JPS6229979B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、車両の減速ブレーキであるリターダ
の取付構造に関する。

本出願人は、車両の減速ブレーキとして新たな
電磁式リターダを発明し、本出願と同時に提出す
る特許願により出願した。

この電磁式リターダは、エンジンと変速機との
間のクランク軸に軸着されるフライホイールをリ
ターダ回転子とし、このフライホイールのハウジ
ングにフライホイールを励磁する界磁として励磁
コイルと短絡環とを含むリターダユニツトを固着
したものであつて、エンジンが小型軽量化して総
排気量が減少しても、従来のエンジンブレーキと
同様に変速機のギヤ比に相応した制動力が得ら
れ、かつ特別のプロペラシヤフトを必要とせず、
軽量で制御の容易な優れたリターダである。

本発明者らは、このフライホイールを電磁式リ
ターダの回転子とする場合には、フライホイール
全体の材質を磁性化に適したものから選定しなけ
ればならない点、および上記リターダユニツトか
ら励磁を受けるに適した外形およびサイズのフラ
イホイールの製作が複雑で高価になる点に着目
し、本発明を完成するに至つた。

本発明は、フライホイールの形状を特別に製作
加工する必要がなく、かつフライホイールの材質
が磁性化に適する材質に限定されず、リターダ回
転子として最適な磁性材料を選ぶことができ、し
かもリターダユニツトおよび磁性の回転子の取付
位置を広範囲に選択して小型で制動力の大きいリ
ターダを構成することができるリターダの取付構
造を提供することを目的とする。

本発明は、励磁コイルと短絡環とを含むリター
ダユニツトがエンジンとクラツチに作用するフラ
イホイールとの間に取付けられ、このリターダユ
ニツトに対向しこのリターダユニツトに電磁的に
作用する磁性の回転子がクランク軸に軸着された
ことを特徴とする。

なお上記磁性の回転子はクランク軸に軸着され
たフライホイールまたはリングギヤホイールの表
面に取付けられることが好ましい。

また上記磁性の回転子はクランク軸に独立に軸
着されることが好ましい。

以下本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説
明する。

第１図は本発明第一実施例リターダの取付構造
図、第２図は第１図に示すAA′断面図である。第
１図および第２図において、エンジン１と、この
エンジン１のクランク軸２に軸着されかつ図外の
クラツチに作用するフライホイール３との間に
は、リターダユニツト５がフライホイールハウジ
ング６に植込ボルト７により固着される。このフ
ライホイールハウジング６は、エンジン１と一体
的に図外のシヤシフレームに取付けられている。

リターダユニツト５は、磁性の角柱状の鉄心９
と、この鉄心９の胴部に巻回された励磁コイル１
０と、この鉄心９の先端に嵌着する短絡環１１と
を備える。このリターダユニツト５は、第２図に
示すようにクランク軸２に対称に８対配設され
る。このリターダユニツト５の１対の鉄心９，９
の間には、磁性の回転子であるリング１３がクラ
ンク軸２を中心としてフライホイール３に植込ボ
ルト１４により取付けられている。このリング１
３はリターダ回転子として適した磁性材料から選
択される。このリング１３には、１対の鉄心９，
９にそれぞれ対向するテイース１５が等間隔に16
個配設されている。

これによりフライホイール３が回転していると
きに、リターダユニツト５に電流を与えれば、界
磁である鉄心９に生じる磁力線の変化によつて電
流が発生し、この電流が短絡環１１を循環して機
械エネルギを熱エネルギに変換する。

またエンジン１の近傍のクランク軸２には、図
外の始動電動機により駆動されるリングギヤ１７
がリングギヤホイール１８に固着されている。

このような構成で、本実施例リターダを取付け
るには、まずリングギヤホイール１８をクランク
軸２に軸着した後に、８対のリターダユニツト５
が固着されたフライホイールハウジング６を図外
のシヤシフレームにエンジン１と一体的に取付け
る。

