JPS6230813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車の変速操作装置に関するも
のである。

（従来技術） 一般に自動車の変速操作装置は、チエンジレバ
ーの操作に応じて変速機をシフト及びセレクトす
るものである。ところで四輪駆動の自動車で、四
輪駆動と前輪又は後輪の二輪駆動とを切換える2/
４切換装置を備えたものにおいては、変速機全体
が大きくなるため、変速操作装置のスペースが制
約を受けるという不具合がある。

そしてこのような不具合を解消するようにした
変速操作装置として、従来、実開昭57−147120号
公報に示されるように、チエンジレバーのシフト
及びセレクト操作をワイヤーケーブルによつて変
速機に伝達するようにしたものがある。しかしな
がらこの従来のワイヤー式変速操作装置では、チ
エンジレバーのセレクト操作時にシフトレバーが
セレクトレバーの回転軸の回りに回動してしま
い、該シフトレバーに連結されたワイヤーケーブ
ルに変位が生じこの変位によりシフトが動きセレ
クト操作がスムーズに行なわれなかつたり、その
車体への固定部付近で折れが生じ、操作性および
耐久性が悪化するという問題があつた。

（考案の目的） この考案は、かかる従来の問題点に鑑み、ワイ
ヤーケーブルに変位が生ずるのを防止し、操作性
および耐久性の向上を図つた自動車の変速操作装
置を提供せんとするものである。

（考案の構成） この考案は、シフトレバー及びセレクトレバー
をそれぞれ略同一高さでかつ相互に直交する回転
軸でもつて支持プレートに回転自在に取付け、シ
フトレバー及びセレクトレバーの一方にチエンジ
レバーを回転自在に支承するとともに、他方のレ
バーに上記一方のレバーの操作方向に延びる長孔
を形成し、この長孔にチエンジレバーを貫通さ
せ、これによりシフト操作時にはシフトレバーの
みが、セレクト操作時にはセレクトレバーのみが
それぞれ回動するようにしたものである。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図について説明する。

第１図ないし第３図は本考案の一実施例による
自動車の変速操作装置を示す。車室フロアには支
持プレートであるチエンジレバーリテーナ１が取
付けられ、該チエンジレバーリテーナ１にはシフ
ト及びセレクト可能なチエンジレバー２と2/4切
換レバー３とが設けられ、該2/4切換レバー３は
四輪駆動と前輪又は後輪駆動とを切換えるための
ものである。

また上記チエンジレバーリテーナ１には上記チ
エンジレバー２を支持するブラケツト４が設けら
れている。この支持ブラケツト４は平面略四角形
状の筒状部５とこれに一体に形成された板状の取
付部６とからなり、該取付部６は上記チエンジレ
バーリテーナ１に固着されている。そして上記支
持ブラケツト４の筒状部５には正面略逆Ｕ字形状
のシフトレバー７と側面略逆三角形状のセレクト
レバー８とが配設されている。上記シフトレバー
７の両垂直部７ａ，７ｂはボルト９、ナツト１０
によつて上記筒状部５の左右両側壁５ａ，５ｂに
取付けられて回転軸ａの回りに回転自在に設けら
れ、該シフトレバー７の下端には変換機をシフト
するワイヤーケーブル（図示せず）が連結されて
いる。一方上記セレクトレバー８の上端取付部８
ａはボルト１１によつて上記筒状部５の前後両側
壁５ｃ，５ｄに取付けられて上記回転軸ａと略同
一高さでかつこれと直交する回転軸ｂの回りに回
転自在に設けられている。このセレクトレバー８
の下端にはベルクランク１３の一端が回動自在に
連結され、該ベルクランク１３はチエンジレバー
リテーナ１にピン軸１４によつて回転自在に取付
けられ、該ベルクランク１３の他端には変速機を
セレクトするワイヤーケーブル（図示せず）が連
結されている。

また上記シフトレバー７の水平壁部７ｃには上
記セレクトレバー８の操作方向に延びる長孔７ｄ
が形成され、該長孔７ｄには上記チエンジレバー
２の下端が貫通されている。さらにこのチエンジ
レバー２の下端には逆Ｕ字状の二又状部２ａが形
成され、該二又状部２ａは上記セレクトレバー８
の上端取付部８ａの外側に嵌装され、上記シフト
レバー７の回転軸ａ上でボルト１５、ナツト１６
によつて回転自在に支承されており、このように
して上記シフトレバー７及びセレクトレバー８は
上記チエンジレバー２によつて回動されるように
なつている。

次に作用効果について説明する。

チエンジレバー２の第１図右方へのセレクト操
作を行なうと、該チエンジレバー２はその二又状
部２ａによつて第１図の矢印Ａで示すようにセレ
クトレバー８を回転軸ｂの回りに回動させ、それ
に伴つてベルクランク１３はピン軸１４の回りに
回動し、これにより変速機のセレクトが行なわれ
る。このとき上記チエンジレバー２はシフトレバ
ー７の長孔７ｄ内を移動するため、該シフトレバ
ー７が回動することはない。次にチエンジレバー
２の第２図右方へのシフト操作を行なうと、該チ
エンジレバー２はセレクト位置に保持されたまま
セレクトレバー８のボルト１５の軸、即ちシフト
レバー７の回転軸ａの回りに回動し、シフトレバ
ー７の長孔７ｄ内縁と当つて該シフトレバー７を
第２図の矢印Ｂで示すように回転軸ａの回りに回
動させ、これにより変速機のシフトが行なわれ
る。

このように本装置では、セレクト操作時に従来
装置のようにシフトレバーが傾動してしまうとい
うことはなく、従つてシフトレバーのワイヤーケ
ーブルにその車体への固定部付近で折れ方向の変
位が生ずることはなく、耐久性が大幅に向上す
る。

なお本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく、種々の変形・変更が可能であり、例えば上
記実施例ではセレクトレバーにチエンジレバーを
支承し、シフトレバーにチエンジレバーが貫通す
る長孔を形成したが、これらは逆にしてもよい。

（考案の効果） 以上のように、本考案に係る自動車の変速操作
装置によれば、シフトレバー及びセレクトレバー
をそれぞれ略同一高さでかつ相互に直交する回転
軸でもつて支持プレートに取付け、一方のレバー
に支承されるチエンジレバーを他方のレバーに形
成した長孔に貫通させ、シフト及びセレクトの各
操作時にシフトレバーのみあるいはセレクトレバ
ーのみが回動するようにしたので、ワイヤーケー
ブルに変位が生じることがなく、セレクト操作が
スムーズに行なえ、またワイヤーケーブルの固定
部に折れが生ずるのが防止でき、操作性および耐
久性を向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による自動車の変速
操作装置の正面図、第２図は上記装置の側面図、
第３図は上記装置の要部分解斜視図である。 １……チエンジレバーリテーナ（支持プレー
ト）、２……チエンジレバー、７……シフトレバ
ー、７ｄ……長孔、８……セレクトレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シフト及びセレクト可能なチエンジレバーが配
   設され、該チエンジレバーにより回動されるシフ
   トレバー及びセレクトレバーが設けられ、該シフ
   トレバー及びセレクトレバーはそれぞれその両端
   が支持プレートに略同一高さでかつ相互に直交す
   る回転軸でもつて回転自在に取付けられ、上記シ
   フトレバー及びセレクトレバーの一方には上記チ
   エンジレバーが回動自在に支承され、該シフトレ
   バー及びセレクトレバーの他方には上記チエンジ
   レバーが貫通していて上記一方のレバーの操作方
   向に延びている長孔があけられていることを特徴
   とする自動車の変速操作装置。