JPS6228808B2 - - Google Patents

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JPS6228808B2
JPS6228808B2 JP54043809A JP4380979A JPS6228808B2 JP S6228808 B2 JPS6228808 B2 JP S6228808B2 JP 54043809 A JP54043809 A JP 54043809A JP 4380979 A JP4380979 A JP 4380979A JP S6228808 B2 JPS6228808 B2 JP S6228808B2
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JP
Japan
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propylene
weight
unsaturated hydrocarbon
polymerization
block copolymer
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JP54043809A
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JPS55137116A (en
Inventor
Masayuki Fujii
Mitsutaka Myabayashi
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔〕 発明の背景 技術分野 本発明は、耐熱性にすぐれかつ軟質特性を有す
るプロピレン共重合体に、さらには耐熱性と耐衝
撃性のバランスにすぐれプロピレン共重合体、な
らびにその製造法に、関する。 近年、自動車部品、家庭用電気製品部品、電気
ケーブル被覆材料などにおいて耐熱性にすぐれた
軟質、半硬質の材料の開発が期待されている。一
般に軟質、半硬質の材料としては塩化ビニル、エ
チレン共重合体などがあるが、これらは耐熱性に
おいて不充分である。本発明は、耐熱性にすぐれ
た軟質特性を有する材料を提供するものであつ
て、本発明による素材は単体としてあるいはエラ
ストマーとのブレンドにより、耐熱性と軟質特性
のバランスにすぐれた材料となりうるものであ
る。 一方、食品包装などの分野では、高温殺菌など
高温での使用に耐えられかつ耐衝撃強度にすぐれ
た素材の開発が望まれている。例えば、ハイレト
ルト食品用などの内装フイルムとしては現在プロ
ピレン単独重合体ないしはプロピレン−エチレン
共重合体が使用されているが、これらは耐熱性が
不充分である。従つて、本発明は耐熱性と耐衝撃
強度のバランスにすぐれた材料をも提供するもの
である。 先行技術 従来、プロピレン系重合体の材料で軟質ないし
半硬質の材料を開発しようとする試みはなされて
いるが、軟質特性が劣るかあるいは耐熱性がプロ
ピレン単独重合体に比しはるかに劣つたものにな
る。 たとえば、プロピレンとブテン−1のランダム
共重合体については、米国特許第2918457号、同
第3278504号、同第3332921号、特開昭50−38787
号、同53−79984号各明細書等に記載されている
が、これらは硬質の共重合体であるか、あるいは
融点が145℃以下で従つて耐熱性におとつたもの
である。 〔〕 発明の概要 上記のような知見に反して、分岐α−オレフイ
ン、スチレンないしはスチレン誘導体のいずれか
とプロピレンとのランダム共重合体は、共重合条
件を選択することによつて融点が145℃以上の軟
質、耐衝撃性を有する共重合体となりうること、
さらに思いがけないことにはこうした低結晶性の
軟質、耐衝撃特性を有する比較的高融点の共重合
体に少割合のプロピレン単独重合部をブロツク共
重合化することで耐熱性が著しく向上すること、
とりわけ、140℃〜160℃における低荷重下での変
