷装
置においては、シート媒体を自動的に印字部へ供
給するための自動給紙装置がプラテンの後方に装
置され、印字後の媒体用紙をスタツクするための
排紙トレーがプラテンの上方に設置される。そし
てこのような印刷装置では、前記排紙トレーにス
リツトを設けることにより、このスリツトからシ
ート媒体をプラテンの後方へと挿入して手差しに
よる印刷処理をも可能な構成とすることができ
る。

しかしながら排紙トレーにこのようなスリツト
を単に設けただけでは、シート媒体をこのスリツ
トに挿入する作業が必ずしも容易ではなく、ま
た、挿入されたシート媒体が傾いたまま印刷装置
に供給されることも多く、手差媒体の供給構造と
して満足すべきものとはいえない。

この考案は、印字部から排出された印刷用紙を
押えるために設けられる用紙押えを利用して排紙
トレーに設けたスリツトに手差媒体を容易に挿入
することができるようにした媒体供給装置を提供
しようとするものである。

以下、この考案を図面に示す実施例に基いて詳
述する。

第１図は、この考案の印刷媒体供給装置を印刷
装置の要部とともに示す側面図であつて、１はプ
ラテン、２は印字ヘツド、３，４はプラテン１に
当接して回転する送りローラ、５は印刷媒体供給
装置を構成する各部材を支持しているフレームの
側板である。第１図は図上手前側の側板を省略し
て示されている。

６はカセツト装填部であつて、自動処理される
シート媒体は、図示しないカセツトに収納されて
このカセツト装填部６に装填され、当該カセツト
自体に装着されている摩擦給紙手段によつて１枚
ずつ媒体供給口７からプラテン１に向けて送り出
される。８は排紙トレー、９，１０は排給ローラ
で、この排紙ローラ９，１０は図示しない回転伝
達機構によつてプラテン１とともに駆動される。
印刷処理が行われてプラテン１の前方（図上左
側）から上方に向けて送り出されてくる印刷用紙
は、排紙ローラ９，１０に挟持されて排紙トレー
８内へと排出される。１１は排出された用紙を押
えるために設けられている用紙押えである。

排紙トレー８は、背面板８ａと底部材８ｂとで
構成されており、この背面板８ａと底部材８ｂと
の間にはスリツト１２が形成され、個別的な処理
が要求されるシート媒体をこのスリツト１２から
手差しによつて媒体供給口７へと挿入することが
できる構造となつている。そして用紙押え１１
は、背面板８ａに固設したブラケツト１３に枢着
して設けられ、用紙押え１１を図の想像線で示す
位置に回動させたときに当該用紙押えの基端１１
ａがスリツト１２に連接されるように構成されて
いる。１４は用紙案内片、１５は用紙案内片１４
に形成されたブラケツト、１６はブラケツト１５
と排紙トレーの背面板８ａとの間に張架された引
張バネであつて、これらの部材の構成については
後述する。

排紙トレー８と用紙押え１１の詳細構造は、第
２図に示されている。図に示すように、用紙押え
１１は線材を屈曲させて形成されたものであつ
て、その両端がブラケツト１３に設けた透孔１７
に回動自在に挿通され、かつ、当該ブラケツト１
３に設けた係止溝１８ａ，１８ｂのいずれかに係
着されることによつて保持されている。用紙押え
１１を係止溝１８ａに係着させたときには、用紙
押え１１は第１図に実線で示す排紙トレーの背面
板８ａと略平行な状態で保持され、係止溝１８ｂ
に係着させたときには、用紙押え１１は第１図に
想像線で示す傾斜した状態で保持される。用紙押
え１１と係止溝１８ａ，１８ｂとの係着は、用紙
押え１１自体の弾力によつて行われている。

