JPS6229230B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はインクジエツト印刷装置に関する。

インクジエツト印刷方法ならびにインクジエツ
ト印刷装置は、各種にわたつて可成り開発されて
いる。例えば、圧力で導電インクがオリフイスを
通つて排出され、個々の水滴流となつて散り、こ
れら分離された水滴の電荷または電荷の大きさは
それぞれ制御されるということは知られている。
水滴が、紙片の如き記録媒体に向かう径路沿つて
続くと、インキ水滴径路の両側に位置する１対の
対向帯電偏向板は、その電荷に応じて水滴を偏向
させる。もし記録媒体の一部に空白を残しておき
たければ、水滴の電荷の大きさは、水滴通路が記
録媒体のあるところではなくて溜めのあるところ
で終るように制御される。この溜めは、インクを
圧力でインクの供給タンクへ戻すための排出みぞ
すなわち排出通路をもつている。また圧縮インク
ジエクツト機構というのが設けられていて、これ
によれば水滴流を分離小滴に細分しないで、その
代り水滴またはその分離されたものが用いられて
いる。本発明は、もし、記録媒体にしるしを施さ
ないように配向されたインクを捕捉するためにオ
リフイスから離れて溜めをもつような従来機構装
置があれば、これらに改良を加えようとするもの
である。

現在用いられているインクジエツト装置は、完
全に圧縮される前の始動時にインク水滴を放下し
てしまう。同様に、運転停止時にはインク圧の一
時的な減少がある。圧力が通常の作動状態より少
なくなつているときに放出された水滴は、適正な
制御下にはないので、これらの水滴は、例を挙げ
ると荷電ユニツト、偏向ユニツトなどの如き機構
の構成部材と衝突することになる。ノズルまたは
インク噴出ヘツドにキヤツプをかけたり、取外し
たりするための機構は、数多くこの分野では如ら
れているが、これらの機構の主な目的は、インク
水滴が出るオリフイスにおいてインクが乾燥しな
いようにし、かつオリフイスを清潔に保つことに
ある。これらの機構は、始動前および停止後イン
ク排出オリフイスを堅く密封することに工夫が施
されている。これらの機構の他の目的は、装置が
起動し、また起動をやめたときに、インク経路の
ある部分に挿入板または締切板を非常に急速に動
かしていくことにある。公知技術は、ノズルと記
録面のギヤツプ間のインク流またはインク水滴を
どのように制御して装置の始動と停止時に分散を
防ぐかということについては何等の試みを行なわ
なかつた。

従つて、本発明の主目的は、装置始動中も、停
止時も両方とも好ましくない分散が生じないよう
にしたインクジエツト印字装置を提供するにあ
る。

インク流を経路に沿つて記録媒体に向けること
によつて印字を行なう装置は、インクを排出する
ためのオリフイスを形成するインク噴出ヘツドま
たはノズルを備えている。インク流に特性を与え
る構成、例えば荷電ユニツトと偏向ユニツトと
は、インク経路に接して設けられる。電荷信号を
荷電ユニツトに印加し、電位差を偏向ユニツトに
印加するための手段が設けられる。記録媒体に接
して溜めが設けられ、この溜めには、溜められた
インクを排出または運び出すための手段が備えら
れる。

さらに詳細に述べると、本発明によれば、特性
付与構成、好適な実施例では偏向ユニツトと荷電
ユニツトとはインク水滴径路から移動し、溜め
は、装置が作動に入るまでは噴出ヘツドに接近し
て保持されるようになつている。それから溜めが
インク水滴径路に沿つて記録媒体に隣接する位置
まで移動し、インク流に特性を付与する構成は通
常の作動位置に戻る。装置が停止した後は、イン
ク流に特性を付与する構成が、その通常の作動位
置から動いて溜めがインク経路に沿つて水滴噴出
ヘツドに隣接する位置まで動くという逆の工程が
続く。以下、本発明を図面を参照して詳述する。