形率で示される耐熱性が著しく向上すること、が
本発明者らによりみいだされた。 さらに、このプロピレン単独重合部を少割合で
ブロツク共重合化することによる剛性の増加、耐
衝撃性の低下への影響は耐熱性の増加に比しては
るかに小さいこと、プロピレン共重合体中の該不
飽和炭化水素化合物(分岐α−オレフインまたは
スチレンないしスチレン誘導体)の含量が増すに
つれてプロピレンブロツク共重合体は170℃以上
の高融点を有する共重合部分を含有するようにな
ること、さらにこの高融点部分を少割合含有する
ことでプロピレンブロツク共重合体の耐熱性がさ
らに一段と向上すること、もみいだされた。すな
わち、このプロピレンブロツク共重合体が耐熱性
と軟質特性のバランスにすぐれた材料となること
ならびに耐熱性と耐衝撃性のバランスにおいても
すぐれた材料となること、が判つたのである。 従つて、本発明によるプロピレンブロツク共重
合体は、下記の(1)、(2)および(3)によつて定義され
ること、を特徴とするものである。 (1) 極限粘度が0.3〜15dl/g(135℃デカリン
中)であること。 (2) プロピレン単独重合部(イ)2〜30重量%とプロ
ピレンと炭素数5〜12の分岐α−オレフインお
よびスチレンないしスチレン誘導体からなる群
から選ばれた不飽和炭化水素化合物とのランダ
ム共重合部(ロ)98〜70重量%とからなること。 (3) プロピレンブロツク共重合体中の該不飽和炭
化水素化合物の含有量が3〜70重量%であるこ
と。 〔〕 発明の具体的説明 1 ブロツク共重合体−本質的性質 (1) 組成 本発明によるプロピレンブロツク共重合体
は、(イ)プロピレンの単独重合部と、(ロ)プロピ
レンと特定の不飽和炭化水素化合物(すなわ
ち、炭素数5〜12の分岐α−オレフイン、ま
たはスチレンないしスチレン誘導体)(詳細
後記)とのランダム共重合部、とからなる。 プロピレンとこの不飽和炭化水素化合物と
のランダム共重合部とは、プロピレンと該不
飽和炭化水素とが同時に存在する条件下で重
合が行なわれて生成した部分をいう。プロピ
レン単独重合部とプロピレンランダム共重合
部とからなるプロピレンブロツク共重合体と
は、プロピレン単独重合部を形成させる工程
とそこで生成したリビング重合体の存在下に
プロピレンランダム共重合部を形成させる工
程とを経時的に別に実施して得られるものを
いう。このようなブロツク共重合体は、単独
重合部とランダム共重合部とが一本の重合体
分子鎖に共存しているもの、単独重合体分子
鎖とランダム共重合体分子鎖との物理的混合
物、あるいはこれらの混合物、のいずれかで
あろう。なお、単独重合部およびランダム共
重合部のいずれもプロピレンのみあるいはプ
ロピレンと該不飽和炭化水素化合物のみから
なるものの外に、各重合部の物性を本質的に
変化させない限り少量の共単量体を含んでい
てもよい。また、この両必須重合部の外に、
このブロツク共重合体の物性を本質的に変化
させない限り少量の他の重合体部を含んでい
てもよい。 本発明のブロツク共重合体は、極限粘度が
0.3〜15、好ましくは1.3〜11dl/g(135℃
デカリン中)の共重合体であつて、単独重合
部2〜30重量%好ましくは5〜20重量%と、
プロピレンと該不飽和炭化水素化合物とのラ
ンダム共重合部98〜70重量%好ましくは95〜
80重量%からなる共重合体である。プロピレ
ン単独重合部が50重量%を越えると共重合体
の剛性の増加、耐衝撃性の低下が著しく、
140℃〜160℃における耐熱性は増加するもの
の耐熱性と軟質特性ないし耐熱性と耐衝撃性
の望ましいバランスが得られない。一方、プ
ロピレン単独重合部が0.5重量%未満では、
ほとんど耐熱性−剛性および耐熱性−耐衝撃
性のバランス改良の効果があらわれない。 このブロツク共重合体中の該不飽和炭化水
素化合物含量はいかなる値でも良いが、一般
に3〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、