以上のように構成された印刷媒体供給装置によ
れば、手差しによつてシート媒体を処理しようと
する際には、用紙押え１１を第１図の想像線の位
置に保持させることにより当該シート媒体をスリ
ツト１２に案内する楔状の案内路１９が背面板８
ａと用紙押え１１とによつて形成されるので、当
該媒体用紙の先端を極めて容易確実にスリツト１
２に導くことができ、手差しによるシート媒体の
挿入が極めて容易となる。

用紙案内片１４は、手差しによるシート媒体の
側辺を案内して用紙が傾がつて挿入されることが
ないようにするために設けられているものであ
る。そして自動処理されて排出されてくるシート
媒体がこの案内片１４に当接して用紙の排出が円
滑に行われなくなることがないよう、この用紙案
内片１４は進出退避自在にして装着されている。
すなわち、この用紙案内片１４は、第３図に示す
ように、ピン２０によつて排紙トレーの背面板８
ａに回動自在に装着されており、案内片１４に設
けられたブラケツト１５が背面板８ａに形成され
た透孔２１から背面板８ａの裏面へと突出してお
り、このブラケツト１５と背面板８ａの裏面に植
立したピン２２との間に引張バネ１６が張架され
ている。そしてピン２０，２２およびブラケツト
１５が第４および第５図に示すような位置関係と
され、ブラケツト１５が透孔２１の側縁に当接す
ることと相まつて２位置止め機構が構成されてい
る。すなわち、手差媒体の挿入時には用紙案内片
１４が第４図に示すように保持されて手差媒体用
紙の側辺を案内し、媒体用紙の自動処理時には第
５図に示すように案内片１４を退避させることに
より排出されてくる媒体用紙がこの用紙案内片１
４にぶつかるのを防止する構造となつている。な
お第２図にはこの用紙案内片１４にガイドされて
スリツト１２へ挿入される用紙の状態が一点鎖線
で示されている。ここで２３は例えばB4判の用
紙、２４は例えばA4判の用紙である。

以上詳述したようにこの考案の印刷媒体供給装
置は、排紙トレー８に設けられている用紙押え１
１を回動させて傾斜させた状態で保持させること
により、当該用紙押え１１と排紙トレーの背面板
８ａとによつて手差媒体をスリツトに導くための
案内路１９が形成されるようにしたものであるか
ら、手差媒体用紙を極めて容易に印刷装置に供給
することができるものである。そしてこの手差媒
体用紙は、図示実施例に示すような用紙案内片１
４によつて側辺をガイドされてスリツト１２へと
供給され、当該手差媒体は極めて容易かつ正確に
印刷装置に挿入されることになり、手差しによる
シート媒体の処理を極めて円滑に行うことができ
るようになる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案に係る媒体供給装置の一実施例を
示したものであつて、第１図は印刷装置の要部と
ともに示す側面図、第２図はこの考案の要部の構
造を示す斜視図、第３図は用紙案内片を示す部分
拡大斜視図、第４図および第５図は用紙案内片の
作動を示す正面図である。 図中、１はプラテン、２は印字ヘツド、６はカ
セツト装填部、７は媒体供給口、８は排紙トレ
ー、８ａは背面板、８ｂは底部材、９，１０は排
紙ローラ、１１は用紙押え、１１ａは用紙押えの
基端、１２はスリツト、１３はブラケツト、１４
は用紙案内片、１７は透孔、１８ａ，１８ｂは係
止溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印字部が印字ヘツドとプラテンによつて構成さ
   れ、印刷用紙がプラテンの後方から供給されてプ
   ラテンの前方から上方に向けて排出される形式の
   自動給紙装置を有する印刷装置における印刷媒体
   供給装置であつて、プラテンの上方に装着される
   排紙トレーにスリツトが設けられるとともにこの
   排紙トレーには用紙押えが排紙トレーと略平行な
   状態およびその先端を排紙トレーから離隔させて
   傾斜させた状態のそれぞれ保持可能にして設けら
   れており、前記傾斜させた状態において当該用紙
   押えの基端部が前記スリツトに連接されるように
   構成されていることを特徴とする、印刷媒体供給
   装置。