第１図は、電導インクを水滴に形成し、これを
選択的に荷電して紙片などの記録媒体への経路に
おける水滴の飛行距離を制御して水滴を所定位置
に落下させる一般的な構成を示している。電導イ
ンク１０は、溜め１１に貯えられるが、入口１２
を介して入り、出口通路１３から出ていく。本装
置は普通は圧縮されて電導インクを出口通路１３
さらにはオリフイス１５までのびている寸法の小
さいパイプから押出している。圧電構造として例
示的に図示する変圧器１６は、パイプすなわち排
出管１４に連結され、また１対の導線１７ａ，１
７ｂは変圧器に接続される。従つて、選択された
周波数の適当なノズル駆動信号が導線１７ａ，１
７ｂ間に印加されると、変圧器１６が励起し、排
出管１４が振動してオリフイス１５を出るインク
流は水滴にされる。形成された水滴の数は、ノズ
ル駆動信号の周波数に対応する当該技術に通暁す
る者にとつては、例えば磁気ひずみ手段、音響駆
動手段などの如き他の、駆動手段を用いてインク
流に振動を与えることも当然理解される筈であ
る。

おおむね環状の円筒荷電ユニツト２０の一部
は、第１図に示され、電気導体２１は、電荷リン
グ２０に接続される。他方の電気導体２２は、電
導性の排出管１４に連結される。従つて、導体間
２１，２２間に印加された荷電信号は、各水滴が
インク流から分かれ出るにつれて各水滴に電荷を
誘導するのに有効に働く。荷電ユニツトの下で、
電荷粒子が通過する径路の両側には、偏向手段を
集合的に設けた１対の偏向板２３，２４がある。
導体２５，２６は、偏向板２３，２４にそれぞれ
接続され、また通常は少なくとも数千ボルトの直
流電位差が導体に印加される。これによつて偏向
板２３，２４の間には電界ができ、偏向板は、ま
た水滴によつて運ばれる電荷の振幅と極性の両方
の関数の値によつて方向をもつた帯電水滴の偏向
を生じさせる。これは、水滴が記録媒体２７に印
を施すことによつて紙に画かれるカーブ２８また
は他の情報を規定する精密な制御を行なうのに有
効な働きをする。当該技術に通暁する者は、勿論
本発明の原理が広範囲にわたるインクジエツト印
刷装置に適用され得ることは分かる筈である。

第１図の下方部には、記録媒体２７の真上に溜
め３０が設けられているのが示されている。溜め
は、記録媒体に衝突しないように特性づけられて
いるインク水滴は、すべて捕捉されるように位置
決めされている。溜めからの排出通路３１は、真
空源に連絡され、またこの真空源は、溜められた
インク水滴を径路に沿つて戻しタンク１１に入れ
る。いろいろな装置では、溜めは紙片の横方向に
位置決めされていて通常の作動下で、記録媒体と
整合しないように特性づけられたインク水滴を集
めるようになつている。本発明は、溜めが通常の
作動下で第１図示の如く位置決めされている限り
どの装置にも適用できるよう考慮されている。本
発明の詳細について以下さらに説明を行なう。

第２図は、本インクジエツト印刷装置のいくつ
かの構成部材を示し、そこにはタンク１１と噴出
ヘツドすなわちノズル１４の概略が示される。本
発明の特徴の１つである荷電電極２０は、一側に
開口２０ａを備え、さらに第３図について述べる
際に明らかにされる接続された絶縁アーム３４で
支えられる。同様に、偏向手段の偏向板２３，２
４は、絶縁ブロツク３５で支えられる。この絶縁
ブロツクは、偏向板の背後にあり、従つてインク
水滴が通過する実際の径路からは外れている。絶
縁アーム３４と絶縁ブロツク３５とに取付けられ
る装置については第３図の説明に譲る。

本発明の１つの態様によれば、第１手段が設け
られて、溜め３０を、第２図示の位置から、溜め
がノズル１４と当接し、かつオリフイス１５から
出るインクはどれでも受入れられるように整合し
ている第３図示の位置まで移動させる。図示の如
く、溜めの排出手段は、破線３７によつて示され
るリンク上でラツク４０の端部と係合するピニオ
ンギア３８に機械的に連結される第１電動モータ
３６を備える。ラツク４０の他端は、１対のねじ
４１の如き締付手段によつて溜めに取付けられ
る。従つて、電動モータ３６が起動してピニオン
ギアが回転すると、ラツク４０は、第２図示の如
く上方に動くのでインク水滴が記録媒体に衝突す
るに先立つて排出オリフイスから荷電ユニツトの
中央部さらにその後偏向ユニツトの大部分を通過
する際に、溜めは、インク水滴が従う径路に沿つ
て走行する。しかし、このインク水滴の径路にお
ける当該走行を行なうために荷電ユニツトと偏向
ユニツトは、先ず径路の外に移動しなければなら
ず、またこれは第３図に示す機構によつて達成さ
れる。

