JPS6228633Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プレス機械の金型を交換する場合
あるいは機械部品や被加工品等を搬送する場合に
用いるジブクレーンに関するものであつて、安定
状態で高揚程の吊上げ搬送を行なうことができる
ジブクレーンを提供することを目的とするもので
ある。

次にこの考案を図示の例によつて詳細に説明す
る。

第１図ないし第６図はこの考案をプレス金型交
換用ジブクレーンに実施した第１実施例を示すも
のであつて、プレス機械におけるコラム１３の側
部に垂直な管状の保持部材２が配置され、その保
持部材２はコラム１３に固定された複数のガイド
用ブラケツト１４に対し昇降自在にかつ回動不能
に嵌合され、前記保持部材２の上方に配置された
微速昇降用減速機付き電動機１５はコラム１３に
固定された支持用ブラケツト１６に固定され、前
記電動機１５の回転軸に連結された垂直な昇降用
螺杆１７は前記保持部材２の上端部に固定された
雌ねじ部材１８に螺合され、さらに保持部材２の
上端部と前記支持用ブラケツト１６とに、螺杆１
７を被覆する蛇腹筒１９の端部が固定され、前記
電動機１５により螺杆１７を正回転または逆回転
させると、保持部材２が微速で上昇または下降移
動されるように構成されている。

保持部材２に設けられたストライカ２０により
操作される上限停止用リミツトスイツチLS１お
よび下限停止用リミツトスイツチLS２は前記コ
ラム１３に固定され、かつ前記保持部材２には、
上下のガイド用ブラケツト１４の間において上下
一対の支承用フランジ２１が固定されると共に、
そのフランジ間において水平な保持アーム１の基
端部が回動自在に嵌合され、その保持アーム１の
先端部には水平な支持アーム４の基端部が縦軸５
により枢着され、支持アーム４は先端側において
横方向に間隔をおいて２又状に分岐している分岐
アーム３を備えている。

支持アーム４の中間部に２個の縦型ガイドシー
ブ２２が横軸により回転自在に取付けられ、かつ
各分岐アーム３には、その長手方向に間隔をおい
て配置された複数の横型ガイドシーブ２３，２４
が縦軸により回転自在に取付けられ、さらに各分
岐アーム３の先端部には縦型のガイドシーブ１１
が横軸に回転自在に取付けられ、また各分岐アー
ム３の基端側の側面にはアーム回動操作用ハンド
ル２５が固定されている。

支持アーム４の基端部に支持フレーム６の下部
が固定され、その支持フレーム６の上部には、横
方向に延長する上部支持部材２６の中間部が中間
ピン２７により枢着され、上部横部分と下部横部
分とそれらを一体に連結する縦部分とからなる下
部支持部材２８における前記上部横部分の端部
は、前記上部支持部材２６の一端部に対しピン２
９により枢着され、かつ下部支持部材２８におけ
る上部横部分の中間部には、電動チエーンブロツ
ク９の上端部がピン３０により枢着され、さらに
前記上部支持部材２６の他端部と、前記下部支持
部材２８における下部横部分の端部とに、公知の
過負荷検出用ロードセル３１の上端部および下端
部がピン３２により連結されている。

前記電動チエーンブロツク９は、２個のロード
シーブ８を有し、各ロードシーブ８は、電磁ブレ
ーキ付き電動機３３により回転軸４７および歯車
減速装置を介して回転される共通の中空の駆動軸
７に一体に設けられ、各ロードシーブ８に独立し
て巻掛けられたロードチエーン１０は、それぞれ
支持フレーム６に取付けられた縦型のガイドシー
ブ３４、支持アーム４に取付けられた縦型ガイド
シーブ２２、分岐アーム３に取付けられた横型ガ
イドシーブ２３，２４および分岐アーム３の先端
部に取付けられたガイドシーブ１１に順次巻掛け
られ、各ガイドシーブ１１から垂下している各ロ
ードチエーン１０の垂下端部には、それぞれフツ
クからなる吊り具１２が連結されている。

