JPS6229777Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は芯降下用スプリングにて下方向に付勢
された芯体を芯上げレバーを回動させることによ
り燃焼位置へワンタツチで上昇させ、この燃焼位
置へ上昇した芯体の高さを微調節できるようにす
ると共に、一度芯高を適宜な状態に調節すること
により使用のたびに芯高調節をする必要のないよ
うに構成した石油燃焼器に関し、特に芯体が燃焼
位置に上昇した状態にある時にのみ芯高調節の操
作を行ない易くして、異常燃焼状態で使用される
のを防止することを目的としたものである。

以下本考案の実施例を図に基づいて説明する。
図中１は石油ストーブ等の外装ケースで、前面に
は着脱可能な前パネル２を有し且つ下面には置台
兼用の底板３を一体に設けている。４は前パネル
２に装着した反射板４ａ，４ｂ等にて外装ケース
１内の上方部に形成された放熱室で、この放熱室
４内には水平反射板４ａに貫設した石油燃焼器Ａ
の燃焼筒６を臨ませている。

次に前記石油燃焼器Ａについて詳述する。７は
前記底板３上に配設したタンク支持金具８によつ
て外装ケース１内下方部に収納固定した燃料タン
クで、カートリツジタンク（図示せず）により略
一定レベルの燃料を貯溜している。９は燃料タン
ク７に立設した空気筒、１０は燃料タンク７の上
面に着脱可能に取付けた芯枠で、この芯枠１０と
前記空気筒９で芯案内筒を構成し且つそれらの上
部には夫々火皿部９′，１０′が折曲形成してあ
り、該火皿部９′，１０′には三重筒にてなる前記
燃焼筒６の小筒と中筒が載置される。１１は空気
筒９と芯枠１０間に上下動自在に配設した芯体
で、その下部は常時前記燃料中に浸漬している。
１２は前記芯体１１の燃料タンク７内に位置する
外周に固定した円筒状の芯支持金具である。１３
は芯支持金具１２の外周に固着したクランク受板
で、その左端部には芯上下軸１４の先端小径部１
４ａが係合する上下方向の案内長孔１５が形成さ
れ、且つ右側寄りの略中央部には前記芯上下軸１
４に基部を軸止させたクランク体１６自由端側の
係合突部１６ａが係合する水平長孔１７が設けて
ある。そして、前記燃料タンク７外部へ突出した
前記芯上下軸１４の他端部は前記燃料タンク７側
面にビス止め固定させた軸支持基板１８にて回転
自在に支持されており、この芯上下軸１４の約60
度の回転角度でもつて前記芯体１１は第４図で示
す最降下位置イと火皿部９′，１０′よりも突出し
た燃焼位置ロとの間を昇降できるようになつてい
る。１９は前記軸支持基板１８内で下端部を前記
芯上下軸１４に固着した略形状の回動アーム
で、対向する一対のアーム片１９′，１９′の夫々
の先端部には係合溝２０，２０が設けてあり、芯
上下軸１４と連動して回動すると共に芯上下軸１
４の軸方向の移動を防止している。

２１は前記芯上下軸１４と直交する方向へ往復
動自在となる如く前記軸支持基板１８の前面板部
１８ａ及び支え片１８ｂに回転自在に保持した芯
高微調節用回転軸で、その一端に形設した雄ねじ
部２２には抜け止めされたラツチ２３の上方部が
螺装してあり、該ラツチ２３は軸支持基板１８の
下面板部１８ｃに透設せる案内長孔２４に下端が
係合されて回転軸２１に対する回動を抑制されて
いる。２５は基部の遊挿孔２６に前記回転軸２１
を遊貫した状態で前後一対の移動規制環２７，２
７により回転軸２１の途中に固定した軸可動体
で、前記遊挿孔２６に直交するガイドピン２８を
有し且つ該ガイドピン２８の突出両端部分を前記
回動アーム１９の係合溝２０，２０の夫々に係合
せしめている。２９は前記軸可動体２５と軸支持
基板１８の前面板部１８ａに装着した軸支持円板
３０との間の回転軸２１に巻装した芯降下用スプ
リングで、回転軸２１の前方への移動で圧縮して
蓄力される。３１は前記回転軸２１の他端側であ
る前端部に軸止装着した芯高微調節用の回転つま
みで、基部外周には大径の環状フランジ部３２が
一体に形成してある。そして、この回転つまみ３
１は前記前パネル２に装着した操作パネル３３の
挿通口３４に常時遊嵌せしめてある。又、第６図
は芯体１１が最降下位置イにある時の回転軸２１
の位置を示めしており、この時前記回転つまみ３
１はその先端部３１′が操作パネル３３前面より
約１〜５mm程度のわずかな量だけ突出するように
なつており、又芯体１１が燃焼位置ロへ上昇した
時には前記回転軸２１は第７図で示すように操作
パネル３３側へ移行するが、この時に前記回転つ
まみ３１の前端部３１′は操作パネル３３前面よ
り約15〜19mm程度突出するようになつている。

