JPS6231776Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冷却器又は加熱器となる熱交換器と
送風用の遠心フアンを内蔵してなる空気調和機に
関するものであり、さらに詳しくはそのような空
気調和機において前後方向の幅を可及的に小寸法
ならしめるための構造に関するものである。

空気調和機において遠心フアンを使用するにつ
いては第１図に示すようにフアンロータ１１の回
転軸が前後方向に向くようにして遠心フアン４を
本体ケーシング１内に配置する場合と第２図に示
すようにフアンロータ１１の回転軸が前後方向と
直交するようにして配置する場合とがあるが、従
来は第１図の如く遠心フアン４を配置する場合に
あつては熱交換器３を該遠心フアン４と前後方向
に並置していたため本体ケーシング１の前後幅Ｌ
が大きくなり、又第２図の如く遠心フアン４を配
置する場合にあつては該遠心フアン４の直径Ｄが
前後方向に向くため第１図の場合と同様に本体ケ
ーシング１の前後幅Ｌが大きくなる傾向があつ
た。

本考案は遠心フアンを使用した空気調和機にお
いてその前後幅を可及的に小寸法とすることを目
的としてなされたもので、本体ケーシングの前後
壁の間に、フアンロータの回転軸を前後方向に向
けた偏平形状の遠心フアンと吹出空気室を相互に
前後方向に隣接して設け、且つ前記遠心フアンの
吹出口からの吹出空気が空気流通用の空室を介し
て前記吹出空気室側へ反転流通せしめられるよう
にするとともに、前記空室内に前記フアン吹出口
全体と吹出空気室の入口全体にまたがつて熱交換
器を設置して前記吹出空気が前記空室を経て吹出
空気室側へ反転流通する間に前記熱交換器を２回
通過するようにしたことを特徴とするものであ
る。

続いて本考案の空気調和機を第３図以下に示す
実施例にもとずいて説明すると、第３図及び第４
図に示す空気調和機Ｘは、フアンケーシング１０
内にフアンモータ５を収容した偏平形状のシロツ
コフアン、ターボフアン等の遠心フアン４を、そ
のフアンロータ１１の回転軸が前後方向に向くよ
うにして薄型箱状の本体ケーシング１内に収容し
ている。フアンケーシング１０の後壁１０ｂは本
体ケーシング１の後壁１ｂに密着しており、フア
ンケーシング１０の前壁１０ａと本体ケーシング
１の前壁１ａとの間に後に吹出空気室１３として
説明する薄幅の前室が形成されるようにしてい
る。

フアンケーシング１０の下端には本体ケーシン
グ１の前、後壁１ａ、１ｂの間にまたがる幅をも
つほぼ直方体状のドレン受６が一体形成されてい
る。ドレン受６の開口部６ａの周縁には内方に向
けて環状の突条壁２７が形成されている。このド
レン受６内には開口部６ａ全体を閉塞するように
して細幅帯状のフイン付チユーブからなる熱交換
器（この実施例では冷却器）３が設けられてお
り、この熱交換器３の下面３ｂとドレン受６の底
壁２４との間には吹出空気の流通路となる空室８
が形成されている。

フアンケーシング１０の前壁１０ａの下端は熱
交換器３の全長に亘つて該熱交換器３の中心線上
面に接しており、それによつてドレン受開口部６
ａを２分割する作用をしている。即ち２分割され
たドレン受開口部６ａの一方はフアンケーシング
１０のフアン吹出口２１となり、他の一方は吹出
空気室１３の入口２２となるものである。

遠心フアン４の吸込口１４はフアンケーシング
前壁１０ａに形成され、このフアン吸込口１４に
は皿状の吸込口カバー１６がかぶせられている。
この吸込口カバー１６は本体ケーシング前壁１ａ
を貫通してその前方に突出する吸込ダクト１８を
通して本体ケーシング１外に連通している。

本体ケーシング前壁１ａには吸込ダクト１８と
同じ高さにおいて吸出ダクト１９が取付けられて
いてこの空気調和機Ｘはこれらの両ダクト１８、
１９を介して建物の壁に取付けられるようにされ
ている。

この空気調和機Ｘでは遠心フアン４が運転され
ると、吸込ダクト１８から吸込まれた空気W₁は
該遠心フアン４によつて加圧された後、フアン吹
出口２１から吹出され、一旦熱交換器３の後半部
と熱交換してドレン受６内の空室８内へ流出した
後さらに反転して上昇し、再度熱交換器３（の前
半部）と熱交換して吹出空気室１３内へ流入し該
吹出空気室１３に開口している吸出ダクト１９か
ら本体ケーシング外へ吹出される（矢印W₂）。即
ち、遠心フアン４によつて加圧された空気は空気
流通用の空室８を介して隣接する吹出空気室１３
側へ反転流通せしめられる間に熱交換器３を２回
通過することになる。