各分岐アーム３の先端部の内側に受金具３５が
固着され、支持盤３６は前記各受金具３５と支持
アーム４における分岐部の上面とに載置されてボ
ルト３７により着脱自在に固定され、かつターン
テーブル３８の下部に固定された中心軸３９は前
記支持盤３６に固定された軸受４０に嵌合され、
さらに支持盤３６の上面には軸受４０の周囲にお
いて３個以上の球型支承体４１が固定され、その
球型支承体４１における回転自在な球体４２によ
り前記ターンテーブル３８が支承されている。ま
た各分岐アーム３の内側間隔はプレス機械の上ラ
ムの直径よりも大きく設定されている。

なお図において、４３はプレス機械の金型、４
４は電動チエーンブロツクの操作ボツクス、４５
はプレス機械４６のテーブルである。

金型の交換を行なう場合は、まず電動チエーン
ブロツク９の各ロードチエーン１０を繰り出して
各吊り具１２を下降し、次いで各吊り具１２をテ
ーブル４５の上に置かれている金型の両側の係合
部に係合したのち、電動チエーンブロツク９を巻
上げ方向に運転して金型を吊上げる。次に第１ア
ーム１および第２アーム４を第１図に実線で示す
位置から鎖線で示す位置まで水平方向に回動した
のち、電動チエーンブロツク９を巻下方向に運転
して金型を床上に下ろす。次に前記各吊り具１２
を金型から外したのち、その金型を所定の保管場
所まで運搬する。

次に他の金型をプレス機械の近くの床上に置
き、かつその金型の両側の係合部に各吊り具１２
を係合したのち、電動チエーンブロツクを巻上方
向に運転して金型をテーブル４５よりも高レベル
に吊上げ、次いで保持アーム１および支持アーム
４を水平方向に回動して、金型をテーブル上の所
定位置の上方に位置させ、次にチエーンブロツク
を巻下方向に運転して金型をテーブル上の所定位
置に下ろす。

金型をテーブル上に下ろすとき、電動チエーン
ブロツクの巻下方向運転により金型をテーブルの
上面近くの位置まで下ろしたのち、前記微速昇降
用減速機付き電動機１５を下降方向に運転して、
金型を微速でテーブルの上面まで下降してもよ
い。

前記ターンテーブル３８は上ラム部品を載置す
る受台として用いられる。

前記支持盤３６およびこれにより支持されてい
るターンテーブル３８を取外しておけば、各分岐
アーム３の間に上ラムを収容できるので、上ラム
を下ろした状態でも、ジブクレーンにより金型の
交換作業を行なうことができる。

第７図ないし第１０図はこの考案の第２実施例
を示すものであつて、第１実施例における受金具
３５、支持盤３６およびこれにより支承されるタ
ーンテーブル３８等が省略されているが、その他
の構成は第１実施例の場合と同様である。

前記実施例の場合は、プレス機械のコラム１３
の外面あるいは構造物の壁部等により支持されて
いる保持部材２と、その保持部材２に基端部が回
動自在に取付けられている保持アーム１と、その
保持アーム１の先端部に基端部が回動自在に取付
けられている支持アーム４とを備えているウオー
ル型ジブクレーンにおいて、前記支持アーム４に
固定された支持フレーム６に、共通の駆動軸７に
固定された２個のロードシーブ８を備えている電
動チエーンブロツク９が取付けられ、各ロードシ
ーブ８に独立して巻掛けられた２本のロードチエ
ーン１０は、前記各分岐アーム３の先端部に取付
けられたガイドシーブ１１に巻掛けられて垂下
し、各ロードチエーン１０の垂下部にそれぞれ吊
り具１２が取付けられているので、１台の電動チ
エーンブロツクを運転することにより、金型等の
被運搬物を、同期して昇降される２個の吊り具１
２により２点支持して、安定状態で低レベルから
高レベルの範囲にわたつて迅速に吊上運搬および
吊下運搬することができ、そのため前記従来のよ
うな金型仮受台を使用する煩雑な中間支持作業を
行なうことなく、床上およびテーブル上間の金型
搬送あるいはその他の被運搬物の高揚程搬送を、
安定状態で容易にかつ迅速に行なうことができ、
また独立した２本のロードチエーン１０を垂下さ
せる２個のガイドシーブ１１は、プレス機におけ
る上ラムを収容できる間隔を保つて配置された分
岐アーム３の先端部に取付けられているので、プ
レス機における上ラムを下降させた状態でも金型
等の吊上搬送を行なうことができる。

