JPS6230222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は音声、映像を録音、録画し、これらを
必要に応じて再生するためのテープカセツトに関
するものである。

テープカセツトにおいてリールに巻回されたテ
ープの弛緩を防止することは重要なことである。
テープが弛緩した状態のまま装置にセツトしたり
或いは装置から取り出したりするとテープが損傷
されることが多い。

テープ弛緩による不都合を防止するため、テー
プの弛緩を防止するための弾性板をテープ面と摺
接するように配置することが提案されており、第
１図に示すようにカセツト本体を構成する上型１
と下型２の側壁に設けた突片部３，４に弾性板５
の片端部を接着固定し、その他端部をテープと摺
接するようにしたテープカセツトが用いられてい
る。

このテープカセツトを組み立てるには、先ず下
型２の突片部４に弾性板５を接着固定せしめた
後、下型２と上型１とを互にその端縁部において
嵌合せしめ、次いで上型１の突片部３に前記弾性
板５を接着固定している。

しかしながら、上型１と下型２を嵌合せしめた
後の突片部３への弾性板５の接着作業は手先が自
在に挿入できないため能率が極めて悪い。また、
上型１と下型２の嵌合時に下型２の突片部４に接
着した弾性板５がずれてしまつた場合、その位置
の修正も困難である。

更に、弾性板５をビス或いはネジによつてより
強固に固定せしめ弾性板５の位置ずれを防止する
ようにしたテープカセツトも見受けられるが、こ
れとても弾性板５の突片部３，４への固定作業は
かなり困難で製造能率の悪いことに変りはない。

本考案は従来品の有する上記問題を解決したテ
ープカセツトに係り、カセツトの上型もしくは下
型の内部に小間隙を有する収納部が設けられる
か、或いは上型および下型に各々設けられた収納
形成部により小間隙を有する収納部が形成されて
おり、該収納部にはテープ弛緩防止用弾性板の片
端部がロール状とされるか或いは収納部の内壁に
沿うように折り曲げられて内蔵固定され、且つ該
弾性板の他端部が前記小間隙からテープ面上に導
かれて成るものである。

以下、図面により本考案の実例を説明する。第
２図は上型と下型が互にその端縁部において嵌合
構造にされたテープカセツトの上型を取外した状
態を示し、テープ６は繰り出しリール７から繰り
出され、１対のガイドロール８，９を経て巻き取
り側のガイドロール１０およびガイドピン１１に
より巻き取りリール１２に導かれており、テープ
６には前記ガイドピン１１の位置において弾性板
５が摺接され弛緩を防止している。

第２図に示すテープカセツトにおいて、弾性板
５は第３図に示すように片端部が下型２の巻き取
り側の側壁１３に一体成形された収納部１４の内
壁に沿うように折り曲げ変形されて内蔵固定さ
れ、他端部は収納部１４の小間隙１５からテープ
６の面上に導かれている。

本考案のテープカセツトにおける弾性板５とし
てはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート等のプラスチツクシート、金属薄板或いはこ
れらの積層シート等の弾性シート状物が用いら
れ、その厚さは通常約0.05〜0.5mm程度である。
この弾性板５のテープ６との摺接部には、テープ
６の走行時における摩擦力を減ずるためフツ素樹
脂、ポリエチレン等の低摩擦材料から成る低摩擦
薄層１６を形成するのが好ましく、テープ６の走
行時における静電気発生防止のため該薄層１６を
導電性とすれば更に好ましい。

また、収納部１４における小間隙１５の寸法ａ
は、変形された片端部が内蔵固定された弾性板５
がテープ６の走行時における摩擦力により離脱せ
しめられないように設定すればよい。

上記実例において、収納部１４の高さｂは下型
２に上型を嵌合せしめた際の下型２の底壁１７と
上型の底壁との距離と略同寸法に設定されてい
る。この場合には、上型には収納部を設ける必要
はないが、本考案においては上型と下型の各々に
２つ割形状の収納形成部を設け、上型と下型を嵌
合せしめた際に前記収納形成部により収納部を形
成する構造とすることができる。また、弾性板５
の幅寸法を収納部１４の高さｂの寸法よりも小さ
くすることもできる。

更に、本考案においては収納部１４の高さｂの
寸法を下型２と上型を嵌合せしめた際の各底壁間
の距離よりも小さくしてもよく、この場合には弾
性板５の幅寸法を収納部１４の高さｂの寸法より
も大きくすることができる。

なお、収納部１４はカセツト本体の成形時にカ
セツト本体内の所定位置に一体成形するのが好ま
しいが、所望によりカセツト本体成形後に所定位
置に設けることもできる。

第４図乃至第６図は他の実例を示し、収納部１
４が前記第２図とは異なる形状に成形され、収納
部１４の内壁に沿つて弾性板５の片端部が折り曲
げ変形されて内蔵固定されている。

本考案のテープカセツトにおける収納部１４は
上記実例に示す以外の形状であつてもよく、弾性
板５の片端部をロール状として収納部に内蔵固定
せしめ、一方該弾性板５の他端部をテープ面上に
導く小間隙１５を有するようにしてもよい。

なお、実例においてはいずれも収納部１４がカ
セツト本体を構成する下型２の側壁１３に接して
１個所設けられているが、収納部１４はカセツト
本体内の上記以外の位置に設けることができ、更
に所望により２個所以上に設けることもできる。

本考案は上記のように構成されているので、弾
性板の収納部への配置作業は接着剤、ビス、ネジ
等の固定手段を用いずにその片端部を折り曲げる
か或いはロール状にして押し込むだけでよく、テ
ープカセツトの製造能率を大巾に向上し得、弾性
板収納部を上型或いは下型と一体成形することも
でき、更に弾性板の取り替えもできる等の利点を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来品における弾性板取付部の構造を
示す斜視図、第２図は本考案に係るテープカセツ
トの実例であり上型を取外した状態を示す平面
図、第３図は第２図のテープカセツトの要部を示
す斜視図、第４図乃至第６図は他の実例の要部を
示す平面図である。 ２……下型、５……弾性板、１４……収納部、
１５……小間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツトの上型もしくは下型の内部に小間隙を
   有する収納部が設けられるか、或いは上型および
   下型の内部に各々設けられた収納形成部により小
   間隙を有する収納部が形成されており、該収納部
   にはテープ弛緩防止用弾性板の片端部がロール状
   とされるか或いは収納部の内壁に沿うように折り
   曲げられて内蔵固定され、且つ該弾性板の他端部
   が前記小間隙からテープ面上に導かれて成るテー
   プカセツト。