次いでリング１３が固着されたフライホイール
３をクランク軸２に軸着して取付作業は完了す
る。

第３図および第４図は本発明の他の実施例リタ
ーダの取付構造を示す縦断面図である。第３図お
よび第４図において、各符号はそれぞれ第１図の
各符号に対応する。

第３図に示す実施例の特徴ある構成は、磁性の
回転子として第１図に示したリング１３の代り
に、周縁に等間隔に多数のテイース１５′を有す
るデイスク１９がクランク軸２に独立に取付けら
れ、このテイース１５′の両面に対向する鉄心
９，９を備えた１対のリターダユニツト５が配設
されることにある。

また第４図に示す実施例の特徴ある構成は、磁
性の回転子として、周辺に等間隔に多数のテイー
ス１５′をクランク軸２を中心に同心円状に二列
にして設けたデイスク１９がクランク軸２に取付
けられ、このテイース１５′，１５′のそれぞれに
対向する鉄心９，９を備えた１対のリターダユニ
ツト５が配設されることにある。

これによりフライホイール３の重量が過大とな
らず、回転子の構造が簡単となる。

なお上記例で示したリターダユニツト５の数お
よびリング１３に配設されるテイース１５の数
は、上記例に限定されず増減することができる。

またリング１３をフライホイール３に固着する
例を示したが、リングギヤホイール１８に固着し
てもよい。

さらにリターダユニツト５およびテイース１５
をクランク軸２に対称に配設する例を示したが、
クランク軸２の重心のアンバランスを補正するよ
うに非対称に配設してもよい。

以上述べたように、本発明によれば、フライホ
イール本体を回転子とすることなく、専用の回転
子をクランク軸と協動するように構成することに
より、 (イ) フライホイール本体の形状を特別に加工する
必要がなく、かつフライホイール本体の材質を
磁性化に適する材質に限定する必要がなく、 (ロ) リターダ回転子として最適な磁性材料を選ぶ
ことができ、単に鉄材に限らず回転子の一部ま
たは全部にフエライトその他の極めて磁性特性
の優れた材料を用いることができ、 (ハ) リターダユニツトおよび磁性の回転子の取付
位置を広範囲に選択することができ、これによ
り小型で制動力の大きいリターダを構成するこ
とができる 優れた効果がある。

とくに周辺に多数のテイースを備えたデイスク
を磁性の回転子としてクランク軸に独立に軸着す
ることにより、 (ニ) フライホイールの重量が過大とならず回転子
の構造が簡単となる 利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例リターダの取付構造を示
す縦断面図。第２図は第１図に示すAA′断面図。
第３図および第４図は本発明の他の実施例リター
ダの取付構造を示す縦断面図。 １…エンジン、２…クランク軸、３…フライホ
イール、５…リターダユニツト、６…フライホイ
ールハウジング、７…植込ボルト、９…鉄心、１
０…励磁コイル、１１…短絡環、１３…リング、
１４…植込ボルト、１５，１５′…テイース、１
７…リングギヤ、１８…リングギヤホイール、１
９…デイスク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エンジンと変速機との間のフライホイールの
   ハウジングに固着され胴部に励磁用の第一のコイ
   ルが巻回された磁性体と、 上記磁性体の先端近傍に短絡環として巻回され
   た第二のコイルと を含むリターダユニツト を備えたリターダの構造において、 上記リターダユニツトに電磁的に作用する磁性
   の回転子が上記リターダユニツトの磁性体の先端
   に対向してクランク軸に軸着された ことを特徴とするリターダの取付構造。 ２ 磁性の回転子がクランク軸に軸着されたフラ
   イホイールまたはリングギヤホイールの表面に取
   付けられた特許請求の範囲第１項記載のリターダ
   の取付構造。 ３ 磁性の回転子がクランク軸にフライホイール
   とは別に軸着された特許請求の範囲第１項記載の
   リターダの取付構造。