第３図には、インク水滴が通過する径路から荷
電ユニツト２０と偏向ユニツト２３，２４を移動
させ、第２図示の位置から第３図示の位置への溜
めの移動を容易にする。第３図示の位置で、溜め
３０は、ノズルに当接し、かつオリフイスと整合
することにより、ノズルからインクが分散するこ
とのないようにしている。例示するように、荷電
リングと偏向ユニツトとを移動させる手段は、充
分な長さをもつた絶縁部材４５を備えている。絶
縁部材は、荷電ユニツト２０を支持するための第
１延長部たる絶縁アーム３４と、偏向板２３，２
４を支持するための第２延長部たる絶縁ブロツク
３５とをもつている。絶縁部材４５の他端には軸
４７に軸支されたレバーすなわち回動アーム４６
が設けられる。この軸は第２のモータ４８に機械
的に取付けられる。従つて、第２のモータが公知
の要領で起動されると、絶縁部材４５は、第３図
の破線で示す位置に荷電ユニツト２０と偏向ユニ
ツト２３，２４がある通常の位置から第３図示の
実線で示す位置へと回動する。荷電ユニツト２０
には、開口２０ａが設けられているので、インク
径路の交軸方向に動くことができ、他方、小滴は
インク流を妨げることなくノズルから噴出する。
この簡単な回動によつて、荷電ユニツトと偏向板
両方とが、ノズルと溜めとの間でインク水滴が横
切る径路の外に効果的に移動する。これによつて
ラツクとピニオンギアとは、第２図示の如くノズ
ル１４から移動した位置から第３図示の如くノズ
ル１４に接した他の位置への溜めの直線走行を行
なわせるのでノズル１４から出るインクを有効に
捕捉する。当業者にとつては、荷電ユニツトと偏
向ユニツトとは、必らずしも動かさなくても図示
する径路に沿つての溜めの移動を容易にする別の
形状としてもよいことは明瞭な筈である。しかし
ながら、ここでは、インク水滴が通常は横切る径
路に沿つて溜めを動かす最も簡単で最も直接的が
方法が、絶縁部材４５、従つて荷電ユニツトおよ
び偏向ユニツトをインク水滴のユニツトから移動
させる第２の機構を設けることによつて行なわれ
ている。

本発明の原理は、インク水滴が、水滴形成オリ
フイスと、記録媒体に衝突する点との間で帯電か
つ偏向する如き各種のインクジエツト印刷装置ま
たはインク水滴印刷装置にも適用できる。本発明
は、インク排出通路をもつた溜めを提供している
ので装置始動中も装置停止中も両方にわたつて溜
まつたインクはすべて無駄なくインクのタンクへ
戻される。さらにもつと重要なことは、インク水
滴が通常は従う径路を横切ることによつて、溜め
は、装置の始動中も停止中もすべての水滴を遮断
してこれにより装置の構成部材のいずれにも好ま
しくないインクの分散がないようにし、他方圧力
が増大してインク流の制御を行ない、減少したと
きはインク流を止めるようにしたことである。こ
れで、不規則な微細なインク粒子の結果として構
成部材にインクが滞積しなくなる。この見栄えの
悪いインク滞積は、最終的には大地に対する導電
路を形成し、構成部材の電気短絡を生じさせるよ
うになる。

本発明は、不連続の離れた小滴が用いられる装
置に関する好適な実施例のみならずインク流を用
いて印字し、かつ溜めを記録媒体に接して設けて
いる水滴印字装置にも実施できる。かかる装置に
よれば、偏向板は、インク流の径路に接する位置
から移動するだけで済ませられるので、溜めは、
径路に沿つて走行することができるようになる。
また本発明の実施例では、インクの電気制御が用
いられているが、本発明は、例えば磁石の如き他
の形式によるインク制御を使用した装置をも含む
ものである。この場合、インク径路に接する磁気
特性手段は、溜めの径路から移動しなければなら
ないのでノズルのオリフイスに対して走行かつそ
こから避退できる。