最も好ましくは8〜40重量%、程度であるこ
とがふつうである。また、このブロツク共重
合体中のプロピレン含量は、30〜97重量%好
ましくは50〜95重量%、最も好まくは60〜92
重量%、であることがふつうである。 (2) 不飽和炭化水素化合物(A) プロピレンと共重合してランダム共重合部
を構成する不飽和炭化水素化合物の一群は
C512の分岐α−オレフインであり、他の一
群はスチレンないしスチレン誘導体である。
これは各群内および各群間で併用することが
できる。 (イ) 分岐α−オレフイン この分岐α−オレフインとしては、下式
で表わされるものが適当である。 CH2=CH(CH2nCR1R2R3 ここでmは0〜7の整数であり、R1
メチル基またはエチル基であり、R2はC1
のアルキル基であり、あるいはR1
R2とは相互に結合してC3のシクロア
ルキル基を形成し、R3は水素、メチル基
またはエチル基である。 この一般式で表わされる単量体には、3
−メチルブテン−1、3−メチルペンテン
−1、3−エチルペンテン−1、3−メチ
ルヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、4・4′−ジメチルペンテン−1、4−
メチルヘキセン−1、5−メチルヘキセン
−1、5・5′−ジメチルヘキセン−1、
3・5−ジメチルヘキセン−1、3・5・
5′−トリメチルヘキセン−1およびビニル
シクロヘキサン等がある。 これら分岐α−オレフインの中で好まし
いものは、4−メチルペンテン−1、3−
メチルブテン−1および3−メチルペンテ
ン−1である。 (ロ) スチレンないしスチレン誘導体 スチレンないしスチレン誘導体として
は、下式で表わされるものが適当である。 ここで、nは0、1、2または3であ
り、XはC1のアルキル基である。 この一般式で表わされる単量体には、ス
チレン、パラ−、オルソ−、メタ−メチル
スチレン、パラ−、オルソ−、メタ−エチ
ルスチレン等がある。 なお、このランダム共重合部はプロピレ
ンと不飽和炭化水素とからなり、従つてこ
れは本質的には炭化水素からなるところ、
少量の他の共単量体を含むことが差支えな
いことは前記した通りであるが、そのよう
な共単量体として上式のXがニトロ基、ア
ミノ基、カルボキシル基、ハロゲン基、ま
たはヒドロキシル基であるスチレン誘導体
を使用することができる。 これらスチレンないしスチレン誘導体の
中で好ましいものは、スチレンである。 本発明で最も好適な不飽和炭化水素化合
物としては、4−メチルペテン−1、3−
メチルブテン−1、3−メチルペンテン−
1およびスチレンがある。 (3) 結晶性その他 上記の必須的条件を有することに加えて、
本発明ブロツク共重合体は、その好ましい実
施態様では、沸騰n−ヘプタン可溶分を10重
量%以上、好ましくは20重量%以上、最も好
ましくは30重量%以上、含有する低結晶性部
分に富んだ共重合体である。 沸騰n−ヘプタン可溶分が10重量%未満で
は、軟質特性、耐衝撃特性に劣るばかりでな
く、プロピレン単独重合部を少割合共重合す
ることによる剛性ないし耐衝撃性と耐熱性と
のバランスの改良効果があらわれない。 沸騰n−ヘプタン可溶分は、円筒ロ紙にサ
ンプルを入れソツクスレー抽出器で沸騰n−
ヘプタン還流下で4時間抽出することにより
求められるものである。 2 ブロツク共重合体−熱的性質 本発明によるブロツク共重合体は、上記の組
成上の条件の外に、特性の熱的性質に関する条
件を有していることが好適である。 本発明の共重合体は示差走査熱量計
(DSC)分析において融解ピークがすべて145
℃以上、好ましくは150℃以上に存在するか、
あるいは、145℃以上、好ましくは150℃以上で
融解する部分の融解熱量Q(cal/g−共重
合体)が、総融解熱量Q(cal/g−共重合
体)の40%以上、好ましくは30%以上、特に好
ましくは20%以上であることが好ましい。 融解ピークが145℃以下に存在する共重合