３５は一端を軸杆３６にて前記軸支持基板１８
に回動自在に枢支した係止板で、前記ラツチ２３
が移動できる長溝３７が設けられると共に前記ラ
ツチ２３が係脱自在に係合する係止軸３８を備
え、且つその自由端部３５′は感震作動機構３９
が所定以上の震動を感知して作動することにより
上動せしめられて係止軸３８とラツチ２３との係
合を解除せしめられる。又、感震作動機構３９は
軸支持基板１８と一体に設けた載置片１８ｄ上に
載置され震動を感知して全方向に揺動する感震器
３９ａと、この感震器３９ａの揺動によつて上下
動し且つ下端に係着板３９ｂを設けた作動垂杆３
９ｃとから構成され、しかも該作動垂杆３９ｃの
外周には前記係止板３５の自由端部３５′を常時
下方へ付勢するスプリング４０が巻装してある。
又、前記係止板３５は回転軸２１が操作パネル３
３側に移行した際に係止軸３８でラツチ２３を係
止し、回転軸２１の復帰を阻止すると共に係止が
解除されればいつでも芯体１１が最降下位置イへ
下降できるように芯降下用スプリング２９の蓄力
状態を保持している。

４１は基部を軸支持基板１８内で芯上下軸１４
に回動自在に枢支した側面視略く字型の連動レバ
ーで、その先端部には前記軸可動体２５の背面に
当接してその軸可動体２５を前方へ移動させるロ
ーラー４２を装着している。４３は枢支体４４を
以つて前記軸支持基板１８に回動自在に枢支した
芯上げレバーで、この芯上げレバー４３に穿設せ
るく字型孔４５を貫通した連係杆４６の基端を前
記連動レバー４１の中間部分に固着している。４
７は前記操作パネル３３のスライド孔４８から前
方へ突出した芯上げレバー４３の操作端に装着せ
る操作ボタンで、この操作ボタン４７を押し下げ
ると、芯上げレバー４３の回動に伴なつて連係杆
４６がく字型孔４５を摺動して連動レバー４１を
反時計方向に回動させ、連動レバー４１のローラ
ー４２が芯降下用スプリング２９の弾性に抗して
可動体２５を前方へ移動せしめ、芯体１１を最降
下位置イから燃焼位置ロへ一瞬にして上昇させる
ことができる。４９は芯上げレバー４３を元の位
置に戻すべく付勢させた戻しバネ、５０は感震作
動機構３９にかかわらずラツチ２３と係止板３５
の係止軸３８との係合を解除する消火レバーで、
前記芯上下軸１４の外方端にて枢支され、且つ前
記戻しバネ４９の一端にて芯上下軸１４からの離
脱を阻止されている。又、５１は前記軸支持基板
１８の支え片１８ｂに装着した板バネからなるク
ツシヨン部材で、通常前記ローラ４２と接触する
ようになつている。５２は消火レバー５０の前端
に装着した消火ボタンで、操作パネル３３の前方
へ臨ましている。

