JPS6232102Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案はトラクターにおける油圧昇降レバー装置
に関するものである。

（従来の技術） 従来、油圧昇降レバーによるロータリーの昇降
操作と変速レバーによる車速変速操作とは各別個
に独立して行つていた。

（考案が解決しようとする問題点） 以上の如く油圧昇降レバーと変速レバーの操作
を独立して行なう場合、トラクターによる枕地の
旋回において油圧昇降レバーを上げ位置に操作す
ると同時に、車速を減速しなければ旋回が危旋回
のためうまく旋回できず、耕耘速度が３速以上に
なると危険度が高く、両レバー操作をうまく使い
こなすことは至難であつた。

最近、パワーシフトトラクターは回行時に車速
減速が簡単にできるようになり、操作性がよいと
需要車の間に評価されていることを着目し、その
特長を更にいかす操作性のよい安全なトラクター
をうることを目的として本案を考案したものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本案は以上の目的を達成するため、油圧昇降レ
バーと変速装置の車速減速装置とを連動連結せし
めると共に、該車速減速装置を駆動せしめるボタ
ンスイツチを油圧昇降レバーに設け、これによつ
て油圧昇降レバーを上げ位置に作動させると同時
に車速を減速できるように構成したトラクターに
おける油圧昇降レバー装置を創案し、安全に回行
できるようにしたものである。

具体的には、油圧変速装置付トラクタミツシヨ
ン内メインスプールにソレノイドを設け、これに
油圧昇降レバーの上げ位置において同時にボタン
スイツチを押圧することにより通電せしめて、一
段階のみ車速減速させるようにした、いわゆる油
圧昇降レバーと連動した車速減速装置を設けたも
のである。

（実施例） 以下図面に示す実施例について説明する。

先ずトラクターの油圧変速装置を第１図に基づ
いて説明すると、エンジン１の動力は主クラツチ
２を経て油圧作動ポンプ３を駆動し、更に油圧変
速トランスミツシヨン４を駆動する。油圧変速ト
ランスミツシヨン４内には油圧クラツチを具えた
変速装置がある。

すなわち、駆動ギヤーと常時噛み合つている各
変速ギヤーの間に油圧で作動する湿式多板クラツ
チをおき、ポンプから送られてくる油をコントロ
ールバルブで切換え変速する装置である。

そして、主変速レバー５をガイド板６のガイド
溝に沿つて動かすことによりコントロールバルブ
８のメインスプール９を動かし、油圧作動ポンプ
３からの油路をセンタープレート１０を介して変
更せしめ、これによつて油圧クラツチへの油路の
変更を行なつて変速を行なつている。

１１は油圧変速トランスミツシヨン４から駆動
されるPTO変速と副変速のデフアレンシヤルギ
ヤーケースを示すもので、これでPTO軸駆動１
２と前輪駆動１３を行ない、更にブレーキ１４を
介して後輪１５を駆動するようになつている。

次に油圧昇降装置について説明すると、ロータ
リーを昇降せしめるのはリフトアーム１７である
が、リフトアーム１７はシリンダー１８のピスト
ンロツド１９で昇降せしめられるもので、そのシ
リンダー１８への油路の切替えを油圧昇降レバー
１６で行なつている。

油圧の切換えはコントロールバルブ２０内のス
プール２１で行なわれるもので、油路の途中にア
ンロードバルブ２２、逆止バルブ２３、ホールド
バルブ２４がある。

シリンダー１８の後部にはセフテイバルブ２５
とストツプバルブ２６がある。

ホールドバルブ２４とストツプバルブ２６との
間にはスローリターンバルブ２７があり、スロー
リターンバルブ２７とストツプバルブ２６との間
に外部取出口Ｂ２８がある。

スプール２１への油路の途中に外部取出口Ａ２
９とリリーフバルブ３０がある。その他３６はタ
ンク、３１はコントロールレバーガイド、３２は
バルブコントロールアーム、３３はバルブコント
ロールバーである。

したがつて中立位置、すなわちリフトアーム１
７最高位置でのコントロールバルブ中立状態のと
きは、油圧ポンプ３から送られた油はアンロード
バルブ２２を通り、タンク３６へ流れる。

シリンダー１８内の油はホールドバルブ２４で
回路を閉じているので流れない。

上げ位置、すなわち、リフトアーム最低位置か
らコントロールバルブ２０上げにした状態のとき
は、ポンプから送られた油はアンロードバルブ２
２が閉じられるのでシリンダー１８内に流れ、リ
フトアーム１７が上昇する。

フイードバツクロツド３４が押され、スプール
２１が中立位置に戻ると油はアンロードバルブ２
２を通りタンク３６へ流れ、ピストンの上昇は停
止する。

下げ位置、すなわち、リフトアーム最高位置か
らコントロールバルブ下げにした状態のとき、ポ
ンプから送られた油はアンロードバルブ２２を通
りタンク３６へ流れる。

シリンダー１８内の油はホールドバルブ２４を
通りタンク３６へ流れ、リフトアーム１７が降下
する。

フイードバツクロツド３４が引張られスプール
２１が中立位置に戻ると、ホールドバルブ２４が
閉りピストンの動きは止まる。

本案は以上のような変速装置と油圧昇降レバー
とを関連づけたものであつて、油圧昇降レバー１
６の上部にボタンスイツチ３７を設け、これで変
速装置のメインスプール９を一段階車速を減速さ
せる方向に牽引するソレノイド３５に通電するよ
うに設けたものである。このボタンスイツチ３７
は、一度押せば次に押すまでONの状態になつて
いるスイツチであり、したがつてソレノイド３５
は一度通電されると次にボタンスイツチ３７を押
すまで自己保持される。

（作用効果） 本案のものによれば耕耘速度が３速以上で枕地
において旋回するときにおいて、油圧昇降レバー
１６を上げにすると同時にボタンスイツチ３７を
押すことにより一段減速方向にメインスプール９
をソレノイド３５で動かすので安全に旋回できる
という特徴がある。また旋回が終つて、油圧昇降
レバー１６を下げにする際ボタンスイツチ３７を
押すことによりソレノイド３５の自己保持が解除
され、通常の車速で走行できる。

しかして、車速減速装置を駆動せしめるボタン
スイツチが油圧昇降レバーにあるので、油圧昇降
レバー操作と車速減速装置の駆動とを同時に容易
に行なうことができ、きわわめて安全な操作性の
よいトラクターがえられる。

なお、一段減速するためにソレノイドの牽引ス
トロークを一段減速ストロークに一致させること
は勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は本案装置を示す概略図、第２図は
油圧昇降レバーの斜面図である。 ９……メインスプール、１６……油圧昇降レバ
ー、３７……ボタンスイツチ、３５……ソレノイ
ド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧昇降レバーと変速装置の車速減速装置とを
   連動連結せしめると共に、該車速減速装置を駆動
   せしめるボタンスイツチを油圧昇降レバーに設
   け、これによつて油圧昇降レバーを上げ位置に作
   動させると同時に車速を減速できるように構成し
   たトラクターにおける油圧昇降レバー装置。