以上、本発明の特定な実施例のみについて述
べ、またこれを特許請求の範囲にも記載してきた
が、その他の改良、修正も本発明の趣旨と範囲を
逸脱しない限り可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、公知のインクジエツト印刷装置の主
要な構成部材を示す説明図、第２図は、公知のイ
ンクジエツト印刷装置の一定の構成部材を本発明
に基いて移動させる手段を示す説明図、第３図
は、第２図とおおむね同様の説明図であるが、本
装置の不作動状態における構成部材の配置を示す
もの。 １０……インク、１４……排出管、１５……オ
リフイス、１６……変圧器、２０……電荷リン
グ、２３，２４……偏向板、２７……記録媒体、
３０……溜め、３６……電動モータ、３７……リ
ンク、３８……ピニオンギア、４０……ラツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 記録媒体にインクを指向させるためにオリフ
   イスを形成するインク噴出ヘツドと、記録媒体の
   所定位置に堆積させるためにインクを特性づけて
   インクの経路を制御するインク特性付与手段と、
   記録媒体から離れて指向されるインクを捕捉する
   ために通常は記録媒体に隣接して位置決めされて
   いる溜めと、インク噴出ヘツドに隣接する一方の
   位置とインク噴出ヘツドから所定の距離離れた記
   録媒体に隣接する他方の位置との１対の位置の間
   に溜めを動かす装置とを備え、前記溜めは、前記
   １対の位置間を移動する間、前記噴出ヘツドから
   噴出するインクをさえぎるように配置されている
   インクジエツト印刷装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のインクジエツト
   印刷装置であつて、前記インク特性付与手段は、
   オリフイスと記録媒体間のインク経路に沿つて通
   常は位置決めされており、前記インク特性付与手
   段がインク経路内にある第１の位置と、該インク
   特性付与手段がインク経路から外れた第２の位置
   との間で該インク特性付与手段を選択的に移動さ
   せる手段を備えまた溜めを移動させる前記装置
   は、始動中はオリフイスから離れるようにインク
   経路に沿つて実質的に溜めを動かし、停止期間中
   は、インク経路に沿い、かつオリフイスに向かつ
   て実質的に溜めを動かすように作動可能にされて
   いるインクジエツト印刷装置。 ３ インクは、水滴状をなし、インク水滴に特性
   を付与し、かつインク経路を制御する前記インク
   特性付与手段は、荷電ユニツトと偏向ユニツトと
   を有し、該インク特性付与手段を動かす前記手段
   は、装置の停止期間中は、溜めが動いて噴出ヘツ
   ドに重なる前に偏向ユニツトと荷電ユニツトの両
   方をインク経路から離れるように移動させるのに
   有効に働き、かつまた装置始動中は、溜めが噴出
   ヘツドに隣接する静止位置から記録媒体に隣接す
   る通常の作動位置に移動した後荷電ユニツトと偏
   向ユニツトとを通常の作動位置に復帰させるのに
   も有効に働くようになつている特許請求の範囲第
   ２項記載のインクジエツト印刷装置。 ４ 溜めを動かす前記装置は、溜めに組合された
   ラツクと、ラツクと係合するピニオンギアと、ピ
   ニオンギアに連結されて起動されたときピニオン
   ギアを駆動しこれにより溜めをインク経路とほぼ
   一致する直線経路に沿つて移動させるモータとを
   備えている特許請求の範囲第１項記載のインクジ
   エツト印刷装置。 ５ 荷電ユニツトと偏向ユニツトとを移動させる
   前記手段は、荷電ユニツトを支持するための第１
   延長部と偏向ユニツトを支持するための第２延長
   部とを有する絶縁部材と、絶縁部材に連結されて
   該絶縁部材を移動させることによつて、荷電ユニ
   ツトおよび偏向ユニツトをインク経路から離れる
   ように運動せしめる手段とを備えてなる特許請求
   の範囲第４項記載のインクジエツト印刷装置。