体、あるいは145℃以上で融解する部分の融解
熱量が総融解熱量の40%以下である共重合体
は、耐熱性、とりわけ140〜160℃における低荷
重(0〜3Kg/cm2)下での加熱加圧変形率であ
らわされる耐熱性、が著しく劣つたものになつ
て、プロピレン単独重合部を少割合共重合した
ことによる耐熱性の増加が顕著にあらわれ難
い。 本発明のブロツク共重合体は、DSCに基
く、170℃以下で融解する部分の融解熱量Q
(cal/g−共重合体)と該不飽和炭化水素含量
C(重量%)とが下記(1)式をみたすとき、さら
に耐熱性と耐衝撃性ないし耐熱性と軟質特性の
バランスにすぐれたものとなる。 Q<0.18(100−C) ………(1) 好ましくは下記(2)、最も好ましくは下記(3)の
範囲にQ(cal/g−共重合体)があるのが
さらに適当である。 Q<0.16(100−C) ………(2) Q<0.14(100−C) ………(3) 本発明のブロツク共重合体は、DSCに基く
融解曲線が複数のピークを有し、かつ最低温度
を示す融解ピークが145℃以上に存在し、最高
温度を示す融解ピークが170℃以上に存在する
ときさらに耐熱性と耐衝撃性のバランスないし
耐熱性と軟質特性のバランスにおいてすぐれた
ものとなる。 さらには、DSCに基く170℃以上で融解する
部分の融解熱量Q(cal/g−共重合体)が
総融解熱量Q(cal/g−共重合体)の3%
以上、好ましくは5%以上、最も好ましくは10
%以上、を有するときにも、本発明ブロツク共
重合体は耐熱性と耐衝撃性のバランスないし耐
熱性と軟質特性のバランスにおいて、一段とす
ぐれたものとなる。 本発明におけるDSCに基づく融解特性は下
記測定法による。 Perkin−Elmer製の示差走査熱量計「モデル
DSC−2」を用い、共重合体サンプル5mgを
窒素気流中で250℃で3分間加熱融解した後、
10℃/分の冷却速度で60℃迄冷却して結晶化さ
せ、さらに10℃/分の昇温速度で融解させなが
らサーモグラムを得る。これからピークに対応
する温度を読みとつて、融解ピーク温度とす
る。一方、融解熱量は、標準物質として融解熱
量が既知のインジウムを用いて得たサーモグラ
ムとベースラインとの間の面積から、先ず単位
面積当りの融解熱量を求め、これと本発明の共
重合体についてのサーモグラムの面積との比較
から求める。 3 ブロツク共重合体の製造 本発明のプロピレンブロツク共重合体は、立
体規則性重合触媒の存在下に重合の第一段階で
プロピレンを総重合量の0.5〜50重量%に相当
する量まで単独重合させ、第二段階でプロピレ
ンと該不飽和炭化水素化合物とが同時に存在す
る条件下で総重合量の50〜99.5重量%に相当す
る量まで共重合させることによつて製造するこ
とができる。 重合の第一段階におけるプロピレン単独重合
量は、好ましくは総重合量の2〜30重量%、最
も好ましくは5〜20重量%の範囲、したがつて
第二段階のプロピレン−該不飽和炭化水素化合
物のランダム的共重合量は、好ましくは総重合
量の98〜70重量%、最も好ましくは95〜80重量
%の範囲である。 重量はn−ヘキサン、n−ヘプタンなどの炭
化水素系溶媒中にて行なつてもよいし、液化し
たプロピレン媒体中ないしは該不飽和炭化水素
化合物を媒体としてもよいが、表面粘着性のな
い共重合体を得るには、n−ヘキサン、n−ヘ
プタンなどの炭化水素系溶媒を用いてスラリー
法にて行なうのが適している。 重合の第一段階でプロピレンと該不飽和炭化
水素とのランダム共重合を実施したのち第二段
階でプロピレン単独重合を実施した場合には、
逆の場合に比べて剛性と耐熱性のバランスない
し耐熱性と耐衝撃性のバランスが若干劣つた共
重合体となるばかりでなく、パウダー嵩密度が
低いポリマーとなる。さらに、n−ヘキサン、
n−ヘプタンなどの炭化水素系溶媒中で重合を
実施したときには、不要な溶媒溶解物の生成が
増加する。 重合は、通常は常圧〜100気圧、好ましくは
常圧〜30気圧の重合圧力範囲内で、連続方式な