尚、この実施例の空気調和機Ｘはその取付姿勢
を種々に変更し得るようにするためにドレン受６
の適所に複数個のドレン抜口２８を形成してお
り、該空気調和機の設置姿勢に応じてそのいづれ
かのドレン抜口２８にドレンホース３１を接続し
得るようにするとともに、他のドレン抜口２８は
栓２９によつて密栓し得るようにしている。この
実施例の場合は、ドレン受６の開口部６ａの全周
縁にドレン堰止壁となる突条壁２７を形成してい
るため、上記の如く空気調和機を種々の姿勢で設
置してもドレン受６からドレンが流出することが
ない。

第５図ないし第９図にはそれぞれ第３図及び第
４図に示す空気調和機の異つた設置例を示してい
る。

第５図に示す設置例では、空気調和機Ｘは、吸
込、吹出両ダクト１８、１９を同一高さに並置し
た状態で該両ダクト１８、１９を建物の壁３０に
固定して設置されている。この設置例ではドレン
受６の底壁２４側が下側となり、該底壁２４に形
成したドレン抜口２８にドレンホース３１を接続
する。

第６図に示す設置例では、吸込ダクト１８を上
側（又は下側）にし、吸出ダクト１９を下側（又
は上側）にした状態で設置されている。設置例で
は、ドレン受６の右側壁２５ｃ（又は左側壁２５
ｄ）が下側となり、その下側となつた側壁２５ｃ
又は２５ｄ）のドレン抜口２８にドレンホース３
１が接続されている。

第７図に示す設置例では、ケーシング前壁１ａ
を下向きにした状態で、各ダクト１８、１９にそ
れぞれＬ型のダクト３４、３５を接続し、該各接
続ダクト３４、３５を建物の壁３０に固定して設
置されている。この設置例では、ドレン受６の前
側壁２５ａが下側となり、該前側壁２５ａのドレ
ン抜口２８にドレンホース３１が接続されてい
る。なお、前述の場合、別設のＬ型のダクト３
４、３５を用いたが、吸込、吸出ダクト１８、１
９をＬ型に形成したものを用いてもよい。この場
合、吸込、吹出ダクト１８、１９全体を着脱自在
にすればよい。

第８図に示す設置例では、第７図の場合と同様
にケーシング前壁１ａを下向きにした状態で設置
されているが、この第８図の設置例では空気調和
機Ｘは建物の天井裏４０に設置されていて各ダク
ト１８、１９のみを天井から下方に向けて突出さ
せている。

第９図に示す設置例では、空気調和機Ｘはケー
シング前壁１ａを上向きにした状態で、両ダクト
１８、１９にそれぞれフレキシブルダクト３６，
３７を接続してその各フレキシブルダクト３６，
３７の先端側を建物の壁３０に取付けて設置され
ている。この設置例では、ドレン受６の後側壁２
５ｂが下側となり、その後側壁２５ｂのドレン抜
口２８にドレンホース３１が接続されている。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案の空
気調和機は、本体ケーシングの前、後壁の間に、
フアンロータの回転軸を前後方向に向けた偏平形
状の遠心フアンと吹出空気室を相互に前後方向に
隣接して設けるとともに、フアン吹出口全体と吹
出空気室の入口全体とにまたがつて熱交換器を設
置しているので、第１図に示す従来構造の空気調
和機（遠心フアンと熱交換器が前後方向に並置さ
れている）や第２図に示す従来構造の空気調和機
（遠心フアンのフアンロータ回転軸が前後方向を
直交するように遠心フアンを配置したもの）に比
してその前後幅を可及的に小寸法ならしめる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ従来構造の空気調
和機の縦断面図、第３図は本考案の実施例にかか
る空気調和機の一部切開正面図、第４図は第１図
の−断面図、第５図ないし第９図はそれぞれ
第３図の空気調和機の設置例説明図である。 １……本体ケーシング、３……熱交換器、４…
…遠心フアン、５……フアンモータ、６……ドレ
ン受、８……空室、１０……フアンケーシング、
１１……フアンロータ、１３……吹出空気室、２
１……フアン吹出口、２２……吹出空気室入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケーシング１の前、後壁１ａ，１ｂの間
   に、フアンロータ１１の回転軸を前後方向に向け
   た偏平形状の遠心フアン４と吹出空気室１３を相
   互に前後方向に隣接して設け且つ前記遠心フアン
   ４のフアン吹出口２１からの吹出空気が空気流通
   用の空室８を介して前記吹出空気室１３側へ反転
   流通せしめられるようにするとともに、前記空室
   ８内に前記フアン吹出口２１全体と吹出空気室１
   ３の入口２２全体にまたがつて熱交換器３を設置
   して前記吹出空気が前記空室８を経て吹出空気室
   １３側へ反転流通する間に前記熱交換器３を２回
   通過するようにしたことを特徴とする空気調和
   機。