この考案を実施する場合、保持部材２をコラム
１３に対し昇降移動しないように取付けてもよ
く、また支持アーム４の基端部を、固定支持台に
対し縦軸により回動自在に取付けてもよい。

この考案によれば、基端部が縦軸５により回動
自在に支持されている支持アーム４が、先端側に
おいて横方向に間隔をおいて２又状に分岐してい
る分岐アーム３を有し、支持アーム４に固定され
た支持フレーム６には、共通の駆動軸７により駆
動される２個のロードシーブ８を備えている電動
チエーンブロツク９が取付けられ、各ロードシー
ブ８に独立して巻掛けられた２本のロードチエー
ン１０は、前記各分岐アーム３の先端部に取付け
られたガイドシーブ１１に巻掛けられて垂下し、
各ロードチエーン１０の垂下部にそれぞれ吊り具
１２が取付けられているので、１台の電動チエー
ンブロツク９を運転することにより、金型その他
の被運搬物を、同期して昇降される２個の吊り具
１２により２点支持して、安定状態で高揚程の吊
上運搬および吊下運搬を行なうことができ、かつ
支持アーム４は横方向に間隔をおいて分岐してい
る分岐アーム３を備えているので、プレス機械に
おける上ラムその他の部材が下降している場合で
も、支持アーム４を各分岐アーム３の間に前記上
ラムその他の部材が入り込むように移動すること
により、被運搬物を上ラムその他の部材の下方に
搬入したり、上ラムその他の部材の下方から搬出
することができる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図はこの考案の第１実施例を
示すものであつて、第１図はプレス機械とプレス
金型交換用搬送装置との配置関係を示す概略平面
図、第２図はプレス金型交換用搬送装置の一部縦
断正面図、第３図はその一部縦断側面図、第４図
は第２アームおよびこれにより支持盤を介して支
持されているターンテーブルを示す平面図、第５
図はその正面図、第６図は同期駆動される２個の
ロードシーブを有する電動チエーンブロツクの一
部を示す縦断正面図である。第７図ないし第１０
図はこの考案の第２実施例を示すものであつて、
第７図はプレス金型交換用搬送装置の一部縦断正
面図、第８図はその一部縦断側面図、第９図は支
持アームの先端部付近を示す平面図、第１０図は
その正面図である。 図において、１は保持アーム、２は保持部材、
３は分岐アーム、４は支持アーム、５は縦軸、６
は支持フレーム、７は駆動軸、８はロードシー
ブ、９は電動チエーンブロツク、１０はロードチ
エーン、１１はガイドシーブ、１２は吊り具、１
３はコラム、１４はガイド用ブラケツト、１５は
微速昇降用減速機付き電動機、１６は支持用ブラ
ケツト、１７は昇降用螺杆、１８は雌ねじ部材、
２１は支承用フランジ、２５はアーム回動ハンド
ル、３５は受金具、３６は支持盤、３８はターン
テーブル、４６はプレス機械である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基端部が縦軸５により回動自在に支持されてい
   る支持アーム４が、先端側において横方向に間隔
   をおいて２叉状に分岐している分岐アーム３を有
   し、支持アーム４に固定された支持フレーム６に
   は、共通の駆動軸７により駆動される２個のロー
   ドシーブ８を備えている電動チエーンブロツク９
   が取付けられ、各ロードシーブ８に独立して巻掛
   けられた２本のロードチエーン１０は、前記各分
   岐アーム３の先端部に取付けられたガイドシーブ
   １１に巻掛けられて垂下し、各ロードチエーン１
   ０の垂下部にそれぞれ吊り具１２が取付けられて
   いることを特徴とするジブクレーン。