本考案の構成は以上の如くであり、次に動作に
ついて説明する。先ず操作ボタン４７を押下げる
ことにより芯上げレバー４３を回動させると、連
動レバー４１が芯上下軸１４を中心として反時計
方向に回動し、連動レバー４１のローラ４２が軸
可動体２５を第７図で示す如く前方へ移動させ
る。この時、軸可動体２５は芯降下用スプリング
２９を圧縮させながら芯高微調節用回転軸２１を
操作パネル３３側に移行させると同時に、ガイド
ピン２８と回動アーム１９及び芯上下軸１４等を
介して芯体１１を燃焼位置ロへ上昇させる。そし
て、芯体１１が燃焼位置ロへの上昇を完了した時
にラツチ２３が係止軸３８と係合し、この係合に
よつて回転軸２１は元の位置への復帰を阻止さ
れ、該回転軸２１前端の回転つまみ３１は操作パ
ネル３３の前方へ大巾に突出する。

次に上記の操作によつて燃焼位置ロへ上昇した
芯体１１を点火装置（図示せず）にて点火燃焼さ
せるが、その燃焼状態を調節する場合について第
７図で説明する。ラツチ２３と係止板３５の係止
軸３８との係合によつて、芯体１１はその係合が
解除されない限り上昇状態を保つが、ラツチ２３
と回転軸２１とは螺合によつて連結してあるの
で、操作パネル３３より突出した回転つまみ３１
を回転させれば、回転軸２１は係止軸３８との係
合で静止したラツチ２３に対して回転しながら前
後方向へわずかに移動する。この回転軸２１のわ
ずかな移動によつて軸可動体２５、回動アーム１
９を介して芯上下軸１４もわずかに回転し、この
芯上下軸１４のわずかな回転が芯体１１の燃焼位
置ロにおける芯高を微調節することになる。こう
して一度芯高を調節しておけば、その後の芯上げ
操作のたびに芯高調節をしなくても芯体１１は常
に調節された高さに上昇することになる。

又、消火ボタン５２による消火レバー５０の操
作或いは感震作動機構３９の作動によつてラツチ
２３と係止軸３８との係合が解除されると、回転
軸２１は芯降下用スプリング２９の弾性によつて
第６図で示す如く元の位置へ瞬時に戻り、軸可動
体２５のガイドピン２８及び回動アーム１９を介
して芯上下軸１４を逆回転させ、芯体１１を最降
下位置イまで急降下させて消火させる。そして、
上述の如く芯体１１が最降下位置イへ下降した場
合には、前記回転軸２１前端の回転つまみ３１
は、その先端３１′が操作パネル３３の前方へわ
ずかに突出するだけである。

以上の如く本考案の石油燃焼器によれば、芯体
が最降下位置から燃焼位置に上昇せられることに
よつて芯高微調節用の回転つまみが操作パネルの
前方に大きく突出するように移動するので、回転
つまみの突出量の変化により芯体の位置を知らせ
ることができ、例えば消火操作を行つても芯体が
タールの付着等によつて降下しない場合にはその
異常を回転つまみで知らせることができる。

又、芯体が最降下位置にある時には回転つまみ
の殆んどを操作パネルの内側に没入させることが
できるので、燃焼を確認できない状態での不適当
な芯高調節を行ないにくくすることができ、過大
炎や過小炎などの異常燃焼を起こす芯高に調節さ
れたままで使用されるのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本考案の石油燃焼器の一実施例を
示めし、第１図は本考案の石油燃焼器を組込んだ
石油ストーブの外観図、第２図は第１図の要部縦
断側面図、第３図は本考案による石油燃焼器の一
部切欠の正面図、第４図は同要部切欠側面図、第
５図は芯体を上下させる機構の正面図、第６図及
び第７図はともに作動状態を説明する為の第５図
の縦断面図である。 ２９……芯降下用スプリング、１１……芯体、
ロ……燃焼位置、４３……芯上げレバー、３３…
…操作パネル、２１……芯高微調節用回転軸、２
３……ラツチ、３５……係止板、３１……回転つ
まみ、イ……最降下位置、３４……挿通口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 芯降下用スプリングの付勢力に抗して芯体を燃
   焼位置へ上昇させる回動自在な芯上げレバーと、
   この芯上げレバーによる芯上昇操作に連動して操
   作パネル側に移行する往復動自在な芯高微調節用
   回転軸と、この回転軸のラツチに係脱自在に係合
   して操作パネル側に移行した回転軸の復帰を阻止
   する係止板と、前記回転軸の前端に取付けられ且
   つ前記操作パネルに設けた挿通口に遊嵌せられる
   回転つまみを備えたことを特徴とする石油燃焼
   器。