いしはバツチ方式のいずれの方式によつても実
施可能である。連続方式を用いた場合には、重
合槽を2槽以上使用して、一槽目でプロピレン
単独重合を、二槽目以後でプロピレンと該不飽
和炭化水素が同時に存在する条件下でランダム
共重合を実施するのがよい。バツチ方式におい
ては第一段階でプロピレン単独重合を行ない、
その後プロピレンを系外にパージするかプロピ
レンを残存したままで、ひきつづきプロピレン
と該不飽和炭化水素化合物とのランダム共重合
を実施する。プロピレンと該不飽和炭化水素化
合物とのランダム共重合は、プロピレンと該不
飽和炭化水素化合物を連続的に供給するか、ま
たは該不飽和炭化水素化合物をまず一括で供給
したのちプロピレンを連続的に供給して行なう
のがふつうである。 本発明による重合では、第一段階の重合を0
〜80℃の範囲内の温度において実施したのち、
第二段階の重合をこの第一段温度より少なくと
も5℃高い温度でかつ40℃〜100℃の範囲内の
温度で重合するのが望ましい。すなわち、該不
飽和炭化水素化合物はプロピレンとのランダム
共重合においてプロピレンよりはるかに反応性
が低く、工業化に際しては該不飽和炭化水素化
合物の転化率の向上が重要な問題であるとこ
ろ、本発明者らの見出したところによればこの
共重合を40〜100℃、好ましくは60〜90℃、最
も好ましくは70〜90℃、の高温において実施す
ると、該不飽和炭化水素化合物の反応性がプロ
ピレンの反応性の増加に比し著しく増加するの
であるが、一方高温において共重合を実施した
場合はパウダーの嵩密度が低下すると共にn−
ヘキサン、n−ヘプタンなどの炭化水素系溶媒
中で重合を実施したときに生成する溶媒への溶
解物の量が著しく増加するという問題がある。
しかるに、プロピレンと該不飽和炭化水素化合
物とのランダム共重合に先だつて、プロピレン
単独重合をこのランダム共重合における温度よ
り5℃低い温度で、かつ0〜80℃、好ましくは
30〜70℃、最も好ましくは40〜60℃、の温度で
実施すれば、生成重合体パウダー嵩密度が大巾
に高まりかつn−ヘキサン、n−ヘプタンなど
の炭化水素系溶媒中で重合したときの溶媒溶解
生成物の量が大きく減少する。 重合はn−ヘキサン、n−ヘプタンなどの炭
化水素溶媒中によるスラリー重合の他、公知の
いずれの重合法をも適用できるが、特に該スラ
リー重合法あるいは液相無溶媒重合法が好適で
ある。また重合の際に分子量調節のため水素を
使用することもできる。 本発明の重合においては、立体規則性重合触
媒、例えばチタン成分と有機アルミニウム化合
物とを主成分とする触媒、を用いる。チタン成
分としてはα、β、γ、またはδ型の三塩化チ
タン、塩化マグネシウムなどの担体に三塩化チ
タン、四塩化チタンなどのチタン化合物を担持
したもの、あるいは四塩化チタンを有機アルミ
ニウムで還元してから錯化抽出処理したチタン
化合物などが用いられる。とくに、四塩化チタ
ンを有機アルミニウム化合物を用いて還元して
得られる塩化アルミニウム含有三塩化チタン、
(三塩化チタンと塩化アルミニウムとの共晶複
合物と考えられる)から、錯化剤を用いて塩化
アルミニウムを抽出除去してなる三塩化チタン
が最も適している。このような三塩化チタンを
チタン成分触媒として用いると、プロピレンと
該不飽和炭化水素化合物との共重合において、
他のチタン成分を用いたときに比べて該不飽和
炭化水素化合物の反応性が大きくなる。さらに
生成する重合体パウダーの嵩密度が大きく、n
−ヘキサン、n−ヘプタンなどの炭化水素系溶
媒中で重合を実施した時の溶媒溶解生成物の量
が著しく小さくなる。 有機アルミニウム化合物成分としては、一般
式AlRaY3-aで表わされる化物を用いる。aは
0a3の任意の数、Yはハロゲン基、Rは
炭素数1〜18の炭化水素基であつて好ましくは
アルキル基、アリール基である。具体的にはト
リエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウム
クロライドなどが好ましい。 この必須二成分の組合せからなる触媒には、
第三成分として少量の電子供与体が組合されて
もよい。特に、塩化マグネシウムなどの担体に
担持されたチタン成分を用いる場合には、むし
ろ少量の電子供与体の添加が望ましい。電子供
与体としては、有機酸エステル、エーテル、ア
ミン、アミド、アルコール、ケトン、アルデヒ
ド、フエノール類などが用いられる。その詳細
については、特開昭54−158489号公報を参照さ
れたい。 4 実験例 下記の実施例および比較例は、本発明を説明
するだけのものである。 特に示さない限り、オルゼン曲げ、剛性(10
゜角)はASTM D−747−70に準拠したもの
であり、加熱加圧変形率およびDSC分析にお
ける140℃以上の温度で融解する部分の融解熱
量の総融解熱量に対する割合などは下記の方法
に基いて測定したものである。 加熱加圧変形率の測定 耐熱性を評価しようとする共重合体をプレス
ないし射出成型等により厚さ2mmのシートにす
る。このシートを、縦10mm、横10mm、厚さ2mm
の試験片にきりとる。 この試験片を所定温度(150℃)に維持した
シリコンオイル浴中で加圧板間にセツトして、
荷重を所定量(1Kg)載せて試験片に圧力を印
加する。試験片の経時的変形量をダイヤルゲー
ジにより求め、下式により加熱加圧変形率
(%)を算出する。 加熱加圧変形率(%) =試験片の変形量/試験片の厚さ(2mm)×100 実施例 1 撹拌翼を備えた8リツトルのステンレス鋼製重
合器にn−ヘプタン2.3リツトルを送入し、充分
に窒素置換したのちジエチルアルミニウムクロリ
ド1.5g、三塩化チタン(丸紅−ソルベイ化学社
製TAU触媒)0.3gを入れた。温度を50℃としプ
ロピレンを150g/時の速度で、水素を50c.c./時
の速度で導入し、30分間にわたつてプロピレンの
単独重合を行なつた。 その後、プロピレンを系外にパージし、300g
の4−メチルペンテン−1を一括して入れた。ひ
きつづき70℃に昇温して、プロピレンを75g/時
の速度で、水素を25c.c./時の速度で導入し、6時
間にわたつてプロピレンと4−メチルペンテン−
1のランダム共重合を実施した。 重合終了後、大過剰のメタノールで触媒を分解
するとともに、生成ポリマーを繰り返しn−ヘプ
タンで洗浄した。別後、得られたポリマーを90
℃で一昼夜減圧乾燥した。 得られたブロツク共重合体の物性の測定結果
は、表1に示した通りである。ブロツク共重合体
中の4−メチルペンテン−1の含量は赤外線吸収
スペクトルで920(cm-1)にあらわれる吸収の吸光
度から求めた。ブロツク共重合体中のプロピレン
単独重合部の割合は、上記実施例のと同じ条件で
別途プロピレン単独重合部分のみを実施したのち
ただちにメタノールで触媒を分解して、実施例と
同じ条件で洗浄、別、乾燥して得られたポリマ
ーの重量(Ag)をプロピレン単独重合部の重量
とし、これの上記実施例で得られたポリマーの重
量(Bg)に対する割合(A/B×100(%))から求 めた。 以下に記す実施例、比較例においてブロツク共
重合体中の4−メチルペンテン−1含量、プロピ
レン単独重合部の割合は、同様にして求めたもの
である。 実施例 2 プロピレン単独重合の時間を50分とした以外
は、すべて実施例1と同じ方法を用いた。得られ
たポリマーの物性を表1に示した。 実施例 3 プロピレン単独重合の時間を1.5時間とした以
外はすべて実施例1と同じ方法を用いた。得られ
たポリマーの物性を表1に示した。 比較例 1 プロピレン単独重合の時間を0分とした以外は
すべて実施例1と同じ方法を用いた。得られたポ
リマーの物性を表1に示した。 実施例 4 ジエチルアルミニウムクロリド3.0g、三塩化
チタン(丸紅−ソルベイ化学社製TAU触媒)0.6
g、4−メチルペンテン−1の送入量を450gと
した以外はすべて実施例2と同じ方法を用いた。
得られたポリマーの物性を表1に示した。 実施例 5 プロピレン単独重合の時間を1.5時間とした以
外はすべて実施例4と同じ方法を用いた。得られ
たポリマーの物性を表1に示した。 比較例 2 プロピレン単独重合の時間を0分とした以外は
すべて実施例4と同じ条件を用いた。得られたポ
リマーの物性を表1に示した。 比較例 3 プロピレン単独重合の時間を1.5時間とし、こ
の間のプロピレンならびに水素のフイード速度を
それぞれ450g/時ならびに150c.c./時としたこ
と、およびランダム共重合の最初にフイードする
4−メチルペンテン−1の量を400gとしたこと
以外は実施例1と同じ方法を用いた。得られた共
重合体の物性を表1に示す。 実施例 6 4−メチルペンテン−1の供給量を600gとし
た以外はすべて実施例4と同じ条件を用いた。得
られたポリマーの物性を表1に示した。 実施例 7 プロピレン単独重合の時間を1.5時間とした以
外はすべて実施例6と同じ条件を用いた。得られ
たポリマーの物性を表1に示した。 比較例 4 プロピレンの単独重合の時間を1.5時間とし、
この間のプロピレンならびに水素のフイード速度
をそれぞれ450g/時ならびに150c.c./時としたこ
と、およびランダム共重合の最初にフイードする
4−メチルペンテン−1の量を780gとした以外
は実施例4と同じ方法を用いた。得らた共重合体
の物性を表1に示す。 比較例 5 プロピレンの単独重合時間を0分間とした以外
は実施例6と同じ方法を用いた。得られた共重合
体の物性を表1に示す。
【表】 実施例 8および9 4−メチルペンテン−1の代りに同一重量のス
チレンを入れること以外は実施例4および5と同
じ方法を用いた。得られたポリマーの物性を表2
に示した。 比較例 6 4−メチルペンテン−1の代りに同一重量のス
チレンを入れること以外は比較例2と同じ方法を
用いた。得られたポリマーの物性を表2に示し
た。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の実施例7によつて製造された
ブロツク共重合体の示差走査熱量計(DSC)分
析による融解曲線を表わしたものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の(1)、(2)および(3)によつて定義されるこ
    とを特徴とする、プロピレンブロツク共重合体。 (1) 極限粘度が0.3〜15dl/g(135℃デカリン
    中)であること。 (2) プロピレン単独重合部(イ)2〜30重量%と、プ
    ロピレンと炭素数5〜12の分岐α−オレフイン
    およびスチレンないしスチレン誘導体からなる
    群から選ばれた不飽和炭化水素化合物とのラン
    ダム共重合部(ロ)98〜70重量%と、からなるこ
    と。 (3) プロピレンブロツク共重合体中の該不飽和炭
    化水素化合物の含有量が3〜70重量%であるこ
    と。 2 立体規則性重合触媒の存在下に重合の第一段
    階でプロピレンを総重合量の2〜30重量%に相当
    する量になるまで単独重合させ、第二段階でプロ
    ピレンと下記不飽和炭化水素化合物(A)とを両者が
    同時に存在する状態で総重合量の98〜70重量%に
    相当する量になるまで共重合させることを特徴と
    する、下記(1)、(2)および(3)によつて定義されるプ
    ロピレンブロツク共重合体の製造法。 (1) 極限粘度が0.3〜15dl/g(135℃デカリン
    中)であること。 (2) プロピレンと炭素数5〜12の分岐α−オレフ
    インおよびスチレンないしスチレン誘導体から
    なる群から選ばれた不飽和炭化水素化合物(A)と
    のランダム共重合部、98〜70重量%とからなる
    こと。 (3) プロピレンブロツク共重合体中の該不飽和炭
    化水素化合物(A)の含有量が3〜70重量%である
    こと。
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